ネパール一人旅
2009年7月29日〜8月5日

20代最後、インドでこれまでの集大成のような旅をした
30代最初、ネパールで少しゆっくり旅をしようと思う

 

準備

恒例となった夏の海外旅行。

1週間程度で行けそうな所で、行きたかった所へはそれなりに行った気がする。

単純に行きたい国や地域を挙げればキリが無い。

特にエジプトやヨーロッパ(前回行かなかった国)、南米へは行ってみたい。

しかしそこまで足を延ばしたなら1週間程度ではなくもっと回りたい。

1週間だとどうしても駆け足の旅になってしまうだろう。

前回のインド旅行が実に慌しい旅だったこともあるので今回は少し落ち着いた旅をしようと思った。

目的地もアジアで未踏の国であればとりあえずどこでも良いかと気楽に探し始めた。

その結果、今回はネパールへ行くことにした。

前回行ったインドの隣、ヒンドゥー教の繋がりを考えてもインドの次に行く国として適当な気がした。

インドより落ち着いているであろうイメージもある。

特に大きな移動プランは考えず、首都カトマンズでホテルも予約してカトマンズ郊外を回る程度にするつもり。

国や街の規模を考えてもちょうど良い気がする。

でもそれだけだと味気ないのでタイのバンコクを経由するタイ国際航空の航空券を取得。

最近は1ヶ国だけの旅では物足りなくなっている贅沢者。

経由地があるならば是非ストップオーバーしたい。

むしろストップオーバーするために敢えて直行便を避けている傾向。

もっともネパールまでの直行便は殆どないのだが。

今回は典型的な熱気むんむんアジアとも言えるタイのバンコクの喧騒に浸ってからネパールのカトマンズへ行く予定。

その辺りのギャップも体感できれば良いかな。

タイは無職時代に訪れた2002年以来。

当時は先に現地入りしていた友人と合流したが今回は純粋に1人。

タイ滞在は2泊なのでバンコクを適度に周遊予定。

今回のテーマは少しゆっくり旅をすること。

物足りなく感じたら次はまた…

 

 

2009年7月29日 水曜日

旅の始まりはAM4:30起床。

飛行機が10時発なので2時間前の8時に成田に到着していることを考えると必然的にその時間に。

朝から電車乗換えやら何やらするのが面倒だったので地元駅から出ているバスで成田まで直行。

5:20に出る成田行きの始発バスはほぼ満席。

ウトウトしつつ2時間ほどで成田に到着。

まずはチェックイン。

事前にインターネットチェックインを済ませていたのでチケット発券が目的。

今回はタイ国際航空、荷物を機内預けにしない乗客の専用カウンターがあり実にスムーズに発券できた。

やること済ませて朝食は万国共通のマクドナルド。

当たり前だけど外国人客も多いマック、店員も英語で応対。

成田空港のマック店員は他よりも時給良いんだろうか。

朝食後、開いている店を冷やかしつつもどこか上の空。

出発前の高揚感はいつ味わっても良い。

早く飛行機に乗って旅立ちたいような、この高揚感をもっと味わっていたいような微妙な感覚。

出発20分前くらいに搭乗開始、まず目指すはタイのバンコク。

この時期のタイ行きだから混んでいるかと思ったが機内は6〜7割程度の入り。

何よりも良かったのが3人掛けの席の横に誰も来なかったこと。

今回はインターネットチェックインで後方の窓側席を指定した。

後ろの席の方が空席がある場合が多いので敢えてそうしたのが奏功。

定刻10:00に動き出し、飛行時間は5:42とのこと。

今回の飛行機には1人1台のスクリーンが埋め込まれていて映画やら音楽やらゲームやらが出来る。

映画で実写版ドラゴンボールをやっていたので暇潰しに眺める。

ドラゴンボールで育った世代の私からすれば、なんというか苦笑いしっぱなしだった。

原作とは別物だと考えれば許せるかな、といったところ。

次回作へ引っ張れそうな終わらせ方していたけど無いだろ…

機内食はオツマミとビールの軽食、メインの機内食、軽食のサンドイッチと計3回あった。

日本時間16時・タイ時間14時(日本とタイの時差は−2時間、以降はタイ時間で記載)、バンコクのスワンナプーム国際空港に到着。

現地の天候は曇り、気温は32℃とのこと。

昨年のベトナム&カンボジア旅行の帰りに飛行機の経由で寄っただけのバンコク。

実際に降り立つのは2002年の無職時代以来。

入国審査と税関(誰もいなかった)を終えて外に出る瞬間が海外の始まりを感じさせる。

空港の外に出てムワッとした湿気をはらんだ空気が身体にまとわりつき、東南アジアに来たなーというのを実感する。

空港から市街までの移動はエアポートバスを使用。

市街まで150バーツ(≒450円・以降の表記はB、1B≒2.9円程なので以降のレートは1B=3円で計算)。

出発前に乗務員がどこで降りるのかを乗客に聞いて回り、停車する順番を読み上げていく。

エアコン効きすぎて寒いバスの中、1時間ほどで市街に到着。

市街まではスムーズだったがバンコク名物の渋滞にやられてなかなか進まず。

バス停のようなものは特に無いらしく、事前に伝えておいた目的地に着くと降ろしてくれた。

それはそれでありがたいのだが、バス停が無いと帰りにどこから乗れば良いのかが分からない。

いずれにせよバンコク市街に降り立っていよいよ本当の旅の始まり。

ホテルは日本の旅行代理店を通して事前に予約した所。

BTS(モノレールのような高架路線)のチョンノンシー駅の目の前にあるホテル。

地球の歩き方に載ってはいなかったが、駅の目の前なので場所はすぐに分かった。

部屋も小奇麗でカードキー、ダブルベッド、液晶テレビ、ミネラルウォーターサービスと至れり尽くせり。

シャワーのみだったのが唯一の難点だが、朝食付き1泊3000円にしては充分すぎる内容で満足。

貴重品以外の荷物を置いて行動開始。

時間は現地17:30頃だったが、機内食から何も食べていなかったので少し早いが晩飯にすることに。

7年前に食べて美味しかった蟹のカレー風味溶き卵炒めみたいなブーパッポンカリーは今回も是非食べたかった。

7年前にも行った有名店がホテルの近くだったので再訪。

店内の様子は7年前とそんなに変わっていない印象。

有名店で日本人客も多いらしく、店員も片言の日本語を話す。

7年ぶりのブーパッポンカリーは相変わらず美味。

ふんわりとした卵と蟹のダシが効いたカレー風の味付けはピリ辛でビールが進む。

ただ7年前とは違い、今回はそれを一緒に味わう友人がいないのが残念。

レストランだと蟹をどこまでほじりだして食べればよいのか逡巡。

あんまりやったら行儀悪そうだし、大きなフォークだとほじり辛い。

蟹を食べる用のフォークが欲しいと切に感じた。

ブーパッポンカリー小250B(≒750円)、空心菜とニンニク炒め?90B(≒330円)、シンハビール110B(≒330円)。

全体的に脂っこい料理ばかりになった。

店を出ると周囲が薄暗くなり始める時間帯。

バンコクの夜といえば定番のパッポン通り、バンコク1有名な夜店屋台街。

まだ完全に夜になりきっていないからか屋台の勢いもイマイチ。

通り沿いの店でハッピーアワー、ビール1Buy1Getと呼び込みをしていたので入る。

入ってから思い出したが7年前もこの辺りでハッピーアワー1Buy1Getの店に入った記憶がある。

まさかとは思うが同じ店だっただろうか。

店にはsince9/9/98と書いてあったからあながち間違ってもいないかも。

出されたタイガービールを飲みつつ地球の歩き方眺めたりココまでの旅記書いたり。

ハッピーアワーなのでビール2杯で140B(≒420円)。

2杯なら安い、1杯だと少し高いかな。

ビールで膨れた腹と酔いを醒ますためパッポン通りを冷やかす。

パッポン通りは夜店がいっぱい出る屋台街としても有名だが、歓楽街としても有名。

ソレ系の客引きも非常に多いが、苦笑して首を振れば簡単に諦める。

インドのリキシャーや似非ガイドなどの客引きに比べると強引さが無い。

インドでアレを味わっておけば大概の国の客引きはどうにかなるような気がする。

パッポン通りの上を行くのはタイ人のタイ人による日本人のための歓楽街タニヤ通り。

日本人を接待するために作られた?とかいう通りは看板も日本語で客引きの言葉も日本語。

歩くだけでわらわらと客引きが寄ってきてチョットしたスター気分?を味わえる。

その辺りの有名観光通りを一通り冷やかしつつ歩いてホテルに戻る。

帰り際にコンビニ(セブンイレブン)で缶ビールを購入。

ビアチャンという現地で1番売れているというビールが25B≒75円。

タイで有名なシンハビールは30B≒90円越えていた。

日本で言うヱビスビールみたいなものかな。

シャワー浴びてビール飲んで就寝。

 

 

2009年7月30日 木曜日

旅先ではいつも気になる朝の大。

今回は少し軟らかではあったが固形のが出てきてくれた。

前夜に食べたブーパッポンカリーの臭いが強烈にした。

強烈な臭いといえば泊まっているホテルのエレベータにはこんな貼紙が。

ノードリアン
ノードリ

朝食はホテル屋上でビュッフェ。

小さいながらプールまで付いている屋上で、改めて1泊3000円は安いと実感。

翌朝にはネパールのカトマンズへ向けて出発するため、バンコク観光が出来るのは実質この日のみ。

7年前にも行った所を含めて1日でバンコクの主要な所を片っ端から回ってしまおうと思っていた。

7年前はタイ慣れした友人と共に行動したので、ちゃんと1人でバンコクを回るのは今回が初めて。

海外に限らず旅先での私の移動手段の基本は徒歩。

歩くと自分の身体で直に街を感じることが出来る。

地図上の距離感は勿論のこと、街の空気や音やニオイや雰囲気など。

目的を持った急ぐ旅でなければ極力歩いてその街を感じるのが好きだ。

ホテルを出てとりあえずひたすら歩くことにした。

まずは7年前にビュッフェを食べにだけ行った最高級ホテルのオリエンタルホテルへ。

地図を頼りに行ってみるとこんなにこじんまりしてたか?という印象。

守衛がいた入口には見覚えがあったし、英語表記もしてあったのでホテルに間違いは無い。

7年前は私も若かったし「アジア1とも言われるホテルでビュッフェを食う!」と身構えて行っていただろう。

それらのイメージから必要以上に大きく見えていたのかもしれない。

今回は1人でビュッフェも味気ないし、ホテルに入ることはせずに外観だけ眺めてその場を去る。

7年前より小さく感じられたオリエンタルホテル。

私が大きくなりすぎていた(物理的にではなく)のだとしたら、それは少し寂しいことかもしれない。

次に目指すはバンコク中央駅ともいえるファランポーン駅。

7年前はここからマレー半島を南下するマレー鉄道にも乗ったし、アユタヤへ向かう列車もここが始発だった。

こちらは記憶の中のファランポーン駅と殆ど変わらず。

駅舎内に入ると案内人みたいなのがどこへ行きたいんだと声をかけてくる。

なんならココからマレー鉄道に乗って…と言いたいところだが生憎今回はただ駅を見に来ただけだ。

制約のある旅というのは物悲しい。

それにしても駅で声をかけてくる連中をどれも怪しく感じてしまうのはインドでついた悪い癖か。

次に目指すはバンコク観光のハイライトになる王宮周辺。

ファランポーン駅からは結構な距離を歩くことになる。

しかし途中にはチャイナタウンなどもあり、歩くのには楽しそうなルート。

躊躇せずに歩くことにして、ファランポーン駅から少し歩くとすぐにチャイナタウン。

中華系の門や寺院が見えてきてすぐに分かる。

そして香港のように看板の洪水がある通りには漢字が溢れている。

大通りから少し脇に入るとゴチャゴチャした露店が並ぶ。

大通りは車がイッパイで、露店は店と人でゴチャゴチャ。

ムワッとした空気と人が大勢いる熱気と料理のニオイなど様々なものが入り混じったこれぞ雑然アジアを体感。

途中で現在地が把握できなくなったが、持参した方位磁針を頼りに王宮のある西を目指す。

開けた道に出たなーと思ったら客待ちをしているトゥクトゥクの運転手に声をかけられる。

客待ちトゥクトゥクがいるということは観光地に近い、と思ったら予想通り目の前が王宮だった。

案外アッサリと到着した。

王宮周辺にはワット・プラケオ、ワット・ポー、ワット・アルンというバンコクの3大観光名所がある。

気が付けば9:30過ぎから2時間以上を歩き通しだった。

観光の前に燃料補給、ということでもう少し歩いて外国人の集まる有名な安宿街のカオサン通りへ。

カオサン通り
万国人が集まる

カオサン通りも7年前に来ていたが、オリエンタルホテルと同じでこんな所だったっけという印象。

もっと雑然としていたイメージがあったが、意外とスッキリした通りだった。

適当なレストランに入り、ビールで燃料補給ついでにタイ風シーフードヤキソバのようなもので昼飯。

外国人観光客が沢山いる店に入ればビールもあるし、料理も少なくとも外れはない。

現地物価に比べれば高めなのだろうが、外れがないという点では安心できる。

落ち着いたところで観光再開。

バンコク3大観光名所のうち前回唯一行かなかったのはワット・アルン。

ワット・アルンへは渡し舟に乗ってチャオプラヤー川を横断する必要がある。

聳える塔
対岸の暁寺

3B(≒9円)払って渡し舟に乗り、3分ほどで対岸に到着するとそこはワット・アルン、入場料50B(≒150円)。

三島由紀夫の小説「暁の寺」で描かれている寺院。

旅の前に読んでいこうかと思ったが「豊饒の海」というシリーズ物の第3部にあたるのが「暁の寺」で、その長さを見て断念した。

天に伸びるような寺院が特徴的でいずれにも細かい装飾が施されている。

装飾はいずれもアンコールワットで見たのと似た様相。

ワットアルン
暁の寺

急な階段などもアンコールワットを彷彿とさせる。

その階段を登ると天に伸びる寺院の中腹まで行けて、バンコク市内が一望できてなかなか爽快。

再び渡し舟に乗って対岸へ戻るとそこは巨大な寝釈迦仏像で有名なワット・ポー。

ココは7年前にも来ていたので入らなくてもいいかなと思ったが折角すぐ目の前を通るのだしと入る。

ワット・ポーも入場料は50B(≒150円)。

定番は巨大な寝釈迦仏。

お堂内に仏様が狭そうに横たわっている。

定番観光地だとお互い様なので気軽に写真を撮ってもらえて良い。

写真撮影ポイント
ニルヴァーナ

前回は寝釈迦仏だけに気を取られて他は殆ど見なかったが、敷地内は意外に広いし見所も沢山あることを知った。

本堂にある金の仏像もなかなか見事だし、仏像がひたすら並んだ回廊などもある。

その気になればかなり時間をかけて回れそうだった。

ワット・アルンとワット・ポーに行ったとなると残るは王宮とワット・プラケオ(隣り合っていて入場料も共通)。

しかし王宮とワット・プラケオはパス。

入場料が高い(350B≒1050円)のと、神聖な施設なので肌の露出が多い格好(ノースリーブや短パンなど)では入れない。

今回はハーフパンツで来ているので恐らくはNG。

入口脇で無料で服を貸してくれるらしいが、暑い国で誰が着たのかも分からない服を着るのには抵抗が。

というわけでバンコクの定番3大観光地のうち2つを消化。

次は巨大ショッピングセンターが乱立するバンコク随一の繁華街サヤーム・スクエアへ。

これまで歩いてきた距離を考えれば徒歩でも行ける距離だったが疲れもあったので流しのタクシーを捕まえる。

渋滞にもはまって30分くらいかかって81B(≒243円、初乗り35B≒105円)。

東急デパートも入っているマーブンクロンセンター(通称MBK)は前回も来た記憶があった。

日本のデパートよりも遥かに大きい巨大なショッピングモール。

上階のレストラン街に行くとタイスキ(タイ風しゃぶしゃぶ)の店を発見。

17時過ぎとやや早い時間ではあったが、見たら食べたくなったので入店。

暑い国だがクーラーがんがん効いて快適な店内。

肉と魚介盛り合わせみたいなセットを注文。

内容は日本の鍋と殆ど同じ。

肉はしゃぶしゃぶして食べつつ、エビや練り物やわんたんもあるんでそれらも茹でる。

シンハビールと共に食し合計616B(≒1848円)。

ちゃんとした所でちゃんと食べたからそれなりの値段になった。

そういえば7年前に来たとき、シンハビールはアルコールが高め(7〜8%くらいだったような)でクセがあった。

氷を入れてビールを飲むためにアルコール度数を高くしているらしいと聞いた。

それが今回はアルコール度数5%くらいで味も普通のビールになっていた。

氷を入れて飲む濃いシンハビール。

その独特な味わいが嫌いじゃなかったのに普通になってしまって少し残念だった。

飯を食べ終わって外へ出ると薄暗くなってきている。

サーヤム・スクエア周辺には巨大ショッピングセンターが2,3つも共存(競存?)している。

よくもまぁこんな巨大なもんが共存(競存?)できるものだと感心。

と思ったが冷静に考えれば新宿などの日本のデパート街と似たようなものか。

辺りがだいぶ暗くなってきたので、この日最後の目的としていたバイヨークスカイホテルへ。

バンコクで1番(=タイで1番)高い建物のホテル(85階建て)。

上階にはバーもあるというので夜景でも眺めながらカクテルでも飲むつもりだった。

地図を見なくても上を見れば見事なランドマークになっているのですぐに場所が分かる。

サーヤム・スクエアから10分ほど歩いて到着。

当然ホテルとしても機能していて、日本の代理店を通して6千円程度で泊まれる。

ホテルの客もいれば展望台だけの客もいるようで入口はだいぶ混みあっている。

ロビーのような所でチケットを買う。

宿泊客でないというと250B(≒750円)取られた、結構高い。

エレベータで一気に上階まで行き、さらに階段を上ると外に面した展望台。

外周がゆっくりと自動で回っていて、立っているだけで360度回転してくれる。

止まっているだけで景色が勝手に動いてくれるというのは良い。

夜景を見るとバンコクが都会だというのが改めて分かる。

どこを見ても灯りがついているし、道路が張り巡らされている様子も確認できる。

もはや先進国並み
大都会バンコク

そんな夜景を1人で眺めていたのは私くらい、人はまばらだったがカップルが殆どだった。

夜風も気持ち良くボーっと立って2周もしてしまった。

84階にバーがあったので入ってジントニックを注文。

高級ホテルというわけではないので、ごく普通の可も無く不可も無いジントニック。

夜景を眺めつつチビチビ飲む。

もう1杯飲もうか迷ったが、普通のジントニに夜景分上乗せされているであろう金額を払うのもなんだったんで1杯だけにしておく。

会計をしてもらおうとするとチケット代に含まれているから会計不要だと言う。

ワンドリンク込みで250B(≒750円)ということらしい。

それならまぁ無難な値段なのかな。

それにしてもバーに寄らなければワンドリンク分無駄になるところだった。

そういうことは最初に言ってくれれば良いのに。

ホテルへ戻るにはBTSを使うことにした。

歩けない距離でもなかったが、BTSに乗るのも1つの記念だ。

泊まっているホテルはBTS駅の目の前なのだが、バンコク最後の夜に一気にホテルまで戻ってしまうのは勿体無い。

1つ手前の駅で降りて、昨夜も歩いたパッポン通りなどを一通り冷やかす。

そういえばカオサン通りでもパッポン通りでも露店のTシャツ屋にはマイケル・ジャクソン物が多数あった。

やはり世界的なスーパースターだったんだな。

バンコク最後の夜をかみ締めるように、酔いを醒ましつつゆっくり歩いてホテルに戻る。

BTS駅の目の前のホテルに泊まったのに、その利点を活かしたのは最初にホテルを探した時だけだった。

最後にコンビニでビールを買って就寝前に1杯。

1日でバンコクの主要所は結構回ったような気がする。

旅の1日のモデルにしても良いんじゃないかと思えるくらい充実した中身の濃い1日だった。

ただ旅のモデルにするには歩きすぎの感はあるが。

 

 

2009年7月31日 金曜日

バンコクからカトマンズ行きの飛行機の出発時間が10:35。

2時間前に空港着と考えて逆算した結果、6:30には起きて朝食。

諸準備を済ませて7:30過ぎにはホテルをチェックアウト。

目の前の道を行く流しのタクシーを捕まえて空港まで。

空港からバンコク市街に来たときは1時間くらいかかったので今回もそれくらいの時間を覚悟していた。

実際にバンコク市街では渋滞も激しく少し不安になる。

しかし、1つ道を外れて高速道路に乗る頃になるとスイスイ。

ドライバーもかなり飛ばす人で140kmくらいで次々と前の車を追い抜いていく。

結局30分程度で空港に到着。

高速代70B(≒210円)とメーター231B(≒693円)で想像していたよりも安く速かった。

前日にホテルの無料インターネットコーナーで席も決めていたのでチェックインもスムーズ。

結局だいぶ時間が余ってしまったが、時間ギリギリに慌てるよりは良い。

することも無いので出国審査を済ませた先にある土産物屋などを冷やかす。

職場への土産はこれでイイかなーなんて考えていたが、未だ旅の序盤にして早くも帰りのことを考えているのが嫌だ。

直前の混雑を避けてセキュリティチェックも済ませてしまう。

その先にも土産物屋でもあるかと思っていたが見事に何も無し。

結局何もすることが無くなって早々にゲート前に到着してガイドブックなどを眺めて時間を潰す。

成田→バンコク便と同じようにバンコク→カトマンズ便でも席は後方窓側を指定。

すると今回も私の隣一列は誰も座らない席。

但し、成田→バンコク便よりも機内設備の質は落ちていて、1人1台のモニターは付いていなかった。

気流が悪いところを飛んだのだろう、今回のフライトはかなり揺れた。

シートベルトサインが付いてキャビンアテンダントも慌てて席に座る。

身体が一瞬無重力状態に感じるような上下運動も数回。

食後に飲んでいた紅茶も半分以上がトレイの上にこぼれる。

ココ最近ではあまり味わったことの無い飛行機の揺れに少し恐怖を覚える。

しかし雲の中と思われるところを抜けるとどうにか落ち着いた。

3時間弱のフライトでカトマンズのトリブヴァン国際空港に到着。

タイとネパールの時差は-1:15、日本との時差は-3:15。

タイが12:00ならネパールは10:45、日本が12:00ならネパールは8:45。

インドのデリーへ行ったときに3:30の時差で初めて30分単位で時差があることを知った。

それが今回は15分単位の時差、これまた初体験。

持っていた腕時計のワールドタイムの都市コードにもカトマンズは無い。

デリーの都市コードにして15分進ませて時計をセットした。

もう15分も30分も変わらない、誤差の範囲内に収めて良いような気も。

首都の空港にしてはこじんまりとて古びた空港。

飛行機から降りるのもタラップで直接地面へ。

雲は多いが陽射しもあり、暑いことは暑いがバンコクほどではなく、すごし易いと思えるくらい。

トリブヴァン国際空港
どこの地方空港ですか?

ネパール入国はビザが必要。

ビザは日本で取る事もできたが日本で取得すると3,000円。

これがネパールの空港で取得すると25米ドル(≒2450円、私が両替したときのレートで1ドル≒98円)。

日本でビザを取得するメリットは殆ど無いような気がしたので空港でビザ発給。

ところが結構な人がビザ取得の列に並んでいて、30分くらい待たされた。

事前に取得しておくメリットは空港でビザ発給の列に並ぶ必要が無いってことか。

ビザ発給と入国審査を済ませてネパールに入国。

とりあえず先立つものを空港の銀行で両替。

3,000円を替えてもらうと2,240ネパールルピー(以降はRsと表記)。

1Rs≒1.3円と計算はやや面倒なレート。

誰もいない税関を出るとそこはいよいよネパール・カトマンズ。

来るわ来るわ、タクシーやらホテルやらの客引きの勢いが物凄い。

空港を出ただけであの歓迎っぷり?はいかにも発展途上アジアに来たという印象。

しかも流暢に日本語で話しかけてくる輩も大勢。

私は事前にネットでホテルを予約していて、そのホテルの車が空港へ迎えに来てくれることになっていた。

てっきり私の名前でも紙に掲げて待ってくれているものと思ったが、人が多くて誰が何やらよく分からない。

日本語で話しかけながらしつこく付きまとってくる兄ちゃんを振り払って客引きがいる辺りを一通り歩く。

しかし泊まる予定のホテルの名前も、ましてや私の名前も見当たらない。

どうしたものかと思っていると最初っからしつこく付きまとってくる兄ちゃんがどこへ行くんだ?と聞いてきた。

ホテルの名前を告げると「オレはそこのホテルから来たんだ」と言って車のある所に連れて行こうとする。

その兄ちゃんのほかにもワラワラと他の客引きも集まってきて私の言ったホテルの名前を口々に連呼する。

どうも雰囲気を見ていると「オレが連れて行く」「イヤ、オレだ」みたいなことを言い争っているっぽい。

最初に声をかけてきた兄ちゃんも、集まってきた連中も本当にホテルから依頼された人間には見えない。

「オレに付いてくれば大丈夫だ、ホテルまで無料だ」を連呼する。

「あなたはホテルの人間なのか?」と聞くとYesと答えるがどうにも胡散臭い。

「自分はメールでホテルと予約のやり取りをした。あなたがホテルの人間なら私の名前を知っているはずだ。」と言ってみた。

すると「オレはホテルから依頼されてきただけだからあなたの名前は知らない」と言う。

兄ちゃんは携帯電話を持っていたので「それならホテルに問い合わせて私の名前を聞いてみろ」ともう1歩踏み込む。

すると渋々携帯電話を使ってどこかにかけているがなかなか繋がらないらしい。

ますます怪しい。

その間にもワラワラと取り囲む連中は口々に何事かを喋っている。

明るい時間だったし他にも人は沢山いたので恐くはなかったが、いきなりの洗礼に改めて気を引き締める。

5分ほど経っても電話は繋がらないらしく、見るからにイラついている兄ちゃん。

こりゃ1からホテルの迎えを探さなきゃダメか、或いは自力で行くしかないかなと思っていた矢先。

取り囲んでいる連中の後方から「Hiroyuki?」と声をかけてきたオッちゃん。

すると間髪いれずに最初の兄ちゃんが「Yes!Hiroyuki come on!」と大きな声を出した。

そのあまりの反応の速さに苦笑、イヤイヤあんたもうバレてるから。

最初に私の名前を言ったオッちゃんに付いていく。

迎えの車とはいえホテル名が書いてあるとかではなく、何の変哲も無い汚い軽自動車。

私の名前を言った時点で間違いないだろうと思ったので車に乗り込んでカトマンズ市街へ向けて出発。

迎えに来たオッちゃんは日本語が上手で、流暢に話かけてきた。

「迎えが遅れてゴメンナサイ。カトマンズではあのようなこと(客引き)は常識です。不快な気持ちにさせてゴメンナサイ。」

「日本語が上手ですね」と言うと「イヤイヤ、まだまだです」と謙遜までする。

海外の観光地で流暢な日本語を喋る輩は基本的にあまり信用できないという考えを改めかけたが…

「私は今度、JTBの大学に留学します。JTB、ご存知ですか?」と言ってきた。

は?JTBの大学、何を言っているのだろうと怪しく思いかけてきた。

さらに追い討ちをかけるように「ネパールは今、ちょうど雨季が終わって見頃です」と。

は?7〜8月なんて完全な雨季だと思うんですが。

しきりにカトマンズ外へのツアー(旅行代理店を通す必要がありそうなもの)をオススメしてきたりする。

急に怪しく感じられ、適当に相槌を打ってやりすごす。

もうこの際ちゃんとホテルに連れて行ってくれればそれでイイやと思うようになっていた。

車が空港を出るとすぐにそこは市街らしく人や車が多く行き交い、商店が並ぶ。

大体どこの国でも空港の回りは殺風景だが、カトマンズはすぐに市街地が出てきて驚いた。

そして噂には聞いていたが砂埃が凄い。

アスファルトがちゃんと整備されていないのだろう、車が通るたびに砂埃が舞う。

道も荒れていてボコボコしている。

一抹の不安を残したままだったが、20分ほど走ってホテルに無事到着。

結局ツアーを申し込まされることも、旅行代理店に連れて行かれることも無かった。

ようやく到着したホテルはカトマンズの旅行者が集まる繁華街タメル地区にある。

日本からネットで見て予約した中級のホテルで1泊朝食付きサービス料込み49.5米ドル(≒4,851円)。

部屋は広くてバスタブもあってそれなりに快適そう。

しかし予想はしていたがバンコクで泊まった1泊3,000円のホテルには及ばない。

都市の発展度合いや観光客の量を考えれば仕方ないこととはいえ、ホテルの順番が逆なら良かったなと思えた。

とはいえホテルとしてダメなわけでは全然なく、逆にバンコクが安くて快適すぎただけ。

やはりバンコクはアジア有数の都市だということを再認識した。

ホテルの部屋に荷物を置いて一段落しても時間は未だネパール時間の15:00頃。

街へ出る時間は充分にあるので、カトマンズ市街を散策することにする。

ホテルのあるタメル地区を南下していくと街の中心に当たり、旧王宮などがあるダルバール広場へ行ける。

そんなわけで地図を頼りに歩き始める。

タメル地区は外国人旅行者が多く集まるエリアだけに両替所やレストラン・ホテル・スーパーなどが点在。

日本語の看板も見られ、少なくともココにいれば食いっぱぐれることは無いなと安心。

街並みも道路もとても近代的とはいえないがこじんまりと密集した感じは悪くない雰囲気。

旅人の拠点
旅行者の集うタメル地区

神々が多く住む街、としての側面もあるというカトマンズ。

普通に歩いている道端に神様を祭った像や碑のような物が点在。

それらが生活の中に根付いているようで通りすがりに歩きながらお祈りをしたり、軽く触れて額に手を当てたり。

しかしあまりにも生活の中に根付きすぎていると感じたのは神様を祭った祠のようなものの目の前がゴミ捨て場になっていたこと。

強烈な悪臭を放っているので何事かと思ったら、近付くと生ゴミがこれでもか!と捨てられていた。

生活に根付きすぎた神様というのも如何なものかと思った。

掃き溜めに神
写真だと臭いは伝わらない

少し歩くと露店が大量にあつまる交差点のようなところに出る。

物凄い人が行き来し、さらに車やバイクや自転車やリキシャーなども往来。

車はクラクションをプープー鳴らし、人も大勢でワイワイガヤガヤ。

ウルセー!と怒鳴りたくなるくらいのうるささ。

道に信号なんてものが無いので車は片っ端からクラクションを鳴らして通り過ぎる。

クラクションを鳴らすのが挨拶代わりなんじゃないかと思えるくらいどいつもこいつも頻繁に鳴らす。

いくつかの発展途上アジアを旅してきてなんとなく感じたのはクラクションの音量とその国の民度の関係。

個人的な感想だが、車のクラクションの大きさと量、それにその国の民度の高さは反比例しているような気がする。

クラクションがうるさい・多いほどその国の民度は低い(個人的感想です、不快に思った人がいたらゴメンナサイ)。

カトマンズ初日で真っ先に感じた印象は「実にうるさい街だ」ということ。

そんなことを思いながら歩いていたらいつの間にかダルバール広場に着いていた。

地図を見たらもっと遠いかと思っていたが案外アッサリと到着した。

入場料300Rs(≒390円)払ってチケットを買う。

これは延長を希望すれば+3日まで無料で延長してくれるチケットだというのでチケットオフィスで延長依頼。

もっともチケットは買ったものの、広場と街と道路が一体化しているような所なので1度もチケットを見せる機会は無かった。

カトマンズの中心に当たるダルバール広場ではヒンドゥー系の寺院が立ち並ぶ。

寺院で座って休憩をしながら観光客や現地人などの往来が盛んな広場を眺める。

こうした街の中心となっている観光地で辺りを見回すのが面白い。

色々な人種がアチコチ行き来する。

ヒンドゥー教を国教としていた(現在は国教としては定められていない)国らしく、インドのように牛が普通に歩いていたりもする。

そして案の定寄ってくるガイドもどきや物売りや土産物屋の客引き。

どこの国のどこの観光地に行ってもこういう輩は出てくる。

軽く受け流すのも慣れたものだ。

カトマンズ到着初日にしてあまり動き回るのもどうかと思ったので少し早めの夕食にする。

ホテルのすぐ近くにある、ガイドブックにも載っていたネパール料理のレストランへ。

ネパールへ来たらまずは何よりも口にしたかったのがエベレストビール。

トルコのカッパドキアで会った日本人旅行者と喋った時にネパールにはエベレストビールがあると聞いていた。

カンボジアにアンコールビールがあるように、ネパールにはエベレストビール。

国を代表するものはなんでも商品になるものだ。

エベレストの湧き水なんか使って無くても勝手にそう思えて美味しく感じる。

実態は飲み易い至って普通のビールではあったが。

ネパール料理の名物といえばモモと呼ばれる餃子のようなもの。

注文してみるとまさに蒸し餃子そのものが出てきて実に美味く、10個ほど入って110Rs(≒143円)。

ガイドブックに載っているちゃんとしたレストランでこの値段。

街の小汚いレストランでは50Rs(≒65円)もしないで売っていたりもした。

ピリ辛のタレが付いてきたが、肉の味がしっかりしているのでそのままでもいける。

ビールにも良くあって、エベレストビールが進む。

エベレストビールは1瓶650mlで210Rs(≒273円)。

食べ物の物価に比べるとやはり高い気がする。

嗜好品とはそんなものか。

晩飯を食べ終えて酔い醒ましがてらタメル地区をうろうろ。

旅行者が集うエリアだけあって夜でも人通りも多く、沢山のレストランが営業中。

もっと地味な街を想像していたが全然そんなことは無いようだ。

生演奏をやっているレストランがあるらしく、演奏の重低音が路上まで響いてくる。

カトマンズで感じた第一印象がここでも、「うるさい」だ。

幸いにしてホテルはタメル地区の端っこにあったので騒音の被害はなく。

バスタブがあったのでTシャツを手洗い。

シャワーの水がかび臭かったのは気のせいではあるまい。

でもカトマンズのホテルでお湯がちゃんと出るというだけで1つのステータスらしいから責めるわけにはいかないか。

スーパーで購入した缶ビール110Rs(≒143円)を飲んで就寝。

 

 

2009年8月1日 土曜日

カトマンズで迎える初めての朝。

空は雲こそ多いが太陽も出ている。

雨季だから天気は心配だったが今のところは問題無さそうだ。

ホテルの朝食でインディアンブレックファストというのを頼んだら見事にカレー。

朝からナンとカレーをしっかり食べることに。

前日にあてもなく歩いたことでカトマンズ中心部は歩いて回れる範囲だということが分かった。

この日はカトマンズの少し郊外にある2大チベット教の寺院へ行くことにした。

ネパールは東西南をインド、北をチベットに囲まれた国。

それゆえにインドのヒンドゥー教とチベット仏教が混在した独特の宗教観を持っているとか。

宗教が人々の生活の中にどの程度浸透しているのか、数日しか滞在しない旅人に推し量ることは出来ない。

しかしカトマンズの中心部でもヒンドゥーの神様を祭った祠もあればチベット仏教の仏塔もすぐ近くにあったりする。

その辺りを見ているとヒンドゥー教とチベット仏教が調和を保っているというのもなんとなく頷ける。

この日と翌日はカトマンズのチベット仏教とヒンドゥー教の主要施設をそれぞれ見ようと思った。

というわけでこの日のテーマはカトマンズのチベット仏教系寺院。

カトマンズを中心にして西にあるスワヤンブナート寺院と東にあるボダナート寺院。

ガイドブックによるとスワヤンブナートはカトマンズから約2kmで歩いても30分くらいとのこと。

先にも書いたが旅先では可能なかぎり歩くのがその国を街を最も肌で感じられる。

バンコクでも2時間以上歩いたし、30分なんて余裕で徒歩圏内だ。

9:20頃にホテルを出て歩く。

地図を見るとスワヤンブナートまでカトマンズの中心部タメル地区からはほぼ1本道。

相変わらず騒々しいクラクション音と舞い散る砂埃の中を歩く。

途中で川を渡ったが、川岸が巨大ゴミ捨て場になっているらしくゴミの山が出来ていた。

カトマンズ中心部を離れると旅行者らしき人は殆ど目に付かなくなる。

1本道を歩くだけなので迷うことなくスワヤンブナートが見えてくる。

高台にある寺院なので所々で上り坂がきつい。

ガイドブックにあった通り30分ほどで入口に到着。

人が増えて客待ちタクシーが列を成しているのですぐに分かる。

到着かと思いきや入口から本堂まで長い階段を登る必要がある。

結構急勾配な石段なのに加えて高さもまばらな階段なのでかなり疲れる。

stairway to...
神へ向かう階段

その階段を登りきって入場料100Rs(≒130円)払ってようやく到着。

ドーム型の半円形の上に仏陀の目が描かれた仏塔(ストゥーパ)が立つ。

この形のストゥーパがチベット仏教の典型的な形らしく、カトマンズの街の中心部にも小ぶりなストゥーパが立っている。

スワヤンブナートって名前は覚えにくい
ブッダアイが四方を見渡す

スワヤンブナートでは大勢の現地人の他にカトマンズの街では見かけなかった日本人団体ツアー客も。

この日は土曜日、カトマンズでは土曜日がいわゆる日曜日にあたるらしくいつもより混雑している…と日本人ツアーのガイドが言っていた。

日本人ツアー客はどれも中年から年配の方が多い。

あの石段を登り切るの大変だったろうに…と思ったら裏側には駐車場があってそこまで車で登ってきたようだった。

高台にあるスワヤンブナートは所々に展望台もあり、そこからカトマンズの全貌を見渡せる。

霞の街
カトマンズ全貌

東西南北どこを見ても山に囲まれており、見事に盆地だということが分かる。

盆地とはいえカトマンズは標高1,300メートルに位置する。

湿気は無く陽射しは強いが風は涼しく心地良い。

折角入場料を払っているのだからとストゥーパだけでなく敷地内を散策。

特段コレという見所があったわけではないが、主要観光地でもほんの僅か外れるだけで閑散とした様子になるのが見て取れる。

西にあるスワヤンブナートの次は東にあるボダナートへ行く予定。

その前に一旦カトマンズ中心部に戻って昼飯がてら休憩。

帰りの方が早く感じるのは旅先でも同じこと、行きと同じく徒歩でカトマンズ中心部へ。

ガイドブックに「地元の知る人ぞ知るチベット料理の有名店」と紹介してあったローカル食堂へ。

本当に「知る人ぞ知る」らしく、店内に客は殆どいなかった。

でも往復1時間ほどかけて歩いた後なのでビールさえあればなんでも美味しく感じる。

注文したのはネパールの定番定食セット・ダルバートのノンベジ160Rs(≒208円)。

インドで食べたターリーという定食と同じように米・野菜・肉・ナン・スープなどがセットになった一品。

見た目から想像していたようにインドのターリーのようにカレー風な味付けだった。

予想以上の量が出てきてビールで流し込むのがやっとでご飯に至ってはそれでも全部食べきれない。

値段から考えても充分すぎる量。

インドでターリーを食べたときにも思ったが、こうした定番の定食があると旅行者にとっては安心。

最悪の場合はコレ頼んでおけば外れは無い、という風に思える。

今回もエベレストビール2本(190Rs×2≒494円)と共に昼飯終了。

ビールと食事で生き返り、改めてボダナート寺院を目指す。

午前中はかなり歩いたし、ビールの酔いもあったのでボダナートへは素直にタクシーを使うことに。

ガイドブックにはタメル地区から150Rs(≒195円)程と書いてあったのでそれを参考に。

タクシーが密集している所へ行き「ボダナート?」と聞くと「Ok,200Rs(≒260円)」と言われる。

「No 150Rs(≒195円)」と答えると向こうはアッサリ「OK」と。

一発目でアッサリOKってことはもっと吹っかけても良かったんだなと思った。

空港からホテルへ向かうまではホテルの車だったことを考えると、カトマンズでは初めてのタクシー乗車。

見ているとドライバーは片っ端からクラクションを鳴らしている模様。

どうでもいいような所でもとりあえずクラクションを鳴らす。

次第に気が付いたのは信号が殆ど無いカトマンズなので、クラクションを鳴らすことで自己主張をしているのだということ。

オレはココ走ってるからどけオラー!みたいな感じか。

相変わらず整備が行き届いていないような道路で砂埃を上げながらタクシーは走る。

30分ほど走った街中で止まり、そこを行けばボダナートだと言われてタクシーを降りる。

エッ?ココ??と思ったが料金100Rs(≒130円)払って入った門の先に見えるはまさにガイドブックにあるそれそのもの。

ネパール最大にして世界的に見ても最大級のストゥーパ(仏塔)が立つボダナート寺院。

事前にガイドブックで見ていた写真では広大な広場にドーンと建っているのかと思った。

しかし到着したボダナートは土産物屋やレストランが軒を連ねる街の真ん中。

観光地
ボダナート周辺

気が抜けたのか昼飯時に飲んだエベレストビール2瓶分の尿意が猛烈に襲ってきた。

公衆トイレなど期待できないのでとりあえずボダナートを屋上から望められるレストランに入ってトイレを借りる。

コトを済ませて落ち着いたところでレストランの屋上でボダナートを眺めながらビールを1瓶。

トイレを借りに入ったレストランで更にビールを飲むというこの矛盾?

それでも天気の良い屋上で世界最大級のストゥーパを眺めつつ飲むビールはなかなかのもの。

天気が良すぎてビールがすぐに生ぬるくなってしまうのはご愛嬌。

昼から既に瓶にして3本目のビール(1瓶650ml)。

外国でしかも1人旅だとある程度飲んでも一線は守って酔える自信がある。

適度に気持ち良くなりながらもどこか冷静でいられるその感覚がまた気持ち良い。

現地の客引きなどにも笑顔でスルーしたり旅行者に気軽に写真撮ってくださいとか言える。

それに加えて非日常極まる場所でビールを飲んでいるという状況だけでビールが実に美味しく感じる。

日本で海外のビールを飲むのと現地でその国のビールを飲むのとの味の違いはまさにそこにある気がする。

味覚というものも実は非常に曖昧なものなのかなーというのは旅に出て思う。

旅行中は食べる殆どの物が美味しく感じる。

自分に好き嫌いが無いということもあるかもしれない。

しかしそれ以上に異国の地で無事に食べ物をオーダーして食べているという雰囲気がスパイスとして効いている気がする。

そんなことを思いつつビールを飲む。

気分も良くなりボダナート周辺をウロウロ。

スワヤンブナートが高台にあったせいか、街中にあるボダナートはやや拍子抜け。

それでも大きさから言えばボダナートはかなり大きい。

世界最大級のストゥーパ(仏塔)にしてチベット仏教の中心地というのも頷ける。

高台にあり、周囲にあまり目立つ建物が無い西のスワヤンブナート。

世界最大級のストゥーパ(仏塔)を誇るが、周囲は意外に世俗的な東のボダナート。

どちらもカトマンズにおけるチベット仏教のあり方なのかと思えばそれはそれで良いのかも。

ボダナート
写真だけ見るとスワヤンブナートと大差無い

帰りも面倒だからタクシーだなーと思ってボダナートを出るとすぐに声をかけてくる客引き。

やはり150Rs(≒195円)でアッサリ交渉成立。

インドに比べると覇気が無さ過ぎてやや物足りなく感じてしまう。

ホテルの近くではなく、カトマンズの中心部であるダルバール広場で降ろしてもらう。

ダルバール広場にある「クマリの館」。

前日に来た時には気にも留めていなかったが、あとでガイドブックを読んで考えを改めた。

クマリとはネパールの女神で、ヒンドゥー教の神様・仏教の密教の神様・ネパール王国の守護神が宿るとされる。

そのクマリの化身として崇められる少女が住むのがクマリの館。

クマリになるには特定のカーストの中から病気や怪我が無く、聡明利発の初潮前の少女が選ばれるという。

そして家族からも隔離され、ひたすらクマリになるための修行を積まされるのだとか。

現代にそうした風習が残っていることが驚き。

そのクマリが生活し、祈祷や占いなどを行うのがクマリの館。

外観と中庭しか見ることが出来ないが、とりあえず入ってみる。

ガイドブックによるとクマリの世話人にしかるべきお布施を渡すと、一瞬だけクマリが中庭の窓から顔を出してくれるという。

金を払えば生き神様が拝めるというのもまさに現金な話だ。

とりあえず中庭に入ってみると無数いるガイドが突然「No photo! Kumari coming.」と連呼しだした。

え?クマリが出てくる?

すると中庭に面した3階の窓から赤い衣装をまとった幼女が顔を見せた。

顔を出してキョロキョロと辺りを見回して数秒ですぐに奥に引っ込んでしまった。

それにしても何の気なしに入ったクマリの館で実物のクマリを拝めるとは思わなかった。

誰かがクマリの世話人にしかるべきお布施を渡したのだろうか。

どちらにせよついていた、ということだろう。

隣のガイドがクマリのために募金を、と言う。

ガイドに手渡しではなく、備え付けの賽銭箱に入れれば良いとのことだったので10Rs(≒13円)札を入れておく。

クマリの館を出るとこの旅で初めての雨が降ってきた。

大粒の雨でいかにも雨季っぽい夕立のよう。

慌ててダルバール広場の寺院軒下に避難。

ガイドブックを眺めていると現地の少年2人が覗き込んできた。

写真を指差してコレは何々だ、コレはホニャララだと楽しげ。

ガイドブックの写真を眺めながらお互い片言の単語だけでの会話だったが小さな交流。

10Rs(≒130円)頂戴、とか抜け目ない一面も憎めない。

勿論10Rsあげることはせず、持っていたミントタブレットを数粒あげてごまかす。

思わぬ雨で思わぬ交流が生まれ、ちょうど良い時間つぶしになった。

もしかしたら生き神様クマリがもたらしてくれた縁かなと思う。

1時間もしないうちに雨は上がる。

前日は闇雲に歩いたカトマンズ中心部を地図を元にちゃんと歩いておおよその街の配置を理解。

外国人旅行者が集まるタメル地区よりも、現地人が集まるインドラチョーク・アサンチョークの方が活気が物凄い。

何よりも人の数が全然違う。

小汚い建物が密集し、路上では様々なものが売られ、人が入り乱れる。

その中を時折バイクや自転車が通り抜けようとし、車まで現れてクラクション鳴らして通ろうとする。

良く言えば活気がある、悪く言えばうるさすぎる。

一国の首都の中心部がこうした状況。

まさに発展途上国ここにあり、といった感じ。

人大杉
ヒトゴミ雑然カトマンズ1

人大杉
ヒトゴミ雑然カトマンズ2

晩飯はタメル地区で目に付いた最も高い建物というレストランの屋上で。

完全に外国人観光客向けのレストランだったので値段もそこそこ。

タンドリーチキン、野菜モモ、エベレストビールで750Rs(≒975円)ほど。

夜のタメル地区を歩いていると案の定「ハッシシ?レディー?」等の危険なお誘いも。

そういえばカトマンズはヒッピーの3大聖地の1つだったということを思い出した。

 

 

2009年8月2日 日曜日

前日はカトマンズのチベット仏教系寺院を見たのでこの日はヒンドゥー教の寺院を見ることに。

カトマンズにはレンタサイクルがあるのでそれを借りることにする。

目指すヒンドゥー教のパシュパティナート寺院はカトマンズ東の郊外。

異国で自転車に乗るのも良いなと思ったのでこの日の行動は自転車にする。

タメル地区のレンタサイクル屋。

バイクもレンタルできるが日本でも乗ってないものに海外で乗るなんて自殺行為。

素直に自転車を借りることにする。

沢山の種類があってどれも値段が違う。

あまり安すぎるのに乗って安全面が疎かになったら危険。

タイヤの空気圧やブレーキの効き具合などを確認して1日250Rs(≒325円)のマウンテンバイクにする。

海外での自転車は9年前にタイのアユタヤを訪れたとき以来。

車通りが減った通りに出て試乗。

足も届くしブレーキも効くしスムーズに走る、問題なし。

目指すパシュパティナートはカトマンズ中心部の東。

コッチの方だと見当をつけて走り出す。

カトマンズには殆ど信号が無いため、車が縦横無尽に走り回る。

おまけに何度も書くがアスファルトがちゃんとしていないために砂埃も舞う。

前後左右の車に注意しつつも、道が悪くて窪みがあったりするので下にも注意しながら走らなければならない。

スムーズに走れはするが、周囲にも気をつけなくてはならないのでかなりスリリング。

それでも車が少ない道では風が気持ち良くて快適。

途中で現地の人に2度ほど道を聞いて30分ほどでパシュパティナートに到着。

入場券を買う窓口の脇に自転車を止めさせてもらい、500Rs(≒650円)払って中へ。

前日のスワヤンブナートやボダナートが100Rs(≒130円)だったのに比べると高い印象。

パシュパティナート寺院はヒンドゥー教徒しか入れないらしく、観光客は寺院入口手前の門までしか行けない。

インドでもヒンドゥー教徒しか入れない寺院がいくつかあった。

その辺りヒンドゥー教は厳格なのか?

高い入場料払っているわけだし、入れてくれても良いのに…と思うのは旅行者の驕りだろうか。

パシュパティナートの寺院以外の見所はなんといっても火葬場。

インド・ヴァラナシのガンジス河の支流に当たるバグマティ川が流れ、その川岸に火葬場がある。

火葬をするためのスペースが並んでいて、行ったときも2体が火葬の最中だった。

ヴァラナシのガンジス河で火葬を見るのは物見やぐらみたいな所から眺めるだけで近くには行けなかった。

しかしパシュパティナートでは目と鼻の先で火葬をやっている。

ヴァラナシでは火葬の際の撮影は厳禁だと周囲の現地人に注意された。

(火葬の際に現世にいた証拠=写真を残すと正しい輪廻が出来ないと信じられているらしい)

しかしパシュパティナートでは観光客がバシバシ写真を撮っているし咎める者もいない。

青空火葬場
台の上で火葬され、遺灰は川に

燃えている火の中に生足や黒コゲの頭などが見えてかなりリアル。

まさに今運ばれてくるご遺体もあり、火葬に至るまでの一連の儀式のようなものも見ることが出来た。

そんな火葬をしている川岸がある一方で、その川の中では子供たちが水遊びをしていたりする。

日本だと葬儀場脇で葬式に飽きた親戚の子供たちが遊んでいるような感覚なのかな。

いずれにせよ間近で火葬を見るのならインド・ヴァラナシよりもネパール・カトマンズがお勧め。

ガンジス河に比べれば圧倒的にマイナーなバグマティ川。

だからこそ観光客も少ないし、寄ってくるガイドも少ないし、写真撮影制限などもない。

時々やってくるガイドもどきや土産売りを無視すれば自分のペースで火葬を眺めることが出来る。

対岸の火事
対岸で行われている火葬を眺める観光客

他にも細かな寺院が点在するパシュパティナートを散策。

前日のスワヤンブナートでもそうだったが、野生の猿がアチコチにいる。

観光客が落としたか捨てたかした紙パックのジュースやアイスクリームのパックなどを破いて舐めたりしていた。

一通り散策してから次に目指したのはカトマンズ郊外にあるパタン。

過去に王宮があった古都で、印象的な建築物が数多く建てられているという。

カトマンズの中心部から南へ行った所にあるパタン。

パシュパティナートから直接自転車で行くよりも一旦カトマンズ中心部に戻った方が道も分かり易く確実。

というわけでカトマンズ中心部まで戻ってからパタンへ向かう大通りを南下する。

車道は車が多くて危険なために歩道を走る。

しかし歩道もちゃんと整備されていない所が多くて走り辛い。

段差が多くてその度に一旦自転車から降りて自転車を持ち上げて段差を越えなければならない。

乗って走って降りて運んで乗って走って降りて運んで…を繰り返す。

途中で曲がるところを間違えたらしく結局1時間ほどかかってようやくパタンの入口に到着。

200Rs(≒260円)の入場料を払ってパタンに入る。

パタンの中心部のダルバール広場へ。

パタン
古都パタン

カトマンズの中心部にあるのもダルバール広場。

ダルバールとは「宮廷」という意味だとか。

カトマンズにもパタンにも王宮があったわけだからどちらも街の中心がダルバール広場で問題ないわけだ。

自転車でダルバール広場周辺をウロウロして止める場所を探す。

ガイドブックにはレンタサイクルは盗難に注意と書いてあった。

レンタサイクル屋のおじさんも確実にワイヤーロックをかけてちゃんとした所に預けろ、というようなことを言われた。

だからパシュパティナートではチケット売り場の中に止めさせてもらって鍵をかけた。

しかしパタンは街なのでココ!という止める場所がなかなか見当たらない。

路上駐輪して良いものだろうか。

実際に路駐している自転車は沢山あったがどれも現地人が乗るような古びた小汚い自転車ばかり。

傍目にも私が借りた自転車はかなり綺麗なマウンテンバイク。

こんな所に一緒に止めたらアッという間に盗まれていきそうな気がする。

人目につかないところに止めた方が良いのか、逆に人目があるところに止めた方が良いのか。

迷いつつも衆人環視の所の方が安全なような気がしたのでそこに止める。

タイヤだけでなく、近くの柵にもワイヤーロックを結び付けようとワイヤーを伸ばす。

すると手応えがあってワイヤーロックの鍵の部分がスポッと抜けてワイヤー部と鍵の部分が完全に分離した。

えっ!?鍵が一瞬で使い物にならなくなってしまい、しばし呆然。

あろうことか鍵が壊れるとは…

それっぽくくっつけて鍵がかかっているように見せることはできるが、引っ張ればすぐに抜けてしまう。

こんな状態で自転車を放置しておくのはあまりにも危険すぎる。

自転車での移動は悪くなかったがこうした事態は想定外だった。

日本からワイヤーロック持参しておけば良かった。

これでパタンを徒歩で移動するのは諦めてひたすら自転車に乗って(あるいは押して)街中をウロウロ。

パタンに着いてから昼飯を食う予定だったが、自転車が止められなくては飯も食えない。

おまけに天気良くて陽射しが強く暑い。

自転車が目の届く範囲の売店に入ってペプシコーラ600ml・40Rs(≒52円)を購入。

コーラがあれほど美味しく感じられたのは初めてだ。

パタンはガイドブックの印象で古い建物が点在したのんびりした街かなーと漠然と想像していた。

しかし実際はカトマンズと大差なく、車がクラクションをひっきりなしに鳴らして走り去る。

古い建物もカトマンズ中心部にあるのとそう見分けがつかない(…のは私の美観の無さゆえだろうが)。

自転車を置いてゆっくり歩きたい気持ちはあったが、例えば翌日に改めてまたタクシーで来るほどの所でもない。

まぁこんなものだろうか、というのが正直な感想だった。

カトマンズと大差なし
パタンのメインストリート?

自転車を止められないのでカトマンズに戻ることにし、敢えて帰りは違う道を走ることに。

こちらの方向だろうと適当に走っていたらどんどん車通りが少なくなる。

引き返そうにもだいぶ走ったし戻るのはなんだか癪だ。

方位磁針見ながら北西に行けばカトマンズ中心部のはずだと確認しながら進む。

それでもなかなか大通りに出ず、次第に焦りが募る。

落ち着け落ち着け、未だ陽は高い(15:00過ぎ)、冷静になれと自分に言い聞かせる。

ようやく見かけた通行人のオッちゃんにカトマンズはこっちの方向で良いかを聞いてみる。

人の良さそうなオッちゃんがにこやかにYESと答えてくれたので一安心。

と思って進んだ先が分岐になっていてどっちがカトマンズなんだか分かりゃしねー。

とりあえず北西に向かう大きい道を目指して闇雲に自転車を走らせる。

次第に車通りが多くなり、先に信号が見えてきた。

カトマンズで信号があるというのは相当大きな通り。

行ってみると助かった、来た時に通った道に出た。

生き返る思いでカトマンズ中心部へ通じる道を走る。

すると前日と同じようにポツポツと大粒の雨が降り出す。

これはスコール来たぞと思うやいなや商店の軒下に避難。

幸いにして進めなくなる位の雨ではない。

雨季の国へ行くので持参した折り畳み傘が初めて活躍。

慣れない国の慣れない道で傘差して片手運転は恐かったので自転車は押していくことに。

前日の例もあって小1時間もすれば止むだろうと思っていたがなかなか止まない。

次第に雨脚は強くなっていき、ドシャ降り状態に。

日焼けして痛む腕に雨水が気持ち良いのが唯一の利点。

自転車を押して進むのも辛くなってきて軒下に避難。

…しようとするも屋根があるような所は同じように避難している現地人が多数占拠。

ようやく見つけた軒下の隙間に入ってしばらく静観。

初めて雨季の国の本格的な雨に遭遇した。

不幸中の幸いだったのは帰り道が分かっていて遭遇した雨だったということ。

この雨があと数分早ければ道に迷った状態で豪雨に見舞われるところだった。

30分くらい雨宿りをしても止む気配が無い。

これは進むしかないと判断して傘を差しつつ再び歩く。

傘を差しているがそれほど大きくない折り畳み傘、下半身は完全にビショビショ。

大通りは川のように水が流れ、歩道も足首まで水に浸かるほどの状態。

こういう時はサンダルで来て良かったと思う、サンダル万歳。

歩道脇に設置された公衆トイレと思われるところからも容赦なく水が流れ出しているが気にしている余裕は無い。

もう完全にビショビショなのだ、汚くてもすぐに洗い流されるだろう。

大雨のせいで道路も渋滞してドライバーも苛立っているのか必要以上にクラクションを鳴らす。

クラクション鳴らしたからってどうにかなる状況じゃないだろうが。

そんなのは雨季の国に住むオマエラが1番分かってるんじゃないのかと。

こっちもこっちでイライラしながらもどうにかカトマンズ中心部まで戻ってきた。

ふと気付くと雨は小降りになっている。

貸し自転車屋に着く頃にはスッカリ上がって青空まで見えている。

前日よりは1時間ほど長く降りはしたが、2度と止まないんじゃないかと思われた雨が本当にスッキリ上がった。

雨季の国の雨はこういうものだとなんとなく分かってはいても不思議な思いでいっぱい。

自転車を返却する際に鍵が壊れたことを伝えておく。

日本だととりあえずスミマセン、と言ってしまいそうな状況だが鍵が勝手に壊れただけでコッチに非は無い。

外国では謝ってしまってはこちらに非があることを認めてしまいそうだったので淡々と事実だけを告げた。

すると何度か鍵をいじくり回した後「Ok,No problem.」と意外にアッサリ引き下がった。

思わず「Sorry」と言いそうになったが、イカンイカン。

当然そうだろ、という顔をして立ち去った。

むしろ壊れた鍵のせいでパタンで自転車を止められなかったんだ!と怒っても良い場面だっただろうか。

まぁそこくらいは日本人の控えめな態度ということで?

昼飯も食えない状況で道に迷い大雨に見舞われてようやくカトマンズに戻ってきた。

何か食いたいと思ったがまずは落ち着こうと思い一旦ホテルに戻る。

豪雨で川のようになった歩道に足首まで浸かって歩き回ったのでシャワーでサンダルごと足を洗う。

葉っぱやら小枝やらが泥水と共に勢い良くサンダルから流されていく。

落ち着いたところで再度外出し、晩飯はガイドブックに載っていたローカル食堂。

カトマンズで定番となったモモをつまみにビールを飲んでようやく心の底から落ち着けた。

この日のようにいくらかの困難にぶつかるとその国や旅が嫌になりかける瞬間がある。

しかしそれを乗り越えて一息ついてビールを飲む時、それも含めてこの国や旅が改めて好きになっている自分がいる。

この瞬間こそまさに旅人としてのレベルが上がっているのかもしれないなと思う。

モモの他に頼んだのはトゥクパという麺料理。

スープの中にチャンポンのような麺が入っていて、スープはアッサリしつつもコクがある。

スルスルっと一気に食べられて、思わずお代わりしてしまう美味しさ。

これで100Rs(≒130円)程度だから安くて美味い。

晩飯
トゥクパと揚げモモ

ネパールの食事はタイのように辛すぎず、インドのようにカレーすぎず、適度で日本人に向いているかも。

トゥクパ2杯、揚げモモ、ゴルカビール(現地のビール)×2瓶で620Rs(≒806円)。

食後は定番となった酔い醒ましにタメル地区を一通りブラブラ。

スーパーでツボルグビール(デンマーク産)1缶110Rs(≒143円)購入。

現地のビールっぽいのは定番のエベレストビールに加え、ゴルカビールとネパールアイスビールというのを見た。

それ以外はいずれも諸外国でも見たことのあるビールだった。

現地生産と思われるビールはいずれも瓶でしかなくて、缶であるのは外国産ばかりだった。

缶ビールを生産するというのはやはりコストや技術力がかかるものなのだろうかと思った。

前日は方々を歩き回り、この日は方々を自転車で駆けずり回った。

そういえば今回の旅のテーマは少しゆっくりする、じゃなかったっけ。

 

 

2009年8月3日 月曜日

丸1日行動できる最終日。

郊外のバグダプルやキルティプルなどへ行こうかとも思った。

しかし今回の旅のテーマは少しゆっくりする、だったことを思い出した。

前日にパタンへ行って歴史的な建物をいくつか見た。

そこでカトマンズとの違いをそう感じなかったように、他の郊外へ行ってもそう変化は無いような気がした。

あったとしても私の乏しい知識では気付かないくらいなものかと。

そんなわけでこの日はカトマンズの街を適当に歩き回ることでゆっくり最終日を消化することにした。

この日まであまり通っていなかったタメル地区の東側、高級ホテルやブティックが並ぶというダルバールマルグ周辺へ。

現地の人には高級な通りということだが、正直それほどでも…というか全然。

ただカトマンズでは高級の部類に入るアンナプルナホテルの脇には24時間営業のスーパーがあった。

メインストリート
カトマンズ大通り、同じような車が沢山あるのはバス

カトマンズの大通りを経由してカトマンズショッピングモールへ行ってみる。

中はテナントが沢山入ったショッピングモール。

しかし閉まっている店も多く、エスカレーターも動いていない。

人も少なくかなり閑散とした店内。

カトマンズの若者が集まるショッピングモールとのことだったがそんな様子は微塵も無かった。

こちらの感覚は分からないが月曜日の午前中(AM11時頃)の状況はそんなもんなのか?

建物内にジーンズメイトとライトオンという店(ロゴも一緒)があったがまさか支店なわけないよな…

あまり冷やかし甲斐の無いカトマンズショッピングモールを出てさらにブラブラ。

カトマンズ1高い建造物という高さ約52mのビムセンタワーなる塔へ行ってみる。

登ることもできたが、景色は何となく想像できたので外観を眺めるのみ。

その後、ジョッチェン通り・通称フリークストリートを歩いて街の中心ダルバール広場へ。

フリークストリートはタメル地区が出来る前までは外国人旅行者が集まる中心だったとか。

今もその名残でゲストハウスやホテルなども点在。

その中の1件がダルバール広場を見下ろす屋上にレストランがあったのでそこで昼飯。

外国人も来そうな所なら確実にビールがあるだろうからどうしてもそうした店に入ってしまう。

定番のエベレストビールとネパール風ヤキソバというチョウメンを注文。

出てきたのはまさに塩ヤキソバといった感じで美味。

前日のラーメン風なトゥクパや今回のヤキソバ風のチョウメン。

いずれも食べやすく美味しかった。

特に何もしないと決めていたこの日の唯一の目的といえば土産を買うことくらい。

職場の同僚にデスクの上に置けるような置物を買って来てほしいと頼まれていた。

土産を買うということは帰るというのが現実に近付いていること。

だから土産を買うという行為はどこか寂しさを伴う。

それはさておき路上に沢山あるお土産物屋を冷やかし。

ヒンドゥーの国だしやっぱり定番は神様の置物か。

そんな中で「夢をかなえる象」という本に出てきたヒンドゥーの神様ガネーシャ。

定番中の定番だろうがそれもイイだろうとガネーシャに狙いを絞って路上土産物屋をウロウロ。

値札など付いていないので店員と直交渉。

最初の言い値からこちらが何も言わずに迷っているフリをしているだけでどんどん下げてくる。

こちらも最初はただ相場を知りたいだけなので適当に話をあわせる。

OK、また来るよ…というと慌ててまた値段を下げてくる。

それを数軒繰り返すうちに大体の相場が分かってくる。

結局は言い値の2/3くらいで落ち着いた。

でも案外アッサリとOKしたからもっと安く出来たのかもしれない。

最初は無謀と思えるくらいの値段を提示しても良かったのかも。

個人的に土産は殆ど買わない旅をしているのでその辺のテクニックは未だ足りない。

街をブラブラしてホテルに戻ってビール飲んで部屋でゴロゴロして夕方にまた街をブラブラ。

何だか旅の最中では実に久しぶりにゆっくりしてるなーと思えた。

それを味わうのが最終日というところがまだ急いた旅をしている証拠かも。

最後の晩飯はガイドブックに載っているカトマンズでは高級な部類に入る店へ。

カトマンズではガイドブックに載っている店にも数軒行ったが一切日本人がいなかった。

大体どこの国へ行ってもガイドブックに載っている店の何軒かには日本人がいるものだが。

もっともどの店へ行っても現地人すら少なかったのでそういうものなのかもしれない。

最後の晩飯なので高級店でトゥクパや肉と野菜の炒め物のようなものを食べた。

しかし結局前日に入ったローカル食堂でも充分に美味しいことが分かった。

考えてみればこっちはネパール料理の基本も知らないわけで、高級店だから特別美味しいと思えるほど舌も肥えていないわけだ。

勿論不味いことは無かったが、無理して高級店に行くほどのことは無いなと思った。

最後は夜でも賑わいを見せるアサンチョークなどを経由。

タメル地区のいつものスーパーでいつものビールを購入してホテルに戻る。

歩いている最中に停電が起きて数秒間ではあったが街全体が一瞬真っ暗に。

電力事情が不安定な国だとは聞いていたが、まさか街全体が真っ暗になるとは思わなかった。

最終日にしてようやくゆっくりした気がする1日だった。

ネパール詰め合わせ
現地の土産とかビールとかタバコとか

 

 

2009年8月4日 火曜日

13:50の飛行機で帰国の途に着く予定なので午前中くらいは辛うじて自由時間。

最後のブラブラ歩きも定番となったタメル地区を経てインドラチョーク・アサンチョークへ。

もはや歩き慣れた通り、人ごみもクラクションも問題無し。

ゆっくりと通りを一周するように歩き、少し早めのブランチを取るために地元のローカル食堂へ。

午前中ではあったが、最後なのでエベレストビールを注文。

定番のモモに加えてタントゥクといううどんに似た麺類も。

11時30分頃にはホテルを出るつもりだったが、食堂に入ったのが11時過ぎ。

さらに料理が来たのが11時15分頃。

何だか気が焦ってしまい、最後の飯を堪能できなかったのが残念。

こういうときは慎重な性格が我ながら煩わしい。

飯を終えてホテルへ戻り、帰国準備。

チェックアウト、4泊5日で198米ドル(≒19,404円)。

惜しいのはバンコクで泊まった1泊3,000円のホテルの方が遥かに良かったこと。

こればかりは国の発展具合を考えれば致し方ないか。

空港までは無難にホテルからタクシー。

空港までホテルが送ってくれるものだと思っていたが、迎えは無料だが送りは有料だという。

ホテルから空港までタクシーで300Rs(≒390円)。

街で流しのタクシーを交渉すればもっと安く行けたはずだがネパールルピーも余っていたので素直に乗ることに。

最後まで騒々しいカトマンズの道を走って20分ほどで空港へ到着。

航空会社のチェックインカウンターは数が少ないせいか結構な行列。

私の前には大荷物をカートに積んだお坊さん。

列が進み始めていよいよ前のお坊さんの順番が近付いてくる。

するとお坊さん、隣の列に並んでいたこれまた大荷物をカートに積んだ連れを呼び寄せた。

オイオイオイ、その大荷物持ったヤツがこっち(しかも私の前)に来るのかよ!

堪らず「Nonono!Wait!wait!」と連呼。

並んでいたのは彼(坊さん)だけだ、ツレはちゃんと並び直せ。

…と坊さんにモンク言ってやった(座布団一枚…没収?)。

結局「それではお先にどうぞ」と譲ってもらった。

これから向かう国はタイ。

お坊さんは尊敬の対象なのだろうが、こういう場でこういう状況になったら文句の1つも言いたくなる。

むしろ尊敬の対象になるくらいなのだから、そういう行動は慎むべきだろう。

私は譲られたから何も言うことは無かったが、結局坊さんのツレは一緒に並んだまま。

私より後ろに並んでいた人にとっては迷惑なのではないのだろうか。

それともそれすら許容するほどお坊さんの地位は高いのだろうか。

出国審査を終えてセキュリティチェック。

これまた行列になっていてどうやら全員分の手荷物の中身を全部調べている。

リュックの中身を全部出させられて、中身を検められる。

絶妙なバランスで詰め込んでいた諸々の荷物を無造作に机の上に放り出しては広げていく。

買ったお土産の包み(といっても新聞紙にくるまれているだけ)まで開けて中を確認。

おまけに確認するだけして片付けは当然の如くしない。

問題無いことが分かるとそれらを再びリュックに詰め込まなければいけない。

しかし次の客も荷物チェックを待っているし、じっくり配置を考えて詰め込む余裕は無い。

係員も早く行けと言わんばかりの無言のプレッシャーをかけてくる。

なんだか最後にして感じ悪いぞ、カトマンズ国際空港。

到着した時と同じく空港の地面から直接タラップを上って機内に入る。

最後に空港の写真を撮っていたら軍人みたいなのにたしなめられた。

空港は有事の際には軍事拠点にもなるので無闇に写真を撮ったらダメな所もあるというのを思い出した。

14時カトマンズ発バンコク行きの飛行時間は約3時間。

しかしその3時間に加えて時差も発生するので時間は4時間以上進む。

ネパール時間の17:15、タイ時間の19:30にバンコクに到着。

カトマンズの空港と比べて改めてバンコクの空港の巨大さと豪華さを知る。

旅の始まりにバンコクへ滞在したときのバーツがだいぶ余っている。

カトマンズは職場への土産になりそうなコレ!というものが見当たらなかった。

そんなわけで職場への土産はバンコクの空港で買うことにする。

現地時刻で20時近かったので土産物屋で何時まで営業しているかを聞くと24時間だという。

広い空港はまるで迷路のようで土産物屋も沢山。

アレ?さっきこココ通らなかったか?と思うくらい広い空港で似たり寄ったりな店。

結局1番熱心に接客してくれた店でお菓子などをまとめ買い。

カトマンズの街角で買ったガネーシャ像と似たようなのが10倍以上の値段で売られていた。

タイは仏教国だからガネーシャは関係ないものかと思っていた。

単純に観光客寄せかと思ったらそうではなく、タイでもガネーシャは信仰されている、と帰国して知った。

行きはバックパック1つ、帰りは土産物袋を手に提げた典型的日本人観光客スタイルになった。

いよいよ旅も終りに近づき、空港価格100B(≒300円)のシンハビールを飲みつつ休憩。

飛行機待合所では当然ながら回りは殆ど日本人。

旅の終りを否応無く実感させられる瞬間。

最後の飛行機もこれまでと同様に後列窓側を指定(カトマンズのホテルでインターネットが出来た)。

この旅で4度目の飛行機だが、全て後列窓側を指定して同じ列には誰も来なかった。

つまり横一列独占して使える。

日本発着便はいずれも7割程は埋まっていたにも関わらず私の横には誰も来なかった。

横に誰か来るかどうかは運の要素が強いが、不人気な後部を指定すれば誰も来ない確率は上がる気がする。

狭い思いしなくてよいし、トイレ立つにも遠慮いらないし、一列ぶち抜いて横になることも出来る。

下手なビジネスクラスよりも快適なんじゃないかと(…ってビジネス乗った記憶なんて無いけど)。

タイ時刻22:10過ぎに出発。

軽食が出るとのアナウンスがあったので何かと思ったらパンケーキ1切れのみ。

さすがにこれでビールを頼むのも気が引ける。

さっさと食事(?)を済ませてしまい、就寝体勢に。

折角横一列空いているので、一列ぶち抜いて足を伸ばして横になる。

キャビンアテンダントが通っても注意されなかったし大丈夫なのだろう。

この日はあまり行動していないはずだったが疲労はたまっているらしくすぐに就寝。

 

 

2009年8月5日 水曜日

タイ時間の3時頃に朝食のために灯りがつく。

えらい時間に食わせるもんだ。

じわじわと外は明るみ始めている、タイ時間に2時間足したのが日本時間だからそんなものか。

機内では「日本入国について」なんていうビデオが流される。

日本語の解説で「入国に際し、顔写真と指紋を提供していただきます」なんて言っている。

外国人に義務付けられたのは知っていたが、日本人もそうなのか?と思ったら案の定外国人だけらしい。

日本語の解説でそれ言ったらかなり紛らわしい。

タイ時間4時すぎ、日本時間6時過ぎに成田到着。

早朝着なので成田空港も空いている。

昨年のように体調を悪くすることも無かったので、健康相談所のお世話になることも無く、入国審査と税関を済ませて帰国。

まだ7時にもなっていないので、地元行きのバスも出ていない。

今更成田空港内をぶらつく気分にもなれずに、ベンチでひたすら時がすぎるのを待つ。

地元へ向かうバスは始発で、さらに乗客は私1人。

往路の始発バスはほぼ満席だったのに帰りは見事に私だけ。

大きなバスに1人だけだと選択肢がありすぎて逆にどこに座れば良いのか分からない。

この旅では飛行機もことごとく横一列誰も座らなかった。

終わってみれば「席」運が実に良かったことになる。

自分だけのためにマニュアル通りに車内アナウンスをする運転手さんになんだか恐縮。

地元駅に到着するとこれから成田に向かう人々が大勢いて私と入れ替わりで乗り込んでいく。

Have a nice trip.

 

 

総評

30代最初の旅となったネパールはカトマンズ。

当初の目論見どおり、前回のインドに比べればだいぶ落ち着いた旅が出来たと思う。

インドとチベットに挟まれたネパールは宗教は勿論、食文化も両者の影響を色濃く受けている。

インド風のカレー味付け料理があったかと思えば、チベットの中華風料理もある。

インドのようにひたすらカレーでもなく、東南アジアのようにひたすら辛いわけでもない。

中華料理系のモモ(日本で言う餃子)やトゥクパなどの麺料理(日本で言うラーメン?ヤキソバ?など)はいずれも美味。

さらにヒンドゥー&チベット仏教が入り混じった独特の宗教観。

カトマンズの街のいたるところにいる神様。

今回は行けなかったがヒマラヤなどの自然。

そして何よりも世界一の山エベレストがある。

それに加えて物価も安い。

美味しいものあって伝統あって世界に誇る物があって物価も安い。

これだけ揃っているのに日本人からしてネパールは観光国としてはややマイナーな印象。

もっと上手に売り込めばもっと日本人を呼べる要素は多々ある気がした。

改めて思ったのがこうした発展途上な国には若いうちに来たほうが良いということ。

発展途上国特有な感のある街のエネルギーや、客引きを無視するorあしらうor場合によってはやりあう力。

こういうのは若いうちだろうな、と。

主要観光国や欧米の国ならある程度年齢が上がっても大丈夫そう。

しかし今回のカトマンズや昨年のインドなどを思うと自分も相当なエネルギーを使っていた気がする。

ツアーで回るなら話は別だろうが、自由旅行は若いうちだと感じた。

いつまで若いと思うかはその人次第だろうが。

今回は時期的に雨季だったのでカトマンズだけに留めておいた。

エベレストが見えるナガルコットや、ヒマラヤの雄大さを感じられるというポカラへは行かなかった。

しかし終わってみれば雨はスコール的に1,2日の1,2時間降っただけだった。

こんな調子だったのなら遠くへ足を伸ばしても良かったのかもしれない。

旅先でやり残したことは次回への持ち越しとしている。

またネパールを訪れた際にはその辺りも是非。

 

 

旅の費用

往復航空券(タイ国際航空14日FIX、成田−バンコク−カトマンズ)
75,500円

諸税(空港使用税、現地諸税、サーチャージ)
18,040円

タイ通貨(バーツ)両替
日本100バーツ(≒3,200円)日本の銀行レートだったので高かった、今から思えば日本で両替していく必要なんて無かった
タイ10,000円

ネパール通貨(ネパールルピー)両替
13,000円

バンコクホテル代(日本から代理店経由で予約2泊)
6,000円

カトマンズホテル(ネット経由で直接予約4泊)
198米ドル(≒19,404円)

海外旅行保険
2,770円


合計147,914円

 

 

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