難しいご質問ですが・・・


[ これへの返信を読む ] [ これへの返信を書く ] [ フォーラム目次 ]

記載者:安達治雄・信子 on August 14, 1999 at 00:52:53:

元の記事:設計士になるには? /記載者:藤本 学 on August 11, 1999 at 17:33:23:

「建築設計士」はよく耳にしますが言葉としては本当は間違いです。すなわち (1)日本特有の技術資格としての「(一級または二級または木造)建築士」、あるいは (2)世界的には一般的な概念である「建築家=architect」〜すなわち私たちの built environment(建築などによる、人工環境)に対しその美的側面を含め責任を持とうとする職業〜 の どちらかを指していると考えられます。もっとも、実際には建物を設計する職業として一般には曖昧に使われているのが実態なのでしょう。
国家資格としての一級建築士については、建築専門教育の修業年数と実務経験年数の組み合せで受験資格が得られ、この資格が無いと、ある程度以上の大きさの建築物の設計業務を自分の名において出来ないことになっています。
アーキテクト(建築家)の方は、目下の日本の現状ではこの資格が(世界に遅れ)未だ制定されておらず、自らを倫理的に律することばとして、また一部ではある種のタレントといったニュアンスで使われています。

さて、(A)実務労働時間が極端に多い (B)覚えなければならない知識が本当に際限なく多く、また常に新しい情報を仕入れ更新せねばならない (C)収入は自営する限り不安定で、一部の成功者を除き多くの場合まことに乏しい (D)同業者が多く、結果として倫理観に欠如した一部の輩により、知的生産であるにもかかわらず自らの営みを価格的過当競争におとしめたり、また商品の論理を誤って適用し無料サービスを当然のように要求する依頼者も増えたりしている (E)あなたがこうすれば美しいと思うことと、依頼者がこうして欲しいと思うこととを一致させるのに非常な苦労を要する場合が多い・・・
等々にめげない自信がおありになれば、建築設計というこの上なく奥が深くまた楽しい営みを職業とするための道はいつでも広大に開かれています。

心理学を学んでおられるとのことなので申しますと、人間の意識は先験的に空間性を有し、人は 時間同様 常に空間に条件付けられていて、空間をデザインするということは即、人間の意識をデザインすることだとすら言えます。人類の歴史の大きな部分が、遺跡等、建築などの空間として残されている事実、観光の目的が煎じ詰めれば自然と建築とその中での人間の生活を見ることであるという事実からも、建築空間の文明における位置が明らかかと思います。
そしてその建築空間は、しかし施工等の技術のフィルターを幾重にもくぐらないと実現せず、「デザイナー」とおっしゃってもデザイン行為の大部分が従って技術の処理にあり、この点は事前に充分把握されることをお勧めします。



これへの返信を読む



これへの返信を書く

お名前:
Eメール:

タイトル:

コメント:
・・・・・・・・

あなたのHPのURL:


[ これへの返信を読む ] [ これへの返信を書く ] [ フォーラム目次 ]