The Days

遠い日々の景色と、見知らぬ町に出かけたくなる七つの曲。
70〜80年代のクロスオーバー/フュージョンを回想させながら、
今を鮮やかに表現するクワイエットヴィレッジ、初のオリジナルアルバム。


2000年前後、YMOのコピーバンド・イベントに参加し異彩を放っていたQUIET VILLAGEが、長い年月を経て、旅の心象風景をテーマにしたオリジナルアルバム『THE DAYS』にたどり着いた。
本作品は、ズバリ「クロスーオーバー/フュージョン」だ。1970〜80年代にかけて一世を風靡したジャンルであり、親父世代には懐かしく感じるだろう。だが、彼らのライブの客層は、明らかにその頃を知らない世代が多い。
彼らの音楽は、古く懐かしいものでは決してなく、今の時代にきちんと届くのだ。
今回、多くの名録音を残してきたエンジニア加納洋一郎氏との出会いにより、その"音"の魅力を余すことなく表現したアルバムが完成した。
クールな楽曲と、ふせゆみ氏によるユルいイラストとのギャップも楽しい。


1.PEOPLE (作曲:生松秀之)
2.GO AHEAD (作曲:八田裕之)
3.Green Window (作曲:八田裕之)
4.A Passenger (作曲:八田裕之)
5.南風 (作曲:八田裕之)
6.滑走路 (作曲:八田裕之)
7.THE DAYS (作曲:八田裕之)

■試聴サイト
https://soundcloud.com/quietvillage1997/the-days
 
QV Original Member:
 八田裕之(Guitar)
 生松秀之(Synthesizer,Vocoder,Programming)
 錢天牛(Bass)

Musicians:
 原川マコト(Piano,Keyboards)
 菅田直人(Drums)
 佐藤直子(Percussions)


■八田裕之(G)ロングインタビュー
http://allabout.co.jp/gm/gc/444841/

その他、Amazon,タワレコ,HMV等
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 【終了しました】2014年8月3日(日)
 青山月見ル君想フ
 開場 18:30 / 開演 19:00
 adv. 3000円 / door. 3500円+1d
 メイトリアークと2マンライブ
 会場にてCD先行発売!

ひょんなことから知り合い、五反田の赤提灯・かね将(名店!)でレコ評を書く約束をしてしまいました。そんな八田さんから受け取ったのは、生活と旅が地続きにある、八田さんそのもののようなアルバム。
様々なスタートアップを応援してくれる1曲目「PEOPLE」。深夜の高速で左右にレーンチェンジしながら流したい、疾走感ある「GO AHEAD」。「Green Window」は曲名のとおり「みどりの窓口」に並んでいるときのような、静かな、内なる高揚感あふれるナンバー。八田さんの言う船旅なら、僕は「さんふらわあ」で、瀬戸内の夕陽を眺めながら聴きたい。
「A Passenger」は、すぐ好きになった曲。人生っていいなあ!と思う。僕は普段、旅にBGMはいらない派ですが、九州新幹線(特に博多からの下り)あたりにぴったりな気がする。
5曲目は、あ、ちょっとこういう気分を忘れていたかも、オトナだからこそ自由に遊ばなきゃ、と思わせる「南風」。爽やかドキドキしっぱなし、でも安定感を感じさせる「滑走路」で思い浮かべたのは、ボーイング747-400の羽田-千歳便。恋したくなるナンバーでもある。
希望を伝えるメッセージ「THE DAYS」は、少年を封じ込めていたオトナの男たちへの、優しいエール。時には振り返る日もあるけど、それぞれの前を向いていこうぜ、と。 ハレとケに境目をつけない7つの曲たちは、いまの時代に生きる術を教えてくれる。日々の生活に旅を、旅を日常に。立ち止まらず、ゆるやかに。
人生という旅を楽しむためのヒントがここにある。大袈裟ではなく。

江守敦史(編集者)

いつものように車窓を眺めながら頬杖をついていると、いつになく湖面の光や森の木々やトンネルの暗闇がストーリー性を帯びている。
高速道路や工場や自転車置き場の灯りさえ豊かな意味を持って視界に飛び込んでくる。
お互い会話をしながら躍動し、収縮したり、時間を逆戻りしたりしながら自由に、生を謳歌している。
そうか、今僕はQuiet Villageを聴きながら旅をしていたんだ。

オオゼキタク(シンガーソングライター)

僕は執筆中、音楽をかける。
無音だと、耳が色々な事を考えてしまうので、耳が音楽に包まれている方が考える事に集中出来る。 かつインストが丁度良い。
言葉を生み出す作業のBGMには言葉が無い方が、余白があって良いのだ。
そう思うと、このザ・デイズは丁度良い。
アルバム全体に広がる鉄道に揺られて旅をしているかの様な心地よいリズムが、丁寧な言葉選びを促進してくれる。
中では激しめの曲、GO AHEADデハ、締め切り間際の集中力を与えてくれる。
僕と八田さんとの出会いは鉄道。
僕の鉄道の師匠だ。
twitterを見ているとこの人は週末は必ず鉄道で何処かに出かけている。
QUIET VILLAGEは、八田さんが見てきた日本の景色が音になって表現されている。
旅には出たいけど、なかなか時間が取れない...と言う貴方、このザ・デイズを再生した途端、日本中を旅している気分が味わえますよ。
文章中、デハがカタカナ表記になっているのは、国鉄デハ63100系のリスペクトに他ならない。

土屋礼央(TTRE)

ギタリスト八田くんは知る人ぞ知る筋金入り「鉄っちゃん」。
ちょっと休日があるととんでもない僻地(笑)からの便りがある。
そしてお洒落なジェフ千葉熱狂的サポーター。
そんな彼の音楽へのこだわりは、まさに日本がやたら調子こいていた時代のJフュージョン。
世界の音楽が横断して時差がなくなって行った前世紀末。
新しさも古さもよくわからなくなったときに残ったもの、それはメロディーとグルーヴだ。
この音楽は「俺の好きな音楽はこれだ!」っていう熱がある直球ストレート。
常にメロディックでグルーヴィーなバンドサウンドに彼のジャズ味溢れるギターソロ、小気味よく決まるカッティングが映える。

布川俊樹(ジャズギタリスト)

奇を衒わない心地よさ。
変わらないでいられることの強さ。
1997年に八田(Gt)、生松(Key)、銭天牛(Bs)を中心に結成されたQuiet Villageは、その本質を時代に左右されることなく、『THE DAYS』へと辿り着いた。
70年代の蜉蝣とも言うべき、豊潤なテクノ/ロック・フュージョンを回想させながら、そのサウンドが映し出す旅の景色は、決してセピア色のシルエットではない。
色鮮やかに蘇ってくるのは、少年時代に抱いた大人への憧れや、大人になって気付く少年期の素晴らしき幻想。
そしてそれらは、曲のフェードアウトと共に、今日の空へと溶け込んでいく。
「ドラムの練習をするくらいだったら、恋愛をしなさい」。
これは、八田が敬愛するミュージシャン、高橋幸宏氏の名言。
テクニックのある若者なら、きっとたくさんいるだろう。
でも、このアルバムに収められた、深みのある音色とテンポ感は、簡単には生み出せないし、作ろうと思って、出来るものではない。
大人の旅って、案外といいものだ。

布施雄一郎(音楽テクニカルライター)

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