東北鈍行一人旅

1998年7月29日〜8月3日

 

今回の旅のコンセプトは「鈍行で何処までも」です。

普通電車なら一日乗り放題の「青春18切符」を使って東北を廻ります。

 

 

 

7月29日水曜日 宇都宮 曇り一時小雨

先ずは銀行にて5万円を卸した。

JR窓口で青春18切符を購入。5枚綴りの券で1セット11,500円。

青春18切符などと銘打たれているが特に年齢制限はないらしい。

地元である町田駅から出発。とりあえず北へ北へ。

町田を出発したのが18時30分頃、今日中に東北に入るのはちょいとキツイかな。

まずは八王子に向かった。そこから中央線に乗った。

電車内で路線図を眺める。

当初は東京へ出て何処へ行こうか決めようと思っていた。

が、路線図を見ると西国分寺で乗り換えて浦和方面へ向かった方が北へは早く行ける。

ということで西国分寺で乗り換えた。

南浦和駅を経由して大宮駅に着く。大宮は結構大きな駅。

思いつくがままに宇都宮線に乗った。

 

宇都宮線に乗っていて、とりあえずこの日の目的地は宇都宮に決めた。

なにせ宇都宮駅に着いたのが22時過ぎだ。

もっと北に行こうと思えば行けたのだが、宇都宮で落ち着くことにした。

なにせ夜遅いし、これから北に行ってホテルとかない所で降ろされても困るしね。

栃木の県庁所在地の宇都宮ならとりあえず寝床はありそうだし。

それになんといっても「宇都宮」、判る人は判るよね(笑)。

宇都宮と言えば餃子。でも22時過ぎのこの時間に空いている食べ物やはそうはない。

中華レストラン風のファミレスが空いていたのでそこに入った。

餃子はあったので餃子とタンタン麺を注文した。

腹が膨れたところで寝床探し。

ビジネスホテルは飛び込みで3軒廻ったがなんと3軒とも満室。

この先の旅に一抹の不安が…

駅の今まで行っていた方面と反対方向に行ってブラブラ歩いていた。

そしたらカプセルホテルがあった、助かったー。

カプセルホテル1泊3,150円。

カプセルホテルの安風呂を上がって気が付いた。

短パン忘れた…寝るときはトランクス一丁でいいけれど。

外に出るときとかでも常にGパン履かなきゃいけない、面倒くせー。

明日にでも買わなければこの先かったるいわ。

とりあえずこの日はこんなところ、寝床があっただけで良しとしましょう。

 

 

7月30日 木曜日 宮城・仙台 曇り時々小雨

9時に起きる。もっと寝ていたかったのだが、10時には出ないと超過料金を取られてしまう。

10時チョット前、宇都宮駅から黒磯行きの東北本線に乗る、やはり北へ北へ。

宇都宮駅のホームにて駅弁を売るおっちゃんを見かける。なんだかホノボノ。

11時チョット過ぎに黒磯駅から郡山駅行きの電車に乗る。

13時50分、郡山駅から福島駅に到着。

とうとう東北の県庁所在地に到着した。

次に向かうはやはり東北随一の繁華街、政令指定都市の仙台か。

しかし次に仙台に向かう鈍行は1時間ほど待たねば来ない。

よって福島の街並みを少々ぶらついた。

 

17時に仙台に到着。既に夕方だし、この日は仙台に宿をとることにする。

駅の中にある宿泊案内所でどこか泊まれる所があるか聞いてみる。

安さならカプセルホテルだが、駅からは少し遠いと言う。

それならばと勧められたのが旅館。1泊5,500円、まぁ良しとしますか。

駅を出ると霧雨が降っている。傘は持ってきていない。

幸い商店街はアーケード付きで濡れる事は殆どなかった。

旅館は綺麗とは言えなかったが、従業員の感じが良かったのでOK。

荷物を部屋に置いて、夜の仙台の街をぶらつく。

晩飯はラーメン屋でラーメン。

なんて言うか男一人で入れるのってラーメン屋が一番しっくり来る。

あんまりまずいラーメンっていうのもないしね。

雨は降ったり止んだりだった。そんなに苦ではなかった。

この日の旅館には団体客でどこぞの高校生連中が泊まっていた。

大浴場に行ったら坊主頭の男どもがいっぱいいたので後で入ることにした。

でもどの男もどこか話している言葉に訛りがあってなんだか憎めなかった。

部屋でコンビニにて買った少々の酒を飲んでから風呂に入ってすぐに寝たね。

 

 

7月31日 金曜日 岩手 曇り

仙台から花巻へ行く。

花巻とは岩手県の花巻市。宮沢賢治生誕の地として有名。

私はその花巻に2歳くらいの頃に住んでいたことがあるのだ。

おぼろげな記憶でその頃の家を覚えている。

ということでその家を見に行ってみることにしたのだ。

両親曰く、「まだあるはずだ。」とのこと。

仙台から花巻に行く方法は、と駅員さんに尋ねたところ、

「一ノ関に行ってから乗り換えてください。」とのことだった。

一ノ関で八戸行きの電車に乗って到着、花巻駅。

何はともあれ昔住んでいた家に行ってみた。

両親からその家の住所と両親のうろ覚えで書いてもらった地図を持っていた。

それを駅前のタクシードライバーさんに見せて行ってもらった。

一人旅初のタクシー使用だね。

タクシーの運チャンが話しかけてきてくれたが東北弁は理解に苦しむ。

「その住所はこの近くという所で降ろしてもらった。」

駅からかなり離れてしまった。しかも道には殆ど車が通らない。

母親が「花巻では車がないと生活できないから、花巻で免許を取った。」

って言った意味が判ったような気がした。

とにかくほとんど何もない所。持参した両親手書きの地図を頼りに進んだ。

多分これではないかなと思う家を発見。

ちょうど郵便屋さんが通り掛かったので聞いてみた。

「この住所ってこの家で良いんですか?」

「あぁ、そうですよ。これは●○さんの家。」

小さい頃の記憶などはかなり曖昧なものなのか随分その家も庭も小さく思えた。

私の記憶が曖昧だったのかその頃の私には家も庭も大きく見えたのか…

花巻で初めて周りに遮るものが何もない状態なのにPHSが「圏外」になった!

周りはただ広ーい畑だというのにずっとPHSは圏外、なんだか不思議だったよ。

駅の方向へ歩いているうちにバスが来たのでバスで花巻駅へ戻ることが出来た。

花巻からは再び東北本線に乗って岩手県県庁所在地の盛岡へ。

盛岡では駅から出てすぐのところにカプセルホテルがあったので寝床はそこに決定した。

盛岡ではわんこそばを食べようと思ったのだが、どこで食えるのかよく判らなかった。

ひとつショーウィンドに「わんこそば」と見つけたが2,000円以上したので止めた。

それ以前にわんこそばってどうやって食うの??

TVとかでは早食いで食べているあのイメージしかないからなー。

一杯食ったら横にいる人がその椀にもう一杯入れて、またそれを食って…ってヤツ。

 

 

8月1日 土曜日 秋田 曇り→雨

昨夜はカプセルホテルのテレビで朝まで生テレビを結構長く見てしまった。

気が付いたら眠っていた。

盛岡駅で東北本線に乗って目指すは青森。

電車の中で駅弁、盛岡名物「うにめし」1,020円を食ったよ。

美味しかったが量の割には高いかなという感じ。

鈍行列車の中で駅弁食ってるのなんて私くらいかと思ったが他にもいたよ。

 

青森につくと青森では翌日の夜からかの有名な「ねぶた祭り」が行われるという。

せっかくその時期に来たのだから見ていこうと思った。

しかし青森の街を歩いていて思った。

「今夜ココで泊まって、翌日ねぶた祭りをみてまた青森に泊まるのはきついな」

正直言って青森に2泊する気にはなれなかった。

と、いうわけで予定変更。

翌日のねぶた祭りを見るために今夜は青森に泊まらない。

そこで秋田に向かった。東北本線ではなく奥羽本線に乗って秋田を目指した。

 

秋田についたのは既に20時。街は眠りにつこうとしていた。

今夜の寝床を探すために街を歩いたが、高そうなホテルしか見当たらない。

頼みのカプセルホテルも見当たらない。どうやら泊まるところがなさそうだ。

秋田駅構内が結構綺麗で空調もしっかりしているらしい。

他にも数人ベンチで寝ている人もいた。

意を決して野宿ならぬ、駅宿をすることに決定。

駅がそこそこ大きな建物で風も当たらないので寒くもないし暑くもない。

外をブラブラしたいのだが少し雨がパラついてきていた。

雨もしのげるし、本当に駅宿してしまった。

意外だったのは私の他にも駅宿している人がそこそこいたこと。

それもホームレスの人ではなく、「一人旅しています」風の人がね。

駅の中だし、近くに交番はあったし、金もかからないし、良いのかもね。

私は駅の出窓でかばんを枕にして眠りました。

さすがに寝心地は悪いです。下が固いですからな。

 

 

8月2日 日曜日 青森 雨

実際に眠ってしまうとそんなに苦痛でもなかったです。

どうやら私は基本的に何処でも眠れる体質のようだ。

駅構内でも、カラオケボックス内でも、ゼミ形式の授業で教授の研究室でも(笑)。

朝は5時くらいに目が覚め、すぐそばのコンビニでおにぎり等の朝飯。

6時過ぎに青森行きの始発が走り出したので早速それに乗って青森へ。

なんと今日も雨が降っています。

しかしここまで来て傘を買うのも馬鹿らしい(翌日には帰る)。

傘は買わずになんとか踏ん張ろうと思った。

それにしても青森には早く着きすぎた。ねぶた祭りは18時ごろからだ。

こんなことなら秋田の街をぶらついてくれば良かったよ。

秋田は夜と明け方しか見られなかったな。

 

そして更に問題発生。なんと今宵の宿もナイ!

駅前のカプセルホテルに行くと「あぁ、今日はもういっぱいだねー。」

宿泊案内所も「今日はもうツインしか空いてないよ。」

なんと、2日連続野宿(駅宿)?!それは避けたい。

しかし恐るべし、ねぶた祭り。そこまで人が集まるのかね。

ツインに泊まるほどの金はもうない。

駅構内で寝ようかと思ったが青森駅は0時30分に閉鎖されてしまうという。

本当に困ったよ、こりゃ本当に野宿になるな。

 

雨も降っていたのでデパートの休憩所でかなり長時間寝ていた。

いよいよねぶた祭り。

なによりも驚いたのが人(見物客)の多さ。こんなにも?!という感じ。

いったいどこから湧いて出たの?と言いたくなるほどの人。

そりゃホテルもいっぱいになるよ。

それからねぶたの大きさ。雨が降っていたのでねぶたに大きなビニールがかかっていた。

ねぶたもそうだが、周りで踊っている"跳人"は楽しそうだった。

楽しそうに声を出しながら跳ねていた。晴れていたら言うことなしだったねー。

何気なくねぶた祭りを見ていて思いついた、今夜の寝床。

「盛岡まで戻ってしまおう。」

18切符は今日までなので翌日は東北新幹線で一気に東京まで帰ってしまう計画。

どうせ青森に泊まっても翌日は盛岡へ行くのなら今夜中に盛岡へ行ってしまえ。

奇しくもねぶた祭り開催中のため盛岡行きの臨時列車が運行していた。

我ながら冴えてるなって思ったね。

ねぶた祭りもあとは同じモノの繰り返しだなと見きりを付けて青森駅まで急いだ。

無事に盛岡行きの列車に乗ることが出来た。

ねぶた祭りのせいで青森に泊まることはできなかったけれど、

ねぶた祭りのおかげで盛岡行きの臨時列車が出ていたんだよな。

盛岡につくと一昨夜も泊まった駅前のカプセルホテルへ。

ようやく寝床を確保することが出来た。さすがに二日連続野宿は厳しいよね。

やはり疲れがたまっていた、風呂も入らずにすぐに寝た。

 

 

8月3日 月曜日 盛岡 晴れ

9時30分くらいに起きて少々盛岡をぷらぷら。

11時過ぎの東北新幹線に乗った。

盛岡駅は始発駅だから自由席でも悠々と座ることが出来た。

しかし徐々に混んできて最終的には立っている人もいた。

花巻も、仙台も、福島も、宇都宮も全部通ったね。

東京に着いたのは15時ごろ。

この日は新宿で友達のライヴがあったのでそれを観た。

その後で友達と飲みに行ったから家に着いたのはam1時ごろ。

なにはともあれ、今回も無事に帰ってくることが出来ました。

 

 

 

まとめ

今回の総ルート

町田→八王子→西国分寺→南浦和→大宮→宇都宮→黒磯→郡山→福島→仙台→一ノ関→花巻→盛岡→青森→秋田→青森→盛岡→東京→新宿→町田

 

やはり当初の予想通り青春18切符を使った列車に乗る旅になった。

テーマは「鈍行でどこまでも」、まさしくテーマに沿った旅になったね。

今回はとにかく列車でその地へ行くということが目的だった感がある。

たまたまねぶた祭りをやっていたから見ることも出来た。

寝床がなくて駅構内で寝た夜もあった。

あいかわらず旅は貴重な体験を増やしてくれるよ。

天気はあまり良くなかったのが残念だが、先にも書いたように殆ど列車の旅。

実際に雨が降って困ったのは青森のねぶた祭りの時くらい。

そんなに雨には困らされなかった。

 

 

 

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