1973年 ジョージ・ロイ・ヒル監督 ポール・ニューマン 1968年 アメリカ・イギリス
□Oci
Ciornie(黒い瞳)★★★★
1987年 イタリア ニキータ・ミハルコフ監督 マルチェロ・マストロヤンニ
客船のレストランで二人の男が会話をしている。不倫相手の女性を忘れられない男、長年の恋を実らせて結婚
したばかりの男。男の回想シーンはあでやかに描かれた末、予想もしなかったラストシーンはあまりに美しく、
そして哀しい。マルチェロ・マストロヤンニ、老いてなおすばらしい俳優である。
□おもひでぽろぽろ
★★★★
1991年 高畑勲・宮崎駿監督 (声)今井美樹 柳葉敏郎
27歳のタエコの心に甦る小学5年生の自分。回想の中のタエコに起きる何気ない出来事や風景が、懐かしい
気持ちでいっぱいにしてくれる。
□Once
Upon A Time In America(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ)★★★★
1984年 セルジオ・レコーネ監督 ロバート・デ・ニーロ ジェームズ・ウッズ
1920年代のアメリカ。貧しいユダヤ系移民の子供たちがギャング団となり、やがて成長するとともに消え
てゆく友情を描いた作品。デ・ニーロの演技がすばらしい。
□Out
Of
Africa(愛と哀しみの果て)★★★★★
1985年 シドニー・ポラック監督 アイザック・ディネーセン原作 ジョン・バリー音楽
メリル・ストリープ ロバート・レッドフォード
スウェーデンの貴族と結婚したカレンは、ケニアに渡りコーヒー農園の経営に情熱を燃やす。アフリカでたく
ましく生きた小説家アイザック・ディネーセン(=本名カレン・ブリクセン)の生涯を、冒険家デニスとの出
会いと別れを中心に、美しい風景と大地を背景に描いた作品。私がこの世の中で一番好きな映画、と言いきっ
てしまおう。アカデミー賞7部門受賞。
□Peggy
Sue Get
Married(ペギー・スーの結婚)★★★
1986年 フランシス・コッポラ監督 ジョン・バリー音楽 キャサリン・ターナー
ニコラス・ケイジ
年頃の娘を持つペギー・スーがハイスクール時代にタイムスリップして、恋をしたりケンカをしたり。やがて
本当の夫婦愛が甦る。ペギー・スーと一緒に私も泣いたり笑ったりしていた。
□Perfect
World,
A(パーフェクト・ワールド)★★
1993年 クリント・イーストウッド監督 ケビン・コスナー クリント・イーストウッド
ローラ・ダーン
脱獄犯ブッチと人質となった子供フィリップの心の交流。
□Postcards
From The
Edge(ハリウッドにくちづけ)★★
1990年 マイケル・ニコルズ監督 メリル・ストリープ シャーリー・マクレーン
荒波のショウビズ界で生きる母娘の、ちょっぴり哀しいコメディタッチの物語。音楽担当はカーリー・サイモ
ン。ラストシーンで歌われる「ハートブレイクホテル」が楽しい。
□Psycho(サイコ)★★★★
1960年 アルフレッド・ヒッチコック監督 アンソニー・パーキンス ジャネット・リー
ヴェラ・マイルズ
ヒッチコックの代表作。モノクロ画像の効果が随所に表れ、何度見ても息を飲んでしまう。「この映画は頭か
らごらんになってください。それ以外のところから見るのはどうかごかんべんを」(プロモーションフィルム
より)"This picture you MUST see from the beginning.....Or not
at all!.....for no one will be seated after
the start of....."
□RAMPO
★★★
1994年 松竹 奥山和由監督 竹中直人 本木雅弘 羽田美智子
江戸川乱歩と彼の作品の幻想的詩編のつづれおり。これまでに見たことのない画面作りが新鮮だった。
□Rear
Window(裏窓)★★★★
1954年 アルフレッド・ヒッチコック監督 ジェームズ・スチュアート グレイス・ケリー
車椅子生活を送るカメラマンの一室と、その部屋の窓からの眺め。それだけで構成され、見事にストーリーが
展開していく異色サスペンス。近づく犯人の眼をストロボでくらますシーンなど、画面作りの面白さはさすが。
恋人役のグレイス・ケリーがセクシーでエレガント。
□Roman
Holiday(ローマの休日)★★★★★
1953年 ウィリアム・ワイラー監督 オードリー・ヘプバーン グレゴリー・ペック
ありふれているようでも少しも古くさくないラブストーリー。せつなさと爽やかさの余韻がある。ヘプバーン
がアイスクリームを食べていたというだけでスペイン広場へ、二人が悲しく別れたというだけでクィリナーレ
宮殿の角へ行ってみたくなる。美しい街並と心焦がれる恋。グレゴリー・ペックの渋い演技も忘れられない。
□Room
With A View,
A(眺めのいい部屋)★★★★★
1986年 イギリス ジェイムズ・アイボリー監督 E.M.フォスター原作 へレム・ボナム・カーター
ジュリアン・サンズ ダニエル・デイ・ルイス マギー・スミス
古き良きイングランドとフィレンツェで芽生える美しい恋物語。若い娘と街との出会い、異文化に触れて揺れ
動く心。枠から抜け出し、自分の正直な気持ちに気づく時、そこには再び秋のフィレンツェが待っていた。当
時18歳だったへレム・ボナム・カーターが初々しい。
□'Round
Midnight(ラウンド・ミッドナイト)★★★★★
1986年 フランス ベルトラン・タヴェルニエ監督 デクスター・ゴードン
フランソワ・クリューゼ
テナー・サックス奏者、デイル・ターナーの晩年を、パリを舞台に悲哀を織り交ぜ、物静かに描いた作品。モ
デルはバド・パウエル。ところどころに入る演奏があまりにすばらしく聴き入ってしまう。ジャズの魅力に引
き込まれる。
□Saving
Private
Ryan(プライベート・ライアン)★★★
1998年 スティーブン・スピルバーグ監督 ジョン・ウィリアムス音楽 トム・ハンクス
マット・デイモン エドワード・バーンズ トム・サイズモア
"private"とは兵卒、兵士の意。1944年6月、ノルマンディー上陸作戦を乗り切った小隊が、3人の兄を
亡くしたライアン二等兵の救出という任務を背負わされた。疑問を抱きながらも部隊は危険な前線へと近づい
ていく。冒頭と後半部分を占める壮絶な戦闘シーン、執拗なまでに続く凄まじい描写に思わず目を背けてしま
う。どうしてこんなに愚かな行為を? もう二度と同じ過ちを繰り返してはいけない、スピルバーグの真意は
そこにあるのだろう。
□Schindler's
List(シンドラーのリスト)★★★★
1993年 スティーブン・スピルバーグ監督 リーアム・ニーソン ベン・キングスリー
ラルフ・フェネス
オスカー・シンドラーはポーランドの工場でユダヤ人労働者を雇っていた。やがてナチスによる迫害を目の当
たりにし、彼らを救い出す決意をする。大戦中の実話に基づく作品。彼が救った1100人のユダヤ人の子孫
は、今では6000人を超えるという。スピルバーグの信念が伝わってくる大作。「この映画を虐殺された6
00万余のユダヤ人に捧げる」"in memory of the more than six,
million Jews murdered"
□Silence
of The Lambs,
The(羊たちの沈黙)★★★★
1991年 ジョナサン・デミ監督 ジョディ・フォスター アンソニー・ホプキンス
スコット・グレン
FBI訓練生のクラリス・スターリングは連続殺人犯人を追跡すべく、獄中のレスター博士に協力を求める。
ギヴ&テイクのこの二人の駆け引き、息詰まる犯人との闘い。単なるサスペンスものではなく、練り上げられ
た脚本、カメラワーク、そして何よりもジョディ・フォスターの演技がすばらしい。アカデミー賞主要5部門
独占にも納得。
□Some
Like It
Hot(お熱いのがお好き)★★★★
1959年 ビリー・ワイルダー監督 ジャック・レモン トニー・カーティス マリリン・モンロー
アメリカ、禁酒法時代のシカゴ。失業中のサックス・ベース奏者の二人が殺人を目撃し、ギャングに追われる
はめに。女性だけの楽団に潜り込んだことから起こる数々の喜劇。ジャック・レモン、トニー・カーティスの
女装は見るたびに吹き出してしまう。マリリン・モンローのキュートさ、決して飽きさせない筋の運び、テン
ポのよさ! 最高級のコメディである。
□Somewhere
In Time(ある日とこかで)★★
1980年 ジェアノット・スズウォック監督 ジョン・バリー音楽 クリストファー・リーブ
ジェーン・セイモア スーザン・フレンチ
67年前にタイムスリップをして美しい舞台女優と恋に落ちる青年脚本家を、スーパーマンで有名になったク
リストファー・リーブが熱演。
□Sound
of Music,
The(サウンド・オブ・ミュージック)★★★★★
1965年 ロバート・ワイズ監督 ジュリー・アンドリュース クリストファー・プラマー
7人の子供の家庭教師になった主人公マリア。やがて子供たちの父親トラップ大佐と結婚するが、ドイツと併
合するオーストリアから自由を求めて亡命。「ドレミの歌」や「エーデルワイス」、美しいアルプスの山々、
壮大な自然。政治的背景にやや戸惑いながらも、とても楽しめるミュージカル作品である。
□Spirit
of St.Louis,
The(翼よ!あれが巴里の灯だ)★★
1957年 ビリー・ワイルダー監督 ジェームス・スチュアート
史上初の大西洋横断飛行に成功したリンドバーグの手記の映画化。ラストシーンのパリ上空の夜景が美しい。
「スピリット・オブ・セントルイス」とは飛行機の名前。
□Stage
Fright(舞台恐怖症)★★★★
1950年 アルフレッド・ヒッチコック監督 マレーネ・ディートリッヒ ジェーン・ワイマン
演劇界を舞台に繰り広げられるサスペンス。ラストにはちょっとしたどんでん返しと緊張感。マレーネ・ディー
トリッヒはこの作品の中でもすばらしい「大女優」である。
□Stand
By
Me(スタンド・バイ・ミー)★★★★
1986年 ロブ・ライナー監督 ジャック・ニッチェ音楽 ウィル・ウィートン
リバー・フェニックス コリー・フェルドマン ジェリー・オコネル
心の奥底に眠っている子供の頃の感情。今では細い糸をたぐるようにしか思い出せないもの。そんなもので心
を満たしてくれる作品。何度見てもほろっとさせられる。
□Sting,
The(スティング)★★★★★
ロバート・レッドフォード ロバート・ショー
"The
Sting"とは「とどめの一撃」という意味。舞台は1930年代のシカゴ。
二人の詐欺師が手を組んで、仲間の敵討ちに乗り出す。二転三転するどんでん返
しの小気味よさ。実は観客がだまされていたとわかる最後まで、決して飽きさせ
ない。アカデミー賞7部門受賞。
□Strada,
La(道)★★★
1954年 イタリア フェデリコ・フェリーニ監督 ジュリエッタ・マシーナ アンソニー・クイーン
旅芸人ザンパノとその相棒、知恵おくれのジェルソミーナの悲しい物語。ジュリエッタ・マシーナはその大き
な瞳で悲しみをいっぱいに表現する不思議な女優。フェリーニ作品の中では、話の筋がいちばんわかりやすい。
□Strangers
On A Train(見知らぬ乗客)★★★★
1951年 アルフレッド・ヒッチコック監督 ファーリー・グレンジャー ルス・ローマン
列車の中で知り合った男に、一方的に交換殺人を持ちかけられたテニスプレーヤー。男の奇行が彼を苦しめて
いく。モノクロでスター女優の起用もなく、数あるヒッチコック作品の中では地味だが、人間心理をついた秀
作。
□Summertime(旅情)★★★
1955年 イギリス デビッド・リーン監督 キャサリン・ヘプバーン ロッサノ・ブラッツィ
中年のアメリカ女性が休暇でベニスを訪れ、ひとときの恋に酔う。キャサリーン・ヘプバーンの見事な演技、
淋しい女心が伝わってくる。古い街路に張り巡らされた水路、大広場のカフェは今も残っているのだろうか?
□Taxi
Driver(タクシー・ドライバー)★★★★
1976年 マーチン・スコセッシ監督 ロバート・デ・ニーロ シビル・シェパード
ジョディ・フォスター
けだるい街並や情景、人々の様子をこれほど巧みにとらえた作風には、これまであまり出会わなかった気がす
る。ましてやニューヨーク、若きデ・ニーロが鋭くかっこいい。カンヌ映画祭グランプリ受賞。
□To
Catch A Thief(泥棒成金)★★★
1955年 アルフレッド・ヒッチコック監督 ケイリー・グラント グレース・ケリー
南フランスの避暑地を舞台に、元・宝石泥棒とアメリカの富豪の娘がニセ泥棒の正体をあばく。ストーリーは
やや陳腐だが、ニースの街並、青空と海、ウィットに富んだ会話が気持ちいい。そして何よりもグレース・ケ
リーの美しさ。
□2001:
A Space
Odyssey(2001年宇宙の旅)★★★★
スタンリー・キューブリック監督 アーサー・C・クラーク原作
ケア・ダレー ゲイリー・ロックウッド
「美しき青きドナウ」をバックに宇宙空間を映し出すその画面の美しさ。
そして神秘的で哲学的なエンディング。難解な作品である。しかし引き
つけて止まないもの、それは神なのだろうか。スタンリー・キューブリ
ック監督、1999年3月7日逝去。享年70歳。
□Untouchables,
The(アンタッチャブル)★★★★
1987年 ブライアン・デ・パルマ監督 ケビン・コスナー ショーン・コネリー
ロバート・デ・ニーロ アンディ・ガルシア チャールズ・マーティン・スミス
禁酒法時代のシカゴを舞台に、暗黒街のボス、アル・カポネ一味の逮捕に挑む男たちを描く。カポネ役のデ・
ニーロをはじめ、豪華キャスティングがはまっている。緊張感の漂う音楽とストーリー展開、カメラワークが
光る。
□Vertigo(めまい)★★★★★
1958年 アルフレッド・ヒッチコック監督 ジェームズ・スチュアート キム・ノヴァク
元刑事スコッティが、友人の依頼を受けて彼の妻の監視を始めるが、彼女はやがて自殺。一人二役のトリック、
緻密に仕立てられたストーリー、高所恐怖症を感じさせるカメラテクニック、サンフランシスコロケなど、全
てが見どころ。サスペンスの醍醐味を味わえる。