〜 『 感性と精神性 』 〜
  18世紀中頃にヨーロッパで確立した美学は、美と藝術と感性との同心円的な考えである。作品を創造する者は、 人間が肉体と精神の統一であるのに似て、美は物質性と精神性の融合からなることを知るべきである。
 写団「群峰」は、自然を対象にし、そこに潜む美を写真によって表現するため、月例会を中心として研鑚を積んできた。この自然の美 を表現する態度は、創立以来、終始一貫した方針である。
 今回の展覧会には、自然の世界を豊かな感性によってとらえた美しい色彩による個性的な表現や、人間の存在する場所を思惟し、鋭い 洞察力によって対象を見、色彩を抑え明暗に重きをおき、深い精神性を内在させた時空の表現などが展示してある。これらの表現は私を 惹き付け心に刻印する。ここには会員たちの個の提示、オリジナルこそ道の標とする直向きな姿勢が感じられる。
 更なる向上は、他を意識せず、世の流れの重圧を苦にせず、合理性より非合理性を注視し、自然の中に己の身を委ねて森や風と語らい、 自らの世界を拓くのである。越えるべき壁は自分自信にある。

 写団「群峰」は第1回展より京セラ・コンタックスサロンの多大なるご支援を頂いて回を重ね、育ってきました。そして、今回、29回目 の展覧会を開催できましたことを会員と同じように喜んでいます。
 しかし、今回の展覧会を最後に京セラ・コンタックスサロンとお別れしなければなりません。気品があって居心地のよいこの空間には様々な思い出があり、現れては消える蜃気楼のようです。それらが幻覚のように消えてしまうことは筆舌に尽くし難い淋しさです。
 長い間、有り難うございました。京セラ・コンタックスサロンよ、さようなら。

 2009年 1月 高道 宏 

〜 出品作品の一部紹介 〜

赤堀 禎利 「荒磯濤」
佐野 榮 「高原の朝」
高島 由美子 「アルぺジオ」
吉野 美代「妖精」
下川 浩資「湧 雲」
木村 粲 「神 峰」