「物づくりの楽しさ」

最近はアマチュアのアニメ創りも盛んなようで、その手のサイトを見ると制作もアマチュアならでの工夫が見て取れる。
今回はちょっと息抜きしてアニメ創りの話題です。
私のスタジオにはコマ撮りができるVTRがある。ホームビデオでもコマ撮りができるカメラやビデオデッキもあるが、1フレーム単位での録画はできない。大概は1回の操作で7フレームくらい録画してしまう。
これで再生してみると動きがカクカクした感じになってしまい、テレビで見るようなスムーズな動きにならない。
だから通常は8mmフィルムを使ったカメラで撮影するのだ。まぁ、最近ではパソコンで色を付けたり、ビデオ編集ソフトやアニメーション用のソフトなどを使って撮影と編集ができるようになった。
画像を最初からパソコンで作ってしまうのであれば撮影の手間は省けるし、編集ソフトでつなげば一人でもできるようになってきた。それをビデオに録画すれば出来上がりだ。実際はそう簡単ではないけれど、でも出来るようになった。

このような中で、私のスタジオのコマ撮りVTRも活躍する時がある。
学校のクラブでアニメを作ることがあるようで、いくつかの学校が当スタジオを利用されている。
コマ撮り風景学校の授業やクラブとして作るわけだから、一人一人にパソコンを与えてコツコツというわけにもいかず、当然従来通りのセルアニメである。紙に動画を描いて、セルにトレースして、そして彩色。やったことがある人はわかると思うが結構大変だ。それでも自分達で描いた絵が動くというのは楽しいものだ。
その瞬間がここでの撮影である。ビデオだから録画すればすぐ見られる。一枚撮影するごとに絵に動きがでてくる。それを見てみんなキャー、キャー言って喜んでいる。やった人しかわからない喜びだろう。

撮影終わっての記念撮影作品の時間はわずか1分〜2分くらいのものだが、アイデアを練って、それを形にするということは、ものすごい労力を使うのだ。それに単調な作業だったりするし、やってもやっても終わらないように感じるものだ。
しかし、それも完成してみると今までの苦労も吹き飛んじゃう。そして、あーすれば良かった、こーすれば良かったなど反省もあって、もう来年へ向けて夢がふくらむ。
物を作る楽しさは、やってみなけりゃ分からないのだ。


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