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「てくてくと中山道」実施報告書


 2002年3月23日に京都三条大橋に到着した東海道歩き。その1か月後の2002年4月27日に始めてしまった中山道。今度は西から東を目指す歩き旅。江戸時代の人は連日10里(約40km)も歩くと聞いたことがある。これを自分にあてはめようとしても、まず、基本的に休日しか使えないから連日というのは無理である。1日40kmというのも、時速4km/hとして連続10時間かかることになり、なかなか困難だ。ということで、自宅と現地の移動も考慮して、1日7時間(30km弱)位を目標にしてみようと漠然と考えスタートした。
 始めてみて、京都、滋賀はともかく調べれば調べるほど、峠や山道だらけ。大きな峠は箱根と鈴鹿位だった東海道とはえらい違いだ。そう、中山道は中「山道」だったのだ。そして、交通アクセスの状態も東海道に比べると格段に不利である。電車の待ち時間も長いことが多いし、そもそも和田峠のように交通手段がほとんどないような場所もあった。
 想像と違っていた宿場もあれば、間の宿が予想外に雰囲気が良かったり、実際に行ってみてわかることも多かった。街によって「中山道」に対する考えもさまざまなように感じた。観光資源として最大限利用しようとしているところもあれば、ほとんど無頓着なところもあれば、目立たないが街道振興に力を入れているところもあった。
 山などやらない私にとっては峠越えはやはりきついケースも多かったけれど、うまく通過できたときの気持ち良さもこれまた格別。鳥居峠、塩尻峠、碓氷峠などの「熊出没注意」の看板はやはり気になるし、和田峠の四つ足動物遭遇事件、碓氷峠の道間違いなど、今まで経験していないこともいろいろあった。
 そんな中、美濃加茂市の夕食時のお客さんとの出会い(二軒目をごちそうになった)、数多くの反対方向のウォーカーとの出会いなどいろいろあったが、とりわけ碓氷峠の山中で出会ったwebで知っていた「風の吹くまま」さん一家との出会いは印象的だった。道迷いの直後だったし、靴が合わず痛みの真っ最中だったし、だいたいあんな山の中で小さい子連れに会うとは思っていなかったし、聞けば奥様は妊娠中だというし、とにかく印象に残る要素が多かった。
 今回、途中からハンディGPS(GlobalPositioningSystem)レシーバを使って歩き軌跡を残すようにしたり、デジカメの動画機能を取り入れたのも新しいチャレンジだった。できる限りわかりやすく記録を公開したいというのは東海道の経験からきたものだ。地図をhpで使うために国土地理院の地図使用承認などという公的手続きまでするようになった。でも、文章や写真構成にあまりこったhpができず、多くのウォーカーのhpのレベルに達していない感じがチト残念。まあ、早さをとるか、内容にこるかを取るかだけれど、どちらかというと速報性重視になったということか。
 さて、スタート時に心配していた、「体力」、「気力」、「お金」、「時間」、「その他事情」は何とか持ちこたえたことになる。財布は大分軽くなったが...
ということで、写真を中心に、一部ビデオクリップ、そして歩行ルート(地図)を組み合わせた「てくてくと中山道」報告をこれにて一旦終了といたします。(「てくてくと中山道」特別編集編はまだ続く予定です)
 いろいろおつきあいいただいた方々、この「行動」を静かに見守ってくれた家族に感謝です。

2002年11月10日 やまちゃん


所要期間:2002年4月27日〜2002年11月4日(6か月+9日)
所要日数:18日
宿泊回数: 5回 草津、大垣、美濃加茂、松本、御代田(宿泊地は必ずしも街道上の都市とは限りません)
歩行時間:131時間52分
     (1日平均7時間20分、最高9時間19分愛知川・垂井間、最低5時間39分蕨・日本橋間)
歩行距離:555km(推定)(1日平均30.9km)
     ※ものの本によれば中山道は534kmだそうです
       ※「推定距離」は宿間距離を基に時間を加味あるいはハンディGPSから推定
歩行歩数:818,092歩(1日平均45,450歩)
費用:約20万円(交通費約14.5万円、飲食・宿泊代約5.5万円)
備考:全行程において歩行中の飲み食いをしない「かち歩き」を達成(一般にお奨めするものではありません)

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