EB104 2-30Mhz 600W MRF150X4 case study

     ↑今回も関税の無かった平行輸入                      ↑CCI社から受け取った部品の中身

 今回作成するのは、MRF150をパラレルプッシュプルするリニアアンプです。MRF150はお馴染みのFETで現在MA/COM
  が製造しています。今回も米国のCommunication Concept Inc.社よりモトローラのAPPRECIATION NOTE AN779を
 参考にした、EB-104なる再現性の高いキット(2-30Mhz 600Wリニアアンプ)の製作にかかりたいと思います。
  またもや、CCT社のマレリー女史に電話をかけて、そのほかに必要な部品を色々と発注し、送り状の番号まで聞きました。笑
  マレリー女史も覚えていたようで、Oh I remember your name and order last timeとか言って、なかなかの商売人。
   早速基板を組み立てるところから入ります。もともと、MRF150用に作られた基板ですのでSD2931でもそのまま使用可能
 とおもいきや、FETの特性が異なることから、微調整がひつようとなります。一番の違いは、ゲート・ソース・ドレイン間の静電
 容量です。規格表をみると一目瞭然です。また、バイアスの電圧も異なるようです。
 SD2931では、2.3V程度に電圧を上げますと、Idqが150mAほど流れます。規格表では250mAとの表示もありますが、
 過去に、流しすぎてFETを昇天させた経緯もあり、1本あたり150mA程度に抑えています。また、この基板では夫々バイアス
 抵抗値を変えられるように半固定抵抗が4箇所ついていますので、その点、マッチドペアの石でなくても使用できるようです。
 EB104の調整風景です。左が電流計で右はバイアス電圧を測定してい
 ます。半固定抵抗は、ホテンションメーターとなっていないため、ちょっとした
 動きで電圧が変わりその結果Icqがいっきに流れ込んだりする場合が
 あります。双方のテスターをにらめっこしながらバイアス調整をします。
 このバイアス回路は、LM723といレギュレターでMr. Gran Barg氏が得意
 とする回路です。FETはバイポーラトランジスターと異なりバイアスに電流
 がほとんど流れませんので、このICと1KΩ・2W程度の抵抗で50Vから
 落としこむように設計されています。
 調整は慣れれば簡単です。誰でもできるのではないかと思います。
 下にちょっと大き目の写真をアップしておきます。
 
 なかなかコンパクトな基板ですよね。実際に45V程度をかけて動作テストを行うことにしました。
 ご覧のように、14Mhzでのテストですが、電流は25A程度流れました。
 入力1125Wで出力580Wくらいです。効率は51.5%ですから余り高い
 とはいえません。出力トランスに取り付けてあるマイカーコンデンサーの容量
 を変えてやれば、良い特性が出るのではないかと推察します。
 また、SD2931とMRF150の比較では。パラレル状態にしたときは、MRF
  150の方が効率が高いことが過去の実験でわかっています。
 これは、多分出力コイルのいピーダンス変換で一番効率の良いところの
 バッファがMRF150の方に分があるためだと勝手に思っています。
  このほかの周波数では、低いほうが効率がよく高くなるほど増幅度が
 低くなるようです。また、出力側のマイカコンデンサーも相当熱を持ちます
 ので、耐圧が足りないのではないかと思っています。

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JA1BOP 2006.8.16 update

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