Happy End そして 終わりははじまり
 〜TOKYO-FM [Tasty Music Time] の終了〜


[1]「この街で君が初めての友達だった」

 はじまり。それは昨年4月2日のこと。DJ活動を1年間休業していた元春が、再びTOKYO-FM
のマイクロフォンの前に戻ってきた! 週4日の帯番組という、それまでのキャリアの中でも初め
てのスタイル。毎回定められたテーマに沿って曲が選ばれ、元春のいろいろなコメントを聞くこと
が出来た。テーマは音楽のみに留まらず、環境問題、科学、宇宙、文学、映画、精神医学etc. 多岐
にわたっていた。私が病いに倒れ病院のベッドに横たわっていた夜にも、ちょっとした恋に心を痛
めていた時にも、旅先のホテルのベッドの上で天井を見つめていた時にも、常に穏やかな口調で語
りかけてくれたDJ。私が社会に出た日にスタートしたこの番組は、まるで同期入社の友達のよう
な存在だった。


[2]「君のガールフレンドから悲しい知らせがついた」

 時は流れ、今年9月9日のこと。番組内での元春の言葉に、椅子から転げ落ちそうになった。
 「さてここで大変残念なお知らせがあります。去年4月から僕が担当した、この Asahi Beer
Tasty Music Time、今月いっぱいで番組が終わることになりました。とても急なことなので僕も
びっくりしているんですけれども、みなさんにお知らせするのが遅くなりました。どうもすみませ
ん」

 春の番組改編期なら覚悟が出来ていたかもしれない。しかしまさか突然この時期に・・・。DJ
曰く、
 
「このままプツッと終わってしまうのは何かこの番組らしくないので、今月第4週目、9月23
日からの4日間とそして9月30日の月曜日、番組では急遽スペシャルプログラムを組みたいと思
います。そこで協力してほしいんですけれども、ハガキに住所、氏名、電話番号、そしてこの番組
への感想を添えて番組まで送ってください。いつも番組を応援してくれているみなさんに、今回は
僕の方から電話インタビューをしてみたいと思います。是非協力をお願いします」
 
番組終了にあたってお馴染みとなったこの企画、とにかく心を込めて最後のカードを送るしかな
い。


[3]「電話してほしい 見知らぬ夜 誰かの声がききたい」

 どうか佐野さんと話ができますように!と祈り続ける日々。願いはMr.Postmanによって届けら
れ、9月20日金曜日22時15分、TOKYO-FMからのTEL、私は再び憧れのMOTOと言葉を交
わした!ずっとドキドキしていて言いたいことを伝えきれなかったけれども、決して忘れることの
できない数分間。


[4]「ちょうど波のようにさよならがきました」

 9月30日、とうとう別れの日がやってきた。ラストナンバーとして新曲(Happy End)をプレ
ゼントしてくれるなんてさすが元春!
 
「今夜は最終回ということでリスナーのみなさんからの電話メッセージ、あっという間に楽しい
時間が過ぎてしまいました。電話を待っていてくれたみなさん、そしてメッセージを送ってくれた
みなさん、本当にどうもありがとう。番組ではリスナーの方と約束をしておいて実現できなかった
特集もあります。それがちょっと心残りではありますけれども、また会える日までみなさんもどう
か元気でいてくださいね。DJ、佐野元春、じゃ、またいつか!」

 放送回数312回、エアチェックしたカセットテープ79本、番組に送ったリクエストカード3
3枚、採用されたリクエストナンバー5曲。佐野さん、そしてスタッフの方々、すばらしい番組を
ありがとう。私はこれからもずっと元春の音楽を聴き、コンサートに足を運び、ラジオ番組を聴き
続けます。
「終わりははじまり」新しい季節に新しい番組で再会できるよね。


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