最強 2-50Mhz 1KW / MRF154PPリニアアンプ

     ↑今回は関税の無かった平行輸入                      ↑CCI社から受け取った部品の中身

 今回作成するのは、MRF154プッシュプルのリニアアンプです。MRF154は一本でドレイン損失が1350Wあります。
 そのようなFETを使用しますからもちろんお値段も張ります。通常2本で10万円はする代物ですから簡単に昇天させる
 わけにもいがず、今回は米国のCommunication Concept Inc.社よりモトローラーの2-50Mhz 1KWリニアアンプを
 忠実に再現したキットを並行輸入して使用することにしました。再現性を重視しましたので、どなたでもキットを購入すれば
  同じ結果がでると思います。私は、コアとか基板とか新たな技術を習得できる事をたのしみに作成してまいります。
 

  とりあえず3mm銅板を3枚重ねて基板に部品を乗っけたところです。なかなかいい感じですね。基板の自体は綺麗に

 メッキされており、裏表のスモールホールも綺麗にあいているようです。
 全体的に、使用されているコアが小さいですね。入出力トランスや電源用のチョークコイル用のコアも小さいのです。
 私の200Wアンプの方がはるかに大きいコアを使っています。入力側のコアは、太さ9mm長さ19mmってところです。
 出力側は、テフロン同軸を使用していますが何Ωかわかりません。コアは、太さ14mm長さ56mmと私の600Wリニアの方が
 はるかに太い感じです。長さは57mmなので同じようです。
 また、チョークコイルのニクロム線は太さ2mmですが、基板の穴に通りません。ドリルで少し大きく穴を開ける必要があります。
 さらには、出力トランスの両端についているパイプ止めのエポキシ基板は、左右の上下が反対に半田付けされており、

 このまま基板に装着すると出力の給電部のところがアースとショートしてしまいます。"米国製ですからまあいいっかあ"

  資料をいろいろ物色してみたのですが、既にこの基板をMRF154PPで作成された 方がおられるようで、50Mhz帯は
 残念ながら600W程度収まってしまうとの記述がありました。多分、出力側のインピーダンスがあわなくなっているのだと
 思います。50Mhzの効率を上げるとHFを犠牲にしてしまうと、モトローラーの設計 記事にありました。そのあたりについては、
 トライ&エラーで石を飛ばさないようにしてがんばりたいと思います。
 
  やはりこの石は迫力がありますね。重さは74g/と並みのトランジスターではありません。
 単価もUS$445と桁外れの価格であります。多分、CPUの価格に匹敵すると思いますし、
 下手したら真空管の方が安いかもしれません。
  3-500Zで\18,000位ですし、4CX600(1.1KW)でも\37,000程度で購入できます。しかし、
 そのほかのソケットや電源周りと一つ一つの部品を取り揃えるとかなりの額になってしましいます。
 特に、セラミック管はヒーターを十分あっためることと、使用後も冷却をしないとプレートが溶ける
 とかいわれています。
 その点、トランジスターは構造的に簡単です。ただ、失敗すると一瞬のうちに石がピカッと光り
 昇天してしまう危険性もあります。一本3000円くらいのFETを飛ばすのにもショックが大きい
 のに、10万円が一瞬で飛んでしまうわけですから、怖くて使えないですよね。
 メーカーがこぞって小さな石をいくつも並べるのもコストの問題を考えると頷けます。
  何とか基板への部品の半田付けが完了しました。小さなチップコンデンサーが沢山あり、ピンセットが無いとカッコ良く装着
 するのに、火傷をしてしまいそうです。実際に火傷をしました。また、回路上に無いコンデンサーがあり、実際に掲示されて
 いるものとは幾分回路・仕様が異なっていることがわかりました。技術の進歩により改善されたのでしょうか?

  組み立てが完了しテストを待っている基板です。デジカメが古いので良い色が出ませんが、ご勘弁願います。笑

 一番大変だったのは、銅板とヒートシンクの穴あけです。なかなか素人だと上手く穴の位置が一致しないのです。
 銅板も3枚重ねていましたが、2枚に減らして6mm厚くらいになりました。適当に半田付けをこなして行き、最後にFET
  の足を切って長さを調節し、NFB用の抵抗にリード線を取り付けて終了です。
   さて調整ですが、銅板とFETの接触面がフラットにつきにくく、放熱効果を狙った銅板ですが上手く機能して
 いないことに気づきました。そこで、アルミのヒートシンクに直接取り付けることを試みました。
 こちらのほうが上手く放熱してくれます。
  引き続き実験を続けました。14MHzで10Wほど入れると44Vで30A以上電流が流れます。出力は700W位をさして
 いますが、あいにく電源がこれ以上のテストが出来ないため、とりあえずテストを休止いたします。電源をもう一台足して
 50V30A以上を流せる状態にしてからサイドテストを行いたいと思います。MEF154からはかなり熱が出ますので、放熱板
 も工夫が必要のようです。

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JA1BOP 2006.3.26 update

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