Chabo Band Tour'93
HEART of SOUL
仲井戸"CHABO"麗市

TOSHIBA EMI
(TOVF-1164)
1993/6/30発売

       SHOOTING STAFF

       Caneraman: ISAC SAKANISHI
             TETSUYA SERIZAWA(LOOP)
             KATSUMI NOGUCHI(CAMERA HOUSE)
             HIROKI OSHIMA(CAMERA HOUSE)
             
WATARU HAYASHI(WHOOP)

         Director:
WATARU HAYASHI(WHOOP)

Sound Tracks Producer: REICHI NAKAIDO

       Co-Produce:
WHOOP, 7th Mother

         Produce: TOSHIBA EMI

               (インナークレジットより抜粋)




          Dreams to Remember

今夢の中で起きているのか、それとも起きていながら夢の中に居るのか、それはハッキリ
しないのだが、とにかく窓のあちら側は、やっとのこと"春のたたずまい"だ。ゆるい風が
少しばかり自由を感じる部屋に遊んで、俺はちょいといっぷくつけているって感じのひと
とき。そしておもむろにテーブルの上のリモート・コントロールをスウィッチ・オン。ス
クリーンに写し出された"ハート・オブ・ソウル"の中へひょいと帰り始めるためだ。それ
は1993年、俺の新たな旅、その幕開けの映像である。
60年代、ブリティッシュ・バンドの雄、THE Yardbirdsのヒット曲からヒントをもらっ
たツアータイトルをしょって一緒にローリングしてもらうメンバーは、絶対に小僧ではだ
めだった。それで走せ参じてやって来てくれたメンバーは強者の精鋭達。

村上"ポンタ"秀一はその圧倒的なパワーとプレイで"ハート・オブ・ソウル"ツアーをグル
ーヴさせた。奴の豪放なふるまいのすき間にふと見え隠れする細やかな一瞬は、俺の記憶
のスクリーンに永久に刻み込まれた。
早川岳晴、そのもの静かなる物腰と音楽へのファンキーな立ち向い方、そして熱いソウル
・フィーリングは、俺の記憶のスクリーンに永久に刻み込まれた。
KYON、その若々しくも確かなプレイとリズムする躍動感、そして公私における奴の誠実
なるR&R魂は、俺の記憶のスクリーンに永久に刻み込まれた。

"ハート・オブ・ソウル"ツアーはここに確かに残ったのだ。

映像とは、時に多分最も現実に近い記録に成りえ、最も現実をつき抜けてしまう物語にも
成りうる。ここに収められた映像は、信頼するスタッフ達の協力によって生み出された、
ある記録と物語だ。それは時を越えて永存されることを約束された何かの精神だ。

うれしい……。
                          仲井戸"CHABO"麗市 '93 春



1993年2月、ニューアルバム「DADA」の発表とともにチャボさんは全国ツアーを行
う。10都市11公演。ツアーメンバーは仲井戸"CHABO"麗市(Vocals,Guitars)村上"
ポンタ"秀一(Drums) 早川岳晴(Bass) KYON(BO GUMBOS)(Guitars,Keyboards,
Accordion)。
ツアー最終日の渋公で、私は初めて KYONさんとポンタさんを観ることと
なる。この作品の中でも、重厚なアレンジとサウンドで、成熟したバンドがオリジナルと
はひと味違う世界を見せてくれる。カメラは、まるで闇をイメージさせるかのようなステ
ージにくっきりと浮かびあがる白いシャツのチャボさんをとらえ、「特別な夏」では幻想
的な青の空間を魅せる。 KYONさんの激しいキーボードプレイ、アコーディオンの音色、
チャボさんの研ぎ澄まされたギターの音が響き渡る。ビデオパッケージのクレジットには
ないが、最後に収められているのはモノクロの「Dreams To Rememer」、ツアーを象徴
する秀逸のナンバーだ。




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