----- Happy Birthday!! MOTO -----



  3月13日、それは私が敬愛してやまないミュージシャン、佐野元春さんの34回目の
 Birthday、昨年はアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」を発表し、全国ツアーでは
 すばらしいステージを見せてくれました。今年も新しい活動が楽しみ。
  今回は「佐野元春って??」と思っているかもしれないあなたに、元春の言葉を聞いて
 ほしいのです。何故私がこれほどまでに元春が好きなのか、 その理由を少しはわかっても
 らえるかもしれません。




●僕は佐野元春というミュージシャンはプレイヤーとしてもものすごく優れていると思う
んですよ。ピアノもギターもすごく上手いと思う。(中略)どうしてプレイヤーとして言
われないんだろうっていう疑問はありませんか?

「あるよ。でもレコーディングというのはみんなと楽しみながらしたいんだ。もし製作バ
ジェットが本当に少なくなって本当に生きる道がないとなったら、僕はトッド・レングレ
ンの初期のアルバムのように全部多重録音してやるさ。でも、そんなに楽しくないじゃな
いか。きっと、彼の初期の作品はやむにやまれない状態でやったんだと思う。『サムシン
グ・エニシング』とか素晴らしいアルバムであれはあれで楽しめるけれども。
でも僕はい
ろんな人とレコーディングで出会い、いろんな人とスタジオでバカ笑いをし、社会の話や
愛の話をしてそうしてレコーディングをしたいんだ。なぜならば、人生の中でレコーディ
ングをできる回数なんて限られているから


                   
POP−INDS NO.24 より(1989年)




●ほら、雑誌によっていろいろいるじゃない。僕みたいにたちの悪いインタビュアーとか

「アハハ(笑)」

●でなければ、なんか通り一遍のことしか聞かない人までさぁ・・・で、そういう時って
どうなんです? 自分でもなんかちゃんと上手く使い分けられますか、佐野元春は。

「あのね、使い分けるとかそういうんじゃなくって、いろいろな雑誌からいろんなキャラ
クター持った人が来るから、やっぱり
人生の中でそういう風に沢山の人に会えるチャンス
って多くないから、いっぱい楽しみたいなっていう気持ちがある


●だけど楽しめないことも多いんじゃない?

「時々ね。時々」

●(笑)そういう時はどうするの?

「う〜んとー、う〜ん、うまくごまかす(笑)」

           FMホットライン(NHK-FM)1989/06/04 放送分より




「ぼくのアルバムは全てぼくなりのトライアルだ。その中で僕の基本的な音楽性が全然別
の物にチェンジしてしまったり、変質してしまったりというようなことはありえないと思
う。音楽で、ビートで、メロディで、ハーモニーで、
ぼくが表現したいと思ってるその核
は何も変わっていない。
興味があるのは、依然、人間そのものについて。人間の持ってる
愛情であったり、憎しみであったり。ぼくはいつもいい曲を書こうとしている。できるだ
け多くの人の心に残るような、いわゆるグッド・ソングを書こうとしている。みんなのこ
とを排斥したり、苦しめたり、そんな曲をぼくは今まで一度も作ったことはない。その点
でもデビューから今まで、ぼくはちっとも変わってない」

●時代との関わりの中ではどうですか?

「それは大きく変化したと思う。ぼくはその時代の空気を吸ってるアーティストだから。
その空気が澄んでいれば澄んだ曲を書くし、空気が汚れていればそれなりの曲を書いてい
る。
その時代その時代との関わりを無視したら、ぼくの音楽は何の意味もなくなってしま
う。
デビューしたとき、ぼくは23歳だった。でも、いまでも23歳のときのセンチメン
タリズムを8年も9年も10年も、同じ形のまま持ちながらえていくのは偽善だと思う。
デビュー当時、ぼくが最初に提示した無邪気さや、イノセンス、活気、怒り、哀しみ、喜
び・・・。それをいくらみんなが受け入れてくれるからといって、ぼくが自分でそれをコ
ピーしだしたら、ぼく自身の発展はなくなってしまう。
ぼくはウソをつきたくないんだ

                      ゼロサン(新潮社)1990.4月号より




「自分の作った曲をできるだけ多くの人に聴いてもらいたいと思うさ。多くの人がレコー
ド買って欲しいと思うさ。でも、だからといって、僕は、一つの楽曲を売る方法としてテ
レビのコマーシャルを使ったことは一度もない。売る手段としてテレビの主題歌として歌
った経験も一度もない。売る手段として『夜のヒット・スタジオ』に出た経験も一回もな
い。でも、ある人はそれらすべて全部やってる。そして、チャートに入る。どう考えたっ
て僕がラッキーだとしか言いようがない。自分の楽曲がベスト10に入ったときには、ア
ルバムのチャートが1位とか2位とかに文字が書かれているのを見ると、本当に心の底か
らうれしいよ」

●これからも、そういう段階を経るということはないですか?

「どうして僕が自分の楽曲を発表するときに他の商品のBGMにならなきゃならないんだ
い?僕は自分のレコードのコマーシャルをやりたいくらいだ。お金持ちだったらね。朝か
ら晩まで宣伝したいさ。ジュアイオクチュール・マキみたいにさ。あるいは、ハウスのク
クレカレーみたいにやるさ」

                
 INDS別冊CHART03 より(1987年)




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