プリテンダー


 ワーナーミュージック・グループ、洋楽名盤キャンペーン。
 リストアップされた200タイトルの中から、CDを3枚購入して応募シールを送ると、
もれなくもう1枚がプレゼントされる、という太っ腹企画である。(7月末迄)

 小冊子の中から熟考して私が選んだアルバムは、この3枚だった。

 「Sweet Baby James」        James Taylor
 「The Pretender」          Jackson Browne
 「Still Crazy After All These Years」 Paul Simon

 全くの偶然だが、3枚とも70年代のアルバムとなった。
 ビルボードのチャート資料を紐解いてみると、「スウィート・ベイビー・ジェイムス」
が70年全米最高3位、「プリテンダー」が76年5位、ポール・サイモンの「時の流れ
に」(邦題)が75年1位、といずれも大ヒットしている。

 60年代のフォークロックサウンドから一歩抜け出したような美しいアレンジに、自己
に対峙する内向的な詞の流れ。ジャクソン・ブラウンの「プリテンダー」はボブ・ディラ
ンとも異なる、何か新しいポップスの在り方を感じさせる。

 "No matter how fast I run
  I can never seem to get away from me
  No matter where I am
  I can't help feeling I'm just a day away"

                       From "YOUR BRIGHT BABY BLUES"

 「どんなに速く走っても
  自分自身から逃げられないような気がする
  どこにいても あと一歩で
  目的地に辿り着けるのだとばかり考えてしまう」

 この時代であるがゆえの生き方。ある青年の生活と深い思い。
 アルバムには彼の人生の一部が反映されている。しばしタイムスリップをして、その世
界にひたってみる。時々「あぁ同じなのだ」と共感しながら・・・。

 さて、3枚を購入した上で応募したタイトルは、まさに名盤。

 「The Last Waltz」 The Band

 ビデオでしか馴染みのなかったこの作品、まさかこんな形で手に入れることになろうと
は。こちらは2枚組だから尚更お得というわけである。
 到着を楽しみに、次の3枚を考えることにしよう。


                                1999/7/19
                                  Esme



                             Back