カセレリア 号外第19号

1998.9.1(From bulletin of NGO-FOM)
Visitors to this page since Sep./15/1998

  1. カセレリア19号(FOM代表挨拶)
  2. 通信技術支援ボランティア(辻真一・治美夫妻)
  3. ミクロネシア連邦3島をめぐって(増村 和門)
  4. ミクロネシア連邦渇水状態視察に同行して(川合千代子)
  5. 平成10年3月31日付 決算報告書

会員各位殿 カセレリア19号 FOM代表 本吉義宏

今年に入って日本で、アジアで、そして世界に次々と大きな事件、異変などの間題が運続して起こりましたが、その中でも太平洋を中心とする広大な地域、海域(北南米、中国等をも含む)に旦って無い気候の異変をもたらして季節外れの豪雨による大洪水、逆に旱魃による水不足、それから生じる自然の大火災等の大災害をもたらしたのは、今では、かなりはっきりとあのエル二一ニョに由るものだと確信されているようです。

私達が支援活動を続けて来ました中西部太平洋に拡がるミクロネシアの島々は総て熱帯性降雨林地帯と呼はれ、その殆んどの島々は、年初から5〜6月にかけて特に高温多雨が例年の事なのですが、今年は此の期間旱天続きで雨が全く降らず島々で生活をする島民の方々にとっては、まさに文字通り死活に関わる大問題となりました。

その実情を知り私達に出来る事は何か、私達の会の資金では遠く及ばない事であっても外務省のODAに実態を報告し、救援を訴えなければと考え、東京のミクロネシア連邦大使館とも相談の上、ミクロネシア違邦を構成する4州の中からポンペイ(ポナペ)、チュウク(トラック)、ヤップの3州を訪問し、各州の知事をはじめ州政府の問題担当者に会い、更に出来れば水不足の現場に行って見る事を決心しました。

此の旅は水不足の最中の困難な旅になるので初めての人は避けて常連の東京の鈴木勇氏、西宮市の増村和門氏、それに御主人と共にフィリピンで5年間ボランティアで井戸掘の実体験をされた岐阜県大垣市の川合千代子さんの3人に御同行していただきました。地図を拡げていただくとよく分かるのですか、ミクロネシア通邦の州政府のおかれている島々は、ポンペイ島のような火山島であったり、チユウク諸島のような火山島と共にある珊瑚礁の隆起した島や、遥かなる昔に大陸の一部が地殻変勤によって分離し太平洋にせり出してきたヤップ島等、その成立の形は様々です。

高い山のあるポンペイ島や地盤の堅いヤップ島では、井戸を掘ればある程度真水を得る事が出来ますが、珊瑚礁の隆起によって出来た島々は、井戸を掘っても海水混じりで生活用水としては使えません。 ミクロネシアの島々では太平洋戦争中に日本軍がポナペ島、トラック島などにつくった手掘式井戸が時々見つかりますが、戦後50年余を経て井戸ざらえの習慣も忘れ使用不能となっています。

島民の多くは、生活用氷は天水(雨水)に殆んど頼って来ました。波型のブリキ屋根に降った雨水は樋(現地ではトイ又はトユと呼びます。これも日本時代に始めたのでしようか?)に流れ込み樋から水タンクに集められて使用されます。しかし今では、トタン屋根はとも角、樋は錆びてホロボロになったのが多く見られタンクも金属製のものは錆びて穴が明きコンクリート製のものも完全なものは少ない現状です。

このたびの旱天続きの長い渇水期に各州政府は本島の住民はもとより離島での飲用水の運搬に大変に苦しみました。米軍の払い下げた旧上陸用船艇に水タンクを積み島々に運んだ際も遠浅の浜のある島には近づけず船底の浅いカヌーに積み替えて運ぷにも重さに堪えるカヌーが無く急拠他の島から手配するなど・・。勿論過去にも何度か雨が降るぺき時期に降らず困った事があり、椰子の実の水分で耐えて乗り切ったりしてきましたが、今年のような長期間の水不足は史上初めての事、地球温暖化にも大いに関係ありと思われます。

此の件は勿論FOMの手に負えない大きな問題ですので、ミクロネシア連邦大使館と緊密に意見をまとめてODA等関係機関の御協力を得て実現すぺく、ミクロネシア各州政府からの実情報告を得て資料作成、その他の準備を推めています。 今回は同行した増村氏に約2週間の行動内容のリスト作成及びご自分の見聞したものを率直に書いていただき、川合さんのリポートの1部及び辻君の1文も掲載させていただき、併せて遅くなりましたが、平成10年3月末決算書も未尾に載せましたのでどうぞよろしく。
代表本吉

※11月初めの約1週間のポンペイ(ポナペ)訪問の旅を御希望の方は出来るだけ早急におハガキ、 お電話下さい。コンチネンタル・ミクロネシア航空のスケジユールが変更になりますので
※HOUSE OF FRIENDS OF MICRONESIAの件につきましては、まずミクロネシアの人達が生きるために絶 対に必要な渇水対策に何等かのメドがつく迄、先に延ばします。御理解・御了承を願います。

トップへ


カトリック通信の技術支援ボランティア−辻真一・治美夫妻

カセレリア!フレンズ・才ブ・ミクロネシアの会員の皆様、ポナペに滞在するようになって早一年と3ケ月が経ちました、辻真一・治美です。会員の皆様のお陰によりポナペでの生活にも慣れ、たくさんの現地の人々と親しくなり、日々ミクロネシアの人々の為に元気にボランティアをさせて頂いております。それもみな会員の皆様のお陰と感謝しております。本当にありがとうございます。

昨年5月にポナペに来てから何もわからない中、本吉会長さん、サンTVの辻森放送部長さんのお力添えを頂き、又、たくさんの会員の皆様からの応援を受けて、ミクロネシアのメディアの発展の為に微力ながら力を尽くさせて頂いて参りました。当初私たちはポナペ語はもちろん英語もほとんどわからない中ミクロネシアヘ飛ぴ込み、3ケ月程は全く信用を得ることも出来ませんでした。しかし、CMP(Catholic Media Production)と共に現地の人々の為のTV番組作成を、失敗を繰り返しながら進めるうちに、だんだんと信用を得て、言葉も意志も少しずつ通じるようになってきました。

この1年の間に10本のビデオを作成し、6本のTV放送に成功しました。1作目はポナペ州政府からの依頼で、ミクロネシアオリンピックのハイライト番組を、2作目は日本国大使館からの依頼による地球温暖化現象に関するポナペ語の作品、3作目は日本政府ODAによるミクロネシア連邦政府への援助に関する番組、と最初の3作は政府関係の作品を作りました。そうした中現地のスタッフが少しずつ育って来て、又、信頼関係も出来、いよいよ4作目のTV放送はオリジナルのポナペ人によるポナ ペ語のTVドラマ製作に成功しました。それ以来数作品ビデオ製作依頼を受けて作品を作り、5作目のTV放送はオリジナル第2弾のポナペ語TVドラマに英語の字幕を入れることにも成功しました。 6作目はユニセフからの協力を得て、ミクロネシアに於けるビタミンA欠乏のTV番組を作りました。 ポナペでは、ポナペ語によるポナペ人のTVドラマ・ムービーというものか、今までにほとんどありませんでしたので、現地の人々に大変喜んで頂くことか出来ました。

まだまだポナペのメディアは動きだしたばかりですか、いつの日か、現地の人々の人問だけでメディアを発展させていくことか出来るよう、ポナペの文化をメディアを通して残すことが出来るように、現地スタッフと共に、精一杯頑張っていきたいと思います。

ポナペ 辻真一・治美

トップへ


●ミクロネシア連邦3島をめぐって 増村和門

1997年11月初旬、ポナペ島を訪問し、年も明けた3月、本吉代表からPATSの卒業式に参加した後、チュウク島やヤップ島に視察に行かないかとのお誘いがあり、早速参加希望と連絡しました。
5月上句本吉代表から再度連絡が入りました。その内容は、ポナペ島始めミクロネシア連邦の各島々は、昨年末から現在までずっと雨が降らず、各地で水飢饉が起こっているらしい。あの山か深いポナペ島でも、コロニアでは断水が続いている。まして天水に頼っている(屋根に隆った雨水をタンクに貯め生活用水にしている)離島の人々は飲料水にも不自由し、本島からボートで飲料水を運んでもらっているらしいとの事でした。
この連絡を受けた時は「あ、皆さん苦労しているのだな」といった他人事のような気持ちでいました。

ポナペ島では今迄に経験した事が無い水不足という事で、急遽地下水の活用が課題となり、井戸掘削専門家の派遣依頼が本吉代表の事務所にあって、今回愛知県大垣市の川合千代子さん(会員)が掘削指導のため同行される事になりました。(川合さんはポナペ島だけ視察)
5月19日、本吉代表と川合さんそして私の3人は関西空港から出発し、グアム島で鈴木さんと合流、ポナペ島へ出発しました。

ポナペ島やチュウク島では、幸い私達が出発した5月中旬頃から少しずつ雨が降り、水不足もやや 解消されかかっていました。
しかし、更に南のヤップ島で私達は思いもよらない不自由な生活をしなければなりませんでした。 ヤップ島では、相変わらず雨が降らず、私達が到着した時も全島(政府の役所・ホテル・各家庭全て)厳しい給水制限が実施されていました。ホテルの人の話では、水は2日に1回それも午後4時〜6時のわずか2時間だけ給水されるというのです。だからその間に、自分の部屋のバスとトイレタンクに一杯水を貯めておいてほしいと言われました。
僅かな時間に全島の住民か一斉に使用するのですから、当然水圧が下がり、ホテルの2階3階では水が出たり出なかったりで、バスー杯の水を貯めるのにも苦労しました。
その上、ツイン部屋2人で2日間、洗面・水浴・トイレ・手洗等に使うのですから大変です。洗面器一杯の水で顔を洗い、タオルを絞り体を拭き、最後に残った水で手足を洗うといった具合で、僅かな水も無駄使い出来ませんでした。
3年余り前の阪神大震災での辛かった水不足の体験を思い出しましたか、震災の時は、一部の地域を除き10日〜20日程で一応は復旧しましたが、ヤップ島ではこんな苦しい生活が4ケ月も5ケ月も続いているそうです。 ましてヤップ周辺の離島の人々は、そんな給水も受けられず、僅かな飲料水だけを船で運んでもらっているのが現状だそうです。

今回の視察旅行では思ってもみなかったいろいろな体験をしましたか、その中で特に強く感じた事を述ぺてみたいと思います。 今回、各島々を回って感じた事は、どの島の州政府の役人の方々も、私達一行を大きな期待を持って待っておられた事です。
水飢饉解消のため、どんな知恵でも借りたい、そして何とか現状を打開できないかと、真剣に模索しておられました。本吉代表の指導助言を一言も漏らさず聞き取ろうと真摯な態度で会議に参加されていたし、また離島の実地調査案内の姿の中にも十分伺われました。  一日も早く専門家に実地調査をしていただき、ODAをはじめその他の関係機関の援助によって地下水脈の活用や大規模な天水貯水槽の建設等、水資源の恒久的な有効活用が早期に実現される事を願っています。

今年の異常気象はミクロネシア地方だけで無く、世界各地で水飢僅が起こったり、逆に集中豪雨や季節はずれの台風による大水害か発生しています。これらは一般に「エルニーニョ現象」の影響だといわれていますか、この現象の起こる原因も明確には解っていないようです。世界中の学者か協力して原因究明と有効な予防策か開発されるよう努力していただきたいと思います。

次にチュウク島やヤップ島の周囲にある離島を視察して強く感じた事です。
州政府の建物やホテルのある本島の中心街(コロニア)は、以前から地下水を十分活用して給水されているようですが、本島の周辺部や離島のほとんどの人々は生活用水は天水を利用し(今迄は十分それで賄えたからでもある)井戸の活用の必要性をあまり感じていなかったのではないでしようか。 以前日本が南洋群島(ミクロネシア連邦を含む)を統治していた頃作られた井戸が島のあちこちに残されていましたが、井戸ざらえをしないため、井戸の水が腐敗し、ほとんどの井戸がそのまま放置されていました。これらの井戸は、島の人達に正しい使い方を指導すれば、生活用水として十分利用出来るものと考えます。
一方、州政府の人達の多くは、渇水対策として地下水の活用か一番有効な解決策と考えておられるように思われます。確かに方策としては早くしかも確実なものでしよう。
過去、日本では、急激な工業発展に伴い、生産に不可欠な水資源を安易に地下水に依存しました。その結果は皆さんご承知のように各地の地盤が大巾に沈下し、大水害を起こしたり、防水対策に莫大な費用が使われた苦い経験を持っています。

ミクロネシアの島々は隆起珊瑚礁の平坦な島か多く、火山島があっても奥行きが無く山もそんなに深くありません。これらの島々で無制限に地下水を汲み上げた場合、当然地盤沈下が起こる事が予想されます。島全体か沈下すれば、島の水際に住んでいる多くの島民自身の大問題となります。地下水利用については事前の綿密な地質調査と汲み上げ量に一定の制限が必要となってくると思います。
それよりも多雨であるという気候の特性を活用して、各家庭で天水をもっと多く集め貯蔵する設備を整えたり(補助か必要)、政府資金で島の適当な場所に大規模な地上または地下水槽を建設し、島民共同で使用する等いろいろな方法を模索する事か大切です。

最後にもう一点、ミクロネシアの産業の発展と自然環境保護の関連を考えました。最近、国際自然保護連合という団体がロシア共和国のシベリア地区で、世界の環境保護団体を招き、シベリアの環境保護について会議を開いています。そして「自然は私達の母」「自分達が自然を破壊すればその報いは子孫を襲う」を合言葉に自然環境保護を訴えました。

ミクロネシアは幸い世界に誇る美しい自然を有しています。先進国が次々と自然環境を破壊し苦しんでいる中で、同じ過ちを犯すこと無く、美しい自然を守りなから島民の生活向上発展を目指して欲しいものです。
しかし現状はどうでしょう。島のあちこちに耐久期限のきれた機械・自動車・電気製品・日用品が放置されています。このままでは美しい島もやがてゴミの島と化してしまう恐れがあります。
今後ミクロネシア連邦が、第2次産業を中心に農業・漁業を含め発展に努力される事でしょうが、それと固時に産業廃棄物や生活から生じる廃棄物を正しく処理していく施策を考えていってほしいものです。

今回、ミクロネシアのいろいろな島を巡って多勢の人々と出会いましたか、子どもは勿論、おとなの人々にも大変明るく親切にしてもらいました。彼等の目は人を疑う事を知らず素朴で美しく澄みきっています。また常に笑顔で親切に接してくれました。都会の生活に慣れきった私にとって、何回訪問しても自分の故郷に帰ってきた時のようなやすらぎと安堵感を憶えました。

緑濃いマングローブの林や郷子の生い茂る島々、それを取り巻く何処迄も青い海と白浪それらは燦燦と降り注ぐ太陽のもとで一層光り輝いて見えました。
また、ヤップ島では満天の星空にくっきりと南十字星が眺められたのか印象的でした。

こんな人情味豊かで自然一杯の美しい島々を何時迄も残して欲しいと願うのは、私のわがままなのでしようか。

トップへ


●ミロネシア連邦渇水状態視察に同行して 川合千代子

  1. 調査の目的
    ミクロネシア連邦は通常、台風の発生地といわれ、隆雨量も豊富である。1日中降り続くことはなく、スコールが時々やってくる。通常、水は大変豊富で、洪水による被害のため、家が押し流されたり、台風による荒波に呑まれて、死者かでるほどで、水との闘いの歴史が繰り返されてきた。
    しかし、昨年の暮れより5月にかけて、思いもかけずエルニーニョ現象が押し寄せ、野山は枯れ果て、火災が各所で発生して、動植物が危機に瀕した。日本のテレビニユースでは、漠然と知らされていたが、この目で確かめたうえで、渇水対策の支援方法を検討してみることとした。

    幸いにも恒例のPATS、工業高校卒業式に、本吉代表ほか2名が参加予定であったのに、渇水状況調査のため、随行させていただくことになった。すでにポンペイ諸島においては、雨がもたらされるようになり、緑はある程度に回復はしていた。だが、10数年前にも、これに似た現象が発生したことはあったのだ。災害は忘れかけた頃にやってきて教訓をもたらした。
    そこで、今回は現状を把握し、今後の渇水対策に必要とするものを検討してみることとした。 それと、既存井戸の多くは、かつての日本統括時代の井戸堀り方法が導入されているので、再利用の方法や、手直し回復方法を模索・指導出来ないものか検討することとする。
    なお、ミクロネシア連邦はアメリカからの独立により、統治による援助が完全に切れる数年後を目標に、自立型経済の方向性へと歩まなければならないが、開発の源が安定的水源確保の問題から出発するものと勘案する。しかし、自然環境保全や生活秩序とのパランスも考慮すると、ゆるやかな移行であってほしいと願うものである。

  2. 調査の内容
    1. 水環境および水利用実態の把握
      今回はそこに生活する住民の生活形態を把握し、自然の現象を把握し、水環境をとらえると同時に、経済の動向をとらえることとした。
      1. 自然社会的条件の概要(地形、地質、地域形成、人口、社会生産性の概要)
      2. 水利用の実態(生活、市街地水の利用)
      3. 地下水盆の構造(地質構造、地下水系のモデル、井戸分布、水質)
      4. 河川水の現況
      5. 歴史的背景による水源利用技法
    2. 水環境計画の課題整理
      上記の実態調査結呆を踏まえ、次への実践計画の課題を提起する。
      1. 水需給のパランス
      2. 保全維持法の模索指導
      3. 新取水システムヘの課題
    3. ミクロネシア連邦水環境保全・創造の基本方向の検討
      以上の検討結果より、水利用の課題として、
      1. 補足しなければならない支援方法
      2. 既存井戸の活用法

At office of embassy of JAPAN in Federated States of Micronesa. With an ambassador Takeo YOSHIKAWA.

トップへ


FOM連絡先

フレンズ・オブ・ミクロネシア(F.O.M.)
〒651‐0011神戸市中央区下山手通2−13−10
聯合ビル4階
(株)モトズ・工ンタープライズ内
電話:078−332−3151 FAX:078−327−4818
E-Mail address:MOTOSENT@po.infosphere.or.jp
代表:本吉 義宏

previous pageprevious page next pagenext page


FOM's pageFOM's page PATS's pagePATS's page Home pageHome page


To Webmaster


Friends Of Micronesia/fom-net@amy.hi-ho.ne.jp