「笑顔のススメ」


 喜怒哀楽を始めとして、顔には色々な表情が浮かぶ。その中でも、日本人にとって笑った顔は特別である。日本語には「笑顔」という言葉があるが、よく使う言葉ほど短くなることを考えると、笑った顔にだけこのような言葉ができたのもうなずけよう。
 日本は和の国である。以心伝心。昔々、人々がのんびりとした時の流れにたゆとうていた頃の日常である。近年、世界の速い流れに取り残されないようにするために、思ったことのすべてを言葉にしてしまうことが多いが、それでも、日本人の心の根底には、この思いが今も在るのではないだろうか。
 そして、そんな日本人の心を繋ぐのは、笑顔である。「ありがとう」「おはようございます」「はじめまして」そんな言葉も、ちょっと笑顔を添えるだけで、生きた言葉になる。相手に喜びを与える。自分を元気にする。心からの笑顔は、不思議な力を持つものなのだ。某バーガーショップでも「スマイル0円」と謳っているように、相手と気持ちを繋ぐための笑顔は、商品として成り立つほどに、価値あるものなのである。
 泣きたい時は泣けばいい。怒りたい時は怒ればいい。そうして思いっきり感情を爆発させた後には、ちょっぴり笑ってみるのがいい。きっと、その場の空気が和み、自分も安らぐに違いない。笑顔とは、そういうものだ。
 一日のはじまり、人と人とのはじまり、にっこりと笑った顔で、挨拶することから始めてみてはどうだろうか。



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