「スタントマンの出番」

最近忙しく、だいぶ更新が遅れてしまった。今回の話も6月末のお話です。このあとも色々あるので、できるだけ早く更新したいと思います。

さて、こういう仕事をしていると、たまに今までなかった製品に出会うことがあるが、これもそのひとつだろう。それにしても下の写真を見て、いったい何を背負っているんだろうと思うかもしれないが、これが重要なのです。
一命多助これは工事現場などで落下してしまった場合に、少しでも怪我を少なく、また死亡事故から命を救おうとする安全用品。この製品には開発元の鹿島建設も力を入れているようだ。
年間かなりの数の人が墜落によって、死亡したり、大怪我をしたりしています。
通常、高所作業では安全帯という命綱の着用が義務づけられていますが、移動したりするときなど、必ずしもフックを掛けておけない状況があり、ちょっとしたはずみで墜落してしまうケースが多いのです。

本番に備え、体を慣らすスタントマン そこで、この製品を開発することになったのです。着用していた人が墜落した場合、センサーが感知してベストに仕込んであるエアーバッグが瞬時に開くようになっていて、首・背骨・腰を守るようになっています。ただいま秋の販売に向けて、最終調整に入っているところ。

さて今回は、この製品のPRビデオの制作である。
こういう製品にはビデオでのPRがもってこいだ。当然、落下した際にエアーバッグが開くところがポイントとなる。そこでこのベストを着て飛び降りるわけだが、クライアントの社員がやるわけにいかないので、スタントマンの出番となったのである。スタントはスーパードライバーズの方。
右の写真は、本番前に体を慣らしているところだ。今日は試験場でのテストシーンとデータ収集を行い、後日、実際の工事現場での墜落シーンを撮ることになっている。
もう一つの右の写真はVHSテープを使ってハイスピード撮影ができるカメラだそうで、私は初めて見ました。これで約1000万円だそうです。
ハイスピードカメラと本体ハイスピード撮影のため、かなり明るくしなければ暗い画面になってしまうのが欠点だろうか。ライトは3灯使ったが、まだ暗かった。しかしエアーバッグの膨らむ瞬間がブレがなく見て取れるのは感動してしまう。
こういった特殊な撮影はそう頻繁にあるわけではないので、撮影は結構楽しめます。

さて、いよいよ本番です。ダンボール箱の上にマットを載せ、その上に背中より落下します。
本番 4メートルほどの高さからダイブ!。
左の写真はビデオからキャプチャーしたもの。エアーバッグが膨らむ途中の画面です。
このあと、カメラアングルを変えて3回ほど落下してもらいました。
まだセンサーも開発途中なので、まだまだこれから調整が必要なのと、製品版には形状も変わるとのことだそうです。

その後、横浜で鹿島建設が施工しているビル建設現場で、実際のやぐらの上から墜落するシーンを2カメで撮影した。
落ちる瞬間の表情を撮影するために私もやぐらの上に登り、カメラは手持ちでやぐらの外から撮影する。そのため少し乗り出さなければならないが、なんとか無事終了した。
あっ、そうそう。ようやくこの製品の愛称が決まったそうだ。その名前は「一命多助」。


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