00年8月19日更新
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台湾国鉄について



 

鉄道好きの私は、ヨーロッパでそうしたように、台湾でも鉄道の旅をしてきました。と言っても片道1時間程度ですけど。

台湾国鉄は日本の旧国鉄の流れを汲んでいるのでレールの軌道の幅が日本と同じ狭軌です。しかも驚いたことに道路交通が右側通行にもかかわらず鉄道は左側通行でした。戦後も日本方式を変えなかったんですね。
私は特急の「自強号」に乗って新竹というところまで行って帰ってきました。車両の外観は台湾独特ですが、車内の感じや乗り心地は日本の在来線型特急とよく似ています。指定席の方式はヨーロッパ式で、座席毎に自由席区間を記したカードが挟んでありました。台北方面の上りが特に込み合うようなので座席指定はしたほうが良いと思いました。
ともかく切符さえ買えれば日本人ならば違和感無く利用できると思います。私は切符を台北駅のインフォメーションセンターの人に英語で相談して購入しました。窓口の人は日本語をあまり理解できないようでしたので、相談は英語が良いと思います。現地人が列を作っている購入窓口で日本人が切符を買うのはちょっときついと思います。
特急の指定席に片道1時間乗って1,000円しないという安価には驚かされます。台湾の諸物価と比較しても安く押さえられている感じがしました。さすが国鉄。政策的価格設定ですね、きっと。

台北を出て郊外へ向かうと先に書いたような台湾のネガな部分の度合いが薄まっていくように見えました。道路交通には余裕が出てきて町並みも新しくゆったりした感じになります。のどかな田園風景に、ふと日本のローカル線を旅しているような、外国旅行をしていることを忘れてしまうような不思議な旅情を感じました。

なお、台湾でも6年後には日本型の新幹線が開通します。台湾は高い山脈が国の中央を貫いているため国内移動が意外に不便です(陸路が不便なため、わずかな距離でも飛行機が運行されています)。「自強号」でも現在4時間以上かかっている台北と高雄間450キロも、新幹線が開通すると恐らく2時間半程度で結ばれ、国内の物流革命を引き起こすことでしょう。日本における新幹線以前のビジネス特急「こだま」の時代の水準といえるのどかな台湾国鉄も、ローカル特急の廃止などによりその時点で様子が大きく変わることでしょう。
新幹線導入への期待は大きいらしく、国鉄のポスターの挿絵にも随所に日本の新幹線の絵が描かれていました。日本人として嬉しかったです。
 

 


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