POB-6200A 50MHz 200W / SD2931(MRF150互換)リニアアンプ

  ↑これから張り切る新品のSD2931とSD2932                 ↑ すでに死んでいる幻の200W MRF150MP

受信も良くなったところで、とびの改善にリニアアンプに挑戦したいと思います。

石は、お手ごろなMRF150X2を試したらピカッと光って死にました。

それで、急遽、別の石にすることにしました。石は、SD2931とSD2932の二つこしらえたいと思います。

これから作るところですので、製作日記を連載したいと思います。
2006.1.22 Update

 

  左の写真が、SD2931x2のリニア 基板です。原始的にマジックで手書きのパターンを
 つくりエッチングしました。頭の中で100mmX150mmのガラスエポキシの基板に イメージ
 して直接書きました。最近では、CADで作られる方が主流だと思いますが、昔からこの
 方法で作成しています。マジックで書くのが好きなものですから。ただし消しゴム用に
 シンナーまたはマニュキュアの除光液が役に立ちます。
  そして、FETやら抵抗・入出力のトランスの現物をあてがい、サイズを測って 書き込み
 あまり格好のよいもののではありませんが、自作ですからこれで十分だと思います。
 前回の反省でTRから発生する熱処理がありました。やはり、真空管と違ってTRは、
 放熱が重要です。シリコングリスを薄く塗って準備しました。
   基板は、紙フェノールでも良いと思います。しかし、何回も調整のために抵抗やコンデンサ
 を付けたりはずしたりする可能性があるのでガラスエポキシの基板が無難といえます。
 また、マジックで書くとインクのムラが発生しますので、できればビニールテープを形に合わせて
 カットして張り付けるとよりきれいに仕上がると思います。

 次に、入出力のトランスです。
 出力側は、43材の長めのコアを2本接着剤で引っ付けました。
 入力側は、同じく43材のメガネコアを秋葉原の斉藤電気で入手しました。
 中に巻いてある線材ですが、25オームのテフロン同軸を秋葉原界隈で探しましたが
 あいにく見つかりません。日本での小売の入手は難しいのでしょうか?
 ということで、1m400円近くする銀メッキのテフロン線を巻くことにしました。
 入力側は、1:4(2回巻き)で出力側は。1:9(3回巻き)で作成しました。
 また、各コアの中は真鍮のパイプではなくて、家に転がっていた5D-SFAの芯線
 皮膜の銅箔と外の網線を加工し、パイプレスで安価なパイプもどきを作成しました。
 完成したところです。
 回路はいたってシンプルで、左右のFETに別々のバイアス回路は設けていません。
 マッチドペアではありませんがその点を気にせずにやってみました。
 SD2931の製造元であるSTマイクロからいくつかのアプリケーションをDLしましたが
 分けてあるのとないのとがあり、とりあえず簡素化した回路テスト開始しました。
 回路はチューンアップ完了してからアップしたいと思います。
  入力はIC756pro3の最小パワー(1W程度)でノーバイアスで開始しました。
 恐る恐る電源をいれ、38Vを供給。パワー1W以下を入れました。
 いきなり終端型パワー計で150Wくらい出ています。すぐに電源をとめる。
 それでは、出力側のトリマーをまわして容量を変えてみる。
 すぐに、200Wを超えるポジションを発見しました。
 入力側のSWRは、1.1で張り付いています。どうも幸先がいいワイ!!!!
 
   調子にのって調整とチューンアップを繰り返している最中に、送信パワーが
 変動していることに気がつきました。出力側のコアを触ってみるとすごく発熱しています。この熱によってインピーダンス
 が変動しているのかなと思いました。さすがに出力側のコアサイズが小さすぎたのでしょうか?
  次に、AB1級に変更するべく、バイアスの電圧を調整しはじめました。いろいろの資料を見るとアイドルで片方250mA
 位流れるようにするためには、Gate Source間の電圧が2.5Vとありますので、VRを少しづつ上げていきました。
 ピカーーーーーーー。ドレイン側から閃光と共に電流が流れなくなりました。
 おっと・・・・多分死んだかなと思いながら、1Wほど入力しますと案の定、片側のFETが飛んでいます。
 頭の中が真っ白になり、ベランダの野外喫煙室(ホタル族なもので)に向かう中年のおじさんがいました。。。とほほ。

   よ-し、次のチャレンジとばかり力任せにFETを交換し、再チャレンジ今度は慎重に
 慎重を重ねてバイアスをあげていきました。丁度2.5V付近で今度は反対側のFETから
 ピカ--------。いったい何が起こっているのかわからずじまい。
 そこで、SD2931のテクニカルマニュアルを再度チェックしました。IDq250mA付近
 あります。これを電圧換算するとどうも2.5Vは高すぎるようです。なるほど、MRF150
  とは違うようですね。
 それと、出力側のトランスのインピーダンスも12オーム前後あることもわかり、次々
 と改良に次ぐ改良がすすみました。
 最終的に、バイアス注入を分けて電圧は2.25V以下で、入力1:4 出力 1:4 の巻数
 トランスで快調に動くことがわかりました。
 結果的に、アイドル電流をそれぞれ200mAになるように設定し、入力1Wで150W
 出力で、ちょっとひねって、入力2Wで200Wを超えました。ドレイン電圧48V電流は
 7.75Aで、効率53.3%です。もう少し出力トランスをいじくれば効率があがると思います。
 テクニカル資料によると、65-70%はいけると思います。

                    あとは、ヒートシンクだと思います。結構発熱しますのでここが命かもしれません。

 さて、大体のリニアの構図が出来上がりました。しかし、バイアスの電圧安定と温度補償についてさらにステップをすすめる必要が
 あると考えました。YAHOOのオークションやネット上の製作記事には、簡易温度補償が設計されています。しかし、FETの安定

 性や過去にFETをいくつも飛ばした経験から、温度補償がいかに重要かわかったからです。

そこで、ダイオード単体の簡易なものでなく、ICとサーミスターを使用した、温度センサー
使用したバイアスの温度補償安定化電源を製作することとしました、
 FETのバイアス回路はバイポーラトランジスタと異なり、電圧さえ一定であればそれほど電流
を消費しません。そこで、IC1本で制御する回路を作ってみました。
ICは、NJM723Dというレギュレタ−用のものです。東京・秋葉原の秋月に電源キットを販売して
いましたが、今は店頭では見かけません。その他に、MC1723・LM723・μPC723が同様の性能
があります。日本無線(JRC)のサイトからNJM723のデータをダウンロードし基本回路を参照
しました。このICは2-40Vの電圧を可変できるようで、FETリニアのレギュレターとしては申し分
ない能力があります。
 本来は埋め込み基板にしたいところですが、外付けで小さなバイアスレギュレター基板を作成。
リニア本体のバイアス回路を取り外してこのICサーキットを付け加えました。
 最初は、サーミスターをFETに近づけていたのですが、温度センスがかなり反応するため、基板の温度を吸い上げる形の回路
に変更しました。現在は、スイッチオン時は、ボディ温度が低いため電圧が若干高くなりIDq電流は流れますが温度の上昇と共に
安定化に向かいます。これでバイアス・電源まわりはかなり安定し温度補償についても信頼性がましました。
 名づけて、POB-6200Aの完成です。(POwer Booster 6meter 200w type A)
 ↓添付の写真のように、シャーシに組み込みヒートシーリングとフィルターと共にリニアアンプ基板をセットアップしてみました。
最初は、基板に放熱効果を高めるため、3mm厚の銅版をつけていました。しかし、銅版と放熱板の間に隙間ができるため、
取り外してFETに直接取り付けています。こちらのほうが、熱をきっちり吸い込んでくれるような気がします。笑
 そして、送受信の切り替えには、RIGからリレー出力を取り出して同軸リレーの制御に使用しています。
最初は通常のミニチュアリレーをいくつか試しましたが、インピーダンスの問題で受信感度がおちる点と、このアンプの増幅度が
高いため、入出力間での容量を相当下げないと発振の原因となってしまいます。その二つを解決するために同軸リレーを
使用しています。同軸リレーは、斉藤電気でTohtsu® Co-Axial Relays CX1054を2個購入し使用しました。
  ここで一番調整が難しいのがフィルターです。スペクトルアナライザーやシグナルジェネレーターかトラジェネなどと
測定器が必要になります。最初はデップメーターでなんとかなると思っていたのですが、実際測定すると基準オーバー!
 ついつい、オークションにて2つの測定器を入手し、フィルターを製作いたしました。
何しろ50Mhzは60db以下のスプリアス基準ですから65dbはほしいところです。
そこで、π型のローパスフィルターを9段にして100Mhzで-60db 150Mhz -55dbのフィルター単体の減衰を実現しております。
ローパスフィルターは奥が深いようですので、別のコラムにて作成方法も含めて詳しく記入したいと思います。
 
POB-6200A上面写真
POB-6200A 回路図を掲示いたします。
 先に作成しました、POB6200Aに引き続き、6200Bの作成にとりかかりました。一枚の基板に全ての回路を組み込んだものです。
 今回の工夫としては、全体的に回路の位置を変更しシンプルにいたしました。
 また、入力側のインピーダンスを整合させるため、トリマーコンデンサーを追加いたしました。回路が少し変わっています。
 
  サイズは150×200mmの基板で製作しています。バイアス回路におまじないのRFCチョークを入れました。
 回路が発振しやすいためです。出力側のコイルには、今回初めて銅パイプを使ってみました。
 この方が安定するのですが、効率は高いとはいえません。やはり、同軸の編線の方が特性もよく高周波
  には向く様です。ただ、発熱はかなり収まりました。コアは、5B4とかいうものを斉藤電気で手に入れました。

 できれば、ローパスフィルターもこの回路の中に入れたいのですが、200X200mm位のサイズがないと
  収まりがつきません。最低、-40dbは必要なので次回にトライしたいと思います。
 
 というわけで、2005.12.28付けで総務省より50Mhz 200Wの許可がおりました。やっと2号機も出来上がりました。
この記事に関して何かご質問がありましたら遠慮なくご連絡ください。できる限りお答えしたいと思います。
    お読みいただいたご感想をぜひBBS(メッセージボード)へお書きください。次の実験のヒントにさせていただきたいと思います。

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