記載者:江口 征男 on October 12, 2106 at 11:24:40:
『JIAマガジン建築家』 06年10月号に掲載されている、
河野進さんの論文、『混乱と迷走を極めた建築士法改正騒ぎ』を支持する。
国交省の「社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会」の審議経過を踏まえ、
「実務の実態を知らない官僚の作文」、
「森田建築士は何故死ななければならなかったのか」、
「もはや官僚に期待するのはやめるべきである」と手厳しいが同感である。
この論文を会報に留めるのはもったいない。
一般紙、少なくとも建築雑誌にはぜひ転載してもらいたい。
私は、国交省HPからダウンロードできる資料やメディアなどの公の情報を
みながら、「基本制度部会」の経過をウォッチしてきた。
7月31日に、
【社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会報告書(案)に関するご意見募集】
http://www.mlit.go.jp/kisha/boshu/boshu59_.html
が公表され、8月18日に閉め切られた。
夏休みの時期にもかかわらず、3893件の国民からの「ご意見」が集まったという。
項目ごとの意見に分ければ、おそらくその十倍以上にはなるのではないか。
8月31日に開催された第11回基本制度部会では、その「ご意見」が【資料2】と
して配布された。
それを読み解けば、国交省にとって都合のいい部分だけを恣意的にまとめた
としか言えないものだ。私の意見はほとんど載っていないからわかる。
しかしその、いわば“改竄されたご意見”でも、討議はしたのかと思っていた。
ところが、翌9月1日には
【建築物の安全性確保のための建築行政のありかたについて 答申】
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/07/070901_2/02.pdf
が出されているのだ。
そのことは、「ご意見募集」は国民に意見を出させただけで、基本制度部会の審議
にもかけぬまま、国交省の担当者が答申をまとめたということを示している。
結局、11回にわたる「審議会」も「ご意見募集」も、国交省にとっては単なるオキマリ
の儀式だったのだ。
「実務の実態を知らない官僚の作文」、 「もはや官僚に期待するのはやめるべき
である」を裏付けている。
誤りがあったら、ご指摘いただきたい。