私の日記(山本芙美子)2006.8.15

25年を振り返って(3)
2005年11月20日の日記から

 アメリカに移ってすぐに会ったのがジョーン・モシマー(Joan Moshimer)だった。メイン州ノースウィンダムにあるセント・ジョセフ・カレッジ(St.Joseph's College)でのラグキャンプへ行く途中にお店を訪ねたのがきっかけで、三度ほどお邪魔したが、自宅に泊めて頂くなど、ずいぶんお世話になった。ジョーンは、朝、新聞を買いに行く途中の車の中や食事のあとなどに、ラグフッキングについて彼女が考えていることを聞かせてくれた。当時、彼女は雑誌「Rug Hooking」の前身となる「Rug Hooker's news & views」を発行していたので、その記事をいろいろ読んでいたが、同じことでも彼女自身の口から直接聞くとさらに重みが増した。そんな風にしてジョーンからは細かいテクニックというよりは、ラグフッキングについての幅広い考え方を教えてもらった。

 そんな彼女にとても心配をかけてしまったことがある。一時期、私は勉強のため、コマーシャルパターンしか制作しなかった。それを知ったジョーンは「アレアレ、Fumikoはどうしちゃったの」と思ったらしく、ことあるたびに「幸せなら言うことでもないのだけれど、自分のスタイルを追求するのを忘れないで欲しい」と忠告してくれ、今では最後となった手紙にもそんなことが書いてあった。イソップを見てもらうことが出来たら心配はふき飛んでしまったと思うと、これが出来なかったことが悔しい。

 ジョーンとの思い出のひとつに、宝さがしに出かけたフリーマーケットでの出来事がある。探し始めてすぐ、期待どおりにガレットパターンの「スコッティ・ラグ」(スコティッシュ・テリヤのパターン)がみつかった。それは私がフッキングを習い立ての頃、刺して賞を頂いた思い出の深い、二十世紀初頭の古いパターンだ。日頃から昔のパターンを勉強も兼ねたコレクションとして手に入れたいと思っていた。店頭にあるものは私のフックしたパターンよりひとまわり小振りだった。ジョーンが交渉してくれたが、売り主はまけないという。ジョーンからゴーサインはでなかったし、触るのをためらうくらい汚かったので、結局買わなかった。ただ、私がよほど買いたそうに見えたらしく、帰宅後、ジョーンから話を聞いたご主人のボブが「ああいうところの品物は玉石混淆だからね。いきなり、言い値で買ってはいけないよ」とアドバイスしてくれた。

こうして、セント・ジョセフのラグキャンプに参加する時は、途中寄り道をして、彼女達と会うことが私の楽しみのひとつになった。

写真:Joan Moshimer 夫人と私


  ラグ・フッキング教室

場所:JR常磐線・武蔵野線 新松戸駅から徒歩10分
曜日:第1・第3金曜日
時間:11:00〜16:00の間の2時間
コース:基礎コース、初級コース(ファイン・フッキング、プリ
   ミティブ・フッキング)から上級まで
講師:山本芙美子(マクガウン協会公認教師)

※アメリカでのワークショップ(McGown Teachers Workshop)参加ご希望の方、お手伝いいたします。ご連絡下さい。

お申し込み・お問い合わせは“アトリエHooking Bees”まで。

eメールアドレス:fyrughook@col.hi-ho.ne.jp

※「ラグ・フッキングってなあに?」という方、ご連絡下さい。作品、雑誌や書籍でラグフッキングをご紹介します。                

 

リンク集/Link

日本語のサイト

千津子とラグフッキング
米国マクガウン協会の講習会でご一緒した早水さんのホームページ。
早水さんはファインフッキングのラグ作家としてご活躍中です

Loopy's Rug Hooking
Loopyさんのホームページ

Let's enjoy handycraft
「フッキング大阪会」の幹事さん"i-ko"さんのホームページ。フッキングだけではなくマルチのクラフトが楽しめます
ジュート&ケナフ 
バーラップの原料ジュートについて知りたい時にどうぞ

英語のサイト

Rug Hooking Online
雑誌「Rug Hooking 」のホームページ

Pearl K.McGown Hookrafters
マクガウン協会のホームページ

Hooked and Prodded Rug Making
ラグ・フッキングはこの手法が発展したものという説もある「プロッディド ラグ」の作り方や道具もあるページ

Journal of the Amwrican Institute for Conservation
ウールの大敵、虫食い対策ついて詳しく出ています
International Jute Study Group ジュートの栽培から製品まで写真が豊富です

Peace Industry TM
「Namad」と呼ばれるイランのフエルトラグの作り方が出ています。この作り方で、どうやってかなり複雑な柄を作れるのか「不思議」です。プロは違いますね。
National Woollen museum re-opens BBC Newsの記事「ウール美術館が再開されました」さすが羊毛の国イギリスです。一度訪ねたいと思ってます


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