ナポレオンフィッシュ・ツアー(1989)
―自由への新しい航海―
佐野元春 WITH THE HEARTLAND

EPIC/SONY RECORDS
(ESVU212)
1990/4/8発売

◆フィルムスタッフ
 Director          坂西伊作
 Director of Photography   夏野大介
 Cameraman          夏野大介、榎本吉雄
                古川 誠、恒田嘉弘
               
林 渉(for WHOOP)

Directed by 坂西伊作   Cover Concept; 佐野元春      Photograph; Richard Misrach
            Art Direction & Design; 駿東 宏  Illustration; James John Mazzeo
Sound Engineer; 木村史郎
Creative Associate; 渡辺 宏
                              (インナークレジットより抜粋)




1989年の Napoleon Fish Tour は個人的に重要な意味を持つツアーであった。それは
ワンツアーで多数のステージを体験する、という実践の始まりであり(初遠征を含め計8
公演)、「自由への新しい航海」と副題がつけられているように、秀逸のトータルコンセ
プトを持つという意味において、最も感銘を受けたツアーであった。大阪公演を収録した
この作品には、ツアーを特徴づけている7曲が収められている。特にオープニングの「新
しい航海」から「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」への流れが素晴らしい。ギターを弾き
ながら腕をぐるぐる回したり、足を踏みならす仕草など、随所にパワフルな元春の姿を目
にし、ギターの長田くんが多くの場面でフューチャーされていたことも印象的であった。
オリジナルとは全く異なるアレンジの「ブルーの見解」「雨の日のバタフライ」も素晴ら
しい。ただし、優れたステージ演出にも関わらず全編ほぼモノクロ画像が中心であること
「Complication Shakedown」の演奏が完璧でなかったことが今でも不満として残る。




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