過去の記事6(2001.12.28〜2.28)

 

2月28日(水)

金融相場は誇張。

 「13000円はどんなことがあっても引け値では維持する。」という定説?が本日覆されました。13000円をサポートすべく先物を強引に買っていた筋もようやく諦めたことになりますから、今後は、同じサポートをするにしてもやや下方にレンジを移した形になると想定しています。

 当面はインデックスの水準よりもハイテク株から低位株のシフトがどこまで続くのか、どこで逆転するのか、に関心が集まってきたようです。何度も指摘しました通り、同じ器の中を掻き回しているような相場ですので低位株大型株が駄目になればハイテク株の復権につながるでしょう。

 つまり、低位株を注目している人も値嵩株を注目している人も同じことを別の側から見ているに過ぎないことになります。

 決して、新しい資金が金融相場として入ってきている感じではないので、浦上理論で言う金融相場ではなく、逆業績相場の中にあると考えています。なぜなら、金融相場というのは金融機関でさえ不況下の株高に参加してくるような相場を指すのですが、金融機関は今後、リスク資産を圧縮するしかなく時価会計のもとでは金融相場に参加する余裕はないでしょうから、金融相場は幻影に終わると考えた方が良いと思います。

 それどころか、持ち合い解消売りで折角の相場の芽を摘みかねないのが金融機関です。実際、大型株は昨年の3月と9月にはかなりの株数が売られました。

 結局、低位株ハイテク株の「身代わり」で買われているという程度の理解で良いと思います。また、売られているハイテク株の中で、バリュエーションの点で下方硬直性を示すものが出始めていることに注目しています。松下電産旭硝子、オリンパス、三洋電機などがその例でしょう。

 NTTドコモが想像以上に強い感があり、相場の先は決して暗くは無いと考えられる動きもありました。

 日経平均はシカゴのオプションのインプライド・ボラティリティーが下げ相場で大きく上げていないことや、大証オプションのインプライド・ボラティリティーの上昇が限定的であることを見ても、反発力は小さく、また、125−130レンジをSQで想定しているところも多くなってきたようで、下値もみ合いと予想しています。 

2月27日(火)

再度13000円割れの可能性。

 「13000円はサポートされる」という思い込みが形成されつつありましたので、今日の引け方は意外感を持つ方が多かったのではないでしょうか。明日28日に昨年8月の4日分の期日が到来することもあって、今月22日の安値をブレークする可能性も出てきたと考えます。

 最近のだらだらとした相場のせいでMO指数が昨日ゼロに近づいていました。今月21日も同じような感じでしたが、MO指数のゼロ近くは「嵐の前の静けさ」や「相場への無関心」「平穏さ」を現し、直後に急変することが多く、今回も荒れた相場になってきたようです。(MO指数については19日分をご参照下さい。)

 また、銀行株に持ち合い解消売りらしい容赦無い売りが出たことが一段と相場の地合を悪くしていました。持ち合い解消売りは株価が下げ過ぎると少なくなりますが、計画通り売れていない企業が多いと思われますので、上値はすかさず売ってくると見たほうが無難です。

 銀行株は柳沢氏による「最終処理の促進」を材料にしていましたが、日本には法的整理以外に不良債権の買い手が無く、そうした市場も存在しません。新聞によれば「最終処理の意味が分からない」と都銀の首脳陣からぼやきの声が上がっていたと伝えられました。

 「最終処理」とは不良債権を売却するか相手企業が倒産するかですが、現実問題としては失業問題がありますし、柳沢氏の話とは程遠い印象を受けます。

 過去の例で、長銀は配当できる状態でもないのに3円配当をし、株主総会の直後に破綻しました。まず、財務省は全行が無理な配当を止めることを指導すべきでしょう。公的資金を受けながら配当をしているのは銀行が不良債権処理を甘く見ている証拠でしょう。簡単に出来ることもやらないで「最終処理」が出来る訳が無いと思います。

 また、個別ではニコンが好決算でありながら急落したように、ハイテク銘柄を避け低位株の循環物色がしばらく続きそうな感じです。

2月26日(月)

昭和電工と松下通信。

 この2つの銘柄の動きが今の相場を象徴していると思いますし、今後、この銘柄が再度逆向きに方向転換する時点が潮目だと感じます。

 つまり、昭和電工は昨年来低位株の中で最も力強く安定した相場を形成中で、最近ではDIR(大和総研)から推奨のレポートが出て、益々人気化しています。一方、松下通信は業績の下方修正で売られた銘柄の代表格です。

 この両銘柄がそれぞれのグループの代表銘柄としての動きを象徴していると考えられ、昭和電工が上げ一杯になれば、松下通信のリバウンドが始まると見て良いでしょう。昭和電工の範疇には化学株銀行株建設株鉄鋼株などが幅広く含まれているように思われます。半面、松下通信のグループには村田製作を始め、古電、三洋電、ロームなど多くのハイテク株が含まれています。

 日経平均については、新しい資金が入ってきている訳で無く、結局、「高い株を売って安い株を買う」流れが続いているに過ぎませんので、上昇は限定的になり、ボックス圏での動きになりやすいのではないでしょうか。

 オプションのインプライド・ボラティリティーとMO指数が共に低い位置にあり、再度、安値トライも視野に入れておく必要がありそうです。

 また、個別には、昭和電工の他、東亞合成、カヤバ工業、東急車輛、ガス化、豊和工、栃木富士などの低位株の動きを見ています。これらの株まで物色されれば一巡とも言えると思います。低位の銀行株建設株は売りのタイミングが近いと考えています。

2月23日(金)

どうしても上げたい理由。

 当初、銀行は4月からペイオフ開始の予定でしたが、ご存知の通り、約束を反故にして1年延期しました。ところが、証券会社は予定通り4月からペイオフ制度になります。

 銀行はともかく証券会社は現在、目標の3割程度の収益ですが、このまま株が下げ続けると資金が逃げ出してしまいます。ペイオフが延期された銀行のほうが、まだ安全ということになりかねません。

 証券会社はEBも売れなくなり、投信も駄目で株式手数料収入も低迷していますが、弱気を言えば自分の身が危なくなります。

 実は、証券会社の自己資本比率の見直しが行われます。不動産や有価証券を時価で評価し、劣後債の評価法の見直しなどで証券会社の自己資本比率はほぼ全社で下がります。(松井証券でさえ200%台の自己資本比率になっているといわれています。松井の場合は信用取引分の一定割合を自己資本から引く為に大きく下がります。上場を急ぐ必要がある訳です。また、野村証券でも劣後債が2000億円もあり、自己資本を嵩上げしています。)

 今、この時期に株価が下げれば、ペイオフ前をにして、証券会社からの資金流失につながりかねません。また、事業法人も銀行株が下げると評価損が大きくなり不良債権の圧縮が困難になります。それぞれに、どうしても下がっては困る事情があるようです。

 その為、困ったところが「こぞって」ウィンドウ・ドレッシング(期末のお化粧買い)をしていると言われています。最近では、かなり厚化粧になってきましたが、来週は更に「厚く」なるかもしれません。銀行だけでなく、建設鉄鋼まで大商いになっているのは疑問ですし、本来、長期投資であるべき年金資金が期末対策に使われている可能性があります。

低位大型株の活況。

 大型株が元気ですが、それは3月を前に金融緩和の切り札が出るという期待感からのようです。ただ、ある程度は活況になっても上値では持ち合い解消売りが出ることは確実でしょうから、買い進むにはリスクがあります。上値でヘッジ売りも面白そうです。

 結局、来週も材料仕手株が循環的に買われる展開で幕間つなぎをするように思います。個人は店頭小型株と仕手系株を投機的に売買していていますが、いまのところ12月や1月と比べて元気なようです。しかし、人気が続かない銘柄が多すぎます。

2月22日(木)

3兆円に利息を供給。

 16日現在の裁定残を東証が発表していますが、3週連続で増加し、3兆1403億円でした。先物を高く買うという行為はこの裁定取引業者に巨額の金利を提供することになります。先高観があまり無い中で、昨年の10月ぐらいから先物を割高に買う傾向が続いています。

 先物の吊り上げ効果により、東証1部の値下がり銘柄が974銘柄もある中で、319の値上がり銘柄で指数を上げている形になりました。

 値下がり数が値上がり数の3倍あるのですが、日経平均採用銘柄では値上がり銘柄数のほうが多いという事実に注目しています。まるで、TVニュースで13000円割れと騒がれたくない為にだけ買っているような印象を受けます。指数が実体を反映しないおかしな相場をいつまで続けるのでしょうか。

 そして、金利を稼いでいる裁定業者は外資系証券会社が中心です。彼らにたやすく金利をあげている者は誰なのか、どの資金なのか、大いに問題です。実体は不明ですが、この方法が日本経済の問題先送り体質そのものであることはお分かり頂けると思います。

 相場は生き物ですから、13000円台を大きく割れないとみて買い持ちにし、思惑が外れても誰も補填してくれませんから、モラル・ハザードを起こさないようにしたいものです。

 また、今のようなマニピュレーション相場では投資家がしらけてしまい、参加者が減少することが懸念されます。証券界にとっては業績不振が延長されることになりそうです。

公共事業の丸投げ問題。

 自治大臣であった西田氏の会社(西田興産)がトンネル工事で落札業者と工事業者である若築建設の間に入って「丸投げ」していた事件が発覚しました。ある意味で賄賂と変らない性格のものです。勿論、犯罪行為です。

 明るみになり驚いたのが、公共工事の価格です。最初に落札した業者が19億円で、西田元自治大臣の会社が16.4億円で引き受け、若築には12.6億円で丸投げしていました。西田氏の会社は3.6億円も何もせずに儲けたと報道されています。

 もし、最初から若築建設が受注していれば6.4億円も税金がたすかったことになります。若築がさらに下請けに出すことを考慮すれば、公共工事はおよそ半額で出来ると推測出来ます。

 景気対策といって公共事業ばかり熱心ですが、実際は二分の一で工事が出来るなら、減税でも景気対策が行えた訳です。例えば、今必要な「配当の二重課税」を廃止出来ます。

 そして、今の政権は減税せずに(二倍かかる)公共事業を続け、株式は年金や税金で買い支える最も拙い政策を実施しているということになります。

 多分、この部分に群がる「政官財の共同体」が構造改革を妨げていて、一方で、株式は下げさせないという矛盾した考えを転換できないことが相場の閉塞感をもたらしていると思われます。

2月21日(水)

摩訶不思議な日経平均先物。

 裁定取引の残は現在約3兆円(26.6億株)あります。下げ相場でありながら、先物のヘッジ売りより買いの圧力が強い為、依然として順ザヤ状態が続き、裁定残が増えています。裁定残はある意味で「仮儒」と同じですから、不発弾を抱えて走っているようなものです。

 もし、PKOを先物でやっているなら、公然と言明しなければ、PKOが外れた時に参加者に不測の損害を及ぼすことになります。マーケット参加者にとっては「余計なお世話」であるに違いありません。

 裁定業者にとって、現物に配当が付く今の時期に裁定残を増やすことが出来るのはたいへん喜ばしいことですが、それは仮儒ですから、4月以降に決算が終わったから上がると期待しても、その時期に逆鞘が続けばいくらでも下げてしまいます。

 PKOでないなら、理論値よりかなり割高に先物を買うことのメリットはどこにあるのか理解できません。意図的に高く買わなければ、もっと安く買える状態ですから、本当に儲けたいなら下値で指値し買い持ちにすれば良い筈です。その意味で「儲けたくない先物買い」という摩訶不思議な買い方をする投資家がいて、マニピュレーション(相場操縦)でも、それが景気対策ということでしょうか。

ドコモ株の還流。

 3月までの相場を見る上でNTTドコモが最も重要な位置を占めると思われます。トーヨーカネツ洋エンジの仕手戦などはどうでも良いことと思います。NTTドコモの跳ね返り玉がどの様に処分され、安値を付けるのか?これ次第で売られている優良株グループ全般が下値を固めて反発へ向えるかどうか占うことが出来ると思います。

 ドコモは期末に相場がリバウンド出来るかどうかの試金石ではないでしょうか。やがて見直しになるMSCIの入れ替えでは「NTT売りのドコモ買い」になるとの指摘が多く聞かれます。債券のように流動性の高い株として、期末のシンボル・ストックになるかどうか東証の銘柄中、最もマークが必要な銘柄と言えましょう。

 余談ですが、NTTは日本のネットにおけるインフラの発展を遅らせる元凶でもあります。韓国ではADLという高速回線が中心になっている為、日本とは比べ物にならないほどコンテンツが充実し、ネット・ビジネスも発達しています。例えば、証券分野では、新興の未来証券というネット専門の業者が全証券の注文数の約3.3%のシェアがあり、ネット業者で全体の約60%のシェアになります。

 高速回線である為、板情報など重い情報もストレス無く伝播されます。そして、ネットからの注文が6割にもなれば、相場自体が大きく変貌してきます。過去と異なる要因が将来予測の鍵ですが、ブロード・バンド化がマーケットの姿を変えるとは誰が予測しているでしょうか。証券市場からみても、業績がやや下方修正になろうとも古河電工松下電産の優位性は変らないと思います。

2月20日(火)

人工的な相場。

 大引けのインデックス買いもあり、日経平均は高値引けでした。この後に、政策面、特に個人の税制改革が出るぐらいのフォローアップがあればトレンドの変換も可能ですが、現状では政治不信や行政不信が大きく相場に乗れないでしょう。

 明日から主力の外人投資家が戻ることもあり、ここが従来通りの買い越し姿勢を見せるかどうかが一番の関心事です。どちらかと言うと、外人投資家も「様子見」になるような気がします。

 いずれにしても、参加者限定の状況では上げ下げに一喜一憂するよりも、3月までの戦略に沿った行動をとりたいと思います。

 新指数のMO指数も低く、オプションのインプライド・ボラティリティーも低いままですから、過度な期待は禁物でしょう。ただ、13000円割れを防戦しようとする意識はたいへん強く、下にいくにもエネルギー不足と思われます。

2月19日(月)

先物買いで下げを牽制。

 今日も先物が理論値より高い展開で下げを限定的にしていました。指数よりも実際の相場は下げがきついように思われます。三洋電機、松下電器、住友電工など充分に買える水準に下げてきたように思います。

 指数の面においてはある意味で「異常なまでに」13000円割れを阻止しようと拘っているように見えます。

 130プットのショートが1万枚を越えていることや、日経リンク債をノックインさせたくない証券会社筋など「防戦買い」があったかもしれません。現政権も含めて、守る方も必死になる水準です。

 日経新聞社でさえ、98年10月の安値を下回ればたいへんです。TOPIXが当時よりはるかに上であるのに日経リンク債のノックインなどの「被害」が多発し、再度、入れ替え問題の失敗が議論されてしまうので、大いに危惧していることでしょう。

 実際、日経平均が安値(12879.97円)をつけたときの大証の日経平均は13182.62円で約300円ほど上でしたが、最近の大証の平均株価は18000円以上で、5400円程上になっています。98年10月にはほとんど同じ水準だったものが、およそ5000円も差が出来ているのですから、「日経平均が連続性を保っている」という日経新聞社の言い分はどう考えてもおかしいと思います。

 米国が休みである為に水曜日以降の外人動向が気になるところです。明日は20日で持ち株会の買いが入りやすく、上昇ならIVも低いのでヘッジのプット買いも良さそうです。

「相場過熱度」指数を開発。

 オプションのインプライド・ボラティリティーを使わずに市場の過熱感を示す指数を開発しました。仕組みはブラック・ボックスですが、MO指数(マーケット・オーバーヒーティング・レシオ)と名付けます。10日間、20日間など計測日数に応じてセンシティビティ(相場感応度)を変えながら使えます。

 100%に近いほど高値か安値にかかわらず市場が「過熱」していることを示し、0%に近いほど平穏であり、「嵐の前の静けさ」状態であることを示します。「市場心理の高揚度」を点数化しています。

 最近では12月21日に安値を付けた日と、1月19日に高値をつけた日に短期のMO指数が共に100%を付けていました。逆に、先週の15日に0%に低下していました。バック・テストの結果も良く、テクニカル分析とは異なった方法論として画期的と思っています。下げ相場で100%になれば、買い出動すれば良いことになり、上げ相場で100%になれば利食い売りになります。 

2月16日(金)

先物次第の展開。

 日経平均は週末のポジション整理もあって、再び安値更新を試される水準まで下げて引けました。政府が税制改革などで、個人参加の仕組みを作らないなら、価格を調整して魅力ある株価になる必要があるということでしょう。

 最近の先物の動きは不自然で、下げ相場でも逆ザヤにならず、実質順ザヤで「吊り上げている」ように見えてしまいます。

 日経平均先物はこのところ現物と同ザヤで動いていますが、実は、裁定取引業者(証券会社)からしますと3月末の配当分がディスカウントされない分、裁定買いのチャンスになります。その為に、実質順ザヤになっています。また、同じレベルで6月物へロール・オーバーすれば業者は配当分だけ利食いになりますので、大喜びになります。

 では、誰が先物を理論値以上に割高に買うのでしょうか。持ち合い解消売りが続くこの時期に敢えて先高観を持つことがどうして出来るのか?疑問を感じてしまいます。

 もしかすると、G7後に買い方にとって味方だった先物が、逆に、裁定解消売りのツールになる可能性もあります。この、奇妙にコントロールされていると見える先物の動向が持ち合い相場の新しい水準を決定づけることになりそうです。

 どちらかと言えば、シカゴと大阪の両市場のオプション動向から下方にレンジを下げて底練り相場が続くように思われます。

 もうひとつ、来週末に還流するNTTドコモの公募株の行方に注目する必要がありそうです。この動向が期末の「景色」を決定付けることになるのではないかと想像しています。


お知らせ:証券界の大先輩で40年のキャリアを持つ「株仙人」のホームページをリンク集に載せています。なかなか味のある文章ですので覗いて見てください。只今、顧客募集中ということです。(信頼できる方です。)


2月15日(木)

先物建て玉が2月に21000枚増加。

 2月も半分過ぎましたが、月初より日経平均先物で建て玉が21439枚増加しています。自然な増加の他に、1、期末の持ち合い解消売りを出す予定の金融法人が先物で売りヘッジしている。2、益出しのクロス取引が禁止されたので、5日間以上のリスクを取る為にヘッジ買いをしている。3、防戦的な先物買いで相場の下げを防ごうとしている。4、証券自己のヘッジ売り。などの複数の要因が重なってのものでしょう。

 その中で特に、1の点が時期的に大きいと推察しています。例えば、13500円で売りヘッジしておけば、その後いくら相場が下がっても、持ち合い解消売りをどこで出しても先物の売りが利益になりますから、金融機関は既に持ち合い解消売りを出したことになります。

 実際には、誤差が生じますが、21439枚が全てヘッジ売りなら、約2700億円の想定元本分が既に「売られている」ことになります。一番迷惑なのは、買いだけの投信や個人投資家で、水準を関係なしに売ってきますから、持ち株の評価損やどこで買えば良いのが見当がつかなくなる可能性もあります。

 仮に、ヘッジしてしまえば、上げても下げても機関投資家は予定分を売ってくる訳です。とはいえ、過度に神経質になる必要も無いと思います。外人投資家は日本的なシステムを熟知していますので、この時期に優良株の安値を買い越してくるのは確実ではないでしょうか。個人投資家もその流れについて行けば良いと思います。

『ヒット株式教室』開設1周年。

 おかげさまで、昨年2月16日に試験的に僅か2行を書き込んで以来、ホームページの書き込みが今日で満1年になりました。

 当初、顧客向けのメッセージ手段として作成していましたが、初心者からベテランまで広範囲の読者が訪問されるにつれ、目先の解説だけでなく、出来る限り「相場の見方・考え方」も書くように心がけてきました。

 また、複雑である相場をテクニカルで単純化することを避け、チャートをわざと使わないようにし、みなさんの相場イメージが矮小化しないようにしたつもりです。相場には全ての可能性がいつでも詰まっていると思います。

 一般的に将来の予測は過去のパターンに照らしてなされるものですが、実際は、皆がそうしているので外れることが多く、過去と何が違うのかを考え、それがもたらす未知の状態を想像する作業の方が予測にふさわしいと思っています。

 最近、情報工学の専門家集団と提携関係を持つことも出来ましたし、更に発展させつつ、出来る限り続けていければと思っています。みなさん、今後とも、宜しくご声援下さい。

2月14日(水)

日本株はまだ下駄を履いている。

 どうにも身動きが取れないという声を聞きますが、今は決して難解な相場ではないと思います。要は、ナスダックが軟調で、業績の下方修正が続いているために、人気だった値嵩株が安くなり、反対に安い株の中から順次、仕手株が出て、賑わっている相場です。また、決算に向けた持ち合い解消売りが出ていることも例年通りです。

 特に、意外感のある相場では無いので、分かり易いとさえ思えます。難解にしているのは現実を見ずに期待感を持ってナスダックが反騰していくと信じてしまったり、買いのバイアスが強い為に上げ相場にならないので、面白くないのでしょう。

 最初から相場は上げるしかないように動いていたのでは、見えるものも見えなくなりそうです。下がるから安く買えて幸せという人もいるでしょうし、政府が株価対策などやらずに下げれば自然と個人投資家は増えると思います。

 ブラックマンデーのとき、個人の買いの伝票枚数は空前の多さになり、処理には深夜までかかりました。セールスもしないのに(つまり自己責任で)圧倒的な数の注文が投資家の間から湧き上がったのは、真に株が安いと感じたからでしょう。

 対照的に、根本的な構造改革をしないで、株価対策や公的資金で「下駄を履いた日本株」では魅力がある筈も無く、逆に、株式市場に政権交代や構造改革を要求されかねません。

 最近、不動産投信が話題になった割りに地所三井不動産は下げています。せっかく、不動産投信の規制緩和がありながら、税制面で魅力が乏しいなど、金融不安解消の有力案も中途半端になっています。政策の「本気さ」がいまひとつ感じられないことが株価にも反映しているようです。

NYの出来高が急減。

 NY市場、ナスダック共に日増しに出来高が減少しています。方向感が無くなり、参加者に気迷いが生じていると推察されます。また、それがそのまま日本株に持ち込まれている感があります。

 この状態はしばらく続くと見て、仕手材料株相場で当面「遊ぶ」程度が無難かと考えています。本日はCSK(9737)セガ(7964)がまた良い動きですし、目新しいところでは欧州で制がん剤を臨床中の東亞合成(4045)が7月高値の期日も終わり復活してきました。同じ材料株でも取り組みが悪く内容の無い銘柄の売りを組み合わせ、コンビネーション取引をするのも面白いと思います。

2月13日(火)

債券上昇で金融機関に安堵感。

 生保など機関投資家が最も資産として運用しているのは国債中心の債券で、米ドル債も大きいと思われます。株式は政策投資分を含めれば大きなウェイトですが、投資勘定分の比率は小さく、半ばあきらめに近い状態と推察します。この債券部分が公定歩合の引き下げで大いに潤っていますし、円安で外債投資も順調と言えます。

 その為、機関投資家は株安にもかかわらず意外と喜んでいるかもしれません。不良債権処理の為の益出しはどの分野から出ても構いませんから、日銀が不況を認識してくれたことに安堵していることでしょう。

 そして、金融機関の株式が上がると、すかさず持ち合い解消売りが出てくるようです。松下電産など、流動性の高い銘柄は法人筋が売れるタイミングを待ち構えているような印象を受けます。これから買おうとする個人投資家にとってはたいへん有難い季節の到来と思われます。

 また、千代田生命が大株主の大成建設が1059万株の大商いになり、真偽は不明ですが、どうしても処分売りを出しているのではないかと勘繰りたくなります。何れにせよ、この時期特有の疑心暗鬼が市場を徘徊するのは避けられません。

先物に大きな手口。

 このところ続いているJPモルガンの大きな手口ですが、本日も225先物を1000枚以上買い越していました。JPモルガンについては130プットも大量に売っており、それだけを見ればかなり強気に見えます。

 それに対して、GSが130プットを大量に買っています。(先週末で3355枚の買い建て玉)GSは140コールも約1600枚買い持ちで、ロング・ストラングルになっています。

 また、日計りになっていない2000枚以上の大口の売買(本日ではUBSの2270枚売り、野村の2805枚買い)も毎日のように出ており、先物市場に現物市場が振り回される可能性もあります。

 一部では、昨年9月中間期で東京三菱銀行に監査法人が認めたような「先物と絡めた変形クロス取引」も始まっていると思われますが、裁定残が多いだけに波乱要因になり得ます。また、会計監査でクロス取引が禁止されましたので、先物を絡ませれば、金融機関が思わぬトラッキング・エラーの被害を被るかもしれません。

 勿論、金融機関が益出しのみ先行させれば、強制低価法となる中間期に大きな損失を表面化させる可能性もあり、当面銀行株に手を出し辛いことになります。

2月9日(金)

ショート・カバー後、反落か。

 朝から「何かやる」というささやきが市場を回っていましたが、日銀が公定歩合の引き下げとロンバート金利の導入を決定しました。ロンバート金利とは、中世イタリアのロンバルディア商人の間で行われた担保付き貸出し金利のことです。ドイツのブンデスバンクは有担保貸出し金利(ロンバート金利)の上限を受動的貸出しによってキャップをつけて金利をコントロールしています。今回、日銀はコール金利の上限を公定歩合以下に上限を設けることも決定しました。

 勿論、これは市場に好感されますが、実効性が低いことと、昨年の間違った金融政策の為に当局の信頼性が低いことで、持続性は無いと思われます。

 別の面から見ますと、当局はG7前に「言い訳」を作ったと取れます。問題は、経済にあまり大きな効果をもたらすとは思えないことでも、効果があるように株式市場をコントロールする行動をとるかもしれないことです。昨日からの異常な先物買いや指数採用銘柄の執拗な買いは「何が何でも」株を上げたいという意思を感じます。

 来週はこうしたショートカバーを誘うような相場作りがされ、戻りを試すことになりそうですが、基本的に業績が下方修正される企業が続いていることもあり、「逆業績相場」での戻りを試すことになりそうです。

 オプションのインプライド・ボラティリティーが低いことから、戻り売りが無難でしょう。 

2月8日(木)

裁定解消売りで13000円割れか。

 本日の引け味はいかにも明日のSQを上げたい向きの意図的な展開に見えます。先物を強引に買ったと思われる大口の手口があり、この買いはSQでオプションの建て玉が無くなれば、新たに3月物のプットを大量にショートするか、先物を処分売りしなければなりません。

 つまり、SQを下げさせ無いが為の先物の処分売りが出た場合、3兆円以上、約25億株ある裁定残が解消売りとなって指数は簡単に下げてしまう可能性があります。

 また、12787円のバブル崩壊後の安値までに、日経リンク債のノックイン価格がずらりと並んでおり、投機的な動きが出てくると思われます。東芝に次いで下方修正された松下通信がストップ安ですが、400万株以上の売物を残していて、日経平均採用であることから、明日の日経平均が影響を受けることは確実でしょう。

 日経平均は本日227円安でしたが、松下通信の下げ分を除けば約130円ほど下げただけですから、大引けまでの強引な買いの反動が予想されます。

個人は比較的軽傷。

 前回の信用の期日と追証の投げが重なった急落場面と違って、今回は個人は期日の少ない分、機関投資家に比べて傷は浅いように思います。そして、動きの軽い個人は全体の下げとは無関係にCSKセガ、昭和電工など仕手っぽい銘柄を物色してくると思われます。

 各自のタイム・フレームに合わせて、中期狙いなら、松下東京三菱などバイナリー銘柄の買いが良いでしょうし、短期なら仕手っぽい「売り込み銘柄」を買うべきところでしょう。

2月7日(水)

気になる中東問題。

 イスラエルにタカ派政権が誕生する見込みで、中東問題が近い将来、ナスダック市場や為替に大きな影響を与える可能性は極めて高くなりました。国内投資家は国際情勢に疎く、いつも米国市場が下げてから反応する傾向があります。

 FTやDAXは直接的に影響がありますが、今すぐの問題では無いにしても、ひとたび衝突が起きれば問題はこじれて収拾が困難になりそうです。また、弱い相場では、ヘッジファンドなどのスペキュレイターに悪材料として利用されることもあり、期末の時期にひとつ難問が増えた感じです。

買い準備期間。

 サイコロで3勝9敗という状況はふつうなら「かなり下げた」と感じる相場ですが、今回は持ち合い期間が長く、下げ幅としては小さいので、下げを実感できるところまで我慢し、インプライド・ボラティリティーの上昇を待ちながら買い出動と考えています。

 東芝の下方修正など予想以上に早く出てきていますので、持ち合い解消売りとダブれば、買う機会がまだ先に残されているように思います。

 また、ヒストリカル・ボラティリティーの上昇のタイミングが気になるところで、9日にSQと日銀のボード・ミーティングが重なりますので、きっかけになるかもしれません。

2月6日(火)

「動きたがる個人」と「動けない法人」

 日経平均は4日続落しましたが、個人投資家の物色意欲は想像以上に強いようで、「動けない機関投資家」との差が際立ってきました。

 個人は、日毎に投機性を増している感がしますが、板状況などを見てソフトバンクの買い板が厚いと見るや、果敢に買ってきます。CSKセガなども投機的資金の格好の対象になっており、一旦、火がつけば、目先は「いけるところまでいく」パターンになっているようです。

 お気付きのことと思いますが、これらの銘柄はほとんどがネット証券の手口が多いので逃げ足もたいへん早くなります。それもそのはず、オンライン投資家は「ネット・サーファー」が「株サーファー」になったようなものです。その為、ネット証券の資金回転率は通常の数倍は速いと思われます。

 しかし、個人投資家が短期売買を楽しんでいる姿は少々危うさを感じざるを得ません。それは、金融機関は決算を前にして身動きが取れず、不良債権処理が大幅に遅れそうだからです。

 結局、バブル崩壊後10年に亘って延々と公共投資で景気を持たせた一方で、個人には消費税の引き上げを遅らせるなど、家計に負担を感じさせない方法が個人にモラル・ハザードをもたらしていると考えられます。金融不安の真っ最中であるとも思える状況にあって、個人が投機的に株式投資を行っている現状は面白さの半面、危うさと背中合わせであると言えるでしょう。

 先のことですが、このことが、いずれ表面化したときは個人投資家は再度大きな痛手を負うことになると思われます。

 証券会社の既存の顧客では、今の相場について行けない人も多いことと推測します。彼らがスピードについていこうと考えれば、更に、既存の証券会社の経営悪化につながることになるでしょう。そして、もしかすれば、相場の二極化現象が3月末まで続き、相場そのものを変質させる可能性が出てきたように感じます。

2月5日(月)

三角持ち合いを下離れ。

 NTTドコモのブックビルディング(実質的には販売)がほぼ終わったことから、買い方も支える限界?が来たようで力なく下げていました。持ち合い相場が長かった分、下振れもある程度値幅を想定したポジション作りを考えたいところです。

 買い方の中心だったソフトバンクセガが大きく下げたことで、マーケット全体が物色難に陥った印象があります。証券会社の営業的は「次に何を買うか」に行き詰まっている感じがします。

 しかし、この「行き詰まり」を説明するのは簡単です。もともと、年初からの戻りが外人中心のショート・カバーにあった訳で、その中には、ヘッジファンドのような短期資金が多く含まれていたと言われます。彼らは日本政府の株価対策に期待して買っていたようで、戻り一巡とみて先週末は売り越しに転じたと報じられました。

 また、日経平均はナスダックに見事に連動していますが、本日はCMEの終値より215円も下で終わりました。これは、日本の参加者が海外での下げを見込み始めたと見て良いでしょう。米国の利下げという好材料に対しての材料出尽くし感が言われていますが、基本的には「ショート・カバー・ラリー」の要素が日本よりも大きかったと見ています。米国も日本同様に売り方有利になり始めたかもしれません。

 このような相場は、ある程度のカバーが済んでしまうと物色難に陥るのがひとつのパターンです。しかし、3月までに、潰れそうな銀行に預金するより、優良企業に「預金」する感覚で松下、トヨタ、住電工などをドルコスト平均法で買う戦略であれば、物色難に悩む必要は無いと思います。

 売っていた証券株などを利食い、国際優良株中心の買いを入れる事がこの時期にふさわしい方法論ではないでしょうか。

 但し、日経平均が持ち合いを下離れたとすれば、下げの値幅もまだありそうで、出来る限り引き付けて買うようにしたいものです。

 

2月2日(金)

週初安定の後、再度調整開始か。

 本日も再び先物安値13720円を付けました。7日間のうち5日が13720円安値は偶然にしては出来すぎています。これがNTTドコモの公募をサポートする相場なら、月曜日あたりの値決め後か払い込み前後に再び崩れることを想定して良さそうです。

 今日の年金統合問題で先物が急上昇した場面でも、上昇後すぐに持ち合い解消売りとみられる売りが広範囲に出ていましたので、ショート・カバーが収まれば下値を試す展開になると考えるのが自然でしょう。

 そうなれば、「買い場探し相場」のスタートと捉えて、仕込みのタイミングを計りたいと思います。

 オプション市場はIVがかなり低くなっていますので、ロング・ストラングルのポジションを3月物で取ってみるチャンスです。上方へ振れる可能性もありますのでアウトライトにプットだけの戦略とも限りません。

投機資金が店頭市場へ。

 ソフトバンク、CSKなど大商いのIT関連株や昭和電工などの低位材料株へ投入された個人の投機資金が向っている先が店頭市場でしょう。

 その為に、丸善アラ石など他の仕手系株のチャートもかなり悪くなってきました。これらの銘柄に投入された資金はもともと投機性が高く、よりボラタイルな銘柄を求めて店頭市場に集まってきました。

 ネット証券を通じた手口も目立ち、たいへん逃げ足が早い資金ですから用心すべきでしょう。圧倒的に資金量が豊かであった一昨年とは環境が違いすぎると思います。


*インフォカブ・ドットコムに2日程の間に200名を越える方が申し込みされ、呉社長が「たいへん感謝しています。有難うございます。」ということでした。

 また、日経平均先物について、インフォカブ社と提携して開発中ですのでご期待下さい。


2月1日(木)

作為的なサポートなら、いつか崩れる。

 日経平均は1月25日以降、6日連続でザラ場に安値を付けた後、引けにかけて戻しており、高値圏で取引を終えています。流石に本日は現物の引け後に先物は大きく逆鞘で売られる形で終わっています。

 奇妙なことに、25日以降6日間で、先物の1日の安値が13720円の日が3日あります。もう1日の安値が13730円です。あと2日は13630円と13660円が安値ですが引けでは13800円前後に戻しています。

 13600円台が最近の売り方のコストと思われ、下回ると勢いがつく恐れがあり、買い方としては13600円は岩盤に見せる必要があります。それにしても、違法行為である「作為的な相場形成」でもしない限り、ここまで作為的な相場作りは出来そうにありません。薄商いの為、相場維持が出来るとも言えます。

 思い出すのがNTT株の公募・売り出し時の「作為的な安定」で、その時も、相場参加者は底堅さを信じて強気になりました。その結果、大いに損失を広げました。注意すべきは、サポートされた相場は結局上手くいかず、修正されるということです。

大川氏が責任を持つのは当然のこと。

 セガCSKが全面的に救済することを大川氏が決断すれば(ワンマン会社で反対する人は既に社外に出されていることでしょうし)誰も反対しなかったでしょう。それが、ワンマン社長の見込みが間違っていたから、償いますということですから、補填は当然の話と思います。

 CSKにとって背任になりかねない無理な援助を続けさせた責任を取ったと受け取れます。そごうの水島氏が乱脈経営の責任を問われているだけに、大川氏の態度が立派に見えたかもしれません。

 しかし、そのあたりが証券界では美談になり、セガがストップ高まで買われてしまいます。不思議な世界で、一般常識とは異なるようです。

 また、さくら銀行三井生命に対する巨額の資金援助も不明朗で、説得力が無く「三井住友銀行」は買う気になれません。後で、三井生命さくら銀行の劣後債か優先株を買うのでしょうか。こうして、問題が先送りされていくのでしょう。

1月31日(水)

ナスダック写真相場。

 FOMCの結果はだいたい予想通りであっても期待度との温度差が生じれば振れることもあり、日本はナスダックに追随するだけになると思われます。

 この膠着相場はいずれどちらかに離れるでしょうが、「予想された」利下げ程度でトレンドが出るのか少し疑問です。もう少しタイミングがずれてしまうように思います。仮に、ガンマ・ロングのポジション(オプションのアウト・オブ・ザ・マネーの買い持ち)があったとしても短期に決済して、次限月物に移行したいところです。

 現時点では13600円台のショートもカバーが済んでいないでしょうし、かといって、上値で持ち合い解消売りが出ることも確実でしょうから、「薄商いの均衡」は絶妙のバランスのもとに継続されると思われます。

証券会社は業績悪だけか。

 予想通り証券株は業績悪が発表され下げました。分かっていても「情報」として伝われば改めて売られます。証券マンは証券株の空売りをすると反逆者扱いされますが、アナリスト・レポートを必要としない簡単な方法を選ぶべきだったと思います。

 余談ですが、空売りをしていれば、今日のような日に買い戻し、急落を防ぐ役目を果たせます。その為、空売りは「スムージング・オペレーション」に欠かせない重要な役割があります。空売りを罪悪視する風土は日本ぐらいで、米国では買いで利益になるより売りで利益を得た人のほうが尊敬されるようです。

 さて、問題は証券会社の現在の業績はともかくとして、今後、有力なビジネス・モデルがあるのかという点です。各社の新規事業はコールセンターやネット取引ですが、どこも上手く機能しているとは思えません。オンライン証券は下げ相場でも口座数を伸ばしていますので、下期はマーケットの少ないパイを更に奪われた形になっています。

 実は、オンライン証券会社も経営が厳しくなっていて、ある会社は縮小に入り始めました。宣伝費が膨大な割りに儲からないことがはっきりしてきたからです。つまり、証券会社はどちらのタイプにあっても構造的な不況産業になる可能性が再び出てきたと考えて良いでしょう。問題は、決して、足元の業績だけでは無いということです。

1月30日(火)

エネルギーの蓄積期間。

 日経平均は米利下げと株価対策への期待感で平穏な相場付きでした。しかし、持ち合い相場は「横っ離れ」することも良くあります。どちらかに振れると思って行動すると単に「あや」だけで何もトレンドが生じないことがあります。

 オプションでも大きく下げた後はプットが人気になりますが、用心されている時には下げずに時間だけが過ぎて、セータ(タイムバリュー)の損失になるケースが良くあります。

 今はちょっとしたモラルハザードが起きていて「国策に売り無し」という人が増えています。一方でプットの建て玉が多く、フロアを付けて相場を張っているようなものです。このあたりの事情が微妙な膠着相場のバランスを演出していると思われます。

 三菱地所(8802)が下げてきましたが、このような銘柄がJREIT人気と共に上昇することが株価対策より余程重要で、その為の税制改革などが日本で出来れば「日本株は買い」と言えるようになるでしょう。三菱系は郵船(9101)なども売られ過ぎた後、気の効いた反発場面となり、利食いも短期間で出来たと思います。安く買うことが一番のリスクヘッジであることを改めて知らされます。

 膠着相場がどちらに動くのかはまだ断定できませんが、時間経過とともに期待が高まれば高まるほど下げるでしょうし、悲観が強いほど上げてしまうのがマーケットというもので、現状ではNTTドコモの公募が終われば上がるだろうという楽観派が増えつつあり、その高まりとともに逆に行くリスクが増大していると思われます。

インフォカブ・ドットコムのご紹介。

 理論物理学と情報工学の大学教員が株式の予測システムのベンチャーを今月から立ち上げました。インフォカブ・ドットコムというサイトです。ここのニューラル・トレーディング・システムはHIT株式教室のゆらぎの理論と相通じるものがあり、(株)インフォカブの呉社長と提携することになりました。彼は東北大学で量子力学(原子力の研究)などを研究の後、日本大学で情報工学を研究した逸材です。

 このサイトはチャートやニュースなども見れますが、大きな特徴は、5日先までの株価や指数の予測を天気図における低気圧の進路予想のように幅を持って表示するチャートです。また、ペア・トレード(コンビネーション売買)の可能性のある逆の波動を持つ銘柄の組み合わせ売買を指示するシステムも稼動予定です。何れもロスカット価格を最初から表示するようにしているのが特徴です。そして、約10分から15分置きに株価を反映して予測やロスカット価格を変えていきます。このシステムは、ほとんどの銘柄と指数に対応しています。

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1月29日(月)

ヒット株式教室のオフ会のご報告。

 昨日は顧客のみなさんが全国からお集まり頂き、第一回のオフ会を開催しました。この相場で担当者が顧客に集まって頂き、懇談会をすることは普通では考えられないことかもしれません。顧客のみなさんは非常に高いレベルを持った投資家集団になりつつあり、それぞれ専門をお持ちですから、近い将来、ネット売買が多い人に対して、「投資顧問」として機能することも可能だと思います。それぐらいのレベルに達しつつあります。その時は、一証券マンとして応援したいと思います。

 そもそも、手数料の自由化以来、証券会社の存在意義すら大きく変っています。一般の証券会社のアドバイスにどれぐらいの価値があるのか、ネットをご利用の方は徐々に理解されてきているのではないでしょうか。プロの方ものんびり出来ないと思います。

指数上昇も環境悪化。

 相場の方は日増しに内容が貧困化しているようです。日経平均採用銘柄のリバウンドでプラスでしたが、この局面で参加出来る方は徐々に減って来るのではないでしょうか。マルハトーヨーカネツなど仕手株オンパレードでは参加意欲の減退は仕方ないことと思われます。

 また、FOMCに対する期待も言われますが、0.5%をマーケットが既に期待しているようですから、50ベーシスが当たり前で、25ベーシスでは失望されそうで、プラスの材料になるかあまり期待できません。期待度に対して温度差のある回答が出たときのマイナスのほうを用心すべきだと感じます。

 もうひとつの期待が株価対策ですが、これも期待以上のものが出なければ今の閉塞感を打ち破るだけの力はなさそうです。株価対策を言っている間は逆に株価は上がらないように感じます。

 日経平均が下がるかどうかはともかくとしても、「下げなければ買う気にならない」ような相場展開であると思います。

1月26日(金)

薄商いの安定。

 このところ上下いずれの相場展開においても、日経平均という指数で見た場合は小動きに終始しています。仮に、上昇する場面でも、ソフトバンクを中心とする投機的な資金が中心の為、相場に方向感が出ることは無いと思われます。

 今週は、ショート・カバーに続いて政策対応が連続的に出ていれば、下げトレンドを修正出来るチャンスでしたが、対策も対症療法の域を出ず、せっかくのチャンスをモノに出来ずに終わりました。週後半の反落過程で売り方もかなり買戻したと考えられ、指数は動意薄です。ここからは「日本経済」の実力が問われる場面になるでしょう。

 買い方にしても「喉元過ぎれば」恐さを忘れており、本日が買い場とする意見が多く見受けられました。オプションのインプライド・ボラティリティーが反落場面で全く上昇しなかったことは、市場参加者が政策の実行を信じてしまい、モラル・ハザードを起こした為、自己防衛をしていない姿を表しています。それだけに、13600円どころの売り方コストを下回れば、狼狽売りの可能性もあります。

12月に売れなかった持合解消売り。

 日経平均の下げ場面で目立ったのが、業界代表銘柄の下げです。東京三菱郵船、住友電工、松下、旭硝子などこのところ冴えない動きです。あのトヨタにしても下げています。これは12月や1月始めに株価の下げで売れなかった金融機関がここへ来て、売りの「ノルマ」を果たそうとしていることが主因でしょう。

 「強いから下げる」という逆転現象がどこまで続くかは金融機関の担当者しか分からないことです。あるいは、担当者ですら、今期の償却予定がまだ見えないので、規模が読めず、結局、3月に集中して売ってしまうかもしれません。また、強制低価法になる銘柄以外は時価会計を来年に持ち越すところが出ることも予想されます。

 また、金融機関は非上場債など「時価」の明確でない債券など、時価会計移行への問題が山積しており、株式にだけ構っていられない状態です。物理的にも時価会計への移行が出来るのか怪しいと感じます。そのような状況の中で、ある程度、機械的な処分売りが出ても仕方ないところです。

来週はFOMCとドコモが問題。

 来週は、30日・31日のFOMCに対するナスダックの反応が最も気になります。この動き次第で日本も写真相場を演じることでしょう。

 また、日興証券などでは、NTTドコモについて土曜日まで出社して勧誘しているようですが、そこまでしても難航するNTTドコモの販売は2月の相場の重しになりそうです。

 また、証券会社の通期決算は中間決算を単純に2倍しただけのところが多いのですが、後半の落ち込みは想像以上に大きいので、あと2ヶ月で盛り返すのは至難の技です。下方修正の可能性は大きく、発表されれば影響が大きいと思われます。そもそも、収益が順調なら「休日出勤」をする必要もないと思われます。

 

1月25日(木)

セガの敗北でソニーが売られる相場。

 セガのドリーム・キャストは売れていないと言っても4分の1ほどの市場シェアがあります。そのセガが撤退をしてソニーのソフトを作る可能性があるとすれば、敵が味方になり、ソニーの株が買われて当然だと思われますが、結果はどうでしょう。セガは連日ストップ高でソニーは下がり続けています。

 コンペティターの敗北でなぜソニーが上がらないのでしょうか?この理屈に合わない相場が今のマーケットの質の悪さを物語っています。ソニー以外でも、京セラ松下みずほHDが急落時の株価に接近し、住友電工などは急落時の株価を下回っています。こうなると、アナリストが何を書いても理屈通りに反応しなくなってきます。

仕手株相場に急傾斜。

 経済対策がなく、株価対策があるのは日本ぐらいと言われていますが、「3月さえ乗りきれば相場は何とかなる。」という実態を無視した形式主義が物色の逆転現象を生んでいるのでしょう。多分、政治家が「株価対策」を言っている間は日本が基本的に上昇トレンドに復帰することは無いかもしれません。株価対策を言っている間は政治家が問題の本質から逃げていることと同じだからです。

 丸善の急騰にしても基本的にソフトバンクセガの急騰と同じ性格の資金が市場を巡回しているように見えます。逃げ足の速い資金であり、A銘柄を買う為にBやCを売って乗りかえているような資金ですから、利益になるのも早そうですが、損をするのも早そうです。ほとんど、「もぐらたたきゲーム」のようです。例えば、オリコの場合、オリコ生命を売却して上げたのはたった1日だけでした。

 日経平均はショートが溜まっている為に急落リスクは少なくなっています。しかし、市場参加者に厚みが無く、大引けにいつも戻すような「NTTドコモのサポート相場」が続くようでは、薄商いでの安定になり、やがて、安定に対する信頼性が低下するでしょう。

1月24日(水)

焦点ボケの展開。

 似たような相場はあっても同じ相場は無いものですが、今回の反発場面では低位株も賑わっていて、一昨年には無かったパターンになっています。昨年の今頃にあった反発場面ではIT値嵩株ばかりが物色され、低位株は株ではないぐらいに無視されました。

 その意味で、低位株も含めて戻り場面に統一性が無く、個別物色の相場になっていることは興味深いことです。

 ショート・カバー中心ですから、売り込みの少なかった銘柄は反落しています。仮に、セガにしても空売りが少なければ、同じ材料でも、ストップ高ではなくストップ安した可能性があります。巨額の在庫処分の損失が問題になったかもしれませんし、CSKはセガに追加支援をする必要がありそうで、決して良い話とは限らないのではないでしょうか。明日も急騰なら売りの対象に考えたいところです。

13600円の攻防へ。

 ファンダメンタルズに基本的な変化が無い以上、ショート・カバーのラリーが終われば下げて当然ですから、先物の建て玉が大きく増加した13600〜13700のレンジを下回れば、売り方有利になり、ちょっとした波乱場面の再現になりますので、注目しています。

 ソフトバンクに商いが集中し過ぎて、NTTドコモなど他の株が犠牲になった感があります。同じ資金を回しているようで、ネット・トレーダーが右往左往している様子が浮かびます。

 シカゴ、大阪共にオプションのインプライド・ボラティリティーが低下していますので、いつ下げに転じてもおかしくないだけに、ロング・ポジションは難しいと思います。 

1月23日(火)

クローズ・アップされる政治リスク。

 マーケットは相変わらず13500円〜13600円台でショートした弱気筋が踏まれている状態で下げ難くなっています。現時点ではショート・カバーだけが材料のように見えます。

 そのような材料難の相場を象徴するように仕手株が乱舞しています。Jエナジー(5014)、石原(4028)、洋エンジ(6330)、セガ(7964)、持田(4534)など仕手株が急騰しました。アラ石(1603)、日商岩井(8063)、オリコ(8585)など混乱に乗じて復活しようとする動きもあります。

 ネット時代の恐いところは逃げ足が大変早いことで、これらの銘柄の大半はすぐに相場が終わってしまうと思われます。ご自身のタイム・スケールがこのような早い動きに合わない人は参加しないことでしょう。つまり、最後にジョーカーを掴む恐れがありますので十分ご注意下さいということです。

 逆に、目一杯のところと感じれば空売りのチャンスと考えています。これらの中には今更と言える銘柄も少なくありません。

 日経平均はここへ来て大量の売り玉にサポートされる形で強くも見えますが、クローズ・アップされてきたのがKSD疑惑による政治リスクです。現政権は首相経験者を複数含むなど、ある意味で与党の切り札政権と言えます。それゆえに政権交代にまで発展すれば次のメンバーに有力者が少なくなり、見劣りすることは確実で、その場合は外人売りが予想されます。

 KSD問題は裾野が広く多くの議員が「汚染」されていると想像されますので、最悪の場合は株価対策どころでは無くなってしまうでしょう。株式市場にとっては信用取引問題がやっと落ち着いた矢先の一難去ってまた一難というところです。

 この政治リスクが大きな問題にならなければ、ナスダックがFOMC前に大きく下げるとも考え難いので、日経平均の下落リスクも小さいと考えられます。

1月22日(月)

売り込み過ぎた弱気筋。

 今日も14000円台では持ち合い解消売りという「塩」が撒かれて「青菜に塩」の状態になりましたが、半面、売り方も個別にNTTドコモソフトバンクなどを徹底的に売り込み過ぎ、先物でも建て玉が1週間で約5000枚も増加したことも事実です。

 踏み上げというのは大きく下げれば出来ませんから、ここで踏ん張って下げなければ、買い方の買戻しやデルタ・リバランスなどの買いで上振れする可能性も充分あります。

 現在の水準が最近数ヶ月の売り方と買い方の力関係の微妙な拮抗点であると思われます。

 また、個別銘柄で取り組み面の差が戻りの差につながっており、業績も含めてここからは厳しく選別されそうです。また、花王(4452)や松下(6752)など強い為に売られる銘柄も相変わらず出ています。郵船(9101)などと共にこの時期でなければ買えない「お買い得」銘柄と捉えています。業界トップ銘柄ほど下げているようで、まともな相場付きになっていないように思います。

 先に下げていた旭硝子(5201)や三菱重工(7011)などが反発を見せています。派手な値動きの「ルアー」に飛び付くのも良いですが、堅実に収益機会を狙うのも一考でしょう。IT関連株のバーゲンハンティングの時機は既に過ぎていますので。

ドル=円が急反転。

 日経新聞の相場解説欄である「マーケット総合2」のページの左端の「通貨オプション」の欄にはドル=円のインプライド・ボラティリティーが表示されています。少なくとも10年以上に亙って重要な指標という意味で掲載されていますが、その割には、市場参加者が注目していない指数です。

 このIVが先週14.7%にもなった後に116円ミドルまで円高に戻されたのは興味深いことです。11月の7%半ばから最近の15%程度を一般的なターゲット・レンジと考えられますので、しばらく円安の更新は無いかもしれません。

 また、円安が止まることが日本株売りを止める事でもありますので、株式市場にも好ましいことでしょう。

1月19日(金)

「青菜に塩」の日経平均。

 相場が日増しに投機性を増しています。ソフトバンクがストップ高になったのは来週月曜日から1000円幅のストップ高になるという考え方が多い為です。ここへきて、大半の投資家は大損をしたあとですから、何とか失地回復をと焦っていますので、短期勝負の銘柄に集中しています。

 その投資家の焦りの集大成がハイテク中心の短期急騰に結びついたようです。信用の評価損益率がマイナス12%程度になり、マイナス24%以上から半分以下になりました。大いに買える枠が生じましたし、「ルアー」が飛び交っている状況では飛びついてしまう気持ちも分かります。

 それだけに、投資家は経済の実勢や不良債権問題を(相場が上げている間は)忘れてしまう傾向があり、持ち合い解消売りが入れば「青菜に塩」で一気に冷えてしまうと思われます。

 上げが極端な分、思わぬ乱高下もありそうです。下げに転じれば銘柄によってはパニック的な売りにもなり、このような場面ではドタバタするだけで思うように利益が出ないことが多いと思われます。ですから、値動きになれた銘柄を手掛けるなり、飛び付き売買を自制するなりの注意を払いたいところです。

 また、ナスダックとの連動率が再び上がっていますので、連続的な踏み上げの余地も残しています。今週積み上がった日経平均先物は4000枚以上あり、売り方は買い戻しを余儀なくされる水準にきています。その為、一時的にオーバーシューティングしてしまう可能性も否定できません。

 個別銘柄でも、毎日、信用の売り残増加リストが機関投資家にまで回っており、売りが増えた東芝NECを狙い撃ちするなど、売れば売るほど個別に買われる展開が続きそうです。売りは金融機関など持ち合い解消売りが多いものが無難でしょう。しかし、それだけ買い方に理屈がなく投機的な面が強くなっていて、足の速い資金でかき回されることを覚悟した方が良さそうです。

 日経平均は、各種オシレーター系やオプション動向からも過熱感が出ていますので、反落があって当然と見ています。


(プロバイダーのシステム障害で昨日は更新できませんでした。何度かチェックされた方にはご迷惑をお掛けしました。また、掲示板に書き込みが可能でしたのでそちらで書き込みしました。)


1月18日(木)

売り込みの巻戻し現象に過ぎない。

 ショート・カバーで出来高も増加し、戻りを見せました。ナスダックとそっくりの動きで、主体性がないのは相変わらずです。日経平均をサポートしようとする動きに外人投資家が買戻しを急いだと見ています。

 東証での売買シェアが最も多いのは外人ですが、本日のドルベースでの日経平均は急激な円安でほとんどフラットです。そこで、外人投資家は銀行株証券株、半導体関連など売り込んでいた銘柄を一斉に買い戻したのでしょう。

 新聞などで「買い手不在」と言われましたが、本来の買い手が売り手に回っていただけで、外人も買い戻して利益確定に動くチャンスを伺っていたものと思われます。新規資金で日本株買いを始めたとは思えませんので、結局、銀行株証券株半導体関連などのショート・カバーが終われば再び反落場面になりそうです。売りのチャンスかもしれません。

 NTTドコモ古河電工みずほホールディングス野村証券などが派手に戻りましたが、新規資金も当然ありますが、外人投資家や個人が売り込んでいたものばかりで、反動高も大きくなったのでしょう。また、いつものサポート銘柄でもあります。

 基本的にファンダメンタルズが下降局面であり、不良債権問題も処理が進んでいませんから、相場のトレンド転換が容易に行われると考えるのは短絡で、追いかけて買うと梯子を外されそうです。信用の投げで安くなった銘柄や持ち合い解消売りで安いままの銘柄がまだたくさんあり、バリュエーションで買えるものを指値で拾うようにしたいと思います。その意味で旭硝子が良さそうです。

強いから売られる三菱系企業。

 旭硝子もそうですが、日本郵船三菱重工などの三菱系の代表的企業が下げています。これは三菱系の金融機関の所有簿価が低い為に他の銀行グループと異なって、持ち合い解消売りが出やすくなっていることが原因ではないかと推測しています。

 「他よりも強い為に下がる株価」というのは経済原則の逆です。1〜3月特有の逆転現象ではないでしょうか。強いところほど安く買えるなら、今は投資家にとって最高の投資機会です。上がっている株ばかり見ていると最終的に利益になるでしょうか。「急がば回れ」でも良いと思います。

1月17日(水)

最後は銀行のリストラしかない。

 自社株買いを行うことが出来る企業として、キャッシュ・フローの高い企業リストが出回り、松下が反発していました。市場に誤解があるようですが、トヨタの場合にしても手持ちの銀行株を売った資金で、銀行が自社の株を対抗上売ってくる株を買い入れ消却するので、新しく資金が必要な話ではありません。(また、需給が改善する話でもありません。あくまで相殺しようと言う話です。)

 これはキャッシュ・フローにあまり関係無く実行出来ることで、持ち合い関係を解消し、ある意味で「株式交換」して償却しましょうということです。どの企業にも出来る話で、それによって、一株益が向上する株主優遇策と言えます。

 半面、銀行にもそのチャンスがありながら、自社株買いが出来ないことが問題でしょう。それが出来ないのは、不良債権の処理が出来ていないからですが、銀行の不始末の為に株主はおろか景気がいつまでたっても良くならず、税金を無駄使いされるなど、どこまでも迷惑なことです。

 これで、転換国債でも発行すれば、リストラしない銀行に過保護も良いところです。銀行も自社株償却をすることが最善の方法でしょう。立法措置は必要無いと思いますし、出来ない銀行には退場して頂くのが構造改革の早道だと思います。

銘柄間で下げた原因が異なる。

 最近の下げ場面で、下げの原因が、主に持ち合い解消売りで下げたのか信用の期日や追証で下げたのか、原因を混同されていたように思います。

 ソフトバンクの3000円割れの下げ過程では持ち合い解消売りで下げる訳はなく、明らかに信用の問題だったと思われます。NTTドコモにしても最大の下げ要因だったと思います。かつて「あきらめの悪い投資家」と酷評させて頂きましたが、彼らも(全てでは無いですが)ついにあきらめさせられたようです。

 この僅か1ヶ月間という短期間に信用残は2.2兆円から1.65兆円に減少しました。実に約5500億円が投げられ、平均の損失を20%として、約1100億円の損失を余儀なくされました。

 つまり、持ち合い解消売りではなく信用の整理で下げた銘柄は買いであると考えて良いのではないでしょうか。また、小型の現物株も損失の穴埋めの為に投売りされましたので、あまり神経質になることは無いと思います。

 そして、持ち合い解消売りがどう出るか判断出来ないような流動性の高い銘柄は今後は逆にターゲットにされそうですから、買いは3月までに「ドルコスト平均法」的なやり方で買えば良いと思います。

 また、銘柄ごとの売り要因に差が出てきた為に「まだら模様」になりそうで、日経平均で見ると大きな上昇にはならないと考えています。

 個別には空売りが増えたNTTドコモなどと売りが減って買いが目立つようになったBS(5108)などで今後の展開に差がつきそうな感じを持っています。

1月16日(火)

第二の「トヨタ銀行」を探せ。

 トヨタが銀行株を売却する半面、銀行がトヨタ株を売ってくることは確実で、それに対抗してトヨタが2500億円もの自社株買いで対抗するとは流石、優良企業です。ただ、銀行には自社株の買い入れ体力が無い為、銀行株の売り出しが予測され、需給が悪化することにかわりありません。

 個人は銀行に大事な資金を預けていますが、銀行は株の安い時期に競い合って資産を投売りしています。資金の運用はたいへん下手だと言えます。銀行は「負け組み」企業であり、それに対して、投売り資産を買い取って、高株価政策を取り、信用度を上げる企業こそ「勝ち組み」企業と考えて良いでしょう。

 公的資金が無ければ潰れそうな銀行に大事な預金を預けるより、「トヨタ銀行」や「松下銀行」にお金を運用してもらったほうが良さそうに思えます。元本を御上に保証されながらモラル・ハザードになっている個人は多いのですが、この時期に何人の個人がリスクを取って「優良銀行」に預けることが出来るでしょうか。

 1〜3月期の投資家の行動が資産形成に大きな差を生むような気がしています。

目先買い上がりは危険。

 株価対策というのは諸外国では経済政策や金融政策のことをさすと思います。経済活動の結果を映す「鏡」を磨いて経済を良く見せようというのは日本だけでしょう。株価対策を不況対策として血眼になって議論する政治家やそれを期待する証券マンは相手にしないほうが良いでしょう。

 官公庁のリストラや税制の見直し、規制緩和など当然のことを実行した結果が株価に反映すれば、それが株価対策になります。

 すぐに配当の二重課税は廃止すべきでしょうし、株式の総合課税なども大賛成ですが、株価操縦とほとんど同義の「金庫株」を歓迎するのはもってのほかです。規制緩和と無秩序が同じになってしまいます。

 ここに至って、混乱に乗じて「何でもあり」にされそうで、日本の政治レベルや証券会社のレベルが試されていると感じます。

 「対策」の結果によっては強く買いに出れますし、戻り売りにもなります。見極めるまで相当時間がかかりそうで、目先は週末から来週にかけて上値が重くなり軟調な展開を予想しています。

1月15日(月)

何が違うのか。

 相場見通しで良く言われるのは、「過去のこのような場面は底だから今回も買いである」ふうの解説です。しかし、同様であっても多くの点で常に異なった状態が進行するのが「現時点」です。経験の長い投資家が誰しも儲けを得る訳で無く、経済学者も将来予測では良く外しています。間違える時は、経験でものを言って、相違点に対して注意不足のことが多くなっています。

 ある点では経験がものを言いますが、見通しにおいては「過去と比べて何が違うのか」の分析が重要だと思います。予測の難しいところです。

 特に、持ち合い解消売りがこれほどまでに大きなインパクトを持って出されている局面は過去になかったことです。この点で、持ち合い解消売りがどういう規模で出され、どの程度の影響力があるか誰も予測出来ないことがありながら、「皆が弱気なら買い」というのもやや無責任な話に思えます。

 実際、相場が上がればすぐに優良株に大量の持ち合い解消売りが出たようです。武田山ノ内などの薬品株や、円安の中、キャノンリコーが結構売られていました。また、ソニーNECが最近のボックスの上限に近づいており、この付近では戻り売りや持ち合い解消売りが多く出ると思われますので、注目されます。

 結果的に本日の戻り相場は、日経平均採用の銘柄で、持ち合い解消売りが出そうな株を巧妙に避けるような形でしたので、優良株を忌避する傾向が続きそうです。

 また、オプションのインプライド・ボラティリティーからすると、前回(年末)の戻り場面よりも弱いと見ることが出来そうです。

トヨタを1〜3月に分散投資。

 いまぐらい明確な需給で優良株が売られることは滅多にないと考えています。松下キャノン、山ノ内などは1000株単位である為に分散買いが困難ですが、トヨタの場合100株単位ですから、1000株買う予定なら、1月に3割、2月に3割、3月に4割と分散買いは如何でしょうか。資産のある方は松下などでも良いでしょう。

 株式で資産形成をしようとされる方には、これらの国際優良株自分に代わって最高の世界戦略をもって資産形成を行ってくれる訳ですから、この数ヶ月の間に金融機関が手放す株をこつこつ拾うことで良い成果が得られると思います。

 不良債権の多い銀行に預けるより、優良企業に預けるほうが良さそうです。また、プロが大勢いても戦略の無い大手投信会社に任せるより、「素人」が自身で時期を選んだ方が好成績かも知れません。

1月12日(金)

先物買いでリバウンドを試す。

 昨日の引け前より先物が順ザヤで現物を引き上げる動きに入っています。引けのTOPIXのベーシス(先物と現物の差)は4.62ポイントもあり、来週も買いが入ることを暗示しています。ナスダックが今夜上昇なら上げに弾みが付くでしょうし、そうでなければ、下げを小さくする効果になるでしょう。

 先物主導の上げは先月の22日以降のテクニカル・リバウンドと同じ状態です。売られている株を買い支えるより、上から先物で吊り上げるほうが指数は上げ安いので先物買いが多用されます。

 買い支えようとすれば、板があるだけ売ろうとするニーズがあるために膨大な量の買いをはわせることになり、多額の資金を必要とします。それに対して、先物から買っていけば裁定買いが自然に発生し、指数を上げさせ、投資マインドの回復につなげます。

 下げ過程で裁定残は減るものですが、12月最終週など「吊り上げ」場面で増加しています。このような不自然な上げでは将来の売り要因である裁定買い残を増やすことになり、お得意の「問題先送り」になります。

 最近、逆日歩銘柄を狙い撃ちする短期資金が多くなっていますが、先物買いも同様に、ショートが溜まったところを確認してから買い始め、踏み上げの買いにぶつけて逃げる方法において何ら変ることはありません。

 重要な点は、そういう展開でトレンドが転換することもあれば、転換したと思って買った途端に梯子を外されることもあります。後者が10月第1週と11月第一週、12月最終週と最近3回の同パターンで行われたと思います。

 いずれも下げパターンで無理やり上げようとしていますから、単なる時間調整に終わった訳です。今回も時間調整に終わる可能性は濃厚ですが、空売りも位置が低く、利益の幅が少なくなるでしょうから、ヘッジ売り程度が良いと思います。

ソフトバンクはまだ下がりますか?」というご質問。

 「ソフトバンクをどう思いますか?まだ下がりますか?」という質問が多くありましたが、100株を2000万円近くで買っていたときに比べて、100株が30万円程で買える現在、この株があといくら下がると考えての質問なのでしょうか?

 質問者自身の株式のセンスは大丈夫か心配してしまいます。ここに至ってはソフトバンクもバリュー株と同列の水準であると考えますので、リスクを心配せずに存分にお買いになれば良いのではないでしょうか。需給の問題はやがて水準が解決するでしょうが、過去の下げに比べていくらの幅も残っていない現在、心配することはないでしょう。(反発するかどうかは別です)

 言えることは、ソフトバンクはインベストメント・バンクかベンチャー・キャピタルの会社で、これから投資する先の株式に安く投資できますから、本業としては今は良い環境と言えるでしょう。

 目先に拘らなければ、IT革命というパラダイム・シフト(変換)が起こった以上、将来の勝ち組企業を買っておけば大きな収益を生むことは間違いないと思います。

1月11日(木)

流石に、目先リバウンドか。

 明日のザラ場で安い場面があれば、流石にリバウンドが起きても不思議ではありません。次限月のオプションIVは25%以上になり、不充分ながらも徐々に反発の雰囲気は整ってきました。

 ただ、出来高面などを見ますと充分な調整があったとは言い難く、日経リンク債のストライク・プライスで最も設定の多い12879円どころに、先月21日のフリーフォールが思い浮かんでしまい買い方を怖気づかせています。

 バブル崩壊後の最安値は今の日経平均にとっては全く別のものですが、過去に設定されたリンク債には銘柄入れ替えに関係が無いので、修正がなされない限り、リンク債の買い方にとってたいへん不利益が生じる可能性が出てきました。日経新聞社の乱暴な銘柄入れ替えの影響がこの時期まで及ぶとは、罪なことをしたものです。

 また、アクセス数が前回安値の21日に近づいていることも特徴として上げられます。

様々なうわさが飛び交う。 

 市場では金融機関や大手企業の倒産のうわさや証券会社と顧客とのトラブル(EBが多い)などの悪い話が飛び交っていました。少々末期的な感がしなくもありません。

 そのなかでマスコミが伝えたトヨタが持ち合い株を最大で4000億円処分する話が衝撃的で、これで、松下キャノンなど優良企業が軒並み疑心暗鬼で売られたようです。状況からすると大いにあり得る話ですから、当分は日本株にとって大きな戻り売り圧力になりそうです。

 リバウンドがあればヘッジ売りも考えて良い場面と考えています。また、短期売買なら、買い銘柄はたくさん出てきたと見ています。 

1月10日(水)

ここが底なのか、まだ先なのか?

 投資家の皆さんはこの下げ相場をみて大いに頭を悩ませていらっしゃることでしょう。実際、ここが底ですと言われても納得できる状況も散見されます。信用の評価損がマイナス20%以上になったと考えられる点がその最たる指標でしょう。

 一方で、まだ先なのかと思わせる状況もあります。出来高が増えずに下げても、セリングクライマックスと思わせる下げではありませんので、底値が実感できる投資家は少なかったことでしょう。

 理由の明確でない下げ銘柄も多く、銘柄間の格差が目立つことも不気味さを助長しています。例えば、同じグループであるのに東海銀行(8321)は上げ、三和銀行(8320)は53円安の777円と急落しました。住友銀行さくら銀行のように共に下げるなら分かり易いのですが、三和銀行の下げは空売りの残も1000万株以上もあり、急落について説明し難い状況です。(この空売りの多くが現渡しする為のつなぎ売りに過ぎない可能性があります。)

 アルプス電気(6770)についても大発会の1799円高値から1310円の本日安値まで、500円近い下げです。結局、板が薄い状況がある為に、個別銘柄がいつ得体の知れない下げに見舞われるか分からないという不安感があります。また、ソフトバンクのように出来高はあるものの、じわじわと真綿で締め上げるような悪性の下げもあり、株式を持つリスクを投資家に刷り込んだようです。流動性に問題がある場面では目一杯に株式を持つことは避けたいと昨年末以来申し上げている通りです。

 とはいえ、物色意欲が全く無くなった訳ではなく、昭和電工が大商いで高くなり、好材料に素直に反応しましたし、年末にまとまって売られていた三菱系企業でも、早めに下げていた麒麟麦酒(2503)が高くなりました。旭硝子(5201)についても同様の買いが期待できそうです。

 結局、どの水準が底かは先月の下げ場面でも述べました通りで、底値と思われる状況があって判断されるもので、今の段階では「まだら模様」でまだ揃っていないというところでしょう。

 SQは130−135の範囲が業者(証券自己)の望むところと推察され、思惑通り推移しているようです。

1月9日(火)

再び追証の投げ、銘柄によっては買い場も。

 日経平均は12月22日〜25日の先物の窓である13540円を埋めることを意識した展開でしたが、結果として、窓埋めが実現してSQの思惑を消化しつつあります。依然として、SQでは売り越しが予想されるた為、買い物が入り難いものの、インプライド・ボラティリティーの上昇から新安値まで売り込む可能性は小さいと思われます。

 現状では13000円台の前半を想定した売買がなされているようです。

 それにしても、小型株やNTT、ソフトバンクなどの主力株の下げは強烈で、信用の評価損益はマイナス20%以上になっていると思われます。今日の売りは外人、個人、それに機関投資家の売りのいずれも損失確定の売りがほとんどで、それぞれ解約売りや追証など止むに止まれぬ売りと推測できます。

 このような売りが多い場面は、後から考えると買い場になっていることが多いので、オーバーシュートされれば買いたいところです。

 

円安は一服か。

 ドル=円のオプションのインプライド・ボラティリティーは昨年の11月17日と20日に7.5%という稀に見る低さを示した後、昨日の10.7%までほぼ一本調子に上昇したことで目先一服すると見ています。円の売り込み警戒感が出てくる場面でしょう。為替については、株式よりはるかに多くの要因が関係するので読み難いのですが、円安トレンドが不変であったとしても、一旦調整する場面にさしかかって来たと感じます。

 円安銘柄についても買いは慎重にしたほうが良さそうです。最近、リコー富士写真フィルムのように円安銘柄が取り組みでも買われていますが、石川島東急電鉄が本日急落したように取り組みを過当評価すると足をすくわれますので注意したいところです。

1月5日(金)

迷走相場の継続、SQ前の波乱も。

 来週は日本の金融政策の変更期待と株価対策期待でリバウンドを試す反面、需給悪による調整局面も交互に現われるような閑散な中での「迷走相場」が続きそうです。

 オプションSQでは極端に偏った建て玉がない為に試されたレンジ内での決着が予想されますが、一部業者が、現状よりも上下どちらかに動かしたいと考えているポジションもあり、注目されます。

 個別には、「円安銘柄」が物色されていますが、経済の見通しが悪いことで通貨が売られているのに、その国の株を積極的に買うのは論理的な整合性がとれません。ソニーアドバンテストなど既に機関投資家が大量に持っている銘柄の人気が継続する可能性は少ないと思われます。

 むしろ、この上げは直前の中低位の内需株買いに対するセクターローテーションで輸出関連株買いが起きていると捉えています。実際、ドルベースでは本日の日経平均は大きく値下がりしていて、外人投資家にとって日本株の魅力が増したとは言い難い結果です。

 また、直前まで買われていた建設株や不動産株などの内需関連株が急速に人気離散していることで、参加している資金の足の早さが気になります。

「株価対策」で証券受難時代の再来?

 1〜3月の需給が悪いことは確かでしょうから、相澤氏などが公的資金を使って金融機関からの株式買い入れの仕組みを作る動きが出ています。これに賛成する関係者や「識者」が多いのは嘆かわしい事実です。そして、残念ながら、かなりの確率で何らかの対策が出ると予想されます。

 もし、決まったところでその為に事前に上昇した株を税金で買うことの不自然さや、事業法人の株は買わずに、リストラが出来ないでいる銀行だけ救うのか、生保は関係無いのか、など不公平で疑問点が多過ぎます。

 過去のPKOで証券会社は市場が動かなくなり、参加者が極端に減って、手数料収入が激減したことを忘れているようです。反対の声が聞こえてきません。この辺りが日本の証券会社の水準を示しているようです。

 もし、株価対策をやるなら、自社株買いを促進する規制緩和や税金優遇などが納税者の理解を得られ、効果もあると思います。反対に税金を投入する株価対策なら、それは「マーケットの死」を意味します。一時的に相場が上昇しても証券会社の営業には大打撃になると思います。勿論、投資家は政策の介入リスクがこれほど顕在化している市場に参加しようにも出来ないことになります。株価対策を政治家が議論していることが目下のリスクになっていることはたいへん皮肉なことと言わなければなりません。

1月4日(木)

絵に描いた餅。

 NYのコピー相場と言われた日本ですが、コピーも出来なくなったのかと思わせる大発会でした。しかし、金利を下げれば即ファンダメンタルズが良くなる訳は無いので、この反応が正確であったかも知れません。ファンダメンタルズが改善を見せるのは3回程度の利下げ後ではないかと考えます。

 また、上昇時のNYも金利上昇の3回目までは下げなかったことでもお分かり頂けるように、金利と株価はパラレルに動くとは限らないと思います。

 日米の最大の差は何と言っても「空売りの格差」で、市場に与えるインパクトで5倍以上の差はあると思われます。その為、ナスダックはショートカバー中心に10数パーセントも上昇しました。米国は日本と違って投資家の合理的な考え方が浸透していることや投資家の厚みに差があります。

 「安く買う」というのは自分が買った後の上値を買う投資家がいて初めて言えることですが、多くの投資家の勘違いは過去の高値より安く買うことを「安く買う」と思っている点でしょう。

 年金や公的資金ぐらいしか買える投資家がいない時期に、高くなったところを買って更に上値を買う投資家がどれほどいるか疑わしいものですし、上げを見てすかさず持ち合い解消売りが出たことも要注意です。

 営業マンは信用の整理やEBの償還、ドコモの公募などで忙しくなりそうで、前向きの営業までなかなか進めないようです。

 ただ、日本も協調して何か金融政策を出すと考えていますので、売り込み過ぎは踏み上げにあうかもしれません。


12月29日(金)

新年早々難問山積。

 日本の株式市場の変質を端的に示した納会でした。最も変わったことはネット証券での参加者が急増したことでしょう。本日もその悪い面が出ました。デートレーダーたちが寄り近辺でドレッシングを期待して買ったものの、ドレッシングがない為に肩透かしで投げてしまったようです。

 来年の期待が薄い為に短期売買を行い、マーケットの構造変化を象徴する出来事をもって、今年の幕を閉じたという感じです。

 年明早々に、難問が続々と控えています。まず、NTTドコモの1兆円ファイナンスが行われるでしょう。NTTの損失さえ癒えぬ間のNTTグループによる大型調達はセカンダリー・マーケットに少なからぬ被害を与えそうです。

 また、EBの償還が1〜3月に集中的に行われます。ソニードコモ、京セラ、松下通信などですが、現物償還になるものが大半です。特に、NTTドコモはEB購入者の被害が甚大でしょうし、これからも需給が大きく悪化しそうです。

 日経リンク債もノックイン価格が未達のものがあり、接近すれば、ノックイン狙いの売りがありそうです。今のように板が薄いと簡単にノックインされそうです。

 持ち合い解消売り以外に、もう一つ、注目されていない悪材料があります。信用期日が1〜2月に比較的多いことです。追証など強制的な投げで2000億円程度信用買いが整理されましたが、残っている未整理玉でも期日には整理せざるを得ません。

 こうしたものが重なって、参加者が身動きできなくなり、先物売りでフリーフォールが再び演出されそうで、そうなれば、一時的にせよ絶好の買い場になると思います。売りヘッジを持っていれば、そのような場面でドテン買いが出来ます。

 NY市場は空売り玉が46億株もあり、下げても利益になる人がたくさんいます。それに比べて日本は下げればお手上げで、公的資金で株を買い上げることしか打つ手がないありさまです。

 もし、株式の買支えに税金を使えば株式売買を全くしない納税者との間で大きな不公平が生じます。ふだん自己責任を唱えながら、困ればモラルをなくす証券関係者がたくさんいます。どんなに厳しい相場でも自由な市場だから魅力があると思います。

21世紀のカオス

 キリスト教では神が現われる以前の混沌とした世界のことをカオスと言っています。その言葉を使って、物理学では複雑で解明し難い過程のことを言います。そして、最後はこうなるという決定論的な意味を持っています。(洗濯機で例えますと、衣類の回りかたは毎回異なりますし、その過程の解明は困難ですが、10分も洗えば結果は毎回きれいになるという点で決定論的です。)

 21世紀の日本で考えられるカオスは何でしょうか。

 日本の人口がどの時点からか分かりませんが、必ず減り始めることや、環境がますます悪化すること(緑が減って海面が上がることは深刻です)は代表的なカオスでしょう。そのため、企業のソーシャル・コスト(社会的費用)も減ることはないでしょう。環境エントロピーを考えることがたいへん重要になると思います。また、少子化の為にメガネ会社の株が下げましたが、自動車や住宅などもどうなるか分かりません。

身近なところでは、既存の証券会社がいつか、ネット証券の利用拡大で経営難に陥ることが考えられます。既存の証券会社のアドバイスでは手数料を10倍払う価値がないと考える人たちはますます増えるでしょう。とはいえ、ネットを前にして自己責任を全うするプレッシャーは相当なものでしょう。「クリック&モルタル」で、ネットと対面の融合を計るシステムが最も安心できるビジネス・モデルではないかと考え、自身で実践している次第です。

 暗い話が多いですが、円高不況や石油危機を克服したように、危機をバネに変身出来るのが日本人のすごいところで、夜明け前を上手く買っていきたいものです。

12月28日(木)

日米空売り格差はモラル・ハザードか。

 米国の信用売り残高が約46億株と史上最高を更新しています。米国には信用期日が無い為、期日で変動の大きい日本の信用取引とかなり事情は異なります。それにしても、日本ではほとんど空売りやプット買い、先物売りなどのヘッジポジションが増えていません。

 日本では投資家に買いのバイアスが強すぎることは何回も述べたことですが、投資家の間にモラル・ハザードが起きている可能性もあります。下げても必ず政府が株価対策をするという期待が根強いのではないでしょうか。

 株価は経済を映す鏡でしかありませんが、度々、鏡を磨けば経済が良くなるという本末転倒した主張が関係者から起き、何度も人為的に相場操縦が行われてきました。その経緯がある為に、下げても関係者に危機感がなかなか生まれません。

株価維持策のリスクが参加者を減らす。

 モラル・ハザードがある為、日本売りが行われているにもかかわらず、ショートが増えません。また、そうしたショート・ポジションの少なさがリクイディティの低下を招き反発力を弱めています。

 更に、流動性低下で外人売りがまとまれば、簡単に新安値になりそうな反面、政府が株価維持策を決めれば急反発もありそうで、外人にとって日本株市場の不公平さと流動性低下は「参入障壁」になりつつあります。

 相澤元金融再生委員長が自民党内で1月に預金保険機構の資金で持ち合い解消売りの株式を買い上げる構想を検討しています。宮沢氏・亀井氏など政治献金の大きい業界だからといって余りに過保護に過ぎると副作用の方が大きいのではないかと危惧します。

 下げに対して準備の出来ているアメリカ市場とそうでない日本市場の差は歴然としています。その為にナスダックが高かったことに反応出来なかったのが本日のマーケットであったと思います。

 円安進行の中で意味も無く建設株電鉄株を買うことは何を示すのでしょうか?まさに、迷走する日本を象徴しているようです。