ミャンマー一人旅
2018年7月27日〜8月5日

30代最後の海外一人旅になるであろう国はミャンマー。
2010年にインドネシアのボロブドゥール遺跡へ行った際に「世界3大仏教遺跡」を知った。
カンボジアのアンコールワット、インドネシアのボロブドゥール、そしてミャンマーのバガン。
その頃から「いつか行きたい場所」としてリストアップされていた。
近年の民主化や経済自由化により急速に発展し、「アジア最後のフロンティア」と呼ばれることもあるというミャンマー。
30代の旅を締めるのに相応しい国かもしれない。

 

目次
7/27・香港経由ヤンゴン
7/28・身体慣らしヤンゴン
7/29・早朝からバガン
7/30・原チャでバガン周遊
7/31・バガン最終日
8/1・ゴールデンロック
8/2・待ちと移動
8/3・最終日ヤンゴン
8/4・香港と深セン
8/5・帰国

 

前夜

今回の旅は羽田から6時35分発の早朝便。

もっと遅い時間の便もあったが、乗り継ぎや現地到着時間を考えるとそれが最も効率良かった。

とはいえ始発でも間に合わない時間なので前夜のうちに羽田空港へ。

荷造りは事前に済ませておき、仕事を定時で退社して出発準備。

荷造りを前日までに済ませておくとそれはそれで良いのだが、「アレは入れたっけ?」というのが前日以前の記憶だから逆に不安になる局面も。

今回は「最悪の場合、忘れ物あったらタクシーで羽田から帰っても間に合う」と思えたが。

21時30分発の羽田行き最終バス。

客はまばらで道もスムーズで50分ほど、22時20分に羽田空港に到着。

事前にインターネットでチェックインは済ませており、搭乗券のQRコードもスマホに入っている。

つまり紙の搭乗券は不要なはずだが、持っておくに越したことはない。

今回の飛行機はキャセイパシフィック航空だったが、搭乗カウンターの案内に載っていない。

インフォメーションの人に聞いてみると早朝の香港行きのカウンターが開くのは4時過ぎだとか。

ネットチェックインしたから紙の航空券は不要で良いか聞いてみたが、各航空会社によって違うのでなんとも言えません、とのこと。

それなら気長に4時まで待つつもりで腹ごしらえ。

羽田空港の国際線ターミナルに24時間営業の飲食店があるのは知っていたが、折角なので国内線ターミナルへ行ってみようと思った。

ところがインフォメーションの人に聞くと国内線ターミナルは24時に閉まるとのこと。

国内線ターミナルの案内パンフレットを見ても飲食店のラストオーダーは22時台が殆どだったので行ってもあまり意味が無さそう。

素直に国際線ターミナルで晩飯にすることに。

23時近い時間だと開いている店も限られてくるのでどこもそれなりの人。

その中でカウンター席もあって1人で入り易かった店へ。

天ぷらやおでんなどを扱う半分居酒屋みたいな店。

吉野家やモスバーガーなど、もっと1人で入り易くて安価な店もあったが、そこに逃げたくはなかった。

ビールがグラスで720円、天ぷら茶漬け御膳1,650円ほど、ビール2杯と合わせて税込み3,330円という空港価格の最初の晩餐。

飲み食いしながらスマホで調べたところ、キャセイパシフィックはスマホの搭乗券だけで大丈夫らしい情報が得られた。

さらに空港内にある自動チェックイン機で紙の搭乗券が発券できそうなことも分かった。

店を出て自動チェックイン機がある所へ行き、パスポートをスキャンさせるだけで紙の搭乗券が印刷できた。

これでカウンターが開く4時を待たなくても大丈夫そうだ。

羽田の国内線ターミナルは24時で閉まるため、国内線の早朝便を待つ人は国際線ターミナルに流れてくるという。

確かにベンチや椅子などの座れる場所や横になれる場所は国内外の様々な人がいる。

24時を過ぎると動いている人の数は少なくなり、広大な空港の時間がゆっくりと流れているような不思議な雰囲気。

出発ロビーをウロウロするも、良さそうな寝床が無かったので出国してしまうことに。

深夜なので出国係員も1人しかいない。

タイミングが悪かったのかこの時間でも何人か並んでいたたので自動化ゲートへ。

3度くらい失敗したが無事に認証成功。

指紋ではなく顔認識が出来るようになると書いてあったがどこで手続きすればよいのか分からなかった。

選ばれし者だけが行ける出国エリア。

24時間営業のバーがあるという情報だったが、実態はフードコートみたいな所の一画でお酒を出すような店で、バーと呼ぶには少々無理があった。

そこまでして飲む気にもならずスルー。

予想していた通り出国エリアは人が減り、どのソファも横になって寝られるだけの余裕があるし、全体的に広いのでどこも人がまばら。

出国前エリアの人の多さを考えると航空券を手にしている海外組は積極的に出国した方が良さそうだ。

空港中心部から外れ、全く人がいない椅子があったのでそこで横になる。

クーラーが効いて涼しかったのでウィンドブレーカーを着て、衣類が入った圧縮袋を枕にする。

空港の警備員みたいな人が通っても何も言われない。

台湾、インド、シンガポール、スリランカ…これまでにもいくつもの空港で夜明かしをしたがココが1番安全安心清潔だろう。

寝床
空港内野宿

 

 

 

2018年7月27日 金曜日 ↓次へ ↑↑トップへ

さすがによく寝たとは言えないが寝苦しかったわけでもなく、空港泊はこんなもんだろう。

しっかり横になることが出来ただけで充分。

搭乗開始は6時過ぎだったが、5時過ぎには起きて空港内をウロウロして目を覚ます。

家を出てから8時間経っているのにまだ日本を発っていない。

とはいえ出国はしたから形式上は日本を出ていることになるのか。

朝の6時前ながら24時間営業のフードコートや免税店は開いているし、他の店でも6時に開く所が多そうだった。

ミャンマーまでの飛行機は全日空の直行便を始め、タイ、台湾、ベトナムを経由する便など複数の候補があった。

その中で選んだのは香港を経由するキャセイパシフィック航空。

香港は20年前に初めて海外一人旅をした場所。

そして10年前の20代最後の海外一人旅でも経由として寄った場所。

30代最後の海外一人旅でも香港経由の選択肢があるのならば悩む必要はなかった。

航空券はキャセイパシフィック航空で購入したが、運航便はキャセイドラゴン航空。

どうやらキャセイパシフィックとキャセイドラゴンは親子関係にあるような航空会社らしい。

そんなわけでまずは香港へ向かう飛行機、予定の6時5分を少し遅れただけの6時10分には搭乗開始。

他の客が搭乗していく中、私だけ搭乗直前のチケットチェックで呼び止められた。

え?この状況で呼び止められたことなんてないんだけど…

何かと思ったら私の最終目的地がミャンマーなのでそこまでの航空券とビザの開示を求められた。

今回の目的地ミャンマーはビザが必要な国。

事前にインターネットで申請・取得し、プリントアウトしておいた。

ただこのタイミングで必要になるとは思っていなかったのでバックパックから引っ張り出す。

周囲の客がスムーズに搭乗する中で荷物をひっくり返して書類を提示しているヤツって傍から見たら「何やってんだアイツ」みたいな感じだろう。

いやいや、お気楽な香港に行くような連中とは目的地が違うんだよ、と誰にでもなく心の中で突っ込む。

恐らくこれは有人のカウンターでチェックインと発券をしていたらそこで確認が済まされていたんだろう。

ネットチェックインと自動発券機で済ませていたのでここでチェックをされたのだと思う。

ビザを印刷した紙を見せると幸いにして問題なく通過。

満席の機内は出発予定の6時35分より早い33分には動きだし、6時50分には離陸、香港までは3時間35分のフライトとのこと。

進行方向の右側窓側に座ったら富士山が見える。

これまで飛行機から見た富士山では1番大きく綺麗に見られたと思う。

富士より高く
翼との共演

機内食は7時30分頃、完全な朝食メニューで選べるドリンクがビール以前に紅茶かコーヒーだけ。

朝からビール飲もうと思っていたのに。

ただアルコールの力を借りなくても前夜の不完全睡眠や早朝起床があったので機内は殆ど寝ていられた。

飛行時間は約3時間40分、日本時間10時30分(香港時間9時30分)に着陸。

以後は香港時間(日本からマイナス1時間)。

ヤンゴン行きの飛行機は14時20分発なのでだいぶ時間があり、空港の案内板にもまだ表示されない。

とはいえ街へ出るには時間が少ないのでアジア有数のハブ空港である香港空港で時間を過ごすことに。

10時過ぎにはトランジットの手続きも済ませて香港空港の出国エリアへ。

飛行機では機内食も出るだろうから軽く飯とビール、と思ったが10時過ぎながらフードコートが大混雑。

空港中央部分のフードコートは混んでいることが分かったので空港マップを見て隅の方にあるフードコートへ行ってみる。

隅とはいえこちらも方々の各種ゲートへの起点となる場所だけにそれなりに混雑。

でも中央部ほどではなかったので飯を見繕う。

やはり香港なので中華系を食べたい。

香港なのにか、香港だからか、意外に日本系のラーメン屋もある。

香港ドルは持っていないのでクレジットカードが使えるか確認し、それっぽい店でワンタン麺のセットを注文。

さらに別の店でアサヒスーパードライの生があったのでそれも注文。

正直アサヒである必要は無いというかアサヒじゃない方が良かったのだが、ビールを気軽に頼めそうな店がそこしかなかった。

クレジットカード精算だったので料金やレートを全く意識していなかったが、香港空港のフリーWi-fiを繋げてネットで確認してみる。

ワンタン麺セットは青菜と椎茸の小皿2つとワンタン麺で99香港ドルは換算後約1,400円。

生ビールは68香港ドルで962円ってどっちも高っ!

空港グルメ
高級ランチ

ネットで調べたレートでコレだからクレジットカードや現金だと手数料分を加味してもっとするはず。

さすがは空港価格だが、その実感がないクレジットカードって怖いな。

アサヒスーパドライは明らかに日本のとは違う味、勿論日本の方が美味しい。

海外旅行で飲んだ外国のビールを日本で飲んだときにそこまで美味しく感じない現象の逆バージョン。

でも普段飲み慣れているスーパードライと比べると明らかに味が違う。

海外でよく見るハイネケンやカールスバーグなんかの国際的なビールはそこまで違いを感じない気がするのだが、あれももしかしたら本場の現地人に言わせたら違うのかもしれない。

高い飲食だったものの、まともな食事とアルコール補給を済ませてあとは空港内をウロウロ。

空港内はどこへ行っても似たような雰囲気で迷いそう。

シンガポールでも韓国でも空港で思ったが、広大な空港はそこで生活できそう。

とはいえ物価が高すぎるのが難点か。

ウロウロしたり休憩したり、USB充電できる所もあったのでそこでスマホとタブレットPCの充電しつつ搭乗開始の13時40分を待つ。

国際線の常でどうせすぐに搭乗開始にはならないだろうと思い、搭乗開始時間にようやくゲートを目指す。

しかしゲートは空港の本体からバスで向かう離れ小島のような場所だった。

そのバスが空港内の飛行機通過待ち渋滞みたいなのに巻き込まれてスムーズに動かず。

搭乗口のある離れゲートに着いたのは13時55分過ぎ。

離れゲートだから閑散としているのかと思いきや、店もいっぱいあって充実していた。

乗る飛行機は既に誰も並んでおらず、係員が「ファイナルコール」と言っている。

待つことなく乗ることは出来たのは良いが急かされている感じで落ち着かなかった。

この日2度目のキャセイドラゴン航空機内は一人一台モニターが無い。

さらにはイヤホンジャックすらなく、これは機内エンターテイメントが何もないということか。

そう思っていたらシートポケットの案内を見ると機内エンターテイメントはWi-fiで提供しているとのこと。

ノートPCやタブレットPC、スマホが機内モードのまま機内Wi-fiに接続可能でそこから映画などに繋がるのだとか。

まさかミャンマー行きの機内で最先端の機内エンターテイメントの形を見ることになるとは思わなかった。

ただこの後が日本に帰国するだけなら良いが、未知の国へ行く途上で自分のスマホの電池を使ってまで機内エンターテイメントを楽しむのはリスキー。

そういう機内エンターテイメントを提供するならUSBの充電ポートは用意してほしかった。

機内アナウンスによるとヤンゴンまでの飛行時間は2時間50分と意外に短い。

飛行機は14時24分に動き出し、14時43分離陸。

例によって窓側の席に座ったが、3列シートの真ん中に客が来なくて広々と使えたのが良かった。

15時過ぎに機内食が配られるもまたしても酒が無い。

前回は早朝だからまだ理解できたが、もしかしたらキャセイドラゴン航空では酒を提供していないのか!?

少なくとも以前にインドへ行った際に利用したキャセイパシフィック航空ではアルコールあったと思う。

まぁアルコールのサービスをなくすことによりコスト削減やアルハラ防止、トイレの減少など良いことは多いかもしれない。

アルコールは無かったが、デザートのアイスがハーゲンダッツだったのは高ポイント。

機内で出ると「当たり」と思わせるデザート。

結局、機内食以外は殆ど寝ていた状態で17時40分頃に着陸が近づいているけれど雨だから10分から15分ほど様子を見ると言っているようなアナウンスが聞こえた。

雲の上では感じられないが下界は雨季の国、果たして大丈夫なのか。

不安には思ったが、特に揺れることもなく17時50分には着陸。

外は確かに雨だったが明るい空も見えているのでスコールみたいなものであってほしい。

香港時間で18時、ミャンマー時間だとマイナス1.5時間の16時30分に飛行機を降りる(以降は現地時間)。

入国審査も税関も質問は無くてスムーズ。

入国したヤンゴン国際空港は思っていたよりも立派。

少なくともここ数年のウズベキスタン、ラオスよりは格上。

ギリシャは欧州だから外したとして、それ以前に訪れたスリランカやペルーと比べても遜色なさそう。

入国して最初は現地通貨のチャットを手に入れる必要がある。

入国直後にある両替用の銀行でレートをチェック。

ミャンマーでは円よりもドルの両替が良いとの事前情報だった。

ドルは1と5ドル、10と20ドル、50と100ドル札でレートが違い、高額紙幣ほどレートが良くなる。

到着ロビーに5軒ほどの銀行があったが、到着ゲートに近い銀行が最も良いレートだった。

本格的な両替はヤンゴン市内の方が良さそうだったので空港では最低限で良いと判断して20ドルを両替。

20ドル札だと1ドル1,405チャット(表記はKyatなので略称はk)、ちなみに50か100ドル札だと1,425チャット。

直前の日本の銀行で両替した際に1ドルが114円ほどだったので114円が1,405チャット計算で1チャットが0.08円。

現地通貨のチャットに8をかけてゼロを2つ取ったら日本円、少し分かりにくい。

以降のレートは1チャット(k)が0.08円で計算。

ともかく現金を入手したので次はホテルへ。

インフォメーションで聞くと外にタクシーカウンターがあるとのこと。

空港を出ると声をかけてくるタクシーの客引き。

それらを無視してタクシーカウンターへ行く。

最新版である1年前の地球の歩き方には8,000k(≒640円)が相場と書かれていたがタクシーカウンターの言い値は10米ドル(≒1,140円)。

高くねーか?と思ったがタクシーカウンターの言い値だし、その場で払おうとすると「直接ドライバーに払え」と言うし、そのドライバーも声をかけてきた奴とは違うし…まぁ多分そういうシステムなんだろうと思うことにする。

多少ぼられていたとしても1,140円で無事にホテルまで行ってもらえたら充分。

16時50分、エアコン付きのタクシーでヤンゴンのダウンタウンを目指す。

気になる雨は酷くはないが普通に降っている。

そしてヤンゴンの市街地に近付くと思ったよりも街が発展している。

念のために途中でスマホ地図を確認し、正しい方向へ向かっていることが分かる。

17時25分にホテル着、空港からおよそ35分。

ホテルは日本で予約した6,000円弱のホテル、ダウンタウン中心部で必要充分。

まだ外は明るかったので最低限の荷解きだけして街の散策開始。

ホテルに着いたときは小雨だったのに外へ出ると本格的に降ってきた。

いきなり雨は気勢が削がれる。

持参した折り畳み傘を差して歩く。

すると折り畳み傘の軸にあたる部分が脆くなっているのか差していると縮まってしまう。

傘としての機能は果たせるのだが、常に手で軸を押さえていないといけない。

まさか雨季の国のスタート時点で傘がこの状態とは不便すぎる。

少し歩いたが色々面倒になり、ホテルに戻ってロビーで地球の歩き方を眺める。

するとホテルのすぐ近くにあるサクラタワーというビルに屋上バーがあり、19時までハッピーアワーでチャージやドリンクが5,000k(≒400円)均一だという。

時刻は18時10分、まだ間に合う。

というわけで徒歩1分ほどのサクラタワーへ。

ビルに入るにはセキュリティチェックがあり、「ルーフトップバーへ行く」と言うと大してチェックもされずに通された。

エレベーターで最上階まで行き、そこから階段を使って屋上へ。

入口で入場料5,000k(≒400円)を払う。

入場料に1杯分のドリンク代も含まれているという。

外の席は雨に濡れているが、屋上ながらカウンターなどは屋根のある場所なので濡れない。

明らかに欧米系の観光客が目立つ店内。

カウンター席に座りメニューも見ずにビールを注文。

ビールはハイネケン、キリン、ミャンマーがあると言われたので迷わずミャンマーを注文。

機内で飲めなかったビール、そしてミャンマーで初めて口にするものがビール、いよいよ旅らしくなってきた。

そして登場した生ビール。

旅の始まり
最初の燃料

普通の味ではあるがここに来るまで大変ってほどでもないけれど長い時間がかかったことを考えると充実の味。

ハッピーアワーは19時までなのでもう1杯何か飲もうと思ってメニューを見て気が付いた。

ドリンクメニューは5,000k(≒400円)以上が標準な中で、ミャンマービールの通常価格が4,000k(≒320円)。

これは5,000k(≒400円)の入場料込ドリンクの値段で飲むものじゃなかった…

まぁ最初の1杯は現地ビールという縁起物だと考えて良しとしよう。

飲みたいものを飲むのが1番だ。

2杯目はメニューに7,000k(≒560円)となっていたモヒート、ハッピーアワーの恩恵を受けて5,000k(≒400円)。

ちゃんとしているバーのようなのにクレジットカードは使えず、つど現金清算のシステム。

ミントが沢山入ったモヒートはちゃんとして美味しかった。

その2杯だけで出たので合計1万k、日本円換算800円ほどだから安い。

でも現金は最初に両替した2万8千k(≒2,240円)しかないので残金は心許ない。

正式な両替は明日の街歩きで良いレートの両替所を探すつもり。

あとはこの日の晩飯だが、機内食も含めると既に3食いっているしそこまでお腹は空いていない。

さらに外は既に暗く、雨の中で適当な店を探すのも面倒だった。

ちょうど今いるサクラタワーの最上階(屋上の1階下)には屋上バーと同系列と思われるレストランがあった。

店頭にあるメニューを見てもそこまで高くない。

店員にクレジットカードが使えるか聞いたら大丈夫だと言うので入る。

恐らく現地では高級な部類に入るレストランだからか店内はガラガラ。

屋上よりは1階下がるが充分な景色。

値段が6,000k(≒480円)と手頃だったなんちゃらヌードルなるものとミャンマービールの生3,000k(≒240円)を注文。

生ビールの値段は屋上バーより安い。

なんちゃらヌードルはフォーみたいな感じでアッサリして食べ易い。

高級な店らしく上品な大皿に控えめな量で出てきた。

それでも今の胃袋には丁度良いくらいの量。

ビール2杯飲んで合計12,000k(≒960円)。

クレジットカードで清算したものの、普通に現金でも払えたな。

とはいえ料金がそのままだったのは驚いた。

こういう店ってサービス料を取られるイメージだったが、それほど高級な店でもなかったのか。

サクラタワーを出て、後は先程の街歩きで見かけたコンビニみたいな店に寄って部屋飲み用のビールでも買おうと思った。

ところが外に出ると雨風が強くてまるで台風のよう。

屋上バーにいた時や、その下のレストランで飯を食べている時は一切分からなかった。

下界はこんなことになっていたとは。

とてもじゃないけれどコンビニまで行く気になれず、すぐにホテルに避難。

壊れかけの折り畳み傘を差してホテルまで急ぐ。

徒歩1分ほどの距離で傘も差していたのにかなり濡れた。

初日からコレとは雨に困らされる旅になるかもしれない。

これまでも雨季に東南アジアを旅したことは多々あり、途中で雨に降られることも当然あった。

それでも雨で行動がダメになるようなことは無かった。

強いて挙げるなら2年前のベトナム・ハロン湾では全工程で雨だったが、あれはツアーで基本的に屋根のある所にいたので行動がダメになってはいない。

今回もそんな私の「旅の天気運」を信じているが、ここへきて風向きが変わってきてしまっているのか。

私の泊まるホテルにあった控え目なレストランや部屋の冷蔵庫にあるビールを飲むという手もあったが、そこまでしなくても良いかなと思えた。

日本を出発、というか自宅を出発してからの長旅を思うと今夜はさっさと休んで良いだろう。

ホテルにはバスタブもあったので久々の湯船と、24時間以上ぶりのベッドでの就寝。

翌日からが本格的な行動開始とともに、夜行バスで移動だからやはり今夜の眠りは大事だ。

 

 

 

2018年7月28日 土曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

前夜は当然すぐに就寝。

夜中に1度だけトイレに起きるも前年のウズベキスタン一人旅の時のような腹の下りはなくて安心。

朝起きてトイレで大をするも下ってなくてさらに安心。

外の天気は曇り、どうやら降っていないようでこちらも安心。

7時30分過ぎには朝食へ。

朝食会場では西洋人の他に2人組と4人組、いずれも私より若そうな女子(女性)の日本人がいた。

4人組は仕事関係なのか「主任」とか「チーフ」とか役職で呼び合う敬語の仲だった。

仕事関係なのか、仕事仲間の旅行なのか…

しかしいきなり日本人、しかも女子(女性)だけのグループがいるとは思わなかった。

バイキングは洋食よりも現地食のビーフンみたいな麺や米系の料理が多かった印象。

その場で作ってくれたスープヌードルみたいなのが美味しかった。

この日の予定は夜行バスで旅のメインテーマであるバガンへ向かう。

フロントでチェックアウトの時間を聞くと12時だという。

それならばチェックアウトまでに街を散策する時間がある。

雨は降っていないがこの時期は何が起こるか分からないので折り畳み傘とウィンドブレーカーは持って外出。

最初の目的はなんと行っても両替。

スマホで調べた両替店がホテルの近くにあったので行ってみると1ドルが1,430k。

前日の空港で20ドルが1,405k、50ドルか100ドルが1,425kだったからそこまで良いレートというわけでもない。

逆に考えると空港のレートもそれほど悪くないということか。

他にも歩いていて見つけた両替屋を覗いて見るも1ドル1,430kより高いレートをつけている所はなかった。

数軒覗いてそんな感じだったので雰囲気の良さそうな店で両替。

50ドル札2枚の100ドルを両替したら1ドル1,427kと言われた。

1,430kは100ドル札でのレートだったらしい。

まぁ微々たるものなのでそれで良しとする。

これで数日はお金に困らないだろう。

両替を済ませるとホテルの近場を軽く観光、ということでスーレー・パヤーに行ってみる。

ヤンゴンのダウンタウン中心部とされている黄金の仏塔で、ホテルから徒歩5分ほど。

ロータリーの中心にあり、周囲はひっきりなしに車が走っている。

前日にも思ったのだがヤンゴンは車の量が多い。

近年急速な発展をしているというのが頷ける。

意外に発展
ヤンゴンのダウンタウン

人と車が行き交うダウンタウンのゴミゴミした感じはいかにも東南アジアの国といった雰囲気。

ヤンゴンは最終日とその前日も空き時間があるはずなのでこの日のスーレー・パヤーは外観だけ。

すぐ近くにマハバンドゥーラ公園というものがあり、独立記念碑が立っている。

周囲はヤンゴン市庁舎と旧最高裁判所など立派な建物が並び、ダウンタウンの中心ということが分かる。

ダウンタウン中心部詰め合わせ
独立記念塔を中心にスーレー・パヤーとヤンゴン市庁舎

入場無料の公園は現地観光客や外国人観光客など様々。

歩いているとWhere are you from?というお決まりの声かけ。

素直にJapanと答えると全員が「コンニチワ、アリガト」と言ってきたり、「日本語少し分かります」と話しかけてくる。

こういうのはたいてい何らかの客引きなので適当にあしらっていたが、笑顔で話しかけてきて不快な感じはしない。

それにしても4,5人に話しかけられたが、全員が日本語をある程度とはいえ話せたのが意外。

まぁある程度話せるからこそ話しかけてきたんだろうが。

1人は旅行代理店の名刺を渡そうとしたからまぁそういう輩なんだろうな。

↓巧く表示されなかったらココをクリック。

ここまでダウンタウンを軽く散策したところ、幸い雨は降らず。

ただ一通り歩くとやはり蒸し暑さが際立つ。

もっとも、雨が降るよりは蒸し暑い方がマシ。

ホテルのチェックアウト前に1度シャワーを浴びておきたかったので一旦ホテルに戻る。

この日は夜行バス泊予定なのでこれからしばらくシャワーも浴びられない。

部屋に戻ってシャワーを浴び、ホテルをチェックアウト。

荷物をホテルに預かってもらい、この後の予定を確認。

バスが20時発でバスターミナルまでタクシーで行くには何時にホテルを出るべきかをフロントの人に聞いてみる。

安全を考えて17時とのことで、私の見立てと同じだった。

17時まで約5時間、改めてホテルを出て街ブラ。

ホテルの近くにボーヂョー・アウンサン・マーケットなる有名な市場があるので行ってみる。

大きくて古びた建物の中に沢山の店が詰まっている市場。

中に入ると地球の歩き方に書いてあった通り、日本語で話しかけてくる輩が早くも登場。

先の公園で会った連中もそうだが軒並み日本語が巧い。

今回声をかけてきた男は「私は明日から高田馬場へ行く」と言っていた。

高田馬場というキーワードはトルコでも怪しい日本語使いから聞いたことがある。

このワードが出てきたら要注意だな。

それにしても新宿ならまだしも何故に高田馬場…。

高田馬場という地名は海外(主にアジア圏)でどういう捉え方をされているのだろうか。

最初は付いてきた男も話しているうちにこちらに何も買う気がないのが分かるのだろう、途中で「じゃぁ気をつけて」みたいな感じで離れていく。

その辺の機微を分かっている感じや、そもそも愛想が良いから不快感は無い。

ボーヂョー・アウンサン・マーケットは生鮮食品が無いらしく、衣類や宝飾品が多い印象。

主に観光客向けのような感じはしたが、現地人向けっぽい店もある。

ただ生鮮食品が無いと市場としては微妙な位置付けに感じた。

肉や魚の生臭さこそが市場の雰囲気なのに。

その市場の斜向かいに最近オープンしたというのがジャンクションシティなるショッピングモールがある建物。

2017年発行の地球の歩き方には高級ホテルとショッピングモールの複合施設でまだ建設中と書かれていたが2018年現在はオープンしている。

最先端っぽい立派なビル。

今度はそちらへ行ってみようと向かうと、途中で中学生くらいの男の子が「コンニチワ」と話しかけてきた。

日本語を勉強しているという子供、「ミャンマーはいつ来たの?」「郷に入りては郷に従えだよ」ってそんな諺まで知っているとは。

素直に「よくそんな諺知ってるね」と言うと「社長が日本語を勉強しろって」と言うその子供もボーヂョー・アウンサン・マーケットのお店の子だった。

声変わりもしていないような中学生くらいの子供だったけれど要は客引きか。

「ミャンマーに来たばかりでまだお土産はいらないし、今日はこれからバガンに行くんだ。」と言うと素直に「じゃぁまた」と笑顔で離れていった。

ここまで会った日本語を話す現地人の中では1番上手だった。

やはり子供は飲み込みが早いのか。

そして数年後にはあの子が流暢な日本語を駆使して日本人を騙すようなことになっていくのであればそれは寂しいな。

そんなカルチャーショック?を感じつつジャンクションシティに入ってみて更にカルチャーショック。

普通に先進国のデパートと比べても遜色無い。

違いは入るのに金属探知機(とはいえ外国人は殆どノーチェック)があるくらいか。

資生堂やコーセイなどの化粧品メーカー、ソニーやサムスンなどの電機メーカー、ラオスでも見たメイソウなるバッタもん企業。

映画館ありフードコートあり、レストランや喫茶店も多数。

レストラン街にはラーメン屋の一風堂まであった。

まさかの一風堂
店頭のメニューを見るとラーメン1杯400円くらい

クーラーもしっかり効いてココがミャンマーとは思えない。

外のマーケットとは雲泥の差。

飲食店以外で座って休めそうな所が殆ど無いのが欠点だけど、それは敢えてそうしているのかもしれない。

外の喧噪を忘れさせるような店内。

そこで飯を食っても良かったのだが、さすがにミャンマーに着いたばかりでそれだと情緒が無さすぎる。

地球の歩き方を見てバーベキューストリートと紹介されていたローカルな飲食店が集まる通りへ行ってみることに。

外へ出ようとすると先ほどまでは大丈夫だったのに雨が降っている。

やはり雨には悩まされるか。

様子を見ることにして店内に引き返してブラブラ。

この中にいる限り、天気は勿論のことミャンマーにいることすら忘れさせる。

少し時間が経って外を見ると傘を差している人がいなかったので外へ出る。

ヤンゴンのダウンタウンは網の目状に道が走っており、その中の19番通りが通称バーベキューストリート。

昼の時間帯なのでそこまで賑わっておらず、開いている店もチラホラという感じ。

ただ殆どの店でミャンマービールの看板があるあたり、ココへ来たら飲みには困らなさそう。

通りを端から端まで歩き、食堂っぽい店構えながら店頭に酒瓶が並んでいる店に入る。

メニューに英語表記もあったのでフライドヌードル2,800k(≒224円)とフライドワンタン2,400k(≒192円)を注文、勿論ミャンマービールも。

フライドヌードルは塩焼きそば、フライドワンタンはワンタン揚げ煎餅みたいな感じ。

どちらも量が多く、特にワンタン煎餅は油っぽくて全部食べるのはやめておく。

今夜が夜行バス移動なのと、前年の旅での腹下しもあるので少し慎重に。

とはいえミャンマービールを大瓶2本飲んでいる時点で説得力は無いか。

会計は全部で10,900k(≒872円)、ビール大瓶2本込みでこれだから安いだろう。

食後もゆっくりビールを飲みつつ旅記などを書いたり外をボーっと眺めたりしていたが、雨が降ったり止んだりを繰り返している。

幸いにして前日のような豪雨は見られない。

それも時間帯によるかもしれないので油断はできない。

いつ雨が降り出すか予測できないから派手な行動がしづらい。

折り畳み傘はあるものの、壊れかけなのでギリギリまで使いたくない。

先程のジャンクションシティーにあるメイソウという日本製品のバッタものみたいな店で折り畳み傘を売っていた。

10,000k(≒800円)前後だったので買おうかとも思ったが、意外に重かったのと品質も信用できなかったので買わないまま。

地球の歩き方を見たら少し歩いたところにショッピングモールがあり、その中にダイソーが入っているらしいことを知る。

ダイソーならもっと安価で良いものがあるかもしれないと思ったので行ってみる。

幸いにして雨は降らずに到着。

そのショッピングモールも先程のジャンクションシティーと同等レベルで先進国のデパートと大差無い。

座って休める場所が多いのも良い。

ダイソーと思われる店はダイソーという名前ではなく、日本製品店みたいな感じの雑貨屋。

店内の製品はダイソー製っぽかったが、100円均一のような店ではない。

折り畳み傘はなくてビニール傘が4,000k(≒320円)程だったので結局買わなかった。

ただ店内をウロウロしてベンチで休憩等しただけに終わった。

列車に乗る予定は無かったがヤンゴン中央駅にでも行ってみようかと歩き始めたが、曲がる所を間違えて先程のジャンクションシティーに来てしまった。

疲れたので中に入り、バーかと思ったら喫茶店だった店に入ったらちゃんとビールがあったので注文。

ミャンマービールではなくハイネケンの生が中グラスで4,000k(≒320円)。

これは外国産ビール代と場所代も含まれていそうだ。

前日に香港で飲んだスーパードライはスーパードライの味がしなかったが、今回のハイネケンはハイネケンな気がする。

そこまで日常的にハイネケンを飲んでいないから分からないが、例えばオランダ人が飲むと世界各国のハイネケンは違うものなのだろうか。

なんてことを思っていたら時間はもう16時30分近く。

ここから新たにどこかへ行く時間も無いのでホテルに戻っておくことに。

ホテルまでは徒歩5分程だったが、残り数十メートルというところでポツポツ来たと思ったら一気に土砂降り。

慌てて屋根のある場所に避難。

さすが雨季の夕方、そういえば前日ミャンマーに到着したのもこれくらいの時間だった。

軒下で数分待っても止む気配がないので少しの距離ならばと折り畳みを出してホテルまで歩く。

ホテルのフロントで荷物を受け取りがてらバスターミナルまでのタクシーをお願いする。

外は雨だしタクシーの交渉が面倒に感じた。

とはいえホテル専属タクシーというわけではなく、ただホテルの人が外に停まっているタクシーの運ちゃんを呼んで話をつけてくれただけ。

バスターミナルまで12,000k(≒960円)とのこと。

地球の歩き方には8,000k(≒640円)〜10,000k(≒800円)とあったが、べらぼうに高いわけでもないし別に良いか。

ヤンゴンのバスターミナルは巨大で、初見では自分の乗るバスがどこから出るか分からないという。

今回の夜行バスはネットで予約していたので、それをプリントアウトした紙を見せてこのバス会社まで行ってくれと伝える。

ちょうど17時にホテルを出て、少しの渋滞はありつつも50分ほどでバスターミナルに到着。

確かに巨大なバスターミナルで各バス会社のカウンターと思われるものがアチコチにある。

これは何の予備知識も無しに来たら辿り着けていた気がしない。

今回の夜行バスは地球の歩き方やネットで見た旅行記でも評判が良かったJJExpressという会社。

2列×1列の広々としたシートがあるバス。

それがネットで予約も決済も座席指定も出来た。

ヤンゴンからバガンまで直行するのでどこで降りるかとか迷いことがないのも良い。

そのバス会社のカウンターでチェックインを済ませ、バスの発車まで2時間、乗車まで1時間30分の待ち時間。

雨も止んでいたのでバスターミナル内を散策することに。

数々の大型バスや飲食店や売店がひしめくバスターミナル内。

バスの客引き、タクシーの客引き、レストランの客引きで賑わっている。

明らかに外国人観光客の私に対してバスの客引きと思われる男が乗ってけ乗ってけみたいに声をかけてくるのはなんなんだ。

無目的でココに来て適当にバスに乗るような外国人旅行者もいるということだろうか。

色々なバスを見ているだけでなんだか楽しい。

日本製のバスをそのまま輸入して使っていると思われるものも目に付く。

成田直通
コレ乗ったら帰国できそう

暗くなってきたので私の乗るバス会社近くまで戻ろうと思ったが一瞬道を見失いかけて焦った。

同じようなバスやバス会社が連なるブロックが複数あるので迷いそうになる。

感覚で分かったとはいえ油断できない、もっと暗くなったらますます危険。

バス会社の場所を確認して小休止のために近くにあったビールを出しそうな店に入る。

プラスティック製の粗末な椅子と木の机だけの店。

店に入ると同時にビア?と聞かれる、分かってるね。

出てきたビールはまさかこんな店で…と思わせる生ビール。

何かツマミも頼もうかと思ったがメニューが現地語だけでサッパリ分からないので生ビールだけにしておく。

休憩と燃料補給を終えてお会計。

店員を呼ぶと「エイトほにゃらら」と。

エイトってまさか8,000k(≒640円)ってことは無いだろうけど、800k(≒64円)も安すぎる。

「エイトハンドレッド?」と聞いて1,000k(≒80円)札を出すと、「Yes」と答えて200k(≒16円)のお釣りをくれた。

生ビールが1杯800k(≒64円)とは驚きの安さ。

バスの発車時間が近付いてなかったらもう1杯飲むところだった。

バス会社のカウンターへ行くと既にバガン行きのバスは停まっている。

ただ乗車はまだらしく、待合室には多くの人がいる。

これはバスも混むかもしれない。

トイレへ行っておき乗車時間を待つ。

19時15分頃にバガン行きの人は乗車、みたいなアナウンス。

バスの車内は2列+1列のシート。

私は1列側の独立シートを座席指定で予約しておいた。

1番前か1番後ろの席が良かったが、前後からの追突事故というリスクを考えて真ん中の席にした。

綺麗な車内の座席には1人1台モニターもついて飛行機のよう。

コンセントも各席に用意されており、充電も出来る。

さらに直前に買おうと思って忘れていたミネラルウォーターのボトルも各席に1つずつ。

座席はかなりリクライニングして脚も伸ばせる。

唯一の難点は頭上の荷物入れが狭くてバックパックが入らないこと。

荷物を預けるのも不安なので足元に置いておく。

出発予定時刻は20時だったが19時30分過ぎには動き出す。

事前に予約していた人数が揃ったのだろうが、まさか定刻より早く出るとは。

車内は意外に空いており、2人席はそれなりに埋まっているが、1人席は半分も埋まっていない。

私の前後には誰も座らず、前方からの圧力も後方への気遣いも不要という理想的な展開。

ヤンゴンとバガンってドル箱路線だと思っていたが、この空き具合は雨季だからか。

車内にはCA役の女性も乗っており、出発後に軽食(菓子パンみたいなのとカップケーキ)とソフトドリンクのサービスも。

何から何まで飛行機のようだ。

これでドリンクサービスにビールと車内にWi-Fiがあったら言うことなし。

座席を最大限までリクライニングさせて就寝。

クーラーの風が冷たく、ウィンドブレーカーを着て、配られた毛布を掛けて寝る。

途中で何度かサービスエリアに停まっていたようだった。

サービスエリアに着くと問答無用で一旦全員降ろされるという情報をネットで見た。

防犯上の理由で乗客も乗員も全員降ろして鍵をかけて休憩時間にしてしまうのだとか。

そうなったら面倒だなと思っていたが、幸いにして起こされることも降ろされることも無かった。

この国のサービスエリアがどんな所か少し気にはなったが、眠気と荷物持って外に出る面倒さと、何かあって取り残されることのリスクを考えたら寝ているのが最も良いと思った。

そんな夜行バスの中で1日を終える。

 

 

 

2018年7月29日 日曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

バガンの到着は朝の4時45分で外はまだ夜明け前。

19時30分過ぎにヤンゴンを出たので約9時間。

ずっと寝ていられたのは良かったし、寝心地も飛行機よりは良い。

バスを降りると早朝未明から群がってくる客引き。

まずはホテルへ行ってチェックインできなくても荷物は預けたい。

ホテルのあるニャウンウーという町までサイドカー付きの自転車で6,000k(≒480円)、馬車で8,000k(≒640円)、バイクタクシーで10,000(≒800円)と言う。

時間も充分あるし最も安い、ということでサイドカー付き自転車にする。

アジア諸国では自転車に客を乗せる移動手段を何度か使ったことがある。

その時にも思ったが人間(運び手)が1番大変なのは自転車なのに1番安いってなんだか運転手は割に合わないような。

馬車やバイクの維持費などを考えた結果だとは思うが。

まだ夜明け前で暗い道路を走る、交通量は殆ど無い。

暗いながらも雲は少なかったので運転手にバガンで雨は降るかと聞いてみたらノーと言う、信じて良いんだろうな。

町へ向かう途中にチェックポイントがあり、外国人旅行者はここでバガンの入場料というか入域料を払う。

早朝5時なのにちゃんと人がいる。

20米ドル(≒2,280円)か25,000k(≒2,000円)と言われ、慌てて計算して現地通貨の方が得だと判断した。

3日間有効の券を渡され、滞在中は常に持っておくように言われる。

バガンの滞在予定も3日なので丁度良い。

泊まるホテルに到着したのは5時20分頃、バスターミナルから約30分。

ホテルのロビーはドアなどがなくて柱と屋根だけで開放的。

フロントには早朝未明ながらホテルマンがいた。

チェックインできるか聞いたら満室なので昼まで待ってほしいと言われる。

荷物だけ預け、Wi-Fiも通っていたロビーで休憩。

次第に外も明るくなってきて少なくとも太陽は出てくれそう。

外がしっかり明るくなってから行動開始。

まずはバガン観光の拠点になるニャウンウーの町を散策。

最初に向かったのはバガンを代表するスポットかつこの町の象徴でもあるシュエズィーゴォン・パヤー。

宿泊するホテルから5分程で入口付近に到着。

近くには早くもそれっぽい仏塔のようなものがあり、しかもそれがなんのありがたみもなく朽ち果てて放置されているような感じ。

バガンに限らずこの国の寺院や仏塔は靴は勿論のこと靴下も脱いで裸足で上がる必要がある。

建物内だけではなく敷地内もそうなのでほぼ外と変わらないよう状況だがまぁ仕方ない。

ダメダメ
色々とNG

早朝だからかそこまで人はいない。

ラオスのビエンチャンにあったタートル・アンを思わせるような黄金の仏塔。

東南アジアの仏教系寺院というのはこうなる傾向があるのだろうか。

今回バガンに関する情報を地球の歩き方で読んで初めて知ったことがある。

この国では(仏教では?)、寺院(英語でテンプル、現地語で…分からん)と、仏塔(英語でパゴダ、現地語でパヤー)は区別されているらしい。

大雑把にいうと中に仏像があってそれを礼拝の対象としているのが寺院、建物全体を礼拝の対象としているのが仏塔だとか。

厳密には違うのかもしれないが、あくまでも大雑把に言うと。

シュエズィーゴォン・パヤーは「パヤー」なので仏塔。

確かに仏塔の中に入る場所は無く、外からその威容を拝むだけ。

今回私が旅を通して感じたのはメインの建物内に入ることが出来るのは寺院、そうでないのは仏塔といった印象だった。

旅の写真をツイッターに上げた時は分かり易さの観点から殆ど「寺院」と表記したが本来は誤り。

この旅行記内では出来る限り正しく表現したい。

仏塔を眺められる日陰の場所でしばし休憩。

早朝なので爽やかな風が吹く。

ヤンゴンでは到着早々に雨だったが、バガンは良い雰囲気で迎えられた。

一通り見て回ってからニャウンウーの町を歩く。

地球の歩き方を参考にまずは町の市場へ。

前日のヤンゴンにあった土産物中心のマーケットではなく、これぞ庶民のマーケットといった感じ。

それを象徴するのが何よりも生鮮食品。

野菜もそうだが肉や魚がこれでもかと置いてある。

凄い数の蠅がたかっていたり、すぐ近くに犬猫がウロウロしていたり衛生観念ゼロ。

この国で食べるものは基本的にこういう状態なのだろう。

でもこういう市場こそまさに東南アジア感があって良い。

ここまで歩いてきたニャウンウーの町は幹線道路こそアスファルトだが、市場の周囲を含めたその他の道は砂地で場所によっては砂浜のようなサラサラとした砂。

歩き辛いのと、サンダルに砂も入るし、車が通ると砂が巻き上がるし、排気ガスとは違う意味で空気が悪い。

朝から歩いたのでお腹も空いてきた。

考えてみたら前夜は高速バスで出た菓子パンとカップケーキしか食べていない。

幹線道路沿いにいくつかレストランというか食堂が並んでいる。

その中でそれなりに客入りのある店があったので入る。

メニューには英語表記もあり、値段はどれも1,000k(≒80円)〜2,000k(≒160円)と安い。

何を頼もうか迷ったので店員に「ミャンマーで一般的な朝食(ミャンマーズポピュラーブレックファスト)」と聞いてみた。

英語が伝わったのかは分からないが、「FLAT RICE NOODLE SALAD」と書かれたメニューを指差した。

フラットライスヌードルサラダ?

よく分からなかったが1,000k(≒80円)と安かったので外れても良いだろうと注文。

一体どんな食べ物が出てくるのかと思ったが運ばれてきた品を見て納得。

キシメンのような麺に卵とチキンを炒めたようなもの、千切り風キャベツの小皿、それにスープというセットだった。

フラットライスヌードルとは米で作った平打ち麺、直訳するとその通りだ。

そしてキャベツがサラダでフラットライスヌードル&サラダということか。

ヌードルは食べてみると冷めていた(…というか元々冷たい料理なのか?)が味は悪くない。

スープは暖かかったが謎のピリ辛で沢山飲むと胃腸が怪しくなりそう。

そしてキャベツは少し食べてみて味は普通だったものの、生野菜ということで先程の市場の光景を思い出してそれ以上食べられなかった。

特別美味くも不味くもない料理だったが主食とサラダとスープが一通り揃って1000k(≒80円)なので充分だろう。

これでも英語メニューがある店だったから地元民の物価はもっと安いのか。

朝食を済ませ、地球の歩き方を見るとすぐ近くにある洞窟寺院に行ってみる。

チャンスィッター窟院という所で町の案内にもCAVEと書いてあったが、洞窟というよりも古びた煉瓦造りの建物の内部に全く灯りがないだけの印象。

内部は壁画が描かれているらしいが灯りが無く、スマホのライトを頼りに見るが光が弱くてよく分からない。

内部は写真撮影禁止となっていたが中に誰がいるわけもなく、その気になれば撮ることも出来ただろうが、別に撮ってもなぁ…といった感じだった。

チャンスィッター窟院のすぐ横にはナッ・トゥ僧院がある。

僧院らしくそこで生活をしているのか文字通りの小僧が複数人。

入ったらダメな所かと思ったが別に何も言われなかった。

とはいえ入っても特筆すべきものはなかったが(失礼)。

そこから早朝にも行ったシュエズィーゴォン・パヤーへ続く参道があったのでもう1回行ってみる。

すると早朝にはいなかったチケットチェック場が設けられていて、バガンの入場券にスタンプを押された。

これは1回しか入れないということなのだろうか。

早朝よりも天気が良くなり、青空に映える仏塔が美しい。

シュエズィーゴォン・パヤー
金と青のコントラスト

ヤンゴンでは微妙だった天気なので晴れてくれるのは大変ありがたいが、困るのは暑さ。

仏塔を眺めつつ日陰に座って休憩。

↓巧く表示されなかったらココをクリック。

夜行バスで到着した朝5時からあまり休憩もないまま動きすぎた。

時刻は10時をすぎたがホテルのチェックインまでは長い。

10時だと開いてくる店もあるだろうとホテルから1本隔てたレストラン通りへ行ってみる。

レストランというよりも食堂街という感じで沢山の店が集まっている。

そして多くの店がミャンマービールの看板を出している。

少なくともこの通りではビールにありつけそうだ。

ビールを出しそうな店の前に店員がいたのでビールが飲めるかを聞くとOKとのことで入る。

生が800k(≒64円)、前日のバスターミナルで飲んだ店と同じ値段。

メニューを見ると生は800k(≒64円)だが、瓶ビールだと小で1,800k(≒144円)、大で2,000k(≒160円)。

メニュー
値段の感覚が分からん

地球の歩き方にもこの国は生ビールがなぜか安いと書かれていたが確かにそのようだ。

それにしてもこの差はなんだろう。

日本なら生と呼称しつつ発泡酒や第3のビールなんてのはよくあるパターンだが、まさかミャンマーにそんなビールがあるとも思いにくい。

当初は疑問だったが旅を進めて思ったのが生ビールは薄めているんじゃないかということ。

そう思って飲むからか瓶ビールの方がしっかり味がしたように思う。

店によっては生ビールを注ぐところも見ていたが、薄めているような形跡はなかったのでそもそも生が薄くできているのかもしれない。

まぁ暑くて喉が渇いているのでなんだって良いっちゃ良いんだが。

そんな生ビールを2杯飲みつつこの後の予定を考える。

バガン観光はeバイクという電動版原付バイクで回るのが効率良さそう。

eバイクとは原チャリの電気版、ガソリンの代わりに電気の充電で走る電動バイク。

免許無しで運転できるのでバガン観光の定番らしいが、生を2杯飲んでいる状況で初めての町で初めての原チャリは危険な気がする。

バガン観光のメインは翌日と考えていたのでこの日はタクシーでも捕まえて軽くオールドバガンまで行こうかなと思った。

オールドバガンは現在地のニャウンウーから4kmほどの所にあり、寺院や遺跡が集まっている保護区でもある。

狭義の意味でのバガンはオールドバガンを指すとか。

目的を決めて歩きだすと予想通り声をかけてきたのは馬車のオッチャン。

オールドバガンまで片道でいくらかを聞くと7,000k(≒560円)と言う。

距離的に参考にしたのは早朝にバスターミナルからホテルへ来たときの料金。

チャリで6,000k(≒480円)、馬車で8,000k(≒640円)、バイクタクシーで10,000k(≒800円)だった。

バスターミナルからホテルまでと、現在地からオールドバガンを比べると今回の方が近い。

7,000k(≒560円)は無いかなと思ってNoと言いつつブラフで歩き出すと待て待てと言ってきた。

そしてそれを見たバイクタクシーの兄ちゃんが割り込んできて5,000k(≒400円)で行くぜ、と言う。

これは狙い通りの展開。

言い値がそれならもう一声いけるかなと思って3,000k(≒240円)を提示すると交渉の末にOKになった。

こうした料金交渉も旅の一環だ。

ただこのバイクタクシーが予想外に怖い。

ノーヘルの2人乗りで意外に飛ばす。

10分弱だったがかなり脚に力が入った。

オールドバガンの入口にほど近い所にあるアーナンダ寺院から観光スタート。

アーナンダ寺院は早朝に行ったシュエズィーゴォン・パヤーと並んでバガンを代表する寺院。

こちらは仏塔ではなくて寺院、確かに寺院内の巨大な立仏像は立派だし建物も見事。

アーナンダ寺院
寺院内部

この国で見た「寺院」の中では別格と思える規模。

時刻が12時になったこともあり日差しが強く、バガンの寺院内は靴下も脱いで裸足にならないといけないので直射日光の当たる石畳はまともに歩けないくらいの熱さ。

普通に歩いていたら足裏が火傷しそうで、外は爪先立ちで飛び跳ねながら駆け抜ける感じ。

アーナンダ寺院は東西南北のいずれにも出入口があり、どこから入ったのか分からなくなり少し迷った。

どこの入口も参道には土産物屋がいて同じように見えた。

寺院を出て本格的なオールドバガン観光に入る前に腹ごしらえということで地球の歩き方に載っていたレストランへ。

オールドバガンはバガン観光の中心ということもあり、ニャウンウーの店よりは料金も高めだとか。

それでもフライトライスwithチキン2,500k(≒200円)とミャンマービール大瓶3,500k(≒280円)なので相対的にはともかく、絶対的に見たら安い部類。

フライトライスwithチキン2,500k(≒200円)がメニューの中では極端に安かったので若干不安だったが、しっかり量もあるチャーハンで無難に美味かった。

食事を終えていよいよオールドバガン内へ。

オールドバガンは分かり易く入口に門があり、周囲が塀で囲われている。

その入口のタラバー門を越えるとオールドバガン域内。

そこから先は地球の歩き方にオールドバガンとして紹介されている所を片っ端から回っていく。

どこも裸足じゃないといけないので暑いし熱いし汚い。

もうサンダルも足裏もとんでもないことになっているだろう。

寺院や仏塔の先端の鋭角さや丸っこさなどによって色々と建築様式や年代が異なるらしい。

生憎と建物の上に登ることは出来ず、大体が中に入って仏像に手を合わせるくらい。

一方で現地人などは土下座してしっかりお祈りしている人もいるから無碍に出来ないのはこういう場所に来るといつも思うこと。

オールドバガン域内はそれほど広くないので歩いてでも回れると思っていたし、実際に回ることは出来た。

ただ殆どの人が電動原チャ、たまに電動自転車やマウンテンバイク、タクシーや馬車チャーターだった。

飲酒運転になるからこの日は避けたが翌日は電動原チャに挑戦しようと思った。

寺院アレコレ
オールドバガン詰め合わせ

地球の歩き方に紹介されているオールドバガン内の寺院と仏塔を踏破し、オールドバガン外にあるシュエサンドー・パヤーなる所まで歩いて行った。

このシュエサンドー・パヤーは景観が良いと地球の歩き方に紹介されていたが、高所への階段は立入禁止の札が立っていた。

旅時点で最新の2017〜2018年版地球の歩き方(2017年3月発行)の情報だったが、約1年半で状況が変わったのか。

時間は16時過ぎ、歩き疲れて後はホテルに戻るだけ。

オールドバガンは遺跡が点在しているので有名な寺院や仏塔のある所には大体何かしらのドライバーが声をかけてくる。

最初に声をかけてきた馬車はニャウンウーまでの言い値が10,000k(≒800円)。

さすがに高すぎるので交渉して8,000k(≒640円)までは落ちたがそこから先が堅い。

来たときはバイクタクシーで3,000k(≒240円)だったのに。

こちらの言い値を5,000k(≒400円)まで下げたが馬車は折れず。

ただ馬車のおっちゃんがバイクタクシーなら5,000k(≒400円)で良い、知り合いを呼んでやる、と言う。

バイクタクシーの方が馬車より安いのか?

それなら朝のバスターミナルからホテルまでの値段設定はなんだったのか。

とはいえこれ以上交渉するのも疲れていたので5,000k(≒400円)のバイクタクシーで良しとする。

そんなわけで再びのバイクタクシーで約10分のスリル旅。

ニャウンウーに戻り、ホテルにもチェックイン出来た。

部屋は日本円で1泊4,000円未満だったので過度な期待はしていなかったが、その値段にしては充分な内容。

さすがにバスタブは無かったが、シャワーで足をサンダルごと洗う。

前日のヤンゴン街歩き、早朝からのバガン寺院巡りと殆ど舗装されていない砂地の道を歩いてきた足とサンダルだが、これで少しはましになったか。

晩飯は午前中にビールだけ飲みに行ったレストラン通りへ。

ホテルのある通りのすぐ隣なのが良い。

通りを端から端まで歩いてそこそこ人が入っている店に。

入ってみたらタイ料理と西洋料理がメインの店っぽい。

午前中の店と同じで生ビールが800k(≒64円)なのが良い。

メニューが沢山あり、これという決め手がなかったので店員にオススメを聞く。

店員が魚料理っぽい何かを指さしたのでそれで良いや、と。

値段が6,000k(≒480円)で周りのメニュー平均より高かったのは目をつぶろう。

生を1杯飲み終える頃に出てきた魚料理は川魚と思われる淡泊な白身の丸焼き。

そこに刻みタマネギやニンニクが大量に載せられ、サワークリームか何かで味付けされていてまぁ美味い。

ただ骨がなかなか頑丈なのと身離れがあまり良くなくて食べるのに苦労する。

食べていると野良と思われる猫が寄ってくる。

発展途上国のオープンテラス席ではよくある光景だが、子猫も交えて5,6匹は多い。

他のテーブルにいた猫も私の所に集まってきた模様。

魚を一切れあげたら当たり前だけど増長した。

これは世界共通か
期待のこもったまなざし

猫によっては膝に手をかける子や隣の椅子に上がって来る子まで。

控えめな子もいて当たり前だけど猫にも性格があるなと思わされる。

チョイチョイ魚を落として与えていたが積極的な子ばかり取っていって控えめな子になかなか行き渡らない。

控えめな子は野良として野生で生きていくのは難しいんだろうな。

出来るだけ魚の身の部分をあげるようにしていたが、タマネギやニンニクが混じっていたらと思うとやや躊躇。

確か犬に対してはNG食材だった気がするし。

帰国後に調べたら猫に対してもタマネギやニンニクはNGとのことだった。

なかなか落ち着かない食事を終えてホテルに戻る。

晩飯で生を3杯飲み、午前中の2杯、昼飯で大瓶1本と併せてこの旅の最高記録を更新。

すっかり暗くなり、街灯も殆ど無い通りをホテルに戻る。

ホテルの隣に商店があり、ビールがあるか聞くとミャンマービールの缶330mlで1,200k(≒96円)。

前日のヤンゴンのコンビニで見たときは1,000k(≒80円)切っていたから観光地価格だろう。

そして店で缶ビール買うよりもレストランの生ビールの方が安いというのはやはり不思議だ。

ビールを買いがてら話してきた店のオヤジによると電動原チャも7,000k(≒560円)でレンタルしているとのこと。

7,000k(≒560円)ってこの日私がオールドバガンを往復した金額より安い。

翌日は電動原チャを借りようと決意を新たにした。

早朝に行ったシュエズィーゴォン・パヤーが夜はライトアップされているらしいので見に行こうかと思ったが、この日は色々と疲れていたので翌日にしておく。

素直に部屋に戻り、まずはここまでの旅装を洗濯。

洗濯している自分の身体が明らかに臭い。

どこかで嗅いだような臭さだと思って、分かったのはどうやら午前中に行った市場の臭いと似ている。

文字通りミャンマーに染まってきたのかもしれないと思い苦笑。

Tシャツとパンツをシャワーで強引に洗い、室内に干しておく。

その後、自らも2日ぶりのシャワー。

水量も湯量も温度も申し分なしでサッパリ。

風呂上がりにミャンマービール飲んで就寝。

早朝に到着してから1日行動し、午前午後夕方と常にビールを飲み、就寝前に最後の1杯。

ようやく私の旅らしくなってきた。

 

 

 

2018年7月30日 月曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

ミャンマーで迎える3度目の朝。

前日が夜行バス泊だったので久々にまともなベッドでの目覚め。

明け方頃のボンヤリ目が覚めかけていた時間帯に2,3回の停電があった。

この国の観光の中心のそれなりにちゃんとしたホテルでコレだから電力事情は推して知るべしか。

前夜の洗濯物は1晩中つけっぱなしのエアコンのおかげかしっかり乾いてくれていた。

今回の旅で懸念していたことの1つにお腹の具合があった。

前年のウズベキスタンでは2日目くらいから下り始め、それ以降は常に下痢状態だった。

旅も観光も遂行は出来たが、行動がそれによって控えめになったことは否定できない。

今回もそうなるか不安だったが、ヤンゴンでも問題は無かった。

そして今回、午前中から飲んでこの旅最大の酒量だった前日を乗り切ったということはウズベキスタンの悪夢は去ったと考えて良いだろう。

この日の朝のトイレ(大)も無事に遂行できた。

これまでの旅を考えるとウズベキスタンだけが異常だったということか。

ウズベキスタンで毎日欠かさず口にしたものは水とビールだけだったから、文字通り水が合わなかったとしか言いようがない。

もう大丈夫だろうと思えて臨む朝食は定番のビュッフェ。

質も量も初日のヤンゴンのホテルより遥に良い。

ミャンマーの朝食の定番というモヒンガーなる米麺と魚ベースのスープでいかにも東南アジア的なモノも食せた。

この日は旅のハイライトになるであろう1日。

9時にホテルを出て隣の商店へ。

前夜にもいた店のオヤジに電動原チャのレンタルを頼む。

料金は7,000k(≒560円)で45km走行可能という。

ガソリンではなく電動原チャなので基準となるのは距離のようだ。

途中で電源が切れたらどうなるのだろうかと思ったが、そのための45km制限だろうか。

ヘルメットが必要か聞かれたので借りておく。

前日に見た感じだと観光客も含めてバイクや原チャに乗っていてヘルメットをしているのは少数だった。

しかし私は日本ですら原チャリを運転したことが無いので用心するに越したことはない。

店のオヤジが操作方法を教えてくれる。

右グリップを手前に捻ると動き出す、最初は軽く捻ること。

鍵のかけ方、ライト、ウィンカー、クラクションくらい。

ガソリン代わりの充電メーターもフルを示しているので多分大丈夫だろう。

初めての原チャリデビューがまさかのミャンマー、バガン、そして右車線。

幸いにして店の前の通りは人も車も殆どいない。

スタンバイして軽くグリップを捻る。

おっかなびっくり出発すると、オ?オォッ!?オー!!

これは気持ちイイ、そして楽。

当たり前かもしれないが自転車に乗るのと同じバランス感覚で動き、何より漕ぐ必要が無い。

スピードも自分で調整可能だからバイクタクシーのような恐怖も無い。

はじめてのげんちゃ
バガンでの相棒

さすがに幹線道路へ出るときは少しビビったが、交通量は多くないのですぐに慣れる。

こんなに便利で快適な電動原チャが7000k(≒560円)って前日の交通費を返してほしいくらい(誰に?)。

前日にバイクタクシーで通ったオールドバガンへ向かう幹線道路を進み、途中で地球の歩き方に書いてあったモデルコースへ。

そこからはアスファルトではなく砂地の道。

他にバイクや車が通ると砂埃が酷く、旅で初めてサングラスが役に立った。

地球の歩き方に載っている主要な遺跡や寺院や仏塔を巡る。

ティーローミィンロー寺院、パヤーンガーズー寺院群、ブルディ(仏塔)、スラマニ寺院、ダヤマンヂー寺院…とても覚えられない。

バガンでも保存状態の良い寺院だとか
これは確かスラマニ寺院

それぞれ外観や内装(壁画)や内部の仏像に違いはあるが、どこがどうという説明は巧くできない。

ティーローミィンロー寺院にはチケットチェックがいてバガンの入域券の提示を求められた。

有名な寺院や仏塔にはチケットチェックがいるらしい。

左右のオッサンが本体
双子のような仏像

行動が原チャになったおかげで「チョットそこまで行ってみよう」というのが気軽に出来る。

観光地でもなく、観光客が全くいなくても遺跡が立ち並んで良い雰囲気だったりする。

途中で小高い丘になっている所を見つけ、上ってみるとバガンの平野が綺麗に見渡せる。

見ると至る所に寺院や仏塔が点在しているのがよく分かる。

地球の歩き方には展望が良くて登ることが出来る仏塔がいくつか紹介されていた。

しかし前日と同じようにそう紹介されている場所も登ることは出来なくなっていた。

帰国してネットを見たところ、寺院や仏塔の損傷や安全面から年々登ることが出来る場所は減っているとか。

そしてその代わりに展望台を作る計画が進行中だとか。

だからなのかもしれない、展望の良い小高い丘は手すりなども付いていて人工的なものを感じさせた。

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その後も地球の歩き方で目星をつけた場所までバイクで走り、気になる寺院があったら行ってみる、の繰り返し。

有名な寺院は道端に案内の矢印が出ているので分かり易い。

数の大小はあれども土産物屋もあるので目立つ。

寺院巡りの過程で寄ったミャゼディ寺院には4ヶ国語が刻まれた「ミャゼディ碑文」と呼ばれる石碑があり、これによって解読されていなかった言語の解読が進んだのだとか。

いわばミャンマー版のロゼッタストーン。

実はバガンは世界3大仏教遺跡とされながらも、ユネスコの世界遺産には登録されていない。

ただこの「ミャゼディ碑文」はユネスコの認定する「世界の記憶」に登録されている。

世界遺産ではないバガンの中に世界の記憶がある。

「青は藍より出でて藍より青し」みたいな?…違うか。

それなりに凄いモノのはずだが、寺院の中に観光客や現地人は普通にいたのにその石碑には誰もいなくて最初は素通りしてしまった。

大英博物館のロセッタストーンのように強固なケースに入れられているわけでは無く、鉄格子で囲われているものの手を伸ばせば直に触れられるし、屋根や壁はあるものの普通に外気に晒される所に展示されている。

しかもそれがオリジナルらしい。

もっと丁重に扱い、もっと注目してやれよと思ったが、見ても文字は読めないしそもそも4ヶ国語がパーリ語、ピュー語、モン語、ビルマ語…って全く分からん。

まぁそんなものなのかもしれない。

世界記憶遺産
ミャゼディ寺院と碑文

昼飯はニューバガンというバガンの新市街で食べようと思っていたので原チャで走る。

バガン観光の拠点となるのは私が泊まったニャウンウーか、歴史地区のオールドバガンか、新市街とされているニューバガンが一般的。

ニューバガンのメインストリートと思われる所を走るといくつかレストランが並んでいる。

1往復して西洋人観光客の姿が見えたバガンレストランなる所に入る。

いつもなら1も2も無くビールなのだが運転中なのでやめておく。

コーラ1,000k(≒80円)、「ハイ」が付かないコーラを飲むなんていつ以来だろうか。

コーラ
写真必要か?

食事はミャンマー風チキンカレー。

そこまで辛くもなく食べやすい無難な印象。

食後、地球の歩き方を眺めて今後のルートを検討。

バガンの中部から中東部辺りにあるコースを行くことにする。

例によって目ぼしい場所があったら行って入って見て出て…を繰り返す。

最初は外観だけで良いかなと思っていつつも、近くまで行くと入りたくなる不思議。

そんなわけでどんどん足が汚くなっていく。

そしてバガンにいる観光客の殆ど全員の足裏はとんでもなく汚いんだろうなとどうでもよいことを思う。

適当に走っているとポツポツと雨が降ってきた。

涼しい風も吹いてきてこれは怪しいと思ったら急に来た、スコール。

バガンの平原でコレはまずい。

幸いにして近くに大きめの木があったのでその下に避難。

周囲に誰もいない、何もない所での避難は心細かったが、空は明るかったし、急に降り出したから急に止むだろうと思った予想通りに5分ほどで止んでくれた。

その後も観光を続けるが、適当に入った寺院で再び雨に遭遇。

そして今回の雨は先ほどのよりも強い。

ただ幸いだったのはその時は寺院の中にいたので全く濡れることなく済んだこと。

寺院の中には仏像もあり、まさに仏様のおぼしめしか。

前回とは違ってなかなか止まなかったが、特に急ぐ必要もないので寺院の中でひたすら待つ。

段々と小雨になってきて、お土産屋の店員が雨除けを片づけ始めたのを見てこれは大丈夫だろうと思ったら予想通り雨はちゃんと上がった。

元々バガンは雨季でも雨が少ない所だとか。

その辺りも観光のし易さだろう。

それからもアレコレと寺院や遺跡を経由。

驚くのは案内板も何もない小さな祠みたいな遺跡?ですら中にはちゃんと仏像がいること。

全てを覗いたわけではないが、外から見られそうな範囲内では殆ど全てに仏像が入っていた。

寺院
穏やかな涅槃

昔からそうなのか信仰がなせる業か。

バガンが世界遺産に認定されていないのが信じられないくらいだ。

この日最後の目的は遺跡ではなく近年の人工物の際たるものであろうバガンタワー。

バガン1高いであろう建造物で展望台になっている文字通りのタワー。

どことなく遺跡を模して作られているのだが、スリムさと新しさがこの周辺では異彩を放つ。

どうやら高級リゾートホテルの一環として作られているようだ。

一説によるとバガンが世界遺産に認定されない理由の1つが、バガン域内にゴルフ場などのリゾートを作ったり、こうしたホテルやタワーを建てたからだとも言われている。

そう思うと少し微妙な気分で中へ。

入場料は5米ドル(≒570円)、現地通貨のチャットだといくらか聞いたら7,450(≒596円)と言われる。

僅かとはいえドルの方が安いのは珍しい。

エレベーターで11階に上がるとそこはレストラン、ここでウェルカムドリンクが貰えるのだが、甘じょっぱい謎のジュース。

不味くはなかったがなんだコレ?という感じ。

レストランフロアでも充分に良い景色だったが、そこからさらに2階分を上がり、さらにさらに階段で屋上へ。

ここは窓もなく360度バガン平野が見渡せる。

先のスコールの影響でやや曇ってはいるモノの、綺麗にバガンの全景が見られる。

施設の割に人気はイマイチ、と地球の歩き方に記載されていた通り、最初は私一人しかいなかった。

途中でカップルが上がってきてから数分後に修学旅行じゃなさそうだけど10数人で似たような格好をした中学生か高校生くらいの現地人っぽい団体が上がってきた。

日本なら鬱陶しくと思うところだが、何を話しているか分からないし、はしゃぎっぷりがなんだか微笑ましく思える。

これは私が歳をとったからか。

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そんなこんなを経て、この日に予定していた行程を終了。

後は原チャを返すためにニャウンウーへ戻るだけ。

戻る道は前日早朝にも通った主幹道路。

しっかり舗装された道で走り易いのは良いのだが、だからこそ車もそれなりに通るので怖い。

そしてどこかで曲がるべきところを直進してしまったらしく、予期せぬままバガンの空港に着いてしまった。

今回はミャンマーを空路で移動する予定は無かったのでこんなことでも無かったら来なかったバガンの空港。

もし歩いていたら失望度と疲労も大きかっただろうが、原チャなので全く問題無い。

肉体的にも精神的にも疲労がないのは良いな。

空港で改めて地図を確認し、普通にニャウンウーまで戻ることが出来た。

原チャを借りる際に45kmで7,000k(≒560円)と言われていた。

メーターを見ると残り5kmほどだったので敢えてニャウンウーの町を流して走る。

折角なので少しスピードを出してみようと思うが、道路状態が信用できないので時速30kmくらいでビビってしまう。

何度か同じところを走っていくうちに幹線道路は大丈夫だろうと思えてきた。

そんなわけであとは原チャを返却するだけの最終盤に直線道路で前後に車両がいないことを確認してフルスロットルにしたら時速40kmを超えた。

ヘルメットを被っているとはいえ生身の身体を晒して時速40kmって私の経験には無かったこと(バイクタクシーはそのくらい出ていたのかもしれないが)。

慣れないだけにやはり怖かった。

交通量の少ないバガンの道路ですらコレ。

これが交通量の多い日本の道路だと難しそう。

日本の道路の方が整備面では安全だろうが、バガンなら許されるウィンカー無しの右左折や細かな交通ルールなどを原チャ運転しながら把握できるとも思えない。

慣れの問題だとは思うが、私が日常的に2輪に乗る日はなさそうだ。

最後にスリルを味わって原チャを返却。

距離は丁度45kmだったが、返却時に距離とか何か確認するのかと思いきや何もなくて拍子抜け。

そのままその店で缶ビールを購入。

敢えて前日のミャンマービールとは違うDAGONビール(ミャンマー産)にした。

前日のミャンマービールが1,200k(≒96円)だったので1,500k(≒120円)出すと、DAGONビールだから1,000k(≒80円)だと言って500k(≒40円)返された。

黙っていたらミャンマービールと同じ料金を取ることが出来たのに、ぼろうとしないあたり好感が持てた。

ホテルに戻ってまずは足を洗う。

バガンでは常に足を洗っていないといけなさそうだ。

ホテルで休憩したのちに晩飯を食べに前夜と同じくレストラン通りへ。

店頭にメニューが置いてある店が多かったのでそれぞれ覗きながら店を物色。

色々店はあったが、結局は地球の歩き方に載っていた店へ行くとココが当たりだった。

特に安いわけでもメニューが充実しているわけでもなかったが、店員が誰もがフレンドリーで感じ良い。

料理も春巻きとフィッシュカレーを頼んだがいずれもしっかり美味しかった。

昼にビールを飲めなかったフラストレーションとこの日の観光の成功と店の雰囲気の良さが合わさってビールを瓶で3つ。

マンダレー、ミャンマー、ダゴンというこの国でよく見る3大銘柄の大瓶を制覇。

春巻き2,700k(≒216円)、フィッシュカレー3,900k(≒312円)、ビールは銘柄によって2,400k(≒192円)と2,800k(≒224円)。

暴飲暴食
バガン晩餐

合計14,200k(≒1,136円)はそれなりではあるが、それだけ飲み食いしてもそんなものだとも言える。

店を出て酔い醒ましに夜はライトアップされるというシュエズィーゴォン・パヤーへ行ってみる。

時刻は21時に近かったが、意外にも入ることが出来た。

土産物屋は軒並み閉まっていて、チケットチェックもいなかったが、中には観光客もチラホラで日中の縮小版みたいな印象。

例によって裸足で入る敷地内も夜なので熱くなく、むしろ夜風が心地良い。

さらにライトアップされた金色の寺院が漆黒の夜空に映える。

シュエズィーゴォン・パヤー
黒と金のコントラスト

人も少なめでコレってむしろ昼間よりも良いのでは…?

地球の歩き方を見ると22時まで開いているらしい。

寺院によっては24時間開いている所もあるとか。

この2日間で回った数々の寺院が今この時間にも開いていると思うと不思議な気分。

寺院の仏像はこの時間に何を思うのか。

 

 

 

2018年7月31日 火曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

この日の朝食は前日とは少しバリエーションが違っていた。

麺はココナッツ系のスープでどうやらオンノウカオスエという料理らしい。

前日のモヒンガーといい、名物が朝食で食べられるのは得した気分。

朝食後、フロントでチェックアウト時間を聞くと12時とのこと。

この日は夜行バスでヤンゴンに戻るため、慌てて行動する必要は無い。

部屋でゆっくりしつつこの日の行動予定を考え、前日と同じく原チャを借りてダイジェスト的に遺跡を回ろうと思う。

地図を見てアレコレ考えるのではなく、気が向くままに走るイメージ。

この日は風呂に入れないので遺跡に上がるのも最小限に留めたい。

ホテルをチェックアウトして荷物を預けてからこの2日で顔なじみになったホテル横の店へ。

今日は原チャを17時までしか使わないから安くしてくれと言ってみたらアッサリ5,000k(≒400円)に下がった。

でもこの日アチコチを走らせていたら1日レンタル5,000kと謳っている店があったから特別に安くしてもらったわけではなかったようだ。

前日と同じ原チャ、こいつは今回のバガンでの相棒だな。

適当に走らせて、まずはハイライトということでオールドバガンへ。

2日前はひたすら歩いた場所でも原チャならスイスイサクサク。

川沿いへ行ってみるとボートでこの辺りを周遊するというこれまでにない客引き。

1時間で12,000k(≒960円)、夕陽の時間でも良いぞと言ってくる。

そういう観光手段もあったんだな。

そこまで興味は無かったので聞き流しておいたが、一昨年にラオスのメコン川で乗った船よりはしっかりしていた。

2日前にも回ったあちこちの寺院の外観をひたすら眺める。

そんな中でもアーナンダ寺院はバガンを代表する寺院なので改めて入る。

ずっと座っているだけでも運転するとさすがに疲れるので休憩がてら寺院に寄るという感じ。

仏塔だけの所よりも寺院だと中に入ることが出来て良い。

石造りの内部はひんやりして気持ち良いし、仏像も多いのでしっかり見ると意外に飽きない。

朝飯をしっかり食べたので昼過ぎでも腹が減らない。

この日は夜行バスという変則スケジュールなので、中途半端に昼飯を食べるよりも晩飯をしっかり食べた方が良いだろうと判断。

昼飯は食わずとも何か飲みたいと思い、アーナンダ寺院の近くのレストランというか簡易食堂が揃っている通りに行き、ドリンクだけで良いか聞くと大丈夫と言う。

いつもならビールだが、だいぶ慣れたとはいえ油断は禁物ということで控えておく。

コーヒーや紅茶といった選択肢もあったが、フレッシュジュースが充実していたのでウォーターメロンパパイヤライムジュース1,500k(≒120円)を注文。

スイーツ
アルコール以外で最も美味しかった飲料

どうやらそれらのフルーツを全部ミキサーにかけて提供されるらしく、スムージーのような味わいで美味い。

いつも問答無用でビールを頼んでいたが、ノンアルコールも悪くない。

原チャでの旅だからこその発見。

その後も適当に原チャを走らせ、前日までに行かなかった場所には入ってみる。

地球の歩き方に載っているほぼ全ての寺院や仏塔を巡ったと思う。

その中で展望が良いと紹介されていた場所へも一通り行ったが、寺院に登ることが出来たのはオールドバガンからニューバガンへ向かう途中のソーミィンヂー僧院だけだった。

以前は登ることが出来たような雰囲気の場所はいくつかあったが、いずれも登ったらダメとの表示。

それもこれも世界遺産登録への一環としての遺跡保護なのかもしれない。

先述の通りバガンは世界3大仏教遺跡の中で唯一世界遺産認定されていない。

しかし素人目で見るとアンコールワットやボロブドゥールと比べても遜色ない。

世界遺産認定されない理由としては敷地内にゴルフ場を始めとしたリゾートホテル開発や、遺跡や寺院などの修復方法の関係で作られた当時の原型を留めていないなど。

確かに遺跡のある広大な敷地にゴルフ場やリゾートホテルなどはあった。

修復方法も恐らくはその指摘通りなのだろう。

ただ、バガンで個人的に最も印象的だったのはアンコールワットやボロブドゥールと比べると現役寺院として機能している場所が多かった印象。

そう考えると、修復方法も贅沢を言っていられない気がする。

ただの観光地化だけではなく、生活に根差しているバガンの方がよほど世界遺産としての価値があるのではないかとすら思った。

ユネスコにはそれなりの基準があるだろうからなんとも言えないが、将来的には世界遺産に認定されると思う。

個人的にはそれより前に来ることが出来て良かった。

寺院
他とは少し印象が違う寺院

ともかくこれで世界3大仏教遺跡を制覇した。

印象としてはやはりアンコールワットが別格かもしれない。

分かり易く大きいアンコールワット本体、その周辺にもアンコールトムやタプロムを始めとしたスケールの大きな遺跡が並ぶ。

日本からのアクセスの良さも考えるとアンコールワットが1番だろう。

ボロブドゥールはピラミッド状の本体は圧巻だが、基本的にそれがドーンとあるだけで周囲の遺跡は弱い気がする。

バガンはアンコールワットやボロブドゥールのように象徴的な巨大建築こそないが、広大な敷地に点在する大小様々な遺跡や寺院や仏塔の数で圧倒している印象。

三者三様の特徴があると言えるが、世界3大「仏教」遺跡ということを考えると1番はバガンかもしれない。

カンボジアは仏教国ではあるが、アンコールワットはそもそもヒンドゥー教の寺院が始まり。

ボロブドゥールは仏教寺院だとは分かっているが建てられた詳細は不明なのと、インドネシアはイスラム国家。

そう考えると仏教国かつ仏教遺跡のバガンが1番ではなかろうか。

全て私の個人的な感想なので学術的に誤っていたら申し訳ない。

そんな一通りのバガン観光を終えてニャウンウーに戻る。

原チャを返却し、バガン最後の晩餐は地球の歩き方に載っていた店。

ミャンマー料理とフランス料理をミックスなどという高尚な謳い文句だったので少し構えて行ったがなんてことはない。

時間も17時過ぎということもあり店内は閑散。

マンダレービール大瓶3,000k(≒240円)とトゥデイズスペシャルみたいに紹介されていたフライドライスwithなんとか4,500k(≒360円)を注文。

料理は美味しく、フライドライスは所謂チャーハンながらちゃんと味に深みもあって付け合わせのピリ辛ピクルスや骨付きチキンも美味。

最後の最後にしっかりした店に来たという印象。

何より驚いたのがその店にいた猫。

半分屋外のテラス席なのでその辺にいるのだが、こちらが飯を食べていても寄ってこない。

毛並みも綺麗だったから恐らく野良じゃなくてちゃんと飼われていたのだと思う。

飯をねだりに来ないのはしっかり躾けられているということか。

2日前の店にいた猫なんて大変なもんだったが。

ハッピーアワーでカクテルが半額ということだったので最後はジントニックも注文。

その味もしっかりとしていた。

カクテル
雰囲気はジンライム

ビール2本、料理1品、ジントニック1杯でサービス料込み計15,525k(≒1,242円)。

良さそうな店だからサービス料や税がかかるのは致し方ない。

ホテルに戻って荷物を受け取るとフロントの人がホテルのプール脇にあるシャワーを使って良いと言ってくれる。

それは非常にありがたい。

とはいえプール脇のシャワーブースで荷物も持って全身シャワーは色々と難しかったので足だけサンダルごと洗う。

夜行バスは20時発でホテルまで迎えが来ることになっている。

ネットでバスを予約した際にピックアップ場所としてホテルを指定することが出来た。

バス会社から来たメールには出発の2時間前にはホテルで待つように書かれていた。

だがホテルのフロントに聞くと1時間前で大丈夫だと言うので19時前からロビーで待っていた。

そして時間は19時10分過ぎ、既に1時間前を切っている。

2年前のラオスでもホテルに来るはずの迎えがトラブって巧くいかなかったことがあった。

その時は別のトゥクトゥクを使って何とか間に合ったが、どうもホテルでのピックアップは信用できないところがある。

このまま待っていて大丈夫なのかホテルのフロントに聞いてみる。

するとピックアップの電話はしたのか?と聞いてくる。

え?そんなものはしていないし、必要だとも書いていない。

予約時のメール画面をフロントに見せると、バス会社に電話してくれる。

何やら暗雲が…

すると「20時発のバスの迎えは来ない、今から自力でバスターミナルに行くか、21時発のバスに変更するか」と言われる。

今から自力でタクシーなどを捕まえてバスターミナルに行くことも可能だろうが、お金もかかるのと交渉が必要なのとまた何かトラブルが発生した際の対処が面倒。

21時発のバスがあり、それがホテルに迎えに来てくれるならその方が良い。

「21時のバスに変更した場合はココで待てば良いのか?」ということを確認し、21時のバスに変更することにした。

英語でコミュニケーションを取ることが出来るホテルに留まっている方が次にまた何か起きた時に良いのではないかと判断した。

脳裏にはいくつかのシミュレーション。

万が一21時のバスに乗れなかったことを考えてもう1泊このホテルに宿泊。

ホテルが満室でも周辺にホテルがいくつかあったのでどこかには泊まれるだろう。

翌日の飛行機でヤンゴンに向かえば旅程の修正も可能か。

最悪の場合は翌日予約してある一泊は無駄にしてもう1日バガンで過ごし、翌日の夜行バスでヤンゴンに戻る手もある。

色々と考えていたら想像していたよりも遥にちゃんとしたピックアップバスがホテルに到着。

その辺のバイクタクシーみたいなのが来ると思っていたのにワゴン車なんかより立派で大きいバス。

ホテルのフロントに確認するとアレだという。

乗るとチケットを見せろと言われたが、20時発のチケットでも何も言われず。

大きなバスだったが乗客は5人ほどでガラガラ。

この数日で何度も走った幹線道路を経て10分ほどでバスターミナルに到着。

バス会社に時間変更がちゃんと伝わっているのか不安だったが、カウンターでチケットを見せてチェンジタイムというだけで向こうは把握していたようで、席も事前に予約したのと同じだった。

どうやらトラブルは軌道修正できたらしい。

途中から何となく気付いていたが、トラブってもなんとかなるんじゃないかという予想通りになった。

このレベルのトラブルならラオスでも経験済みだったことが大きい。

来た時は明け方で暗かったバガンのバスターミナル、出発時は夜で暗い。

当たり前だがヤンゴンのバスターミナルよりはだいぶ閑散としている。

そして20時45分過ぎに乗車して驚いたのは車内のガラガラ具合。

私の前後左右全く客がおらず、全部でも10数人くらい。

そりゃ時間変更しても同じ席をあてがってくれるわ。

往路も空いていると思ったが、ヤンゴン発だったからあれでも混んでいる方だったのかもしれない。

混むかもしれないと思って上のロッカーにバックパックをしまえるくらい圧縮した意味がなかった。

21時丁度に出発したバス、最後はチョット焦ったもののどうやら無事にヤンゴンに向かってくれそうだ。

 

 

 

2018年8月1日 水曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

ヤンゴンからバガンへ向かうバスよりも逆のバスの方がよく寝られた気がするのは疲れのせいか車内の空き具合のせいか。

サービスエリアに停まっていたことも殆ど気付かなかったくらい寝ていた。

ヤンゴンのバスターミナルに到着したのは5時30分すぎ。

21時発のバスでこの時間ということは当初の予定だった20時発のバスだったらもっと早かったということか。

次の目的地はチャイテイヨーという場所。

標高1,100mの山の上にゴールデンロックと呼ばれる岩がある。

金箔が貼られた岩で、落ちそうで落ちない絶妙なバランスで立っている。

ミャンマーではバガンと並ぶ有名観光地。

ヤンゴンからバスで向かうため、バガンから戻ってそのままバスターミナルから行ける旅程にしておいた。

早朝から話しかけてくる客引きに「チャイテイヨー、ゴールデンロック、キンプン(バス停のある町の名前)」など地名と観光地名を連呼してバスの場所を聞く。

皆アッチだと教えてくれるものの、早朝でも100台以上は停まっている広大なバスターミナル。

教えられた方へ行ってみてもどれが目的地へ行くバスなのか分からない。

何度目かに話しかけたオッチャンがバイクタクシーを捕まえて500k(≒40円)で連れて行ってやる、と。

なんだか負けた気はするが、500kなら高くもないし多少のお金がかかっても確実に遂行することが第一。

連れて行ってもらった場所は現地人が教えてくれた方向だったので、もっと手当たり次第に声をかけていたら自力でも辿り着けていたかもしれない。

チャイテイヨー行きのバスは8,000k(≒640円)。

事前にネットの旅行記で見たのと同じ値段だったので良いが、その旅行記によると明らかに外国人料金だとか。

そしてバス代を払ったところで大事なことに気付く。

現地通貨が残り少ない…

100ドル分の両替が前日までの消費で残り1万数千kしかない(1,000円くらいか)。

1万k(≒800円)はゴールデンロックの入場料で、数千kは山頂までの移動代で消えそうな計算。

すると食費とヤンゴンへ戻る交通費が無い。

これは油断していた、観光都市のバガンなら両替する術があったはずなのに。

地球の歩き方の地図を見ると目指すキンプンの町に銀行のATMマークがある。

キャッシングで急場を凌ぐか、或いはホテルで両替が出来るか。

とりあえずバスに乗ってしまったので今は先へ進むしかない。

今朝まで乗っていた夜行バスと比べるとだいぶオンボロのバス。

日本の中古観光バスを使用している感じ。

適当に座っていると乗務員(といっても普通の兄ちゃん)にそこじゃないと言われる。

チケットを見ると意外にも指定席だった。

指定された席は最後部席だったので荷物を後ろに置けて良かった。

6時過ぎにバスに乗ったが動き出す気配がない。

トイレに行きたい気もしていたが、いつ動き出すか分からないので行けない。

結局動き出したのは6時30分すぎだった。

ほぼ満席の車内ながら現地人だらけで外国人観光客の姿は無し。

観光客がいないと正しいバスに乗っているのか不安になる。

夜行バスとは違って所々で人の乗り降りがある。

私は夜行バスから日中バスの経由なので疲れもあって殆ど寝ていた。

ヤンゴンから4〜4.5時間という地球の歩き方情報だったが、10時20分過ぎにバスの乗務員に降りる準備をしろ的なことを言われる。

その頃の車内は満席で、真ん中の通路には風呂のプラスティック椅子みたいなのを並べて座っている人もいる。

バスがまだ走っている中でそれらの人々の間を縫って前の方へ行くので大変。

そして降りろと言われて降りると外は結構強めの雨。

ここがキンプン(チャイテイヨーまで行くための拠点)かと思ったら「チェンジバス」と言われる。

事前に見たネットの旅行記でもバスを乗り換えていたのでそのパターンか。

雨がだいぶ強くなり、慌ててウィンドブレーカーを準備。

乗り換えるバスはもはやバスではなく、小型トラックの荷台に席と屋根をつけた代物。

まぁ雨が凌げるだけ良いと思ったが、ここからが長かった。

10時30分くらいにバスからトラックに乗り換えたのだが全く動く気配がない。

エンジンもかかっておらず、運転席に誰も座っていない。

外では客の呼び込みをしていると思われる声が響く。

これは客が集まらないと発車しないパターンか。

トイレも行きたいのだが例によっていつ出発するか分からないし、どこにトイレがあるのか、ここがどこなのかも分からないし、外は雨。

それ以前にコレに乗っていてちゃんと目的地まで連れて行ってくれるのだろうか。

最初のバスはヤンゴンから発車したので英語も多少は通じただろうが、ローカルなコレに乗り換えたらどこまで話が通じるのか。

当たり前だが観光客なんて誰も乗っていない。

僧侶の格好をしたオジサンと現地人っぽいオバサンが数人。

雨季だと客が少なくて山頂までのバス(これもトラック)もかなり待たされることがあるという事前情報。

コッチはそもそもそのスタートラインにすら辿り着けていない。

雨季だとトラックが減便することもあるというから最悪山頂に辿り着けない事態も考えられる。

そうなったらキンプンの町で適当なホテルに飛び込むしかないか、いやその前に今の自分は現地通貨を持っていないんだった…

現地通貨が無くてもドル払いが出来るならそれで良いかとか色々なことを考える。

待ち時間は考えるくらいしかすることがないが、こうトラブったらこう対処しようといった考えなのであまり楽しくない。

全く出発しないトラックに対してかなりイライラ。

結局1時間ほど待たされた11時30分過ぎにようやく動き出した。

1時間って下手したら歩いていた方が早かったんじゃないか…と思ったが出発したトラックが意外にも長い距離を走ったので前言撤回。

そして待ったおかげか分からないが雨は殆ど上がってくれた。

所々で人の乗降があり、30分ほどして「キンプン」と言われた場所で降りる。

ようやくゴールデンロックへの玄関口に着いてくれたか。

トラックの荷台を降りるとすぐに話しかけてきた男。

なんらかの客引きだとは思うが今は客引きの相手の前に現金が必要だ。

銀行ATMの場所を聞くとすぐ近くにあった。

海外のしかも先進国とは言えない国の片田舎と思われる町のATMって不安しかないが背に腹は代えられぬ。

電話ボックスのように置かれていたATMだったが、画面が全く反応しない。

別の場所にもう1つあったので行ってみるが同じ状況。

後を付いてきていた客引きと思われる男に「動かない」と伝えると「停電だ」とのこと。

現地通貨が無いままで山頂まで行ってしまって良いものか。

山頂まで行けばホテルは事前に予約済みなのでお金が無くても泊まることは出来る。

幸いにして山頂までの交通費くらいは現金でも残っている。

待っていたら停電が復旧する見込みも無いので進むしかないだろう。

ここまで来たら行ける所まで行ってしまうことにする。

客引きと思われる男は帰りのバスを斡旋する人のようで、翌日のバスを予約していけと言う。

料金は8,000k(≒640円)と言うので来た時と同じ。

帰りの足を確保しておくのは安心だが、今の私には現地通貨が無い。

支払いは米ドルで良いかと聞くと8ドルだと言う。

8,000kが8ドルということは1,000k(≒80円)が1ドル(≒114円)の計算。

それはボッタクリすぎだろうと思ったが、現地通貨が無いから強く出られない。

とはいえこの先に進んだからといって現地通貨を手にできる保証は無い。

これも背に腹は代えられぬと8ドルでヤンゴンへ戻るバスの切符を購入。

とりあえず帰りの足を確保するのが第一。

続いて山頂行きのバス乗り場へ。

これもバスではなくトラックの荷台に椅子と屋根、というスタイル。

バスの変遷
次第に酷くなるバスの環境
左上・最先端夜行バス(バガン〜ヤンゴン)、右上・長距離普通バス(ヤンゴン〜)、左下・町間移動のトラックバス、右下・山頂へのトラックバス

私が行ったときには結構な人数が既に乗っていて、ここでようやく分かり易い西洋人観光客の姿がある。

バスの荷台は1列に6人が座り、それが8列程並ぶ。

山頂までの料金は2,000k(≒160円)で、まだ辛うじて残っている現地通貨で払える。

ヤンゴンまでのバスの切符は既に入手したので後は山頂から下りるための2,000k(≒160円)を残しておけばヤンゴンまで戻ることが出来る。

ヤンゴンに戻ったら両替屋があることは確認済みなのでどうにか最悪の事態は免れそうだ。

既にそれなりの客入りだったこともあり、先程のように1時間も待たされたような事態にはならず、山頂行きのバスは12時30分に出発。

意外に急勾配な山道を登るので結構怖い。

標高は1,000mを越えるらしいので雲が上にも下にも。

マチュピチュへの登山道を思い出したが、アッチはまともなバスだった。

コッチはバスではなく、トラックの荷台に椅子と屋根をつけて観光客を大量に載せて走る。

そんなトラックに揺られること約50分、山頂のバス停に到着。

名も分からぬ町で待ちぼうけを食わされた時は本当に辿り着けるのか不安だったが大丈夫だった。

現地通貨は殆ど無くなってしまったが、観光地でもある山頂ならば米ドルでもなんとかなるのではないかと思う。

山頂で1つの町を形成しているようで簡易な土産物屋や飲食店などもある。

バガンでもそうだったが、現地人は入場無料だが外国人だけチェックポイントがあってそこで入場料を払う。

入山料というか入場料は10,000k(≒800円)、これで残る現地通貨はあと僅か。

山頂がどういう状況か分からなかったのと、バガンから早朝に着いて山頂日帰りもきついだろうと思ってこの日は山頂泊の予定にしていた。

宿は山頂にあるいくつかのホテルの1つ。

山頂にしてはしっかりしたホテルだったが、前日までのホテルと比べたらだいぶ落ちる。

唯一良かったのが窓からの景色で山頂ならではの雲海が綺麗に見られる。

ただ下界でもそうだったが、全体的に停電しているらしく、部屋の電気が付かない。

下界から同じ状況ということはホテルの問題ではなくこの周囲全体の問題なのか。

まだ明るい時間だから良いがこのまま夜を迎えたらどうなるのか。

とりあえず荷物を置いて早速ゴールデンロックへ。

ホテルから歩いてすぐの所にあるチャイテーヨー・パヤーにゴールデンロックがある。

ここも寺院というか仏塔のため、裸足スタイル。

ゴールデンロックがある場所全体が公園のような感じになっているが、観光客はチラホラとしかいない。

西洋人観光客はもっと少ないし、日本人にいたっては誰もいなさそう。

勿体ぶることもなく普通に視界に入ってきたゴールデンロック。

ゴールデンロック
角度と確度

絶妙なバランスで立っているとされているが、角度によってそう見えるだけで実態は結構接地面がしっかりしていた。

言い伝えによると岩の上にある仏塔の中に仏陀の頭髪が納められていて、それがバランスを取っているのだとか。

岩が金色なのは金箔が貼られているからで、丁度現地人観光客が金箔を貼るために岩に近付いていた。

そのおかげで岩に触れられる距離まで接近できる柵が開いたので私も便乗して岩の近くまで行く。

ちなみにゴールデンロックに女性は触れられないし、ある一定の距離までしか近付けないとか。

こういう宗教的な場所だとそういうこともあるだろうな。

私は金箔を貼るわけでもなければ仏教徒というわけでもないと思うのでせめてもの礼儀として触るのは遠慮しておく。

↓巧く表示されなかったらココをクリック。

間近まで行くことも出来たし、色々な角度からゴールデンロックを見終えてしまうとこの日、というかこの場所でやることの殆ど全てが終了。

ゴールデンロックのある広場の反対側には民家風の建物も沢山ある。

やはりここだけで1つの町というか村を形成していそう。

遠くには仏塔も見えたから寺院などがあるのだろうが、そこまで歩いて行く気にもならなかった。

これってもしかしたら日帰り出来たんじゃないかと思ったが、帰りのバスの時間にヤキモキして観光どころじゃなかっただろうからこれはこれで良いか。

他に見るべきものといったら夕方や夜のライトアップ(…って電気つくのか?)や早朝のゴールデンロックくらいか。

山頂なので風が吹きさらしで涼しいというよりも肌寒い。

ウィンドブレーカーを着てきて良かったし、夜に停電のホテルにいることを考えると唯一持ってきた長袖シャツの出番もありそう。

山頂にもATMはあったがやはり動かない。

お金が無いと飯も食えない、夜行バスで出た軽食以外は水しか口にしていない。

米ドルで清算の交渉をするしかないだろうな。

部屋に戻っても電気が通じず、外は雨こそ降っていないが曇っているのでそこまで明るくない。

そんな状況でここまでの旅記を書いていたらプチンと音がして部屋の電気がついた。

ブレーカーが落ちるのと逆の状況、それにしても良かった。

この状態で夜を迎えたらどうなることかと思った。

ホテルのロビーではWi-Fiも繋がりそうなので行ってみる。

時間はかかったものの接続に完了、ようやく文明的な生活を送ることが出来そう。

しかしさっきまで停電していた山頂で電気が付くと同時にWi-Fiも繋がるって振れ幅が大きすぎる。

ようやくネットは繋がったが不安定で、その間にも断続的に停電して接続が途切れる。

まぁ山の上なので贅沢は言えない。

ホテルのロビーでWi-Fi接続待ちをしていると中華系の団体客がチェックインに押し寄せてきた。

10数人が来たので一気に騒々しくなった。

チョット鬱陶しく思えた反面、もしかしたらこのホテルに私1人だけなんじゃないかと思っていたので少しホッともした。

部屋に戻って地球の歩き方を眺めるも、この場所はゴールデンロックのことしか載っていないので、ミャンマーの年表などを眺める。

近年の旅では地球の歩き方以外の本や音楽プレイヤーなどの暇潰しを敢えて持っていかないようにしている。

その代償としてこういう時に限定された行動しかできないが、逆にそれが良いとも思っている。

こんな時じゃないとミャンマーの年表なんて見ようとも思わないだろうし。

夕方になってきたので晩飯がてら再びゴールデンロックを見に行こうと思った。

しかし外へ出ると小降りではあるが雨。

そして雨と同時に周囲が全体的に霧に包まれていて湿気が凄い。

ジメジメしているのに肌寒いという不思議な感じ。

視界も悪くて雨も降っている状況なのでゴールデンロックより先に晩飯を食べることにする。

食堂と呼んだ方が良さそうな半分外に面したような庶民的なレストランもあったが、行ったのはマウンテントップホテル。

山頂では最も高級なホテルらしく、当初はそこに泊まりたかったのだがホテル予約サイトでの取り扱いが無く、公式サイトしかヒットしない。

値段も100ドル(≒11,400円)近かったので断念した。

そんなホテルならレストランもあるだろうし、ドルも使えるだろうと思った。

ホテルの入口やフロントの応対からしてしっかりしたホテル感がある。

レストランOK?、ペイインドラーOK?と聞くと、いずれもOKと。

見るからに良いホテルだし、ドルだから多少割高だろうが構わない。

雨と標高のせいで外は肌寒いので室内のレストランで食事できるのも良い。

早い時間だからかレストランに先客はいない。

案内された席は窓側の良い席のはずだが、外は完全な霧で何も見えず。

この天気だとライトアップされているかもしれないゴールデンロックを見に行く気にもなれない。

そしてこの天気を考えると翌日は早めの下山準備をしておいた方が良いかも。

下山できず、ヤンゴンに辿り着けなかったら一大事だ。

渡されたメニューはそもそもがドル表記だった。

ここへ来ても最初に注文するのはミャンマービール。

2.5ドル(≒285円)って山頂高級ホテルのレストランにしてはそこまで高くない。

料理は値段とも相談して迷ったときはヌードルに逃げる。

ここまでの旅で分かったのはフライドライスとフライドヌードルは基本的に外れない。

そしてどちらも手頃な値段というのも良い。

フライドヌードルwithベジタブル&チキンが6ドル(≒684円)。

これも下界価格なら高いが、山頂高級ホテル価格と考えると大したことない。

ほぼ24時間ぶりの食事、最初の一口が最高。

ここまで断食しているとビールよりも飯の方が美味い。

飯を食っている最中でも停電が発生した。

つまりホテルに関係なく発生する事象と言うことか。

すぐに復旧したのでもしかしたら自家発電的な何かがあるのかもしれない。

外が肌寒いこともあり、ビールは1本だけにしておく。

料金は8.5ドルにGOV.TAXが5%とサービス料10%で9.78ドル(≒1,115円)。

ドル払いが出来るのならいくらであろうが問題無し。

現地通貨は殆ど持っていないが、ドルなら相当なお金持ちだ。

10ドル札でお釣りがくる値段がちょうど良い。

ちなみにお釣りは現地通貨で300k(≒24円)だった。

0.22ドルが約25円だからそこはきっちりしているようだ。

食事を終えて外へ出るとすっかり夜でしっかり雨。

夜のゴールデンロックは諦めてホテルに戻る。

幸いにして夜になって電力が安定したのか、停電はしないまま。

TVもチャンネルは少ないながらも普通に映ったのでとりあえずつけっぱなしにしておく。

そしてシャワーを浴びてしまうともうすることがない。

買うタイミングと現地通貨も無かったので部屋でビールを飲まない(飲めない)初めての夜。

時間は20時にもなっていないが、前夜は夜行バス泊だったし、この日も移動に次ぐ移動。

就寝体勢に入ったらアッという間に落ちた。

 

 

 

2018年8月2日 木曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

山頂のホテルだから肌寒いかもしれないと思ったが、空調がちゃんと効いていたようで暑くも寒くも寝苦しくも無かった。

TVをつけっ放しにしたまま眠っていたが、それに気付かないくらい熟睡していた。

朝になってもTVはついていたので夜は停電しなかったらしい。

7時頃に起床して外を見ると相変わらずの雨と霧。

朝のゴールデンロックを見ようかと思っていたが天気で諦める。

朝飯は8時前、だだっ広いレストランに客は私だけ。

前日に中華系の団体客がいたし、レストランへ行く際には複数の客室を掃除していた。

他にも客はいたはずだがもう出払っている模様。

山頂ホテルだから特に期待していなかったが、朝食は普通にビュッフェ形式。

この日はヤンゴンへ戻る移動日になるが、現地通貨が無いのでヤンゴンまで何も食べられない可能性が高い。

昼飯抜きも覚悟して出来るだけ食べておく。

飲み物はコーヒーだと利尿作用が云々と思って紅茶を飲もうと思って注いだらコーヒーと間違えたかと思うほど濃い色。

コレ、本当に紅茶だよなと飲んでみたら濃くて苦い。

しっかり砂糖を入れてちょうど良いくらい。

ミャンマーで紅茶は初めて飲んだが、ミャンマーの紅茶というのはこれが標準なのか。

朝食を終え、下山前にゴールデンロックをもう1度見ようかとも思ったが相変わらずの雨。

この雨の状況で傘を差して裸足になってまで改めて見ようという気にはならなかった。

結局前日の到着時しかゴールデンロックは見なかったことになる。

逆に考えると雨季の山頂で雨に降られずに見られた前日の到着時が幸運だったのかもしれない。

ホテルのチェックアウトは10時だったが、雨なので下山が滞るかもしれない。

早めに下山するに越したことは無いと9時過ぎにはチェックアウト。

雨の中をトラックで下山することになるだろうからそのための装備を整える。

Tシャツの上に長袖のTシャツとウィンドブレーカー。

バックパックには何年か前に買って今まで使う機会が無かったレインカバーも装着。

初日に不具合が判明した折り畳み傘だが、ホテルからバス停(というかトラックの発着場)までの間なら不便ながらも使える。

この天候でこの時間に下山する人がどれだけいるのか不安だったが、トラック発着場へ行くと既に半分以上が客で埋まっているトラックが停まっている。

端の席に行くと雨に濡れそうだったので敢えて中ほどの席に腰を落ち着ける。

9時過ぎに座ったが30分以上経って荷台が殆ど埋まったのに発車しない。

前日までの経験で待たされることは分かっていたし、この日は時間に余裕を持っていたので気分的にも大丈夫。

40分ほど待った頃、登ってきたと思われるトラックが来た。

さすがに朝の時間だからか荷台は満席とはいえず、客の中に西洋人観光客っぽい姿もなかった。

登ってきたトラックと入れ替わるようにして我々のトラックが出発。

恐らく山道ではすれ違えないから待っていたのだろう。

雨は弱くなっていたが山道は霧の中。

下りなのでブレーキをかけつつ山道特有のクネクネ道を走る。

ブレーキをかけるたびに怪しげな音がするし、山道はガードレールなど無い。

一歩間違えたら落ちるだろうし、落ちたら確実に放り出されそう。

ドライバーは練習とかするんだろうか、事故らないのが不思議なくらいだ。

必要以上に身体に力を入れて右に左に揺れる荷台で耐える。

私の旅史上でも高いレベルに入る過酷な移動だった。

ヒヤヒヤなドライブを終えてキンプンの町に戻ってきたのは10時20分。

さすがに下りの方が早く、30分ほどで降りてきた。

ヤンゴン行きのバスの時間は13時30分とのことだったのでだいぶ時間が余っている。

町をウロウロしようと思ったが雨が土砂降りとも呼べるほど強くなってきたので屋根とベンチもある山頂行きトラック発着所に避難。

こっちの雨は土砂降りでもそう長くは続かないはず。

ただ、これまでの雨と違うのはこの日は朝からずっと降っていること。

雨が強まったり弱まったりはあれど、雨が上がったことは1度も無い。

これは山の麓というこの辺りだからこそなのか、雨季のミャンマーとは本来こういうものなのか。

雨が少し弱まってきたと思ったので傘を差して歩き出すと前日にバスのチケットを売った兄ちゃんが「コッチだ」と声をかけてくる。

行きと同じバス会社、WINエキスプレスのカウンターまで案内してくれた。

カウンターといっても小汚い小屋が連なったような所。

これからチャイトーという町まで行き、そこからバスに乗るのだと言われる。

現在いる場所がチャイテーヨーの麓で、これから行く場所がチャイトーって分かりにくい。

そのチャイトーまではバイクタクシーでノーマネー(バス代に含まれている)とのこと。

弱まっているとはいえ相変わらずの雨の中をバイクタクシー?

でも問答無用みたいな感じでバイクドライバーが準備してヘルメットも渡してくれる。

これはもう乗るしかない。

今回の旅はなんだかバイクと縁があるようだ。

恐らくは前日バスを降ろされた所へ向かうのだろう、雨の中を原チャリではなくバイクの2人乗り。

先程のトラック同様にこちらもスリリング。

風の影響で雨はあまり感じず、濡れたそばからすぐに乾きそうな勢い。

バックパックはレインカバーで、ショルダーバックはウィンドブレーカーで保護。

20分ほど走って予想通り前日降ろされた場所に到着。

バイクで直行して20分だから結構な距離があったんだな。

降ろされたのはこの町のWINエキスプレスのカウンター前。

買ったチケットを見せてチェックイン的なモノを済ませる。

バスが来たら呼ぶから中で待つように、と指定されたのは小さな商店みたいな感じの待合室。

雨風凌げて机と椅子があるだけでマシだろう。

何人か大荷物を持った現地人と見られる人はいるが、明らかに観光客然とした人はいない。

時刻は11時30分すぎ、定刻通りにバスが来たとしても2時間は待たないといけない。

ただ前日にも散々待たされたのである程度の覚悟はしていた。

待ち時間で濡れた衣服が乾いてくれたら良いし、雨がましになったらこの町を歩く時間もありそうだ。

どこかで昼飯も食おうと思ったが金が無いんだった。

雨は強くなっては弱くなってを繰り返し、止む気配がない。

結果、町歩きも出来ずに待合室で地球の歩き方を眺めるくらいしかする事がない。

前日にもそこそこ読んでいた地球の歩き方、行かない町の観光案内まで読む始末。

その中でもカックー遺跡は今回のルートに組み入れたかったが、スケジュールを考えて断念した場所。

いつか行く機会が…あるかな。

地球の歩き方をあらかた眺め終わるとすることが無くなる。

スマホやタブレットPCでここまでの旅メモや写真なんかを眺めて時間潰しも出来る。

だがまだヤンゴンに着いていない状態でこの先がどうなるか分からない。

ここで電池を消耗させるのは得策ではない。

旅に余計な暇潰しは持ち込まず、その時その場所で感じたなどを大事にしたいのが私の旅のポリシーとはいえ、さすがに飽きてくる。

通りを眺めても相変わらずの雨、見える景色に変化も無い。

13時30分が近づくとそろそろかなとこちらも準備をし、バスが停まってこれか?と思うと「違う」と言われる。

バス会社の待合所なのでバス待ちの人はそれなりにいるが、いずれも現地人に見える。

彼らはバスに向かっていくのだが、どれもヤンゴン行きではない模様。

そんな中で驚いたのは待っている間に向かいの椅子に座った人。

軍人か警察のような制服を着ている。

特に気にしていなかったが数分後に同じ制服を着た人が登場。

なにやら医薬品っぽい液体の入った瓶を取り出し、それに管を注入、管の先端には針。

え?何事??

すると液体の入った瓶を壁に吊るし、簡易点滴みたいにして私の前に座っている軍人か警察風の人の腕に針を刺した。

まさかこんな所で点滴?…って何があったんだ??

バス会社の係員みたいな人も点滴を手伝っていたので何か非常事態が発生したのかもしれない。

点滴されている人を見る限り特に辛そうには見えなかったが、何が起きているのか分からないから傍から見ているコッチは不安。

点滴に使っている薬の名前がアルファベット表記だったのでメモしておく。

万が一これが伝染病か何かで私の身に何かあったときの参考になるかもしれない。

「ciproflox」

帰国してググってみたらシプロフロキサシン(ciprofloxacin)というのがヒットした。

ウィキペディアの説明を読むとニューキノロン系の抗生物質のひとつ…と言われても分からん。

ただ変な伝染病みたいなモノに使うわけでは無さそうだったのでまぁ大丈夫だろう。

帰国してからも何ともなかったし。

結局その人は点滴をしたままバスに乗っていったが大丈夫だったのだろうか。

そんなアクシデントがありつつ14時を過ぎてもバスは来ず。

発車予定時刻から1時間経過した14時30分、私が往路で乗せられたような荷台トラックから西洋人旅行者2人が降りてきて待合所に入ってきた。

ようやくココで初めてちゃんとした旅行者らしい人に出会えた。

ひとまずは安心、なのか?

でもさすがに1時間以上待ってもバスが来ないとイライラしてくる。

今回は行き先がヤンゴンだし、前日みたいにどこに連れて行かれるか分からず、その先のアクセスも分からないような状態ではないからまだましか。

いくらなんでも15時には来るだろうと思ったらそれでも来ない。

13時30分からはいつバスが来ても良いように準備し、バスが来る度に「これか?」「違う」の繰り返し。

バスはそれなりに通るし、この待合所から乗り降りもあるのだがヤンゴン行きが来ない。

ヤンゴンってミャンマー最大の都市だよな…

ちなみにミャンマーの首都はヤンゴンではなくネーピードーという街。

以前はヤンゴンが首都だったが、2006年に首都機能を移転させたらしい。

それでもミャンマーの最大都市はヤンゴンだし、もっとバスがあっても良いと思うのだが。

前日にバスのチケットを買った時にヤンゴン行きのバスは9時、13時30分、16時の3便と言われていた。

雨季はバスも減便されるといった情報もあったので今回もそうなんだろうか。

いつ来るか分からないから下手に動けず、動こうにも外は結構な雨なのでひたすら道路を眺めて雨が強くなったり弱くなったりを見ているだけ。

たまに土砂降りになることもあり、このタイミングでは来てほしくないなーと思ったり、1時間以上も経つとこのタイミングでも良いから早く来いよと思ったり。

なんだか日本の荒天時に駅で「もう何時間も待っています」みたいなインタビューに答えている人になった気分。

でも今の私の方が情報も無いし収集しようもないから状況は酷いと思う。

このまま永遠にバスが来なかったらどうなるんだと思っていた15時20分頃、ようやく「ヤンゴン」と声がかかった。

到着したバスに雨の中を慌てて乗り込む、予想通り西洋人旅行者も一緒だった。

ようやく来てくれてホッと一息。

13時30分発の予定が15時20分。

前日聞かされたバスの時間は9時、13時30分、16時だったのでむしろこれは16時発のバスが早く来たと思った方が良さそう。

逆に16時発のバスにしていたら何時に来ていたことやら。

満席に見える車内、前日と同じ指定席だったのでチケットに記載された席に座る。

すると乗務員の兄ちゃんから前の席に移動しろと言われる。

前の席は1人が既に座っており、私の席の横は誰も座っていない。

ココが良いんだが…と思ったがどうやら2人組を並べて私の所に座らせるための配慮のようだ。

どうせ満席っぽかったので言われた通り前の席に移る。

通路側に現地人っぽいのが座っていたが、窓側をどうぞといった仕草をする。

個人的にも窓側が良かったので歓迎。

しかし走り出して数分で異変に気付く。

窓の上の方から水滴が垂れてくる。

雨が降っている屋根と窓の隙間なのか、エアコンの送風口なのかは分からないが定期的に水滴が落ちてくる。

車内はエアコンが効いて寒いかなと思ってウィンドブレーカーを着てはいたものの、それでも冷たさが伝わるし、何よりいつ降ってくるか分からないから不快。

満席なので席の移動も出来ないし、この状態で元の席に戻せとは言い辛い。

傲慢なことを言わせてもらえば外国人料金を取られているはずの私は現地人の乗客よりも高い金を払わされているのに納得がいかない。

とはいえそれを伝える術がない。

日本だったら絶対に文句言っている状況だが、そもそも日本ならこんなバスは走らせないか。

ちなみにそのバスは日本の中古バスを利用しているようで、座席表示の数字の所には「窓側」「内側」の表示、外には「一般貸切」と表示がされていた。

乗る前はバスが来ずにイライラさせられたが、乗った後もこんな形でイライラさせられるとは。

いずれも不可抗力というか誰が悪いわけでもないからどうしようもない。

幸い少しすると反対側の通路席が空いた。

そっちに移って良いか確認して席移動。

その後に乗ってきた現地人風のオバチャンが私の元いた席に座ったときには若干申し訳ない気がした。

でもそのオバチャンは特に何も言わず座っていたからこうしたことは日常茶飯事なのかもしれない。

前夜から今朝にかけてしっかり眠ったからか車内でもあまり眠くならず、ひたすら早く着くことだけを思う。

17時40分頃、バスが停まり周囲の客が降り支度を始める。

定期的に確認していたスマホ地図を見る限りヤンゴンのバスターミナルまではまだ距離がある。

まさかココで乗り換えか?

隣の客が「皆降りるんだ」みたいなことを言うので荷物を持って降りる…とそこはサービスエリアのようだった。

どうやら往路には無かったサービスエリア休憩らしい。

バックパックは持って出る必要がなかったことに気付いたが、バスのドアは閉ざされていた。

これも事前にネットで旅行記などを見ていて知ったのだが、乗客を全員出してドアを閉じてしまうことで盗難防止も兼ねているんだとか。

休憩とかイイから早く行ってほしかったが仕方ない。

トイレはアッチだみたいに案内されたのでついでに行っておく。

こっちのサービスエリアのトイレってどんなものかと思ったが、便器はなくてただ溝があり、その前の壁に向かってするスタイル。

まぁ貴重な立ちションの経験は出来た。

食堂も兼ねているような場所なので多くの人が何かしら飲み食いしている。

ということは少なくとも全員が食べ終わるまでは出発もないということか。

私もさすがにこの時間になるとお腹が空いていたが貴重な一食をこんな所で費やしたくはない。

もっとも食事するお金も持っていないが。

外の雨はまた強くなっているよう、ヤンゴンに着くまでに落ち着いてくれたら良いのだが。

休憩時間は約30分、つまり30分のロス。

もう後はバスターミナルまで直行してくれよと思ったら少し走った後で今度はガソリンスタンドに入って給油。

出発前に済ませておけよ!と思ったけれど、このバスがどの程度の距離を走ってきたのか分からないから文句ばかりも言えないか。

それでもまたタイムロス。

これでバスターミナルに着いたら今度はタクシーを捕まえて街までの料金交渉も考えると気が滅入る。

都心に近付いたから道も混んでくる。

時間もどんどん過ぎていき、出発から4時間強の19時30分にようやくヤンゴンのバスターミナルに到着。

長かった…が、終わりじゃない。

幸いにして小降りになっていた雨、バスを降りるとすぐに声をかけてきたタクシードライバー。

ダウンタウンまでいくらか聞くと12,000k(≒960円)とのこと。

7ドルあたりから攻めてみようかと思ったが、色々面倒になり現地通貨が無いから10ドル(≒1,140円)で良いか聞くと即答でOKという。

そりゃレートでいったら向こうの言い値の12,000kより高いしな。

なんにせよすぐにタクシーが見つかったのは良かった。

後部座席には既に現地人っぽい2人が乗っている。

どうやら同乗者を探していたらしい。

19時30分過ぎにタクシーは出発するもヤンゴンの渋滞にはまる。

まぁゴールは見えたのでもうそこまで焦りはない。

後はこの日の晩飯の心配だが、地球の歩き方によると到着初日に飯を食ったカードも使えるレストランが22時30分まで営業していることが分かった。

同じ店へは出来るだけ行きたくないが、いざとなったら両替をしなくても晩飯はそこで食べられる。

ようやく心にゆとりができた。

そうこうしていうるちにタクシーは同乗者を降ろす。

同乗者は別のタクシーと思われる車に乗り換えたようだ。

ドライバーによると彼らは方向が違うから別の車に乗せた、とのこと。

同乗ってアチコチ回って降ろして行くものだと思ったが、私みたいな上客の外国人を捕まえたから現地人は用済みって発想だろうか。

なんにせよ直接ホテルに向かってもらえるのはありがたい。

しばし渋滞にはまりつつ、ダウンタウンまでは1時間ほど。

最後の1泊なので恒例の高級ホテル、スーレー・シャングリラに到着。

高級ホテルにタクシー横付けで入る。

ホテルの入口で金属探知機による荷物チェックがあるあたり本格的。

初日に泊まったホテルの隣なのだが格が違う。

入るとボーイが荷物を持ってくれてフロントへ。

バウチャーとパスポートでチェックインの手続き。

その際に、明日は何時にホテルを出るのか聞かれる。

飛行機が午前1時発なので22時頃かなと答える。

すると、「遅い時間のようなので普段は12時なのですが、特別にチェックアウトを14時までにします」とのこと。

え?14時まで?

昼過ぎまで観光して戻ってシャワー浴びる時間もある計算。

高級ホテルで何も要求していないのにそんなサービスをしてくれるとは素晴らしい。

この日のバスターミナルに到着するまでのモヤモヤイライラの気持ちが一気に吹き飛んだ。

ホテルの部屋は12階、バスタブもあって文句のつけようがない。

さらに高級ホテルにありがちなWi-Fiは別料金というのも無い模様。

部屋に落ち着いたら次は飯。

初日に行った店が大丈夫なのは分かっていたが、出来るなら違う店が良い。

地球の歩き方によるとホテルに隣接するスーレー・スクエアというショッピングモールに麺類が豊富なシャン族の伝統的な料理を出す店がある。

ホテルからスーレー・スクエアは直結しているので建物の外へ出ずに行ける。

行ってみた店は既に片付けや掃除をしているようだが客は入っていて店頭にメニューも出ている。

店に入り、何時までか聞くと21時という。

時刻はちょうど21時になるところ、「もうフィニッシュか?」と聞くと嫌な顔もせず「大丈夫だ」と言う。

クレジットカードも使えることを確認して席に通してもらう。

「フェイマスヌードルメニュー」と尋ねると教えてくれたのがシャンカオスエ。

値段も手頃だったのでそれを注文。

あとは勿論ミャンマービール。

生ビールを飲んでようやく心の底から落ち着けた。

朝の悪天候、永遠に待つかと思われたバス、快適とは言えないバスの車内、嫌がらせかと思わせるほどの休憩や渋滞。

かなり悪い状況だったが、バスを降りた直後にタクシーがすぐに捕まえられたあたりから事態が好転した気がする。

殆ど身体を動かすことはしなかった1日だったが、旅のレベルは上がった気がする。

シャンカオスエはピリ辛で麺はソウメンっぽくて美味しい。

なによりもエアコンとビールで冷えてきた身体に温かいスープと麺がよく合う。

前日のマウンテントップの食事より美味しかったのは精神的な落ち着き故だろう。

何の実りもなかった1日を綺麗に巧く締めくくることが出来そう。

料金はシャンカオスエ3,600k(≒288円)でビールが2,000k(≒160円)を2杯。

サービス料10%と税金5%も取られる店だったので計8,740k(≒699円)だが、それでも思っていたより安い。

満足してレストランを出て外へ。

雨も上がっていたのであとは部屋で飲む缶ビールを入手したい。

コンビニでビールを買うくらいの現地通貨なら余っているはず。

ホテルの裏の通りにコンビニがあったのは初日に確認済み。

日本系のコンビニらしく「平和(な)コンビニ」と入口に書いてあった。

幸いまだ開いていて(営業時間は24時までとのこと)、ビールは色々あったが最終日なのでミャンマービールの中でもプレミアムと記載されたプレミアムミャンマービールを購入。

値段は1,400k(≒112円)、辛うじてあった。

ちなみに先程行ったスーレー・スクエアの中に22時まで開いているスーパーがあり、そのスーパーで買った方が安かったと知るのは翌日。

これで残金が2,000k(≒160円)を切ったが、翌日になったら最後の両替をするので問題なし。

ATMを使ってキャッシングでも良いのだが、手数料がそれなりに取られるという情報だったので現金両替が賢明だろう。

ホテルに戻りバーの存在を確認。

何時まで営業しているか聞くと24時30分がラストオーダーだとか。

カードが使えることを確認してから入ると23時過ぎの店内はガラガラ。

メニューはドル表記、やっぱりこういう場所ではカクテルだろう。

安いのは6ドル(≒684円)からあったので意外にリーズナブル。

こういう店に来ると飲みたくなるのがマティーニ。

まずはドライマティーニ7ドル(≒798円)を注文。

クラシックマティーニという名目だったがオリーブがカットされて添えられていたのがやや不満。

最後にマティーニ漬けのオリーブを食べるのが好きなのだが…

バー
中途半端マティーニ

マティーニってカッコつけて飲むものだけど、個人的にはカッコつけ要素ならギムレットの方が好み。

そのギムレットはメニューに無かったので店員に聞いてみたら伝わらなかった。

私の英語が良くなかったのか、しかしそもそもジンライムもメニューに無かったから本当にギムレットが分からなかったのか。

マティーニのオリーブといい、ギムレットといい、意外に安い値段といい、この辺りが高級ホテルのバーとはいえ発展途上国かな(…偉そう)。

ジントニックも無かったので2杯目は似ているであろうジンフィズ6ドル(≒684円)。

こちらは飲み易くてそれなりの味。

ピーナッツが付いてくるのでつまみを注文する必要もない。

店内の大型スクリーンでは録画ながらサッカーが流れていたので見るともなく眺めたり、Wi-Fiが繋がるので翌日の行動用に周辺の地図を眺めたり。

3杯目は迷った末にやめておく、部屋には缶ビールもあるし。

会計は13ドル(≒1,482円)、サービス料も税金もインクルードとのことでかなり良心的。

翌日の夜も最後はココで良さそうだ。

部屋に戻って浴槽に湯を張って入浴。

前夜は貧相なシャワーしか浴びられなかったのでしっかりと入浴。

予想していたとはいえ前日のホテルからの変化が凄い。

そして高級ホテルのバーで飲んだとしても最後は風呂上りに缶ビール。

落ち着くと時間はもう2時近く。

ホテル到着を境にそれまでと状況が一変した1日だった。

 

 

 

2018年8月3日 金曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

高級ホテルのベッドのおかげか、ただの疲れの蓄積か、恐らくはその両方で充分に眠って起きると窓の外が明るい。

見ると日差しがある、ミャンマー最終日にしてバガン以外で初めてまともに見る太陽。

雲は多いので油断できないながら、前夜のバスターミナルから全ての事態が好転していると考える。

起きるとトイレで大が恒例だが、最後の朝も同じように少し緩め。

これ自体はどこの旅先でも同じことなので想定の範囲内。

ただ朝のトイレでこのホテル唯一かもしれない欠点を発見してしまった。

ここまでの全てのホテルにあった手動ウォシュレット(トイレに付いている尻を洗うシャワーのようなもの)が無い。

少し緩めの大に対してはトイレットペーパーよりもそちらの方が都合良かったのだが残念。

こればかりは西洋化されすぎている影響だろう。

そんなトイレを済ませて朝食は8時すぎ。

高級ホテルの楽しみの半分くらいは朝食と言っても良いかもしれない。

普通のビュッフェメニューは勿論、カレーや麺類が複数種類、フルーツやデザートも豊富にあってとても全てに手を出せないレベル。

量は少な目、種類を多めにして一通り食べる。

発展途上国では高級ホテルの朝ビュッフェが全ての食事に勝るかもしれない。

それだけで3食済ませてしまいたいくらい。

フルーツと甘いケーキまでいただいて約1時間の優雅な朝食、これは昼飯いらんな。

部屋に戻り、いつもならダラダラとチェックアウトまで時間を過ごすパターン。

ただ今回はホテル側の好意で14時までのレイトチェックアウトを認めてもらっている。

さらに雨季にしては珍しいであろう外の天気が良い。

天気が持ってくれそうな午前中にヤンゴン最大の観光地であり、敢えて最終日に取っておいたシュエダゴォン・パヤーに行っておきたい。

そうと決めると早速ホテルを出て街歩きに出発。

ホテルを出る前にコンシェルジュにこの日は雨が降るかどうかを聞いてみる。

さすがに苦笑いされ「この季節だと雨はいつ降るか分からない」と言われる。

それならば傘を借りられるかと聞くとホテルの傘を借りることが出来た。

普通に考えたら傘のレンタルなんて雨季がある国のホテルのサービスとしては当たり前なのかもしれない。

初日も無理して壊れかけた折り畳み傘を使わずにこうすれば良かったのか。

また1つ当たり前かもしれない旅のテクニックを覚えて出発。

目的地のシュエダゴォン・パヤーに行く前に両替をしないといけない。

最初の両替で何となく分かったのはどこの両替所でも大差がないということ。

そんなわけで初回の両替で最も良いレートだったホテル近くの所へ行くと初回よりもレートが良くなっていた。

50ドルで1ドル1,445k、100ドルなら1,448kだった。

残るはこの日だけの観光と飲食と土産を買うくらいだったが、前日までのお金が無くて苦い経験もあったので余裕を持って50ドルを両替。

これでもうお金に困ることはあるまい。

シュエダゴォン・パヤーまでは歩いても2km程度とのことだったので私の旅では徒歩圏内。

しかし歩くまでに蒸し暑くて結構疲れた。

一昨日は山の上にいたし、前日は雨で殆ど行動しなかったので忘れかけていたがやはり暑い。

陽射しも強くて暑さが倍増、これは傘を借りる必要なかったか。

20分ほど歩いて辿り着いたシュエダゴォン・パヤー。

バガンやゴールデンロックと同じく裸足で敷地内に入る。

入場料は10,000k(≒800円)、現地人は無料だから格差が凄い。

シュエダゴォン・パヤー
この旅最後のそれっぽい場所

ヤンゴン最大の観光地にしてミャンマー仏教の聖地みたいな所なので、中はこれまでの仏塔や仏像のダイジェストという感じで数とスケールが凄い。

中央にドーンと金の仏塔が建ち、その周囲に小振りの仏塔が沢山。

東西南北それぞれの場所には沢山の仏像が祀られた祠がある、

周辺にも大小さまざまな建物があり、それぞれに仏像がいたり、鐘があったりと見所が尽きない。

時間も12時近くなったのでかなり暑い。

この国で最後の観光地らしい場所だと思ったので時間をかけて何周かする。

地球の歩き方の見所を全部制覇し、さらにこちらの仏教の風習である八曜日に倣うと私は月曜日の星の元に生まれているらしい。

八曜日毎にお祈りスポットが設けられており、月曜日の場所でお参りしておく。

なんとなくそれっぽいことをした印象。

↓巧く表示されなかったらココをクリック。

途中で休憩を挟みつつだが1時間半くらいいた。

充分堪能したと言えるだろう。

この日もう1つ行きたかった場所が日本国大使館。

地図を見ると近くにあったので先日の大使館巡りの番外編として行こうと思った。

ところがシュエダゴォン・パヤーの出口で西と東を間違える失態。

真逆の方向を暑い中歩いていく気にならず、声をかけてきたタクシー運転手に日本大使館を経由してホテルまでいくらかを聞く。

ところが「大使館を経由して」という点が英語で巧く伝わらない。

「タクシーだと大使館に入れない」みたいなことを言われる。

入る必要は無い、大使館の前で停まって少し待ってくれるだけで良い、写真を撮るだけだという説明を何度か繰り返してようやく通じた。

最初の言い値は7,000k(≒560円)だったがさすがに高い、5,000k(≒400円)でどうか提示すると色々ありつつも結局OK。

50ドル両替したから懐にはだいぶ余裕がある。

それでも言い値では乗りたくない変な意地。

車だとすぐに到着する日本国大使館はそう言われないと分からないくらい平凡な建物。

日本国大使館
大使館ツアー番外編

国旗も出ていなかったし、なんだか拍子抜け。

塀が高いのと案内板みたいな所に東京五輪のポスターが掲示されていたことくらいしかそれっぽさを感じられなかった。

日本国大使館
唯一の日本らしさ

車を停めてもらって写真撮っただけで後はホテルに戻る。

13時過ぎにホテルに戻り、チェックアウトまで1時間。

残った時間でシャワーを浴びておき、最後に残金整理。

ホテルから空港までのタクシー代は15,000k(≒1,200円)あれば充分だろう。

それを別枠で取っておき、残りは最後の飲食と土産代だが充分に耐えられるだろう。

帰り支度を済ませ、14時前にチェックアウト。

レイトチェックアウトをフルに活用できた。

バックパックを預け、傘は念のために借りたままにして行動開始。

まずはお土産の購入を先に済ませてしまう。

ホテルに隣接するスーレー・スクエア内にあるスーパーへ。

ココで「プライド・オブ・ミャンマー」と書かれた個包装された飴のようなものを見つける。

原材料っぽい表示を見るとチリパウダーやカレーと書いてあって何やら妖しげ。

沢山入った1パックで1,000k(≒80円)しないし、ネタとしてはこれで良いだろう。

マジメなお土産も買いたかったが、他にはどれがミャンマー産なのかイマイチ分からない。

そこで初日にも行ったボーヂョー・アウンサン・マーケットに行ってみる。

地球の歩き方によるとお土産用に日本人が開発したクッキーというのがあるらしい。

外へ出ると午前中の天気が嘘のように雨が降っている。

逆に考えると午前中に観光を済ませて良かったということ、そして傘を借りたままにしておいて正解だった。

ボーヂョー・アウンサン・マーケットへ行くと初日もそうだったが、日本語を話す輩が寄ってくる。

「お菓子を探している」と言うと「クッキーの店、アッチ」と案内してくれる。

この男も初日に話しかけてきた輩と同じく日本に留学したことがあって高田馬場がどうこう、と言う。

本当にどいつもこいつも高田馬場だな。

そしてこの男も「郷に入っては郷に従え」と言ってきた。

初日に客引きの子供が発したのと同じ。

客引きとはいえ現地の子供がそんな諺を知っていたことに驚いて損した。

要は日本人に話しかけたら言うキーワードの1つみたいなものなんだろう。

クッキーは味見させてもらったが、無難な味ながら18枚入りで8,000k(≒640円)とこちらの価格にしては高い。

日本人が土産用に開発したというだけあってきっちり個包装されて綺麗な箱に入っている。

店頭には正確な日本語での案内文が貼られていたし、値札もちゃんと書いてあったので恐らく正式な値段なのだろう。

他に何もなかったらコレで良いかなと思ったがしばし保留。

するとココまで案内してくれた男が「コッチにもお菓子ある」と連れて行ってくれた店。

個包装されたピーナッツ菓子みたいなのを味見させてくれる。

メイドインミャンマーか聞くとそうだと言う。

値段を聞くと30個入って5,000k(≒400円)とのこと。

他にも似たような種類のお菓子があり、いずれもミャンマー産で5〜6,000kだという。

先程のクッキーより安いし量も多い、個包装もされているし買うならコッチだな。

ただそのお菓子はスーパーにも売っていそうな雰囲気、要は安っぽい。

すぐ近くにあるのは初日にも行ったジャンクションタウンという近代的にショッピングモール。

その中にはスーパーも入っていたのを覚えている。

念のためにそこも見てみることにする。

後でまた来るよと言ってその場を離れる。

すぐ近くのジャンクションタウンにあるスーパーへ。

入っているスーパーはホテルに隣接したスーレー・スクエアと同じ店だった。

恐らくは現地のチョット高級系のスーパーなのではないかと思う。

店内を探すと「プライド・オブ・ミャンマー」と銘打たれたコーナーがある。

そしてその中には予想通り市場で売られていたのと全く同じ商品があった。

しかも料金はいずれも1袋が1,000k(≒80円)前後。

オイオイオイ、市場の奴めぼったくりにも程があるだろう。

スーパーで買ったら1,000k前後のモノを5,000k以上と言って売ろうとするとは。

地球の歩き方によると市場で話しかけてくる輩は店員ではなく、口頭で言った値段の差額分をマージンとして受け取ることを生業としているんだとか。

市場の男に対する憤りが半分と、騙されなかったぞという達成感も半分。

もう1回市場に行って何か言ってやろうかとも思ったが、そこまでするのも大人気無いか。

しかし5倍近い値段を吹っかけても買う人がいるからそういうことをするんだろう。

しかも日本語で話しかけてきたということは鴨になるのは日本人…まぁ仕方ないか。

先程の市場で味見もさせてもらって普通だったのでコレで良いだろうと思ったが、この店はホテルと隣接したスーパーと同系列。

恐らくそっちにも同じ品物があるのではないかと推測。

買い物した荷物を持って雨の中を歩きたくなかったのでそっちへ行ってみる。

すると予想通りあった、先程来た時も当然あったはずだが目に入っていなかったのだろう。

探すものが分かっていると見つけられる。

先程目星をつけた妖しげな飴とそれらのお菓子を購入。

職場に大量にばらまけるように片っ端からアレコレ買ったが全部で4,800k(≒384円)。

大量に買ってもボッタクリ価格1つにすら満たない。

良い買い物が出来たと思う。

一旦ホテルに戻り、預けていた荷物と一緒にしてもらう。

ついでにホテルのロビーで休憩。

ロビーには10人ほどの団体日本人客がいて、久々にちゃんとした日本語を聞いた。

外へ出ると雨はほぼ止んでいる。

次に目指したのはホテルの近くにあるヤンゴン中央駅。

旅程の検討時にヤンゴンから列車でバガンへ行くことも考えたが、バスの方が遥に快適という情報と予約のし易さを考えてバスにした。

歩いて5分程でヤンゴン中央駅に到着。

それなりに立派な駅ではあるが、最大都市の中央駅にしては物足りない。

どことなくスリランカのコロンボ駅を彷彿とさせる。

改札や券売口なんかも覗いてみたが、ここで切符を自力で買うのは大変そうに思えた。

その後はヤンゴン中央駅からヤンゴン川方面へ向けて南下。

川沿いにはナイトマーケットやイギリス植民地時代に建てられた重厚な建物が並んでいるという。

その一画に地球の歩き方を見て良さそうだったグリル&バーを謳っている店がある。

16時30分からハッピーアワーと書いてあり、時間はちょうど16時30分。

そして大量の朝飯と市場でのお菓子つまみ食いがちょうど切れてきてお腹も空いてきた。

店内はミャンマーとは思えない西洋風バーレストランな内装。

客は数組いたが、パッと見て明らかな現地人はいない。

メニューもミャンマープレミアム生ビールが1pintで3,850k(≒308円)とそれなりにする。

レギュラーメニューはいずれも高かったのと、アジア感が全く無い気がした。

最後も麺で締めるかと頼んだのはカオソーイと記載があった麺料理14,000k(≒1,120円)。

カオソーイと言えばタイ風担々麺みたいなのを連想する。

そのカオソーイはスープの上に揚げ麺がタワーのように載っていて見た目にもインスタ映えな1品。

そのパリパリの麺の下にはピリ辛でカレー風味のスープとチキン、そして茹でた麺も。

チキンカレーヌードル揚げ麺付きといった感じだが、屋台や食堂で食べるような大味な感じではなくて美味しい。

さすがに高いだけのことはある最後の晩餐。

カオソーイ
本場はタイらしい

ビール2杯とカオソーイ、こうした店なら当然のごとくサービス料と税が入って25,000k(≒2,000円)。

ミャンマーで最も高い食事になったが、最後の晩餐だしお金も充分にあるので問題無し。

食事を終えて1人2次会は初日の夜にも行ったサクラタワー屋上のバーがまだハッピーアワーの時間帯。

ヤンゴン川を眺め、川沿いの屋台街を歩き、スーレー・パヤー脇の公園からサクラタワーへ。

公園を歩いていると例によって日本語で話しかけてくる輩が登場。

彼らの手口は大体分かった。

どこから来たか、名前は、ミャンマーは初めてか、何日目か、明日はどこへ行く…みたいな感じ。

もう今夜にはヤンゴンを離れるのでいくらでも相手をしてあげられる。

「1週間ミャンマーにいて今夜帰る」と言うと向こうから自然と離れていく。

要は鴨になりようがないからだろう。

こういう機微が身に付くのも決まって旅の終盤なんだよな。

初日以来のサクラタワーのバー。

19時までがハッピーアワーで入場料とワンドリンクで5,000k(≒400円)。

ビールは既に飲んでいたのと初日の反省からドリンクはちゃんと高いカクテルを注文。

私の旅の思い出カクテルの1つ、シンガポールスリング。

前夜のホテルのバーではシンガポールスリングは10ドルを超えていたのだがここではドライマティーニと同じ値段で8,000k(≒640円)。

カクテルの価格設定は分からんな。

まだ陽が落ちる前の屋上、初日は雨で見られなかった景色が見られる。

しかし夜景を眺めつつ写真を撮っていたらそこそこ強い雨が降り出す。

街を歩いている時は大丈夫だったのに、このバーの屋上とは相性悪いのか?

屋上なので風も強く、外が雨だとだいぶ涼しく感じる。

屋根のある場所に避難してゆっくり飲む。

暗くなってきたら雨も上がり、先程通ったスーレー・パヤーや午前中に行ったシュエダゴォン・パヤーがライトアップされて見える。

シュエダゴォン・パヤー
最後の夜景

店内の客も増えてきて初日よりも賑わっている一方、初日にはあった生演奏はなくなっていたのは曜日の問題か。

折角のハッピーアワーなのでもう1杯注文。

シンガポールスリングが1杯目なら次も旅の思い出カクテル、ロングアイランドアイスティー。

18時55分頃に頼んだら通常価格の7,000k(≒560円)と言われたので「ノットハッピアワー?」と聞いたら「Oh yes」と。

単純に間違えただけかあわよくばと思ったか。

日本でハッピーアワー直前にラストオーダーを聞きに来るサービスの良さを思い知った。

バーのWi-Fiでネットに繋いでこれまでのツイートを振り返る。

すると今まで気付かなかったが、全く知らない人からTwitterでメッセージが来ていた。

「3日後にミャンマー観光に行く予定なのですが、数日前の洪水の影響はないですか?」みたいなメッセージ。

洪水の影響も何も洪水なんてあったのか…?

「洪水があったことすら知らず、特に問題無いです」といったメッセージを返しておいた。

まさかフォロワー以外の誰かが私のツイートを見てメッセージを送ってくるとは思わなかった。

結局それ以降の返信は無かったが、その人は無事に旅を遂行できたのだろうか。

カクテル2杯を飲み終え、ハッピーアワーの時間も終わったのでそろそろ退散。

バーを出る前に屋上を1周。

屋上には当然柵があるものの、私の胸の高さくらいしか無い。

その気になったら余裕でアッチ側に行けてしまうレベル。

バーだし酔っ払った誰かしらが何かしらをやらかしてもおかしくない雰囲気。

だからなのか分からないが、「SECURITY」と書いたジャンパーを着た人が数人いた。

屋上バーを出て下界に降りる。

20時過ぎなのでまだ時間はある。

最後の最後にスーレー・パヤーまで酔い醒ましの散歩をしてホテルに戻ることにする。

公園はこの時間だと門が閉まっていたが、スーレー・パヤーは開いているようだった。

とはいえここまで来て裸足で上がる気にもならない。

そこよりも御利益がありそうな場所に午前中行ったし。

ホテルに戻って後は荷物を受け取ってタクシーで空港へ向かうだけ。

まだ時間はあったので最後はホテルのバーで3次会。

前夜よりも早い時間だからか、客もそこそこいたしステージでは女性ヴォーカルと男性ギタリストが洋楽のどこかで聞いたことある曲の生演奏生歌を披露していた。

ただ楽器がギターしかないのでギターパート以外はカラオケだったのと、明らかに女の人が唄っていないのにヴォーカルが聞こえたりと怪しげではあった。

ドリンクはモヒート6ドル(≒684円)を注文。

時間に余裕があるとはいえ、この後は空港へ行って出国に向けた諸手続がある。

前年のウズベキスタンでは空港に着いてからの諸手続きでかなり時間がかかった。

ここまででビール2杯、カクテル2杯を飲んでいる。

あまり酔いすぎるのも考えものなので1杯だけにしておく。

前日にも思ったが高級ホテルのバーでサービス料と税込み6ドルは安い。

バーを出てコンシェルジュに荷物を返してもらい、スーパーのビニール袋に入ったままのお土産をバックパックに詰め直す。

ホテルを出ると同時に声をかけてきたタクシードライバー。

空港までと言うと10,000k(≒800円)と言ってきたので即決。

15,000k(≒1,200円)くらいを想定していたのでまさか向こうからより低い値が来るとは思わなかった。

逆に考えるとそこから交渉でもっと落とせたということだが、交渉して安くしてもらってもここから先で現地通貨を使う機会は殆ど無い。

最後くらいは素直に言い値で良いだろう。

21時30分にホテルを出発、ライトアップされているシュエダゴォン・パヤーを経て空港へ。

その時間だからか道も空いていたらしく30分で到着。

22時過ぎだとまだチェックインも始まっていない。

前日までにネットチェックインのお知らせメールが届いていたが、やろうとしてもエラーになって出来なかった。

空港内を散策すると到着したときに利用した銀行がまだ開いている。

現地通貨のチャットからドルへの両替ができそうだったので残金のうち7,500k(≒600円)を5ドル(≒570円)に逆両替。

旅の記念にする綺麗なお札以外に残りは1,200k(≒96円)。

空港内にコンビニエンスストアがあったので行ってみると缶ビールがいくつかあり、ミャンマー産ビールで安いのは1,000k(≒80円)を切っている。

その中でこれまで1度も飲んだことのなかったYOMAという銘柄が1,000k(≒80円)だったのでミャンマー最後の買い物にして最後のビール。

空港内の店なのに市内と変わらないような値段というのが良心的。

このあたりは経済が自由化してからまだ擦れていない国といったところか。

公共の場所での飲酒はダメだみたいな情報をどこかで見聞きした気がしたのでタオルハンカチで缶を隠しつつミャンマー最後のビールを飲む。

なんだか映画でしか見たことがない禁酒法時代のようだ。

飲み終えた頃にはチェックインも始まっていたので私も列に並ぶ。

それほど待つことも無く、何の問題も無く発券を終える。

待ち時間で出国前の空港内はそれなりに散策していたのでさっさと出国手続きへ。

時間が遅いということもあるのかもしれないがこちらもスムーズに進む。

セキュリティチェックと出国手続きを終えて驚いた。

ショップエリアは0時近くにもかかわらず開いている店が多いし、店のラインアップや清潔さも充分。

出国前エリアよりも出国後エリアの方が清潔で高級感がある。

シンガポールやタイや韓国とまではいかないが、私が最近行ったアジアではウズベク、ラオス、スリランカあたりは越えていると思う。

どうも最初から最後まで私はミャンマーをみくびっていたようだ。

まさに今急速に発展している様を目にしたのかもしれない。

日付が変わって0時30分に搭乗開始した機内はほぼ満席。

往路と違い1人1台モニターもUSBポートもある席だったが、充電用ケーブルはバックパックの中。

既に真ん中と通路側の席に人がいるため、いまさら取り出しにくい。

1人1台モニターは反応が悪くて巧く動かない。

深夜発の便なのでひたすら寝ているだけだからまぁ良いか。

0時50分過ぎに動き出して1時には離陸、1時20分頃に慌ただしく機内食が配られる。

サンドイッチとフルーツとクッキーとチョコレートと水という軽食スタイル。

この旅で3度目の飛行機だがいずれもビールが無いのは気に入らないが、今夜は(も)散々飲んでいた。

ただ義務的に飲食して後はひたすら寝るだけ。

 

 

 

2018年8月4日 土曜日 ↓次へ ↑前へ ↑↑トップへ

ミャンマー時間の3時50分に着陸。

つまり2時間50分しか飛んでいない、意外に短い。

時計を香港時間に変更、ミャンマー時間にプラス1.5時間、日本からマイナス1時間、香港時間6時前の入国審査。

係員が少ないのでそこそこ待たされるが、早朝着なので急ぐ必要もない。

香港に関してはガイドブックなどの情報媒体を何も持ってきていなかったので空港の観光案内所でフリーマップを貰う。

入国後の銀行でとりあえず20ドルを両替、141.3香港ドル(HKD)。

旅の当初のレートで1ドル114円計算だと1HKDが16.1円。

香港は通算4度目の来訪、シンガポールと並んで私史上最多。

ただシンガポールは宿泊を伴う滞在が1回なのに対し、香港はこれで3回目なので実質1位は香港。

香港ではいつも尖沙咀(チムサチョイ)に宿を取っている。

尖沙咀までのバスでの行き方をインフォメーションで聞き、A21のバスだと言われる。

多分10年前に来た時も同じように移動しているはずだがさすがに覚えていない。

窓口で切符を購入33HKD(≒531円)。

バスは2階建てで、勿論2階の最前列席を確保。

6時40分に発車、走っている途中で雨がぱらつく。

まさか私が雨季のミャンマーから雨を連れてきてしまったかと思ったが、一時的な通り雨だったらしい。

50分ほどで尖沙咀に到着、この時間は帰りの目安になる。

街に降り立つと早速ゴミ臭いのがなんとも香港らしい。

主要通りのネイザンロードから数分歩いた所が今回のホテル。

朝の8時前にチェックインしようとするも部屋はまだ用意されていないという。

15時がチェックインなのでだいぶ時間がある。

今回の香港滞在の目的の1つは中国本土の深センに行くこと。
(深センのセンの字が巧く変換できず、土偏に川みたいな字)

以前に何かの本で香港から電車に乗って1時間足らずで中国本土に行けるということを知り、いつか行ってみたいと思っていた。

チェックインまで時間があるので香港での目的を果たしてしまうことにする。

深センまで行って戻ってきたら15時くらいになるだろう。

ホテルのロビーに充電できる場所があったのでスマホとタブレットPCを充電しつつココまでの旅記を書いたりして休憩。

その間、ホテルに来てから30分と経たないうちにロビーでは早くも日本人を数人見た。

前年にウズベキスタンからソウルへ到着したときのような感じ。

ホテルを出てまずは朝食。

昔の記憶で何か食べられそうな店があった場所へ。

すると予想通り朝から営業している現地の食堂みたいな店。

店頭にメニューを掲げていたし、怪しげながら日本語表記もあったので入る。

ただ安いメニューでも40HKD(≒644円)とそれなりにする。

日本語表記もあるあたり、観光客用の店なんだろう。

水餃子麺40HKD(≒644円)を注文、香港に来ても食べるのは麺だな。

麺はやや堅めで固まりがあったものの水餃子は美味し。

いかにもこういう食堂で出てきそうな武骨な味。

朝食を終え、物価確認と飲料水確保のためにセブンイレブンへ。

ペットボトルの水500mlが8.5HKD(≒137円)。

ここまでの交通費と朝食代と水、ミャンマーと比べるとかなり物価が高い印象。

早くも最初に両替した20ドルが怪しくなってきた。

そこで両替商や安宿が集まった重慶マンションという有名な雑居ビルへ。

深夜特急で沢木耕太郎が泊まった安宿もココにあったらしい。

深夜特急の本編に重慶マンションの表記は無いが、後日談を書いた本で重慶マンションだったことを明かしていた。

現在でも両替所が多いのでその中でドルのレートで最も高い7.85を掲げていた店で10ドルを両替。

少額の10ドルだからか7.75になったけれど仕方ない。

10ドル(≒1,140円)が7,750HKDなので以降は1HKDを14.7円で計算。

これだけあったら深センまで行って帰ってこられるだろう。

深センまで行く列車の始発駅はホンハム(文字化けして漢字表記できず、紅なんとか)という駅。

そこから東鉄線という路線に乗り、終点が羅湖(ローウー)という国境の駅だということは事前に調べておいた。

始発から終点まで片道41.5HKD(≒610円)って安いのか高いのか。

ごく普通の列車、始発駅だし朝ということもあってか空いていたので車中は座ってウトウト。

そんな状況で乗ること約40分、羅湖駅に到着。

ごく普通の駅に見える羅湖、駅内の「深セン」の矢印へ向かって歩く。

するとそこから香港の出国手続きと中国の入国手続きが続く。

香港人は専用の窓口があり、外国人は普通に入国審査。

駅の中に出入国審査場や免税店もあって不思議な感じ。

1日に2度も入出国するのは2012年のシンガポールとマレーシア以来か。

単なる入国審査なのに何故か妙に緊張した。

後ろめたいことは何も無いが、何の予定も無いのにただ深センに来ただけだから何か聞かれたら何と答えたら良いか分からない変な緊張感。

まぁ結局何も聞かれなかったが。

入国時には両手の指紋を登録させられた。

指紋登録の際にコンピュータの音声案内が流れるのだが、日本人には日本語で音声が流れた。

その音声が周囲にも聞こえるので私以外にも数人は日本人がいたことが判明。

羅湖駅に到着から約30分、全ての手続きを終えて中国入国。

羅湖駅
なんだか仰々しい

私自身2度目にカウントして良いだろう中国本土は1999年以来。

当時はビザが必要だったが今は短期滞在ならビザが不要。

なんか本当に来ちゃったよと妙に感慨深い。

早朝に香港に着いたと思ったらもう中国本土にいる。

スケールの大きな旅をしている感覚。

駅構内には両替所もあるが、深センでは香港ドルも普通に流通しているという。

駅前には大きく深センとか中華人民云々という中国アピールが激しい。

そして駅前から見える範囲には高層ビルが乱立してかなり発展している模様。

香港と繋がる駅のすぐ近くに中国本土と繋がる鉄道駅もある。

大きな電光掲示板を見ると行き先に北京や上海の文字がある。

その気になったらココから北京や上海に行けるとは、本当に中国本土なんだと実感。

電光掲示板が古い
スケールがでかい

深センへは来ること自体が目的だったので、地球の歩き方も持っていないし、香港の空港にあったような無料の地図もなく、人民元の両替すらしていない。

スマホの地図は周辺を表示できるようにしておいたが、どこが街のメインストリートなのかは全く調べていない。

とりあえず適当に歩き回って適当に戻ろうかと思う。

少し歩いて思ったのは香港よりは混沌さや雑然さが少ない。

整然としているとは言わないが、香港よりは落ち着いた印象。

そして明らかな観光客が殆ど目につかない。

主要と思われる通りを歩くが、時刻が昼に近付くにつれてかなり暑くなる。

ヤンゴンより北に位置しているはずだが、天気も良くて陽射しが強い。

あまりの暑さに大きなショッピングセンターの中に避難する。

幸いにして椅子と机がある場所を見つけたので休憩。

デパートのような建物内なのでレストランもある。

現地通貨は持っていないが、クレジットカードが使えるのならここら辺で何かしら食べて香港に戻るのも良さそう。

そう思っていたが昼飯時でどこのレストランも混んでいるのと、1人客が入り辛そうな店構えや雰囲気。

さらにクレジットカードが使えることを示すビザマークのようなものが見当たらない。

そんなこともあって昼飯は断念。

なんだか深センの街は歩いていても落ち着かない。

恐らくお金もなく、ガイドブックもなく、宿泊先もなく、目的もなく、明らかに観光客と見られる人の少なさや、中国本土という変な緊張感などが合わさってどこかしら不安を煽られた気がする。

深センにいてもこれ以上やることがないことと、何よりも疲れていた。

前日から行動しっぱなしで機内の3時間ほどしか寝られていないのだから当然か。

「中国本土に来る」という目的は果たせたので良しとしよう。

↓巧く表示されなかったらココをクリック。

来た時とは逆に中国の出国に始まり、香港の入国を済ませてから列車に。

列車の切符が中国の人民元でしか買えなかったらどうしようかと思ったが、ちゃんと香港ドルで払うことができた。

行きもそうだったのだが、列車の券売機がコインを受け付けてくれない場合がある。

恐らく旧デザインのコインとかそういう理由なんだろうが、結局札で買ってしまいお釣りのコインが溜まっていくという悪循環。

どこかでまとめて使わないと。

列車はちょうど良いタイミングで来たから既に待っている客が大勢。

そのせいで始発駅ながら座ることが出来ず、ココまで歩きっぱなしの脚にかなり堪え、立ったままウトウトしてしまった。

出発時と同じホンハム駅に戻ってきたのは14時30分近く。

ホテルのチェックインまで30分程だったので散歩がてら九龍島と香港島の間にあるヴィクトリアハーバー沿いの遊歩道を歩く。

遊歩道沿いに10年前に泊まったホテルがあるはずだった。

今回の香港来訪にあたり、同じホテルに泊まろうと思ってネットで調べてみた。

すると2010年に周辺の商業施設の再開発と共に閉店していることが分かった。

海沿いの遊歩道も記憶にあるよりも広く長くなっている印象。

こうして景色が変わっていくのだろう。

20年前と10年前に写真を撮ったスポットがどの辺だったのかもよく分からない。

この辺りだったかなというところで片っ端から撮っておいたので数撃ちゃ当たるかな。

香港の変遷
香港定点観測
左上・1998年、右上・2005年、左下・2008年、右下・2018年

そうこうしているうちに15時を過ぎたのでホテルにチェックイン。

ヤンゴン最終日に泊まった高級ホテルと同じくらいの値段でそれなりのランクのホテルだが、香港ともなると高級ホテルは本当に高いので同じレベルの部屋は望めない。

部屋やロビーなど総合的にはヤンゴンの高級ホテルが上だが、今回のホテルは27階の部屋で窓から海がちょいちょい見える。

周囲にも大きなビルがあるので断片的なハーバービューではあるが、それらを含めても景色は香港に軍配。

荷解きやらなんだかんだしてからシャワーを浴びて前日からの汚れや疲労を洗い流す。

サッパリして落ち着いた頃には16時15分、昼飯のタイミングを逸してしまった。

深センへの交通費でまた現金がなくなりつつあったが、晩飯はクレジットカードを使えるところに行こうと思っているのでまぁ良いか。

少し休憩してから外出。

目指すは事前に調べておいたクラフトビールが飲めるという店、クーロンタップルーム。

カードが使えるかどうか確認して入る。

夕方の早い時間だったので空いている。

ハッピーアワーなどはやっておらず、クラフトビールは1杯60HKD(≒882円)からと普通に日本並みの値段。

こういう店に来るとどうしてもIPAみたいなガッツリと味が濃いビールを飲まないと損した気になる貧乏性。

地ビール3杯と、つまみのフレンチフライ60HKD(≒882円)弱。

想定外だったのはフレンチフライ(ポテトフライ)の量の多さ。

日本の居酒屋みたいな場所だとそれほどの量は出てこない。

しかしココではどっさりという感じでそれだけでお腹いっぱいになってしまった。

この辺りは西洋系の客が多いであろう香港だからこそか。

定番
ビールとツマミは世界共通

料金はサービス料等込みで260HKD(≒3,822円)とかなり高い。

ミャンマーなら1日飲食と観光してもお釣りがくるであろうレベル。

シンガポールや韓国もそうだが、日本人が旅し易いアジアになると物価もそれなりになる。

こうした国は経由でちょっと寄るくらいが丁度良いかもしれない。

例外はタイくらいかもしれないが、最近行っていないから物価などの現状は分からない。

2年前に行ったベトナムは物価と旅のし易さが良いバランスな気がする。

店を出たのが18時頃だったのでまだ充分に明るい。

酔い醒ましも兼ねて散歩し、スターフェリーに乗って香港島へ行くことにする。

香港に来ると必ず乗るスターフェリー。

九龍島と香港島を結ぶ昔ながらの船で深夜特急にも出てくる。

料金は通常で2.7HKD(≒40円)なのが、土日祝だと3.7HKD(≒54円)という休日値上げスタイル。

運悪くこの日は土曜日、足元見やがって。

それでもこれまでの物価に比べると格安。

今でも庶民の足として使われているということだろう。

最後に乗ったのは10年前ながら意外と乗り方も覚えていた。

券売機で切符(代わりのコイン)を購入し、アナログな自動改札機に通して乗船。

ここから数分間の海のドライブ。

湾なので荒れることもなく穏やかに進む。

香港島へ行ってもどこで何をするあてもないので、ただ人の流れに沿って高架の歩道橋を歩く。

途中で大きなデパートがあったので暑さ凌ぎに中へ。

特にすることもなくウロウロ。

深センは行くことだけが目的だったように、香港島もスターフェリーに乗るという目的のついで。

結局30分程で再びスターフェリーに乗って九龍島に戻る。

適当に歩いているうちに20時近くなる。

20時になるとヴィクトリアハーバーで光と音のショーが開催されているということは旅前の情報収集で知った。

「シンフォニー・オブ・ライツ」といい、世界最大の光と音のショーとしてギネスブックにも認定されているとか。

それが毎晩無料で見られるという。

一人で夜景ショーなんて…と思ったが折角その時間にいるのだから行ってみる。

19時50分頃に海沿いの遊歩道へ行くと既に大勢の人。

考えてみたらこの日は土曜の夜、まさにサタデーナイトフィーバーな雰囲気。

1人なので人の隙間を縫って前方のポイントを確保。

ただでさえ暑いのに、人が大勢集まっているので余計に蒸し暑い。

これだけ人がいるとスリも怖いので荷物はしっかり守っておく。

20時から始まったショーは音楽に合わせて対岸やビルの屋上からサーチライトやレーザー光線が夜空を照らす。

ビルにはプロジェクションマッピングのような演出も。

世界遺産では無いがギネス
こういうのを写真で撮るのは難しい

最初は「おぉ!?」と思ったが、基本的にはワンパターン。

これからもっと派手になるんじゃないかと思ったが特にサプライズもなく、「アレ?このまま終わり?」と思ったらそのまま終わりだった。

改善の余地がありそうなイベントだったが、そもそも全部無料でやっているから文句を言う筋合いでもないか。

日替わりや週替わりで地元の若手アーティストとかに演出を任せてみたりして競わせるのも良いんじゃないか、なんて勝手なことを思ってみた。

もうやっているのかもしれないけど。

15分ほどでショーは終了し、帰る人混みで大混雑。

少し間を空けてから私も脱出。

夕食というかビールとツマミを食べてからだいぶ時間は経ったが一向にお腹が空かない。

フレンチフライが文字通り重くのしかかっている。

それでもホテルのすぐ近くに観光客向けのバー系レストランが沢山あったので覗いてみる。

どのバーもそれなりに観光客で賑わっている。

ヤンゴンやラオスなど途上国のバーなら人もそれほど多くなく、1人でも入り易い。

ただ香港やシンガポールなどアジア主要国で大勢の観光客で賑わっているとなんとなく東京とそう変わらないようなイメージで気軽に入りにくい。

そういえば2012年のロンドン最後の夜でも似たような感覚を味わったことを思い出した。

あの時も最後はロンドンのバーへ行こうとピカデリーサーカスを歩いたものの、どこも賑わっていてどこにも入ることが出来なかった。

一人旅で孤独は慣れっこどころかそれを味わうのが醍醐味でもあるのに、あまりにも周囲が賑わっていると孤独のバロメーターが振り切れてしまうのか。

そもそもお腹空いていないし、物価も高いしな…と自らに言い訳し、コンビニで缶ビールを購入。

コンビニなのに日本産も含めて世界各国の有名ビールがある。

そんな中で購入したのは香港の定番ビール、サンミゲル。

500mlで12.5HKD(≒184円)とこちらは意外に安い。

やはり最後はホテルの部屋でビール。

 

 

 

2018年8月5日 日曜日 ↑前へ ↑↑トップへ

前日は早朝に到着してからよく歩いたこともあり、8時まで1度も起きることなく寝ていた。

前日だけでなくこの旅の疲労が一気に来たか。

朝食は上階のレストランで定番のビュッフェ。

ビュッフェは予想よりも良く、香港的なお粥、春巻き、エビシュウマイといったあたりもあった。

お昼の分までしっかり食べておく。

朝食を終えて部屋に戻ると10時過ぎ。

チェックアウト前に少し外出しておくことに。

目的もなくネイザンロードを適当に歩いて戻るだけ。

前日もブラブラしていて思ったのだが、香港といえば乱立する看板のイメージだったが、その数が明らかに少ない。

老朽化とか景観の問題なのだろうか、どことなく寂しい。

香港看板の変遷
香港看板比較…とはいえ場所が違うので一概には言えないが
左上・2005年、右上・2008年、下段・2018年

少し歩いただけで午前中なのにかなり暑い。

よく晴れているということもあるが、ヤンゴンやバガンよりも暑い気がする。

部屋に戻って最後にシャワーを浴びる。

12時のチェックアウト時間に合わせてロビーへ行くとフロントに行列。

まさかのチェックアウト待ち行列だった。

こんな形で待たされるのも香港ならではか。

荷物を預けて最後の街ブラならぬ香港ブラ。

例によって特に目的もなく歩き、ヴィクトリアハーバーで街歩きの〆。

次に来るのは10年後か。

残り時間は汗で飛んだ水分をビールで補うだけ。

前日に行ったクラフトビールの店があった通りに何軒かバーやレストランがあったので行ってみる。

1軒の店で西洋人がビールを飲んでいたのとVISAマークもあったのでクレジットカードも使えそう。

店員にカードが使えるかを確認してこの旅で最後になるであろう現地ビール。

1番安かったのと、やはり香港なのでサンミゲルの生、50HKD(≒735円)。

恒例にして定番かつ鉄板
最初も最後も

昼のハッピーアワーでこの値段、通常の時間帯だと70HKD(≒1,029円)だからやはり物価は高い。

まぁ観光客向けの店だから当然といえば当然だが。

暑い中を歩いてきて飲んだので悪くはないのだが、個人的にはサンミゲルはそこまで好きではないかも。

これは前夜のホテルで飲んだ際にも感じたこと。

缶ビールと生ビールの両方を飲んでそう思ったということは、多分私にはあまり合わないのだろう。

大体どの国へ行ってもその国を代表するビールは美味しく感じられる私からすると不思議。

ミャンマーのビールはどの銘柄も美味しかったし、ここ数年で訪れた国のビールも同様。

サンミゲルは香港のビールではなく、フィリピンのビール会社。

その国を代表するビールがその国の原産ではない(製造は香港らしいが)、その辺がこれまでに訪れた国のビールとは少し違うのかもしれない。

空港へ向かうバスは13時30分くらいに乗ったら良いと思っていたので、13時過ぎに会計を頼む。

するとカードでの精算は100HKD(≒1,470円)からだと言われる。

え、そういうことは最初に言えよ…ってもしかしたら言っていたのかもしれないが。

香港ドルの現金を持ってない、と言うと店員同士が何やら相談と口論をしている。

どうも「別にカードでイイんじゃない」「イヤ、ダメだろ」みたいなことを言ってそう。

なんだか見ていられなくなって「分かった分かった、もう1杯飲んだら良いか?」と聞いたら「OK」と言うのでもう1杯注文。

その場の流れで何も考えずに注文してしまったが、サンミゲルじゃなくて別名柄にすれば良かった。

1杯目はゆっくり飲んだが、2杯目はバスの時間を考えるとそこまで悠長にもしていられない。

残すのも癪なので流し込むように2杯目を飲み干す。

生ビール2杯にサービス料10%で110HKD(≒1,617円)をカードで清算。

もはやカード清算だと値段に何の躊躇いもない。

その結果、今回の香港では現地通貨感覚が全く身につかないままで終わってしまった。

でも1泊2日で30米ドルの両替とクレジットカード清算が2回でそれなりにかかった気がする。

ミャンマーと同じだけ滞在して同じように飲食したら倍以上のコストがかかりそうだ。

2杯目のおかげでバーを出たのが13時30分前で、予定より30分押してしまった。

少し早足でホテルに向かうが、生2杯でお腹がタプタプ。

ただ外は暑いのでチョット歩くだけでビールがすぐに汗になる印象。

ホテルに戻って荷物を受け取り、バス乗り場のあるネイザンロードへ。

事前に確認しておいたバス乗り場だったが、よく見ると深夜バスが停まる場所と書いてある。

あれ?じゃぁ通常のバスは違うのか?

改めてバス停の案内を見てみると「日中はコッチ」といった表示がある。

ただ道路の名前は書いてあるが、その道路がどれなのか分からない。

10年前はもっと海寄りだったはず…と思って歩いてみるもそれっぽいバス停は無い。

時間に余裕を持っていたつもりがバーの2杯目で時間がなくなったのに加えてまさかのバス停が分からないトラブル。

現地人っぽい男性に聞いてみるとアッチだと反対の方を言われる。

え?逆?

逆方向に向かって歩き、今度は現地人っぽい女性に聞いてみるとまた反対側を指される。

え?どっちだよ!?

もう1度改めてバス停の案内を見る。

するとさっき声をかけた女性が気にしてくれたのか、「バスで行きたいのならアッチで大丈夫」と教えてくれる。

その言葉を信じて歩いて行くと確かに空港行きを示すA21のバス停を発見。

明らかに観光客と見られる人が並んでいたのでもう大丈夫だろう。

これまでに何度もある旅の経験から、この程度のトラブルは無事に行くだろうとは思っていたものの、やはりホッとする。

それにしても男性と女性で全く違う方向を教えられるとは思わなかった。

考えてみたら「to エアポート?」とは聞いたものの、「バスで」とは言わなかったかもしれない。

空港へ行く手段はバスの他に地下鉄(鉄道)もある。

だから違う方向を教えられたのだろうと好意的に解釈しておく。

幸いにして殆ど待たずに来た空港行きのバス、料金は往路と同じ33HKD(≒485円)。

このために敢えて取っておいた現金、20香港ドル札と5香港ドルコイン2枚と2香港ドルコインと1香港ドルコイン。

これで香港ドルは殆ど使い切った。

旅では恒例になっている「その国の現金を残しておき、次にまた来られるように願掛け」も香港では不要。

香港なら願をかけなくてもまた来るだろう。

途中からの乗車だったが2階の最前列が空いていた。

最後のネイザンロードから香港空港までを良い景色で過ごせた。

途中の高速道路の標識にミッキーマウスのマーク。

そういえば香港にディズニーランドあったんだな。

昼の時間だからか往路よりも時間がかかり、約1時間で空港に到着。

飛行機の出発予定時刻の1時間30分前となる14時50分。

いつもなら2時間以上前に着いているはずが、バーでの追加1杯とバス停探しトラブルで遅れた。

飛行機のチェックインは前日のうちにネットで済ませているはずだが、発券はしていなかったのでチェックインカウンターへ。

出発まで90分を切っているからか客が誰もいない。

ちゃんとネットチェックインは出来ていたらしく、「紙の搭乗券が必要か?」と聞かれたので念のためにもらっておく。

出国するまでは落ち着かないので早々に出国手続きへ。

前日は香港入国即出国から中国入国即出国という入出国歴になっているはずだから何か聞かれるかと思ったが何もなし。

空港内は1週間程前に散策していたので今更何をすることもない。

この後は日本に帰るだけだと考えたらスマホを充電しておく必要性も感じない。

ビールは散々飲んでいたし、後は帰国するだけなのに高い空港のビールを飲むのも癪。

結局時間を持て余すのなら出国前の空港を散策すれば良かった。

早々に搭乗口へ行き、搭乗開始を待つ。

これまでは全てキャセイパシフィック航空のコードシェア便で実際の機体はキャセイドラゴン航空だった。

今回は初めてキャセイパシフィック航空。

香港のナショナルフラッグキャリア、しかも日本と香港を結ぶドル箱であろう路線。

さすがにちゃんとしていて、機内エンターテイメントも充実。

定刻の16時25分に動き出し、16時45分には離陸。

そしてこの旅で初めて機内ドリンクサービスでビールがあった。

これはキャセイパシフィック航空だからか、飛行機の出発時間の問題か。

出てきたビールはスーパードライだったが、往路の空港ターミナルビルの昼飯でもスーパードライを飲んだ時の違和感が今回も。

明らかに味が違うし、そもそも330mlの缶ビールという時点で日本のものではない。

そしてその味が何かに似ていると思ったのが昼に飲んだから分かった気がする、サンミゲルの後味だ。

狙ってやっているのかは分からないが、現地の味覚に合わせて改良しているのではないだろうか。

以前タイで飲んだスーパードライも美味くなかったし、タイで飲んだシンハビールほど日本で飲んだシンハビールに特徴はなかった。

現地人に合わせて作っているのだろうかと思わせるような味だった。

まぁでもビールはビール、最初のウェルカムドリンクだけでなく、機内食の配膳でもう1杯飲めた。

その機内食はメインがパスタのチーズベーコン和え、さらに蕎麦とパンが付くという炭水化物オンパレード。

機内食あるあるとも言えるメニュー。

ほぼ4時間のフライト、香港時間20時45分に着陸。

羽田と香港が4時間、香港とヤンゴンが3時間、どちらも丁度良い時間。

やはり直行便よりも経由便の方が良いな。

香港時間で20時45分ということは日本時間で21時45分。

そこから飛行機を降り、トイレへ行き、入国審査、税関を済ませて日本に入国したのは22時5分過ぎ。

到着初日に空港に到着したのもこのくらいの時間。

振り返ると空港で1泊、夜行バスで2泊、機内で1泊とそれなりにタフな旅だった。

体調を崩すことなく帰国できて良かった。

前年は最終バスの時間に追われていたが、今回は時間に余裕がある。

幸いにして15分後に地元へのバスが出る。

旅の出発と帰国の日にはいつも思うことだが、この日の朝は香港の街を歩き、昼は香港でビールを飲み、今は日本で自宅を目指しているという状況が信じがたい。

帰宅して久々の自宅の蒸し暑さが今回の旅のどの国、どの街の蒸し暑さよりも1番だった気がする。

 

30代最後と位置付けた今回の旅。

前年のように体調を崩すこともなく、いつもの私の旅らしく行動出来た。

予定していた場所も全て行けたし、トラブルも些細なものだった。

世界3大仏教遺跡を踏破し、アジア最後のフロンティアとも称されるミャンマーの発展ぶりも見られた。

雨季なので雨には降られたが、旅を阻害するレベルではなかった。

最後は旅の節目に訪れる香港も追加し、さらに中国本土にも寄り道が出来た。

これまでの旅の集大成、これをもってアジアは一区切りでも良いかなと思っている。

社会人になって止まっていた旅を再開したのが20代後半。

20代最後のインド一人旅を経て30代で今の旅のスタイルが固まったと思う。

30代は毎年欠かさずに旅が出来た。

私の中で最も旅をした年代になる。

勿論この後も旅を続けていきたいと思っているが、体力やバイタリティを考えると30代がピークになるかもしれない。

歩数計アプリ
今後もこれほど歩けるか

 

 

旅の費用

航空券
往復航空券(キャセイパシフィック、羽田〜香港〜ヤンゴン)
53,000円

航空券関連諸税(空港使用料・現地税・サーチャージ・手数料)
18,250円

往復航空券代合計
71,250円

ホテル
ヤンゴン1泊(Central Hotel)
5,866円

バガン2泊(Zfreeti Hotel)
7,466円(1泊3,733円)

ゴールデンロック1泊(Kyaik Hto Hotel)
7,041円

ヤンゴン1泊(Sule Shangri-La Yangon Hotel)
16,580円

香港1泊(Hotel Panorama)
15,149円

宿泊代合計
52,102円

現地両替
ヤンゴン170ドル(≒19,380円)
香港30ドル(≒3,420円)

現地両替合計
22,800円

その他
夜行バス19.76ドル(≒2,206円、ネットで事前に購入したレート)×往復
4,412円

ドル現金払い(タクシー、バス、食事)
計37.78ドル(≒4,307円)

クレジットカード払い(羽田空港、香港空港、ヤンゴン晩飯2回、ヤンゴンバー2回、香港バー2回)
14,925円

その他合計
23,644円

総合計
169,796円

昨年に続いて10万円台。

香港が諸々高かったのでミャンマーだけなら15万を切った気がする。

 

 

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