99年3月20日更新
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韓 国 旅 行 の ペ ー ジ



このページでは99年2月19日〜21日に行ってきた韓国、ソウルについての雑感を書いてみます。
 
 
・どんなツアーだったか
一人39,800円の格安ツアー。2泊3日オールフリープランでソウル・ロイヤル・ホテル利用。内容の割に安いと思います。この季節の韓国ツアーはどれも安いのでお勧めです。
 

・ソウルの街紹介
今回、下記の場所を訪ねました。

ミョンドン
ソウルの中心に位置する、ソウル一の繁華街です。東京で言えば渋谷と新宿西口を併せたような雰囲気のところです。私が使ったホテルもここに在りました。若者で終日混雑している、活気のある街です。ロッテデパートもこの近くにあります。

イテウォン
ソウル市内にある在韓米軍の基地の回りにできた街です。東京で言えば横須賀とアメ横を併せたような雰囲気です。歩行者はアメリカ人(と買い物目当ての日本人)が多く、彼等目当ての雑貨屋が軒を連ねています。ニセブランドを買うならここで。いかがわしい客引きが多いです。韓国人はこの街が嫌いのようで、以前にきた時には、ガイドが「韓国で最初にエイズが出た汚い街です。」と紹介してました。

シンチョン
隣の「梨大(イデ)」とともに学生街を形成しています。東京では吉祥寺というところでしょうか。ここには韓国の慶応である「延世大」、韓国の東女+ICU+津田塾である「梨花女子大」があり、頭のよさそうな学生が闊歩しています。流行を先取りしたような若者向けの店も多く、なんとなく日本人にも違和感の少ない街です。

テハンノ
かつてソウル大のメインキャンパスがあった街です(現在は移転)。シンチョンよりも文化の発信地という雰囲気が強く、小さな演劇場が多いです。街全体もゆったりしており、ある意味、全然韓国らしくありません。東京の青山、表参道、または国立駅前あたりにいるような錯覚すら覚えます。趣味の良い店が多く、住人もアッパーミドル以上といった感じでした。今回、気に入った街の一つです。なぜかここには日本人が少なかったように思います。

南大門市場
ミョンドンの近くにある巨大な露天マーケット。衣類、食品、飲み屋の屋台、皮製品などが主。とてもドメスティックな雰囲気が漂っているので、韓国初体験の人はやや足を踏み入れにくい雰囲気が漂っています。日本人はすぐ見分けが付くらしく、けっこううるさく声を掛けられるのも難です。しかも私はここの屋台でボラレたんだあああああーーー!

青瓦台周辺
言わずと知れた大統領官邸のあるところ。とにかく厳戒体制です。一般人の通行はほとんど不可能、道路は厳しい検問、写真撮影は不可、いるのは私服、制服の警官のみ。今回板門店にはいけませんでしたが、ソウルで韓国が準戦時国家であることを感じたければ、ここに足を踏み入れれば充分でしょう。

景福宮
李朝の王宮。日本の朝鮮総督府の建物をそのまま使った国立博物館があったところです。この建物は金泳三政権下で「過去の忌まわしい遺物」として取り壊されました。私は前回この立派な博物館の中に入りましたが、今はかつての王宮の建物が再建の途上でした。
 

・ 韓国の気候
朝鮮半島をとりまく海流が寒流のせいか、同緯度の日本よりもかなり寒く、最低気温はマイナス5度くらいです。手袋、マフラー、ホカホカカイロは必携。ロシア人がかぶっている帽子が欲しいくらいでした。ちなみに日本との時差はありません。ただ日本よりも西に位置しているため、日没は19時前と、日本よりもだいぶ遅かったです。
 

・ 韓国の経済危機の実際
国難というトーンで、日本で報道されている韓国の経済危機ですが、実際に訪れてみると、見た目には日本と同じくらい活気があります。繁華街では人々が旺盛な消費意欲を示し、盛んに買い物をしていました。日本と同様、若者が消費を下支えしている感じがしました。閉鎖されたような店舗やオフィスも目に付かず、不況の程度は日本と同じくらいという印象です。ただし、東京でも電車内の広告が減ってきていますが、ソウルの地下鉄はその度合いが一層ひどく、車内にはほとんど広告が在りません。それがとても目を引きました。経済力の含みの差のため、同じグロスの不況度合いで、韓国の方がより大きな影響を一時被ったということだと思いますが、日本もここ数年のリセッションで含みを吐き出してきているので、ここで持ち直さなければ一時、韓国レベルの不況を垣間見ることになるかもしれないと思いました。国内の消費生活が今並みで、円安で海外旅行が下火になった日本が現出したとすれば、それが今の韓国と思ってよいと思います。
 

・ 韓国の物価
前回訪問した時(94年)よりも表示価格はすべからく値上がりしていましたが、ウォンが急落し今や円とウォンが1対10というレートのため、日本人から見た物価はとても安く感じます。電車賃や新聞代、食料品などの公共性の強いものの値段は日本の1/3から1/5、衣料費や外食費は5〜7割程です。買い物ツアーで訪韓する価値はある価格差と思います。
 
地下鉄初乗り・・・50円
タクシー初乗り・・・・約300円
インスタントラーメン・・・40円
たいやき・・・4個100円
シナモンクレープ(小)・・・40円
飲み屋のビール・・・300円
襟巻き・・・800円
しゃれたベスト・・・1,500円
メガネ・・・3,000円から
普通の定食・・・500円程度
マックのバリューセット・・・350円程度
ハーゲンダッツ・・・170円
 
 

・ 韓国の食べ物と屋台
韓国では現地独特の料理を食べていました。いわゆる西洋料理レストランが少なく、韓国料理屋が多かったためです。また、日本では縁日でないとお目にかかれないような屋台が街のあちこちにあり、安価なものを売っており、随分お世話になりました。また、コンビニエンスストアやロッテデパートの地下食料品売り場には面白いものがたくさん売っています。免税店に行く暇があったら絶対にこちらに行くべきです。私が気に入った食べ物は次の通りです。なお、東京のデパートには韓国物産は大抵売っていますので興味があれば試してみてください。

カルククス
うどんの一種です。唐辛子風味の料理が多い韓国において、日本人がごく普通に食べることができる麺料理です。

マンドゥー
読んで字のごとし、饅頭です。ただし、中の具はギョウザのそれです。ショウユをつけて食べます。6個で300円くらいで、安くてとてもおいしかったです。
 

トッポギ
一見、ペンネのトマトソース合え。食べるとマカロニ風のお餅に甘辛いキムチソースが絡めてあるものです。街のあちこちの屋台でアジュマ(おばちゃん)が売っており、韓国人にも人気があるようです。もちもちした食感が何ともいえず、あまりのおいしさに、家庭調理用のトッポギを見つけて持ち帰ってきました。
 

たいやき
魚の形をしており、中にアンコが入っているのは日本と同じですが、日本のものよりも少し小さく、アンコの甘さがとても控えめです。これなら甘いものが苦手な人の口にも合うと思います。

冷麺
日本でもポピュラーとなった料理です。韓国には日本のいわゆるラーメン屋がほとんどなく、麺類といえばこの冷麺ということになります。私はロッテデパートの地下で食べましたが、ご当地だけあって本格的なものが食べられました。450円。

シナモンクレープ
屋台で売っています。直径20センチ程の小さなクレープですが、これがバカうま。妻と二人で「これは一番のヒットだ」とお墨付きを付けたほどです。しかもこれを売っている屋台が少ないので、まさに飛ぶように売れていました。必ず食べてみましょう。ちなみに、私たちは3つほど日本に持ち帰ってきました。検疫上問題はあったでしょうね。
 

ジャンボアメリカンドッグ
日本のものよりも倍ぐらい大きく、衣に角切りポテトがボツボツとついているというもの。あちこちの屋台で売っています。腹が減った時の特効薬です。
 

キムチ
キムチは料理を頼むとまず必ず付いてきます。複数種類のキムチが出てくるところも多く、しかもお代わり自由です。ただでさえ値段が安いのにキムチまで付いてきてしまうと、日本人にはウソみたいにお得なものになってしまいます。韓国で食べるキムチはなぜか辛さがそれほど気になりません。

シッケ
3食ともキムチを食べていると口が火事のようになることがあります。そんな時に食後のお茶代りに出される、このシッケが絶妙に口の火事を消してくれます。シッケは薄甘くて冷たいお茶の一種です。これもバカうまで、現地で何杯も飲みましたし、土産で日本に持ち帰ってきました。
 

 

・ 韓国の車
日韓は隣どうしの国にもかかわらず、互いの国に相手の国の車がほとんど入っていないのはよく知られています。(これが香港や台湾になると日本車の洪水なんですけど。)韓国に行くと、よく似ているのに何か遠い感じがするのは車や文化、芸能などの対日鎖国によるものだと思います。ただ、現実には韓国のあらゆる物が日本を研究して作られているのがよく分かるはずです。車もまた然り。少しでも車に造詣が深い人ならば韓国の車が日本のどこのメーカーの、何という車種の技術が用いられているのかが分かると思います。
韓国には外車がほとんどいません。輸入関税が高いからです。私が訪韓中に見かけたのはベンツとBMWくらい。ボルボ、ゴルフ、イタリア車などはついに一台も見ませんでした。日本車はなぜか日産のセドリックとホンダ・インテグラを見ました。個人輸入ですかね。
韓国でトヨタ的な存在なのがヒュンダイ。ここが作る三菱・デボネアのノックダウン生産車が「グレンジャー」という名前で走り回っています。さしずめ日本のベンツのような格の高さです。またトヨタ・コロナクラスの中級車、「ソナタ」などはしゃれたデザインでなかなか良いと思いました。また、カローラのレンジに位置する「アクセント」などはまさにカローラによく似ています。最近、ヒュンダイはグレンジャーの上のクラスに位置づけられる「ダイナスティー」という高級車を発表しました。日本ではセンチュリーような最高級車という感じです。ダエウーは「プリンス」という中級車や、スズキ・アルトのノックダウン車である「ティコ」などが多く走っています。
町中で非常にたくさん走っていたのが「マティス」という小型車です。日本のカー雑誌にも紹介された車ですが、デザインがかわいらしく、スペース・ユーテイリティーもよさそうです。韓国モノに抱きがちな粗雑で型遅れなデザインというイメージとも無縁で、日本でも相当売れそうな車だと思います。また、双竜自動車がベンツのディーゼルエンジンを自社で組み立てて搭載した「ムッソー」というRVもよく見かけました。
日韓両国の車が互いの国で売られて競争していくというのは双方にとってとても良いことだと思います。韓国車は日本で売れる商品性をすでに持っていると思いますから。

バイクはほぼ全て125CCまで。中途半端にスポーツモデル然としたデザインがされているくせに実用車として多用されているため、とてもチグハグな感じを受けます。日本に置き換えて例えて言えば1000CCのスーパーバイクでソバの配達をする、ような・・・。沢山のダンボール箱をむりやり括り付けたり、後輪をはずし、リヤカーのような荷車をつけて三輪車にしたようなものも多かったです。ソウルにも上野のようなバイク屋街がありますが、ここにはハーレーや日本のスポーツバイクも売られています。しかし、そんなものは一台も走ってはいませんでしたし、さぞや高嶺の花なのだろうなと思いました。
 

・これで間に合う!究極の韓国語
韓国訪問が、他の漢字語圏と決定的に異なるのが街に溢れるハングル文字でしょう。とにかくこれにはお手上げで、香港などでは可能な、文字からの情報取得が韓国ではまず無理です。ただ、旅行中、現地の人と会話しないわけにはいきません。幸い、韓国の人は多少の日本語を理解する人が少なくなく日本人相手の店ならもうペラペラ。日本語で何とかこちらの意図を汲んでもらえることが多かったです。しかしそれだけではつまらないし、日本語が全く通じないことも多いです。そこで、私はいくつかの言葉を覚えて旅行中の会話を乗り切りました。もし韓国に行かれることがありましたら参考にしてみてください。意外に何とかなるものです。

私は日本人です。・・・チョヌン  イルボンサラム  イムニダ
こんにちわ・・・アンニョハセヨ
ありがとう・・・カムサムニダ
はい・・・ネー
いいえ・・・アネヨー
もしもし・・・ヨボセヨ
1人分・・・イリンブン
2人分・・・イーインブン
ください・・・ジュセヨ
おいしいです・・・マシイッソヨ(こう言うと店の人は必ずとても嬉しそうな反応が返ってきて場がすごく和む)
いくらですか・・・オルマイムニカ
トイレ・・・ファジャンシル
うどん、タクアン、饅頭・・・ウドン、タックァン、マンドゥー(つまり日本語と同じ)
水・・・ムル

すいません。カルビとウドンとビビンバを1人分ください。・・・ヨボセヨ。カルビ、ウドン、ビビンバ、イリンブン、ジュセヨ。

語順は日本語と同じでよいので、単語さえ覚えておけば間違いなく通じます。
 
 

・ 戦争博物館
ソウルの米軍の街、イテウォンの近くに戦争博物館はあります。ここには巨大な屋内展示場と、屋外にも様々な兵器がたくさん陳列されています。歩道を歩いていると、B−52の尾翼が見えてきて「なっ何ーーーい!!!」と心はいきなり大パニック、妻をほったらかして写真を撮りまくりました。写真を何枚か公開しますが、それ以外にもM−4シャーマン戦車、T34−85戦車、SU−100突撃砲、T−55戦車などがありました。軍事オタクは必見!です。
 
 

・ 韓国のデモ
「韓国といえば、デモ」というイメージがあるように思いますが、私がソウル滞在中にもやっぱりデモに遭遇しました。繁華街ミョンドンで行われた静かな学生デモでした。目を引いたのはデモの主張を書いた大きな紙を路上にベタベタ貼り付けていたこと。そしてもっと驚いたことは行き交う人たちがその紙を平気で踏んでワラワラと往来していくこと。デモ参加者の目の前で、踏まれた紙はどんどん破れていくのです。普通じゃ考えられないこの光景、いったいどんな神経をしているんでしょうね、韓国人って。
 

・ 韓国の地下鉄
ソウルの地下鉄の顕著な特徴は「物売り」が乗っていること。前回の訪問でこの物売りを見た時は本当にびっくりしました。今回はどうかなと思っていたところ、やっぱり来ました。今回は新聞売りと物乞い。共通する部分も多い日韓の風景で一番奇異な感じがするものの一つが、この地下鉄内の物売りだと私は思っています。
 

・ 韓国のアカスリ
今回の訪問で、私はアカスリに初めて挑戦しました。案内されたところは日本の銭湯の様なところ。日本語を話せるおじいさんが付きっきりで世話してくれました。でも私が服を脱いでスッポンポンになるのを近くからジーッと見つめていたり、全裸の私にタオル一つ渡してくれないのでとても恥ずかしかったです。しかも、浴室にはいると、5台ほど並んだ台の上に、全裸の男たちが前も隠さずに堂々と寝そべっており、係の人にアカスリをしてもらっていました。その光景はまるで死体洗い。彼らのイチモツが嫌でも目に飛び込んできます。係の人の手がイチモツの回りもアカスリしています。オエッ。
ややしばらくして私の番が来て私も「死体」の仲間入り。係の人の手が私の体を隅々まで触りまくります。当初の違和感は何とか消えました。もうヤケです。アカスリは気持ち良かったです。値段は日本人料金だったのでしょうか、13,000円ほど取られ、あまり安くはなかったです。
韓国でアカスリに初挑戦する場合、結構な違和感を覚悟する必要があると特記しておきたいと思います。
 

・ ボラレた私たち
ソウル最後の夜、私たちは韓国らしいところで食事をしようということになり、南大門市場に足を向けました。ここには飲み屋風情の屋台が沢山出ており、そのうちの一件の暖簾をくぐりました。カウンターにはいろいろな種類の料理が山盛りで並んでおり、なかなか良い雰囲気。私は気のむくままにいくつかの料理を注文しました。料理の味はまあこんなものかなという程度のものでしたが、満足しました。

食事を終え、お勘定を頼みました。で、言われた値段が何と80,000ウォン!日本円では8,000円で、日本の感覚ではさほど高くは感じないかもしれませんが、なにしろ、ちゃんとした店で焼き肉や石焼きビビンバをたくさん食べても二人で5,000円くらいの韓国では目が飛び出るほどの法外の値段なのです。ほんの数品とビール1本しか注文しなかったのです。せいぜい3,000円といった程度のはずです。80,000ウォンという請求額は、日本で例えて言えば、居酒屋で二人で軽く飲んで7,000円くらいのところを、20,000円も取られたようなものなのです。
私は「高い!!」と叫び、店の人と口論になりましたが、結局金を叩き付けるようにして支払うと足早に店を後にしました。二人ともとても気分を害しました。妻は「だから韓国人って嫌い!!」と、すっかり反韓思想の持ち主になってしまいました。

この出来事は今回の旅行の最大の汚点となりました。ボラレたり、だまされたりする心配がないのは、私の経験ではアジアでは恐らく日本だけという気がします。韓国でもボラレる気配をしばしば感じるのが実状です。特に客が日本人と見るや、言い値を変える傾向があるようです。韓国でボラレないためには、値段表示の無い物の値段を必ず確かめること。屋台などはまさにその筆頭と心得るべきでしょう。
 

終わり
 
 

 


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