hop レシピのバリエーション hop

ホームブルーイングでは、麦芽の種類や量、ホップの投入タイミングなどによってビールの味・香りを自由に決めていくことができます。その自由度はプロの醸造技術者以上です。
アドバンストブルーイングのキットから、さらに自分の好みのビールを追求したいかた、キットを使わず自分でレシピを創りたいかたは、こちらを参考にぜひトライしてください。


●麦芽の種類と量を変える

麦芽(あるいは後述の副原料を加えることもできます)の量によってアルコール度数とボディ・コクが決まります。0から10数パーセントまで自由に設定できます。
<ご注意:日本国内では度数1%以上のアルコール飲料を造ることは税法上未認められておりません。1%未満の範囲で、レシピを決定してください>

  1. 麦芽の使用量を多くすると:高度数・フルボディ・モルティなビールになります。
  2. 麦芽の使用量を少なくすると:低度数、すっきり、さっぱり、ドライなビールになります。


基本的には麦芽の量とアルコール度数およびボディ・コクの関係は上のとおりですが、米などの副原料を加えることで高度数でかつドライにしたり、麦芽の種類を変えることで低度数でかつモルティにしたりすることもできます。

また、麦芽の種類を変え、組み合わせることにより、黄金色〜アンバー(褐色)〜ダーク〜黒、さらには小麦を加えることによりホワイト(白濁色)ビールまでビールの基本的なスタイル(色、コク・ボディ、麦芽の甘み・苦み)を自由に決定できます。

  1. 淡色系の麦芽を使うと:淡色〜黄金色、すっきり、ドライタイプのビールになります。
  2. 淡色系の麦芽にブラウン系の麦芽を加えると:アンバー〜紺赤、フルボディ・モルティなビールになります。
  3. 淡色系の麦芽に黒系麦芽を加えると:ダーク〜黒色のビールになります。この場合、ボディ・コクはドライからフルボディまで自由に変えることができます。苦みについても軽い焙煎味からエスプレッソのような苦みのビールまで自由に決定できます。
  4. 淡色系の麦芽に小麦麦芽を加えると:ホワイト(白濁)色、小麦特有のさっぱりした酸味・香りの比較的ドライなウイート(小麦)ビールになります。フルーティな香りのウ゛ァイツェンやウィートもこのタイプです。

●蜂蜜・オートミールなどの副原料を加える


麦芽以外に蜂蜜、オートミール、米、コーン、砂糖その他の副原料を加えることでビールに様々な性格を付加することができます。フルマッシング仕込みではポテトやさつまいも、パンプキン等も自由に使うことができます。

  1. 蜂蜜を加えると:蜂蜜独特の味・香りが付加できます。ややドライに仕上がります。
  2. オートミールを加えると:まったりとしたコクのあるビールになります。
  3. 米を加えると:ボディを増さずにアルコール度数をあげることができるため、より色が薄くドライなビールができます。多く使うとビール特有のモルティさが減り、薄いcheepな味になってしまいます。
  4. コーンを加えると:基本的には米と同様ですが市販ビールではコストを下げるために多く使われます。
  5. 白砂糖を加えると:基本的には米と同様ですが添加量が多すぎるとぴりぴりとしたサイダーような薄い味になってしまいます。
  6. ブラウンシュガーを加えると:スコッチエールのような独特のカラメル風味が付加できます。白砂糖をカラメル化して加えても同様の効果が出せます。


●ホップの種類と量、投入タイミングを変える


スパイシーな香り(ザーツホップ)、フローラルで甘い上品な香り(ハラタウ)、シャープな苦みなど、多くの種類のホップがあります。

使用するホップの種類や量、投入するタイミングにより香りの性質と強さ、苦みの性質と強さを自由にコントロールできます。
大手ビールメーカーでは行われていないドライホップ(発酵が終了したビールに直接ホップを投入する)やホップティ(ホップを湯に浸け成分を抽出し発酵が終了したビールに加える)等によって際だったホップアロマを得ることもできます。

●イースト(酵母)の種類と発酵温度を変える

ラガー(底面発酵)イーストとエール(上面発酵)イーストに大別されます。

  1. ラガーイースト(発酵温度 5〜15℃)を使うと:すっきりしたクリアな味・香りのビールになります。
  2. エールイースト(発酵温度 15〜28℃)を使うと:フルーティ、華やかな味・香りのビールになります。


上記以外にも、乳酸菌とイースト(酵母菌)をブレンドしたタイプがあります。ベルギーのランビックビール等の酸味はこの乳酸菌によるものです。ウォートの一部を乳酸菌で乳酸発酵させ、通常のイーストで発酵させたウォートとブレンドすることでも同様の効果が得られます。

一般的には低い温度で発酵させるとクリアですっきりとした味・香り、高い温度で発酵させるとよりフルーティで華やかな味・香りのビールになります。

●フルーツ・ハーブ・スパイスなどの添加物を加える

フルーツ、ハーブ、スパイス等を加えることでさらに個性的なビールを造ることができます。

  1. Grand Cru(グランクリュ):蜂蜜+コリアンダー+オレンジの皮を加えると香りが素晴らしいベルギービールになります。
  2. コーヒーポーター:ポーター(比較的マイルドな黒ビール)の材料にコーヒー豆を加えて仕込みます。ダーク系ビールとコーヒーの香りが非常に良く合います。
  3. チョコレートスタウト:スタウト(黒ビール)の材料にチョコレート(あるいはココアパウダー)を加えて仕込みます。スタウトの苦みとチョコレートが非常に良く合います。
  4. チョコレートチェリースタウト:スタウトの苦みとチョコレートの甘み、チェリーの酸味が絶妙です。
  5. チェリーウイート:ウイート(小麦)のさっぱりとした酸味とチェリーがよく合います。
  6. アプリコットエール:上品な酸味・香りのフルーツビールです。
  7. スモーク(ラオホ)ビール:ドイツの有名な薫製ビール。麦芽に予め燻煙をかけて仕込みます。ソーセージ等の料理と非常によく合います。

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