韓国旅行
2000年10月31日〜11月3日

2000年、20世紀最後の海外旅行になるであろう韓国。
そして今回は初めて3人で行く海外となった。
海外へ行く時は同じ相方と2人だった。
それが今回はもう1人の飲み仲間も一緒に3人での旅行となった。
普段は海外へ行く時はある程度ガイドブックを読むのだが、
3人という心強さもあって今回の旅行では殆ど予習をしていかなかった。
目的は簡単で「お隣さんへチョット飲み食いに…」

 

10月31日 火曜日

旅の始まりは新宿駅で13時に待ち合わせ。

案の定というか、1人が遅刻。

結局13時20分に新宿から山の手線に乗り日暮里を目指す。

新宿から成田空港へ向かう一番安いルート、新宿→(山手線)→日暮里→(京成線)→成田空港。

旅行のテーマの1つは「飲み旅行」。

最初から飲んで行こう、ということに。

一番安いルートで行くと日暮里から京成線の普通車で行くことになる。

しかしそれだと一般客も乗ってくるのでさすがに普通車内で酒は飲みにくい。

ということで日暮里から京成スカイライナーで成田空港へ行く事にする。

一旦日暮里駅で降りて酒屋とコンビニで酒と肴を購入。

日暮里から成田空港までの乗車券1000円を購入。

自販機で京成スカイライナーの特急券940円を購入。

しかしトラブル発生。

各々が別々に自販機で購入した為に席がバラバラになってしまった。

近くの窓口へ行って返金を要求。

見ると前に並んでいたカップルも同様に返金を要求していた。

そこの窓口にいた駅員の態度が悪かった。

ブスッとしてやる気なさ100%で返金に応じていた。

1日に何度も何度も同じミスをして返金を求める客がいるんだろうな。

しかもそいつらは全員これから楽しい海外旅行。

なのに何で俺はこんな所でこんなことを…なんてことを考えているのだろう。

なにはともあれ返金してもらい3枚の特急券を同時に購入することに成功。

14時15分発の京成スカイライナーに乗車。

車内の客入りは5分もなく空いていた。

3人なので座席をひっくり返して向かい合わせに座りいざ飲み旅行のスタート。

車内が満席だったらとてもじゃないけど出来なかったな。

隣に知らないおじさんとかがいて座席をひっくり返すことなんて出来ないし。

電車内で500mlビール、350mlビールを飲み干す。

 

1時間ほどで成田空港に到着。

とりあえず窓口で航空券を受け取って出発の準備を万端にしておく。

搭乗時刻まで2時間以上もの空き時間。

空港内をウロウロ、すると空港内にローソンを見つけた。

うまい具合に酒も売っている、ということでそこでも酒を購入。

飛行機の離陸を見る事が出来る展望所へ行き飲みながら時間潰し。

結局その待ち時間でも2本の缶チューハイを飲んでしまった。


今回お世話になった友達。成田空港展望台にて既にホロ酔い。

搭乗開始時刻の30分ほど前に出国手続きやら何やらを済ませて、18時20分頃に搭乗。

当初の出発予定時刻は18時35分、それが遅れて18時50分発予定となっていた。

しかし動き出したのは19時過ぎ、離陸したのは19時25分頃にまでなっていた。

成田から韓国金浦空港までの飛行時刻は1時間50分とのアナウンスがあった。

そのくらいの時間で機内食は出るのかどうか疑問だったが、軽食が出された。

ハムサンドみたいなものとクッキー、ナッツ、バナナ、オレンジジュース。

ドリンクサービスではビールを頼む(既にこの日5本目のアルコール)。

 

予定より早く21時35分に到着。

出国手続きと税関、いつものことだが税関は殆ど素通り。

空港内でまずは両替。

1万円を出したら既に空港内の銀行では1万円分のウォンが袋に入って用意されていた。

パスポート番号や氏名の記入もなく非常にスムーズに両替は完了した。

10,000円が102,100ウォン。1円で10ウォンと思って良いだろう。

1円で10ウォンなので日本円への換算が楽。

ウォンの表記からゼロを1つ取ればほぼ日本円だ。

全員の客が揃ったところでバスに乗りソウル市街へと向かう。

およそ1時間後の23時すぎにホテルに到着。

明洞(ミョンドン)というソウルの中心街に位置するホテルで地下鉄の駅まで徒歩1分の好立地。

立地条件は良かったのだがホテルが汚かった、というよりも古かった。

古くて薄暗い、あまり良い印象は持てなかった。

我々は3人で来ているのでツインの部屋にエキストラベッドを入れた造り。

なので狭い部屋がより狭く感じられた。

風呂にあるタオルが2人分しかなかったのでフロントへ言いに行った。

「We are three people but towel is only two in room.」

と、苦労して(?)英語で喋った、するとフロントの人

「ワカリマシタ」

と日本語で返された。日本語喋れたのかよ…。

タオルも無事に受け取り、さて小腹が減ってきた。

既に23時30分過ぎだったが明洞の街へ出てみることに。

24時間営業のコンビニとかは近くにもあったからそこで食い物を買っても良かったし。

外へ出てみると大きなデパートが神々しいネオンを放っている。

そこへ入ってみると店内フロアー表示に日本語も書いてある。

なんと営業時間はAM3時まで、そこの上階に食事できる所もあるらしい。

とりあえず初日で他に近くで開いている店もなさそうだったのでそこへ行くことにした。

デパートの上はいくつかの店が並んでいてフロアーの中央にはテーブルと椅子がある。

既に閉まっている店も何軒かあった。

メニューは勿論全てハングル語。

よって当然だが写真付きのメニューが表示されている店へ行った。

写真を指差して石焼ビビンバと思われる料理を注文。

これが5,000ウォン、日本円で500円。

持って行ったハングル語会話の本を頼りにビールが売ってないか聞いてみる。

するとビールはないという。

同じフロアーにロッテリアがあったのでそこでコーラを購入、900ウォン(≒90円)。

料理を待っていると小皿に盛られたキムチを持ってきた。

どうやらサービスらしい。

日本人の口にも充分合うキムチ、美味しかった。

届いた石焼ビビンバを混ぜ、辛いソースみたいなのをかけて食う。

熱い、辛い、美味い、といったところだ。

飯を食い終わり、コンビニでミネラルウォーターやビール、つまみなどを買い出ししてホテルへ戻る。

コンビニなどの物価は日本よりも若干安いくらいだった。

ホテルへ戻って分かったのがホテルに備え付けの歯ブラシがないということ。

後で旅行ガイド本を見て知ったのだが韓国のホテルでは歯ブラシ、シャンプー、リンスは置いていないという。

仕方ないのでそれもコンビニで買っていった。

風呂上りの寝る前にもビールを一本飲み2時30分に就寝。

本当に飲み食い旅行になりそうだ。

 

11月1日 水曜日

10時頃に起床、とりあえず飯を食いに明洞の街へ出る。

表に日本語で料理名が書いてあった現地の食堂みたいな所へ入る。

10時30分頃だったので店は開いたばかりのようで他に客はいない。

メニューを見ると日本語での表記もあったので一安心。

私が食ったのは牛肉入り雑炊のようなもの(恐らくユッケジャンなるモノ)。

これまた韓国らしく真赤なスープで熱い辛い。

薬膳料理で鶏が一匹鍋に入ってスープを取るサムゲタンなるモノも3人で食した。

唯一の辛くない料理だった。

ここの店でも食事前にお通しのような感じで各種キムチが出てきた。

白菜のキムチに大根のキムチ、春菊やにらのようなキムチなど色々。

辛いものやキムチを食ったので朝っぱらから当然のようにビールも飲んだ。

我々以外に客はいなかったが、中央のテーブルでは従業員が鍋を囲んで飯を食っていた。

 

満腹になったところでこの日の目的地はカジノ。

ソウル市内に唯一ある合法カジノへ行くことになった。

市街地からは少し離れた所にある高級ホテルにそのカジノはある。

そこへ行くには地下鉄で行くしかない。

初めての地下鉄乗車に挑戦。

ソウル市内の地下鉄は日本の営団地下鉄のように複雑。

ガイドブックと表示板とを交互に睨みながら行き先を探す。

ところがなかなか見つからない。

現在いる駅が何処なのか、行く駅がどこなのか、そのいずれも分からない。

迷いながらもガイドブックなどを見ながら探していると

「ドコヘ行きたいんだ?」との声。

60代くらいの現地人っぽいおじぃさんが話しかけてきた。

「シェラトンウォーカーヒルホテルへ行きたいのですが…」

と言うと案内板を見て、それならココで降りれば良いと教えてくれ、乗り換えの駅も教えてくれた。

少し警戒心が働き、小金を請求されるかと思ったが取り越し苦労だった。

ただ親切にしてくれただけだった、教えてくれるとさっさと立ち去って行った。

60代くらいに見えたおじぃさんが日本語を喋れる…ちょっと複雑な心境だった。

目的地までのキップの料金は600ウォン(≒60円)。

自動券売機もあったのだが札が使えなかったので窓口で駅員相手に切符の購入に成功。

ガイドブックの路線図を見せてココと指差して切符を購入。

自動改札を通り意気揚々とホームに降りて気が付いた。

目的地方面と逆のホームに降りてしまったことに…。

目的地が分かり切符を買えたことに満足して目的地方面を確認せずに改札を通ってしまったのだ。

反対のホームへ行くには一旦自動改札を出て、反対側の改札から入らなければならない。

しかし買った切符は1度自動改札を通してしまった。

恐らく入場記録が既に付いてしまっているだろう。

先ほど入った改札から出ようとするとやはりエラーのようで警告音が鳴り改札が開かない。

幸い駅員はいない、思いきって自動改札の横にある柵を越えて出てしまった。

反対側の自動改札を入るときも同様に柵を越えて入った。

ちょっとしたスリルを味わった、駅員に見つかって何か言われてもよく分からんだろうし。

地下鉄の造りも車内も日本と殆ど変わらない。

ソウルでは地下鉄でも携帯電話が通じるらしく、喋っている人がいた。

駅名表示ではローマ字もあったので降りる駅の見当はついた。

乗り換えもガイドブックを見ながら無事に成功、目的地の最寄駅についた。

駅からカジノのあるシェラトンウォーカーヒルホテルまで徒歩。

ヒルと名前がついているくらいだから丘の上にある。

本来は送迎バスやタクシーで行くはずの所だ、なにせ高級ホテル。

徒歩で坂を登りつつホテルに到着。

カジノを大々的に宣伝しているかと思ったがそうでもなかった。

そこのカジノは在韓人では入れないという代物、外国人でないと入れないのだ。

ジーパンにトレーナーというラフな格好でも入場可能、入場料もかからない。

入り口では綺麗な衣装に身を包んだ女性がお出迎え、さすが高級ホテルのカジノ。

平日の昼間ということもあってか客数はそれほどでもない。

薄暗い照明だがゴージャスな作りの広い室内、壁際にはスロットや電子ポーカーの機器が並ぶ。

フロアー中央にはルーレット台やブラックジャック、バカラなど様々な台。

そういう所へは初めて入ったので雰囲気に圧されてしまった。

カジノ内にある休憩所でまずは休もう、ということに。

ドリンクなどは無料と話に聞いていたのだが、休憩所にいた係員に聞いてみると日本語で

「お代は基本的に要らないが"気持ち"を払ってください」

となんとも曖昧な返事。

気持ちって言われても相場がまったくよく分からない。

食べ物もあるというのでついでだからなんか食おう、ということに。

外国人向けに作ってあるので洋食や和食が主。

3人でそれぞれラーメン、うどん、ソバを頼んだ。

私はうどんを食ってまぁ普通の味だったのだが友人の食ったソバがなんとも言えない味。

要するにマズイのだが…

そば粉を使っていないと思われ妙にツルツルして歯ごたえが殆どナイ。

あんなまずいソバを食ったのは初めてだ。

"気持ち"として10,000ウォン(≒1,000円)払って出た。

3人でジュース3杯とラーメン、うどん、ソバで1,000円。

たいして美味くもなかったからこんなもんだろう。

さて、いざカジノへ。

とりあえずフロアーを歩いてみる。

ブラックジャックとバカラが人気のよう、ルーレットをやっている人もちらほら。

しかしバカラはルールが分からんので他の人がやるブラックジャックを見ていた。

どうもテーブルによって掛け金の下限と上限が決まっているらしい。

やはり掛け金の下限が低い所のテーブルに客が多かった。

それでもブラックジャックでの掛け金が一番下で10,000ウォン(≒1,000円)
(10,000ウォンを払ってチップを1枚貰い、そのチップを賭けてゲームをする)

相場はそんなもんなんだろうが、やはり1度のゲームで1,000円を払うのは気が引けた。

友人はスロットやブラックジャックをやっていた。

私も意を決してルーレットに挑戦。

ルーレットはチップ1枚が2,500ウォン(≒250円)。

20,000ウォン(≒2,000円)を払ってチップを8枚貰う。

実はカジノでやるならルーレット、と前々から決めていた。

ある深夜TV番組で「ルーレットで絶対に勝てる方法」というのをやっていた。

それを見て、その方法を実践してみようと思っていたのだ。

しかしその「絶対勝てる方法」はある条件が揃わないと発生しない。

その条件が来る前にコツコツ賭けていたら全てのチップがなくなってしまった。

なんと間抜けな…

しかしそのコツコツ賭けている時の一時期だが8枚のチップが20枚くらいになった。

その時に換金していれば倍以上儲かったのだが…

換金の仕方が判らなかったし他のどの客も換金しようとしていなかった。

最初のうちは調子良かったのだが負け始めたらアッという間にチップが全部なくなった。

"ツキがなくなる"ということを実感した。

結局我々3人のうち全員が負けた。

ブラックジャックをやっていた友人も一時は3倍になったらしいが結局なくなったという。

客の半数以上が日本人。

日本人客に換金の方法等を聞けば良かったな。

ポンと1万円を出すオジサンとかいて住む世界が違うという印象。

2,000円でカジノ気分を味わったということで良しとするか。

 

ホテルでタクシーを呼んでもらい、明洞へ戻ることに。

フロントの人は勿論、ホテルの表に立っているポーターですら日本語を話せた。

ホテルへ戻って小休止。

1人が韓国では眼鏡を作りたい、と言っていたので眼鏡屋へ行くことに。

私はこれまで眼鏡をしたことがないので値段の相場は判らないが韓国で作ると安いらしい。

ホテルのすぐ近くで、割引券があって日本語が通じるという眼鏡屋へ行く。

日本語の話せる店員が応対。

フレームを選び、度数などを調べて20分後には完成するという。

全て込みで75,000ウォン(7,500円)、これって安いの?

その眼鏡屋で接客してくれた日本語を話せる店員さんに聞いてみた。

「ここら辺で犬の肉を食べられる店はないか。」と。

韓国では犬の肉を食べられるという話だったのでそれならば食べてみようと思っていたのだ。

ところがどうやら近年それが法律で禁止されて、ガイドブックなどには載っていなかった。

と、いうことで現地の人に聞いてみたのだ。

するとすぐ近くにあるという。

眼鏡屋から歩いて30秒ほどの所で店の前まで案内してくれた。

しかしそこはどう見ても日本語のメニューなど書いてなさそうな店。

あまり雰囲気も良くなさそうだったのでそこで犬肉を食うことは諦めた。

20分後にもう1度眼鏡屋へ行き、眼鏡を受け取る。

早速購入した眼鏡をかけてみて、

「慣れないせいか、違和感がある」と友人評。

晩飯は焼肉にしよう、と満場一致で決定。

明洞市街をウロウロしていて焼肉が食えそうで日本語表記もあった店へ入る。

ここでも店員の1人が日本語を話せて、その人にメニューを貰う。

骨付きカルビ2人前、プルコギ(牛ロース肉)1人前、チヂミ1つともちろんビールも。

ここでも当然のようにお通し感覚で各種キムチが出される。

目の前に鉄板鍋が持ってこられ、そこで肉を焼く。

骨付きカルビは店員が鍋の上でハサミで切ってくれる。

肉と一緒に生レタスの葉やシソの葉みたいなものが出てくる。

焼きあがった肉と一緒にキムチ、ニンニク、味噌等をお好みでレタスの葉に巻いて食べる。

脂っこい肉をサッパリしたレタスで巻いて食べるのは美味かった。

キムチにも色々な種類があるので様々なトッピングで食べることが出来た。

チヂミはそれほど美味くはなかった、別段まずくもなかったが。

ビールは4本飲んで合計55,000ウォン(5,500円)、まずまずかな。

飯を食っているとスーツを着たオジさんが1人店内に入ってきて名刺を渡してきた。

日本語で書かれた名刺でナイトクラブなんとか、と書かれていた。

「よろしければ来てください、待っています」みたいに行って去って行った。

わざわざ店の中にまで営業に来るとは…

 

ホテルへ戻って小休止。

この"小休止"で誰が何処でいくら払って残金がいくら、という計算をして割り勘の精算をする。

しばし休んだ後に韓国の民族居酒屋でも行こう、ということに。

ガイドブックを見てホテルからすぐ近くで日本語も通じるという民族居酒屋へ行くことに。

内装は日本にもありそうなちょっとお洒落な居酒屋っぽい作り。

そこで頼んだ酒が面白かった。

メニューには「どぶ酒」と書いてあって8,000ウォン(800円)。

出てきた酒は小さな壷みたいなのに入っていてトロトロして日本でいう酒粕を集めた甘酒みたいなもの。

それをお椀に入れて飲む。

甘いのだがピリピリしている、思いの他アルコール度は強そうだった。

酒の中にちくわの切れ端みたいなものが入っている。


どぶ酒、ガイドブックによると韓国ではマッコルリという廉価な大衆酒らしい。

でも壷一杯に入って800円は安くて良い。

その居酒屋で飲んでいると隣席で飲んでいた男5人の現地人が話しかけてきた。

「Are you from Japan?」と。

とりあえず「Yes」と答える。

すると何やら相手が盛り上がっている、「I love Japan」などと言う。

片言の日本語と片言の英語でぎこちない会話が始まる。

相手は結構酔っているようでかなり盛りあがっていた。

お互いに酒を注ぎあって乾杯もした。

小さな日韓交流が生まれた。


この時点ではまだ日本と韓国の間には壁が存在する。

やがて相手の1人が携帯電話を差し出し、私に喋れと言う。

携帯電話の向こう側は女性で、それなりに流暢な日本語を話した。

電話の女性によると「彼ら(その5人組)は貴方達と一緒に店を変えて飲みたいと言っている」、とのこと。

それはさすがに警戒心が働いた。

友人に電話の内容を話して、さすがにそれはチョットやばそうだということに。

電話の女性に「我々はお金をあまり持っていない」ということを何度伝えても「お金の心配はない」と言う。

彼らも「No problem follow me.」と言う。

電話の女性は「彼らは貴方達に韓国で良い思い出を作ってもらいたいので奢ってあげると言っている」と言う。

あまりこっちも断り続けると相手も気分を害するかもしれない。

我々は遠慮しているのだが"遠慮"という文化(?)が韓国にあるのかどうかも分からない。

もちろん警戒しているというものあったが…。

電話の女性も「本当は彼らと飲みに行きたくないのですか?」とも言われた。

そこまで言われると断り辛くなる、警戒心を抱きつつも彼らに着いて行くことにした。

一緒に入った店は歩いてすぐの繁華街にある飲み屋。

表の看板に「日本人客歓迎」とあったのでとりあえずは安心できた。

しかし店内に入ると少し大きめの個室に通されたので再び警戒心が大きくなる。

それに加えて最初は5人いたはずの相手が何時の間にか3人だけになっている。

今なら3対3だから何かあっても大丈夫かもしれない。

でもあとの2人はどこへ行ったのやら…仲間を呼びに行ったとか?不安が募った。

出てきたのはビールのピッチャー、ビールで乾杯。

少々飲んでいるうちにいなくなっていた2人も店に入ってきた。

相手が5人、こっちは3人、やはり不安だ。

それでも彼らとの会話はお互いの片言英語が中心でそれなりに弾んだ。

27,8歳でインターネット関連の企業に勤めているらしく、名刺も貰った。

お互いの住所とe-メールアドレスも交換した。

住所は教えるのに抵抗があったが、相手が教えてくるのだからこちらも教えないわけにはいかなかった。

つい先日までレバノンで開催されていたサッカーのアジアカップ(日本が優勝、韓国は3位)。

その話題も出たが、その話は避けたがっているように思える人もいた。

他には韓国で知っている有名人は誰か?

韓国のどこが良かったか?

大学で何をしているか?

等と質問された。

お互い酔っていたのでとりあえずテンション高めてワイワイやったという感じ。


前の飲み屋では存在していた日韓の壁がなくなった!!

結果として2時間くらい飲んでいただろうか?

8人でビールのピッチャーで5杯飲んだ。

そろそろ出よう、という話になった。

さて、お会計。

友人2人と話して我々もあるだけでも出した方が良いだろう、ということに。

しかしこちらが財布からお金を出そうとすると

「No no no no」と、頑として受け取ろうとはしなかった。

その飲み屋の前で彼らとお別れ。

結局本当にただの良い人達だったのだ。

こちらは最後まで警戒心が抜けなかった。

相手に失礼だが飲んでいても「絶対最後のハメは外せない」と思ったし、常に正気でいるようにしていた。

結果的に彼らは純粋に我々と飲みたかったのかと考えると少々自己嫌悪。

ホテルへ戻るも小腹が減り、3時までやっているデパートの上階へ冷麺を食いに行った。

今思うと非常に良い日韓交流が出来たのだ。

この場を借りて彼らには礼を言わねばなるまい、ありがとう。

撮った写真を彼らに送ってあげなきゃ。

 

11月2日 木曜日

朝(…と言っても11時頃)起きると二日酔いで少々気分が悪い。

昨夜は気を張って飲んでいたからそんなに感じなかったが相当な量を飲んでいたのだろう。

外出してとりあえず朝昼飯。

写真入メニューがありそうなファストフード風の地元料理屋に入った。

案の定写真入メニューがあったので指差し注文。

あっさりしたスープに肉入りワンタンと麺が入ったものを注文。

キムチも入っていて辛さもある。

二日酔いの小腹空きにはちょうど良い料理だった。

それから明洞の街のシンボルと言われる明洞大聖堂へ行ってみた。

まさに教会で大きな建物、中に入ると高い天井にステンドグラス、パイプオルガンの音が響く。

厳かという言葉がしっくりくる教会内部。

その中で一瞬携帯電話の着信メロディー音が鳴った時にはかなりの違和感。

とりあえず長椅子に座ってみるとハングル語の聖書(だと思う)が置いてある。

他の人達は座って目を閉じ、祈っているのか寝ているのか。

特に何も始まる様子もないので出た。

喉が乾いたので喫茶店にでも入ることに。

ドトールやスターバックスと言った外資系大手の喫茶店もあったが敢えて地元の喫茶店に入った。

ここで飲んだアイスコーヒーがまずかった。(4000ウォン≒400円)

コーヒーって言えばコーヒーなのだが妙な後味。

舌で味わうのではなく喉の奥までストローを持っていって直接流しこんで飲み干した。
(この翌朝に友人が日本から持ってきた眠気覚ましのカフェイン系ドリンクを飲んだ。するとこの時に飲んだアイスコーヒーに味が似ていた。あんな味だと思ってもらえば良い、とにかく不味かった。)

次に目指したのは南山公園。

ソウル市内を一望出来るソウルタワーがそびえたっている。

ホテルから南山公園へ向かうロープウェイ乗り場までは近いので徒歩で向かった。

ロープウェイの往復券が4,500ウォン(≒450円)。

小高い山である南山。

ロープウェイで山頂まで向かう時に山の紅葉が綺麗だった。

山頂は韓国の観光客でそれなりに賑わっていた。

日曜・祝日ともなればもっと混むのだろう。

ソウルタワーを登るにはタワー入場料が2,000ウォン(≒200円)かかった。

タワーから見える街並みは普通の都会の街並みといったところ。

タワーの上に回転展望レストランがあったのでそこで休憩。

床がゆっくりと回転していて35分で一周するという。

フロアー全てが回っているのではなく、ドーナツ状に床だけが回っている。

回っているフロアーから出てもまだ回っているような妙な感覚が残った。

帰り際にソウルタワーに併設されている韓国のお化け屋敷に入ってみることに(2000ウォン≒200円)。

かなり安っぽい作りのお化け屋敷だったがどうも私はあぁいうのは苦手だ。

1人で入っていたらビビッていただろう。

 

ロープウェイで降りて向かった先は南大門と南大門市場。

ロープウェイ降り場から少し歩くと南大門市場に到着。

いかにもアジア、という感じの熱気と活気と人が溢れる市場だった。

我々が日本人だというのが見れば分かるらしく、日本語で盛んに声をかけられた。

服飾類、土産物、食事処など色々なものが所狭しと並んでいる。

突然雨が降ったら大変だなと思えるような商品陳列。

あれだけの人ゴミだったらスリなどが多いだろう。

人ゴミを掻き分けて地下鉄の駅に辿りつく。

もう1つの有名市場、東大門市場へ向かった。


後ろに見えるは東大門、交通量が多い。

こちらは大きな建物の中に様々な店が入っているという感じ。

それでも何だかあまりウロウロする気力もなかったので殆ど建物を突っ切ってしまった。

だいぶ陽も落ちてきたのでそろそろホテルへ戻ることに。

地下鉄を使わずにこっちの方向かなと思い見当をつけて歩き出したがどうも違ったらしい。

どうやら道に迷ったようだった。

元来た道を戻れば良いだけの話だから正確には道に迷ったとは言わないか…

ただもとの道を戻るのはしゃくだったのでチョット違う道を通って元来た方向へ戻った。

結局1時間くらいは闇雲に歩いていたようでホテルへ戻った頃は暗くなっていた。

ホテルに戻り残金計算。

どうやらあまり残金がない、翌朝早くに帰るからあとお金を使うのはこの夜のみ。

その時点での残金では晩飯を食えるくらい。

どうせなら食った後で昨夜のように軽く飲みに行きたかった。

ということで代表で1人だけホテルで両替をすることに。

我々の泊まっているホテルはレートが悪そうだったのでもう少し良いホテルへ。

そこのホテルで1人が両替をしている間にホテルのロビーで日本の新聞を見た。

なんとビックリ、我々が韓国へ到着した日に台北で飛行機が墜ちていた。

偶然とは言え恐ろしい、1歩間違えば…。

両替を済ませ、晩飯は午前中に明洞を歩いていて見つけた大聖堂近くの裏路地にあった美味しそうな店。

炭火焼肉を食えるという。

そこでカルビ・ロース・コムタン・ユッケを頼み最後に冷麺で締めた。

ビールは4本飲み、やはり韓国へ来て焼酎を飲まないのはどうかと思い真露も頼んだ。

真露はやはりアルコール度が強く、瓶一本(250mlくらい)を3人で飲んで正解だった。

隣の席に座っていた4人組のサラリーマンの席には真露の空瓶が4つくらいあった、さすが現地人。

この日入った所も美味しかった。

やはり前日同様にレタスに肉やキムチを巻いて食う。

コムタンなる牛煮込みスープがアッサリしていて美味しかった。

金額は94,000ウォン(≒9,400円)、少し高めかな。

ホテルへ戻って飲み直し、買っておいたビールが冷蔵庫に残っていた。

瓶ビールを買ったのだが栓抜きがナイ。

部屋の隅に金属製の空調機のようなものがあったのでそこの角を使って開けることにした。

勢いをつけて瓶の栓をそこの角にぶつけて開けるのだ。

栓はこうして開けろ
間違ったビールの開け方、良い子は真似をしないように。(画像提供・Eijiro)

前日に同様の方法で瓶ビールを開けていたので何の心配もなく開けようとそこの角にぶつけてみた。

ガンッ!鈍い音と共に見事に栓が開くと同時に中のビールが溢れ出す。

慌ててコップに注いでみて気が付いた。

栓どころか瓶の先端ごと割れて吹っ飛んでいたのだ。

これは危ない、気がつくと私の手から出血が…。

なんと小さくだが私の手も切れていた。

痛みは大したことなかったが血がなかなか止まらなかったのでちょっと焦った。

ティッシュで止血して事無きを得た。

瓶ビールはちゃんと栓抜きで開けましょう。

 

夜もだいぶ遅くなってきた。

最後の夜なのでこのまま寝るのは忍びない。

明洞の街をウロウロして適当な飲み屋で飲むか、ということに。

夜の明洞をウロウロ。

既に23時をまわり、地下鉄も終わっていて街の人は少ない。

やはりこの時間だと開いている店はあまりない。

少し歩いていると前を行く人が

「ライター持っていますか?」と日本語で話しかけてきた。

生憎我々は3人とも煙草は吸わないので誰も持っていなかった。

持っていないですと返事をすると、

「そうですか、いや日本語が聞こえたもので懐かしくて声をかけました」

とその男性は言った。

少し歩きながらその男性と日本語で話をした。

自動車関連会社に勤めていて3年前に日本にいたという。

私や友人の住んでいる街や大学名なども知っていて日本語も上手だった。

仕事で残業した後で飲んでいたら地下鉄がなくなってしまったのでタクシーを拾って帰るところだという。

少し話をして相手が「折角だから少し一緒に飲みませんか?」と誘ってきた。

今思うとこれが全ての間違いだった。

結論から言うとボッタクリ(だと思う)に遭ったのだ。

前夜に韓国人5人組に純粋に奢られて気が緩んでいた、というのがある。

同様に純粋に奢ってもらったのにこっちはかなり警戒心を持ってしまったという罪悪感もあった。

向こうが1人でこっちが3人だったから気が緩んでいた、というのもある。

日本語をあまりにも流暢に喋って日本のことも詳しかったので安心した、というのもある。

最終日だから気が緩んでいた、というのもある。

様々な要素が絡み合ってあまり警戒することなくその人と一緒に飲むことになった。

明洞辺りでは開いている店があまりないので江南(カンナム)という飲み屋街へ行くことになった。

その人がタクシーを捕まえて江南へ向かう。

タクシー内でも日本の話や韓国の話などを日本語でした。

タクシーで10分ほど走ったので少し不安になってきた。

江南に着くと、「ここら辺は酔っ払いが多いので日本語は喋らない方が良い」と言われた。

やはり潜在的に反日感情というのがあるのだろう。

その人はあまり迷うことなくバーのような店に入った。

我々も後に続く、昨夜よりも怪しげ。

カラオケボックスの個室のような部屋に通される、室内にはカラオケもある

瓶ビールが5本ほど来てとりあえず乾杯。

少し時間が経つと女性が2人室内に入ってきた。

片言の日本語を話せる女性で我々4人の間に座り、お酌をする。

何か妙な空気が流れる。

すると今度はウィスキーがボトルで来た。

女性が水割りを作ってくれる。

やばい、どう考えても高そうだ。

そうは思っても口に出せない、なんだかそういうことを言う雰囲気でなかった。

されるがままされていた、という感じ。

一緒に来た男性は平然と飲んでいる。

やがてカラオケが始まる、日本の歌も入っているカラオケだった。

それなりに盛り上がるが作った盛り上がりといった感が否めなかった。

一緒に来た男性は日本の歌も唄えた、かなり日本語が出来るらしい。

タクシー内での会話でソウル大学で日本語を学んだと言う。

帰るともなかなか切り出せないままダラダラと時間だけが過ぎた。

その男性や女性2人とは片言の日本語での会話など。

日本のクラブの安っぽい版みたいなものだろうか。

日本でもそういう所へは行ったことがないのに韓国で来ることになろうとは。

1時間半から2時間近くいただろうか。

ウィスキーボトル2本とビールが6本ほど、おつまみが3皿。

ボトルを空けて(結構飲んだな…)、そろそろ帰りましょうと言うことに。

会計が640,000ウォン(≒64,000円)、一瞬我が耳を疑った。

64万ウォン?!6万4千円?!、4人分で割っても一人1万6千円だ。

しかもそれとは別個に女性2人に対してチップとして各60,000ウォン(≒6,000円)。

1人3000円をチップとして渡さねばならない。

合わせて1万9千円だ、そんな金額持っていない。

一緒に来た男性は「こんなもんだよ」と言って平然と160,000ウォンを払っていた。

さて、我々はどうしよう。

私は財布に日本円で1万円を持っていた、友人も日本円で幾らか持っている。

また友人が不幸中の幸いでカードを持っていた。

近くにATMがあってそこで現金を卸せると一緒に来た男性が言う。

友人は店の人と一緒にそのATMまで行くことに。

室内は重苦しい雰囲気(と言っても私と友人だけだろうが…)。

やはり高すぎると思ったが、飲んで食った手前そうは言えない。

何より一緒に来た男性が平然と自分の金額を払ったのだ。

最終日にとんでもないところへ来てしまったな、後悔時既に遅し。

友人が金を卸して戻ってきた。

私と友人の日本円、金を卸した友人のウォンを合わせてようやく払うことが出来た。

店を出るときに店員はイヤに深々とお辞儀をしていた。

帰りもその男性とタクシーに乗り、我々は明洞の駅で降ろしてもらった。

時刻は既に3時を回っていた。

 

ホテルへ戻ってどことなく重苦しい雰囲気の中で反省会。

あれはやはりボッタクられたのだろうか?

1人1万9千円(チップ込み)。

2時間程でウィスキーボトル2本にビール6本、つまみ3皿。

やはりどう考えても高かった。

それならばあの男性がグルだったということになる。

しかしそれにしても日本人からボルために終電がなく、人通りもない明洞で待っているだろうか?

それだからこそ狙い易いのかもしれないが、あまりにも可能性が低いような…。

それにボッタクルだけにしては日本の事に詳しすぎた。

私の大学名や小田急線の駅まで知っているだろうか?

どちらにせよ最初に会った時に我々は金を持っていないという明確な意志表示をすべきだった。

前日に奢られているから今夜ももしかしたらという淡い期待が確かにあった。

それからハッキリとものを言えるようにならねば。

なんとなくの感じで気が付けばウィスキーなどが出されたし。

「金がない」とハッキリ言えていれば、「その値段は高すぎる」とキッパリ言えていれば。

前日の彼らに抱いた警戒感の少しでもこの夜の彼に抱けていれば良かったのに…

今更ながら自分の浅はかさが悔やまれる。

過ぎたことだからこうやって自分を納得させるしかない、「良い勉強になった」と。

結果としてお金は多少取られたが恐い目にあったわけではない。

次回からもっと警戒心を抱くだろうし、そういう場ではハッキリとものを言うようになるだろう。

最小限の被害で済んだと思うしかない。

だけどもし友人がカードを持っていなかったらどうなっていたことやら…

もっともホテルのセーフティーボックス内にはまだ3万円残っていたのだが。

反省会やら風呂入ったやらで結局寝たのは4時過ぎになっていた。

翌朝は8時45分に空港へ向かう迎えのバスが来るというのに。

 

11月3日 金曜日

モーニングコールを頼んでいたので7時30分に起こされる。

しかし電話を取ってすぐに切って再び就寝。

頭では起きねば、と思いつつも体が寝てしまう。

8時にようやく体を起こすことに成功、帰国準備をする。

ほぼ時間通りに迎えのバスが到着。

バス内では殆ど寝ていた。

昨夜のなんともいえない不快感も残っていた。

空港に着く前に土産屋に立ち寄った。

全員日本語を話せる店員が接客してくる。

あぁいうのは嫌だ、どう考えても土産物屋料金で高そうだし。

その土産物屋をツアーに組み入れることでマージンが発生しているわけだし。

店内のどこにいても店員に日本語で話し掛けられて居辛かった。

空港へは10時過ぎに到着。

辛うじて残った金で空港使用税9,000ウォン(≒900円)を支払う。

出国審査等を簡単に済ませて空港内で時間待ち。

なんか我々3人とも前夜のことがひっかかってちょっと妙な雰囲気。

喧嘩しているとかピリピリしているとかではないのだが、なんか雰囲気が重たい感じがした。

ただ単純に疲れていただけなのかもしれないが…。

飛行機の席も何故か横並びに3人が並ぶのではなく縦に3人が並んだ。

3人の席が36B,37B,38Bとなっていたのだ。

なんて配列だよまったく。

11時35分発の飛行機に乗って日本へ。

機内の席では1人なので軽食とビール飲んであとは寝ていた。

 

13時30分過ぎ、無事に日本に帰国。

帰りは金がないし、飲んでいくテンションでもないので京成線の普通車でゆっくり帰った。

いつも海外旅行帰りの京成線というのはだらける。

「あぁ疲れたなー」っていう疲労感をあの長い京成線で味わう。

今回は特に精神的な疲労感が大きかった、最終日に大ダメージだ。

家に帰っても現実が待っているなー。

 

…なんか締まらない締めだな。

ま、今回の旅を顕著に表わしているということで。

 

 

総評・まとめ

日本から一番近い国、韓国へ行ってきた。

時差はナシ、飛行時間も羽田から北海道へ行くのと同じくらい。

手軽に海外気分を味わうには良いだろう。

かなり日本人観光客が訪れているよう。

街中では日本語は聞こえないが、どこかの店に入ると日本語が聞こえた。

市場などは日本人は良いカモなのだろう。

都心だったからかもしれないが、飯を食う所ではたいがい日本語メニューがあった。

店員にも日本語を話せる人が多い。

それだけ日本人観光客が訪れるということだろう。

これまで行ったどのアジアの国よりも日本語が使えた。

ただ日本語メニュー表記のある店に入っても渡されたメニューが日本人向けだと感じた。

そのメニューに記載されている料理と壁に張ってあるハングル語のメニューの数が合わない。

恐らく日本人向けに簡単なメニューしか載せていないか、高くなっているかだろう。

日本語メニューには値段も書いていないことがあったので、ちゃんと確認すべきだった。

もしかしたら軽く多めに取られていたのかもしれない。

食い物はだいたい辛い。

とりあえず辛くしとけ、みたいな感じだ。

料理屋では必ずお通しでキムチが出てくるし、キムチはおかわり自由だった(なくなると持ってきた)。

目の前で長いキムチをはさみでジョキジョキ切ってくれたりもした。

キムチを肴にビールがかなり進んだ。

現地のビールはOBラガーとCASS、HITEなる3銘柄が目立った。

どのビールもアジアのビールに共通して見られた(?)臭みがなく、アッサリして飲み易かった。

また、物価は大して安くはない。

コンビニなどでも少し安い、くらいだった。

そのコンビニはだいたい日本にあるのと同じで24時間営業が主。

セブンイレブン、ファミリーマート、ミニストップ、現地コンビニ。ローソンは見なかった。

日本文化は公には解禁されていないという。

しかし地下街にあるCDショップなどでは少し日本のCDも見る事が出来た。

それが地上に出てくるのはいつの日か…

バッタもん
地下街にあったおかしなCD屋、ん?タワーレコード??(画像提供・Eijiro)

 

車は左ハンドルの右車線、量はかなり多くて運転も雑。

タクシーに乗ったとき、そのタクシーは車線の真中を走っていた。

ソウルは人口比率での自動車事故死亡者が世界1位だという。

都心の道に横断歩道はあまりなく、地下道が主。

その地下道もその中に色々な店が入っていて地下街をなしていた。

日本と同じように携帯電話は溢れていて、そこここで喋っている人が多数。

女子高生なども日本と変わらないという印象。

さすがにガングロはいなかったように思うが…。

韓国では若い女性同士が手をつないだり腕を組んだりしているのをよく見かけた。

地下鉄が交通手段となっているソウルでは地下鉄の中でも電波が届くようだった。

旅のイメージとして「なんか食ってる韓国人」というのが目に付いた。

屋台などが結構あるというのも一因だろうが、道行く人や店の店員もなんか食っている。

とりあえず何か口に入れているのだ。

全ての海外旅行に共通して言えることかもしれないがトイレは高級ホテルを使おう。

トイレは綺麗だし日本人なら問題なく入れる(韓国なら特にそうなのでは?)。

我々はロッテホテル(言わずと知れた高級ホテル)をトイレに利用した。

3人ともロッテホテルのトイレで大をした。

あの高級ホテルですら我々にしてみればトイレだ、と。

ロッテホテルと隣り合わせのロッテデパート。

ここの地下の食品売り場では数々のキムチが売られていた。

店員は当然の如く日本語を話せて、試食させてくれる。

ただし試食すると接客してくる店員の相手をしなければならない。

キムチは生物なので「帰るのが明後日なので、明日来ます」と言えばOKだ。

デパートで買うと安心だが、市場で買ったほうが断然安くなる。

デパートで1,000円で売られていた韓国海苔の倍くらいの量を南大門市場では500円で買えた。

市場ならまとめ買いの値引きもしてくれるし(デパートでもしてくれるのかな?)。

友人同士で買う場合は1人1人買うのではなく誰かが代表して皆の分を買った方が得かもしれない。

その方がまとめ買いの値引きやオマケを付けてくれるかもしれない。

そして結局食べることが出来なかった犬肉。

どうも眼鏡屋の店員に犬肉が食える所を聞いたときも店員の反応が「?」だった。

その後の韓国人5人と飲んだときにも犬肉のことを聞いたが答えが返ってこなかった。

どうも韓国で犬肉のことは法律で禁止されているから、ご法度なのだろうか?

そもそも犬肉は男性が精力をつけるために食うものらしい。

若い我々が犬肉の事を食いたいというのが変に思われたのだろうか?

 

大体そんなところだろうか。

最終日のハプニングがあったためにかなり後味の悪い旅行になってしまったとその時は思った。

しかしそれも帰国して数日経つと思い出に変わる。

嫌な思いを忘れ、奢ってもらった5人組や地下鉄の乗り方を教えてくれたおじぃさんを思い出す。

初めて3人で行った海外というのも良かった。

仲違いすることもなかったし、最終日を除けば嫌な雰囲気にもならなかった。

なにより人数が多いほうが料理屋等で注文が沢山出来るので色々なものを食べられる。

それに気分的に楽。

もし2人だけで行っていた旅だったら5人組の韓国人についていかなかったと思うし。

結果として飲み食い旅行という目的も果たせた。

昼夜の区別なくビールがある所では必ず飲んだ。

出発前に体重を量っていけば面白かったかも。

この旅でどのくらい増えたのか。

でも帰国してから量ったらいつもと同じくらいの体重だった。

辛いもの食ったから汗かいて結局元に戻ったのだろうか。

冷静になって考えるとやはり良い旅だったと言えるだろう。

 

後日追加文

今回の韓国旅行記を公開してから約半年が経過したある日、見知らぬ方から1通のメールが届いた。

メール送信者は私とほぼ同年代で、日本人の父と韓国人の母を持つ日韓ハーフの方だった。

メールの内容は私の韓国旅行記を読んで頂いて、それに対する感想が主であった。

そのメールの中で教えてもらった点や、指摘して頂いた部分があった。

そのメールの内容がかなり勉強になったのでそのメール内容をHPに掲載したいと思った。

送信者にその旨を伝えると、快諾して頂けたのでここにその内容を掲載する。

なお、送信者の希望により、送信者名は伏せます。

 

 

標題:[感想]紘之ホームページの「旅」コンテンツについて

前略

標題に関して1つ気になった点があり、今回このようにメールを差し上げる経緯に至りました。

というのは、「旅」コンテンツの「韓国旅行 2000年10月31日〜11月3日 ソウル周遊」のテキスト後半の「総評・まとめ」部分にて、、、

 

> そして結局食べることが出来なかった犬肉。どうも眼鏡屋の店員に
> 犬肉が食える所を聞いたときも店員の反応が「?」だった。その後の
> 韓国人5人と飲んだときにも犬肉のことを聞いたが答えが返って
> こなかった。どうも韓国で犬肉のことは法律で禁止されているから、
> ご法度なのだろうか?そもそも犬肉は男性が精力をつけるために
> 食うものらしい。若い我々が犬肉の事を食いたいというのが変に
> 思われたのだろうか?

 

とおっしゃっておられますが、これは少しニュアンスが若干違うというか、韓国人には複雑に思うところがあるようです。

単純に朝鮮半島圏以外の文化圏の人が、「犬肉を食べる。。。」と聞いてどのような印象を持たれる方が大半であるかと考えれば、容易に想像がつくかと思われますが、

このことで、1部の心無い人から「韓国人は野蛮だ」、「犬を食う国なんて考えられない」等酷いことを言われることが多々あり、結構苦い思いをしているように受け取れます。

えてして外国の文化を一概に評することはどうかと思いますが、言われてしまうと韓国人の中には、そんな文化を持つ自分の国に対して劣等感を感じる方もいらっしゃるようで、韓国内自体でも犬肉云々というのは、あまり日常的な話題としてあがりません(犬肉美食家とか、愛好家は違うでしょうが)。

私は、韓国にネットを通じて知り合った同年代の友達が10人ほどいますが、その話題は暗黙の了解として私も口に出しません。

もっとも、普段の韓国人は、犬肉を食すなどといったことは、日常的に意識しているワケではないと思いますが。。。

 

おっしゃるように、犬肉は、精力をつけるための1つの手段として(日本でいう*すっぽん*を食べるみたいな)食されるのですが、韓国人の中には至って普通に食べる方もいらっしゃいます。

ただ、そのような方は、一般的に年齢を重ねた方や、熟年層のサラリーマン、そういった異文化批判に対してあまり神経を向けない方が主たるものであって、その数は現在の韓国においては、比較的少数派であると思います。

今時の若者で犬肉を食べる人はまったくいないとは言いませんが、ごく少数でしょう。

感覚的には、日本でいうなら、先述のように、自分の回りですっぽんを日常的に好み、または何回も食べている人はどのくらいいるか?みたいな。。。

 

犬肉は、一般的な調理方法では、紘之様が韓国で召し上がった、辛いユッケジャンのような煮こみスープの形で食されます。

味の方は、敢えて言われなければ、犬だと気がつかないと思います。

臭みは(犬と意識するからか)少し感じられますが、辛さにごまかされて、なかなかおいしいです。

その煮こまれた辛い犬肉スープの名前は、韓国語で「ポシンタン」といい、漢字で書くと、「補身湯」。

これでお判りになると思いますが、その名の通り身体を補う湯という意味で、韓国では漢方薬的な位置付けで食されてきたものです。

ちなみに、犬肉に使われる犬は、普通のペット用ではなく、全体的に肉付きの良い、がっちりとした大きめ赤犬です。

 

また、犬肉を食すという行為は、法律で禁止されているというよりも、1988年のソウルオリンピック開催を控えた頃の、対外的イメージを意識したソウル市による市条例で禁止されたもので、以前はソウルの街中とかに犬肉専門店が軒を連ねていたようですが、このような圧力を受け、どんどん奥まった場所へ追いやられ、今では、細々と営業する店が(あるところには専門街もあるでしょうが)ポツポツといったところです。

最近では、また復活の兆しが見えているようですが、どうでしょう。

私が去年明洞に行ったときは、2件ほど地味な場所に見つけました。

多くの場合、そういった店は、紘之様も召し上がった若鶏丸ごと1羽の煮こみスープ、サンゲタンと一緒に置いてあることが多いでしょうか。。。

(法律か市条例かは、私が勉強不足で記憶が定かではありません^^;;;)

 

と、お初の方に対して、いろいろとあつかましく申し上げてしましましたが、決して揚げ足を取るとかが目的ではなくて、単純に紘之様が何かのご縁で韓国に足を運ばれたわけですから、その国の文化の裏側の背景も、おぼろげおぼろげながらに認識していただければ、例え2度と訪れることがない国であったとしても、紘之様の知識、経験の1つとして、何かお役に立つものではないかなと私が勝手に思い、余計なお世話ながらに長々しく、粘りっこく書いてしまいました。

どうかご理解下さるようお願い申し上げます。

 

あと、重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、、、時々、韓国旅行記のテキスト部分に、「ハングル語」という言葉を使っておいでで、現に近頃の日本では「ハングル語」という言葉が目立ってきています。

しかしこれは、朝鮮半島が南北に分断され「韓国語」とも「朝鮮語」とも言えず、統一した名称に困って、便宜上作られたものなのです。

当然これは、日本だけで使われ、韓国・朝鮮では通用しない言葉です。

言うまでもなくハングルとは、日本の仮名のように、韓国・朝鮮の固有の文字のことを指すので、「ハングル語」とは、日本語を「仮名語」といっているようなものなので、紘之様の今回の旅で使用される場合には、単純に「韓国語」か、「ハングル」と表記する方が、適しているのではないかと思われます。

 

最後の最後まで、うるさく申し上げて申し訳ありませんでした。

もちろん、他の部分は、紘之様の語り口も助かるせいか、韓国旅行のご様子、背景が実際に楽しく伝わってくるようで、拝見させていただいている方としては、この上なく愉快な気持ちになりました。

単純に面白い!といえるものです。

居酒屋での日韓交流成功という素晴らしい一面もあれば(韓国人って、普通情が厚いです)、滞在最終日にいわゆる*ボッタクリ*に遭われて、最後の最後で後味が悪い始末となられたことが唯一の残念ですが、基本的には旅行する度に、人の情の厚さをもろもろに肌で感じることの出来るところが、韓国の良い面ではないかと私は勝手に考えていますので(実は私は韓国しか知らないですが^^;;;)、機会があるならば、韓国にまた足を運ばれることを期待しております。

やはりネットなどで、韓国に友達ができると、更にそう感じることでしょう。

 

最後に、私の素性を明かしますと、私は日本国籍を持つ、生活、学校こそは普通の日本人とまるっきりかわらないですが、実は韓国人の母を持つ日韓ハーフでして、したがって、韓国の国、文化、民族に対しては、普通の日本人より人一倍の関心を寄せています。

さしあたって、今回、このように紘之様にメールを差し上げた背景には、以上のようなことも絡んでのこととご理解下されば、私としては望外の喜びであると存じます。

 

後略

 

読んでの通り、実に興味深いメールだったしかなりの勉強にもなった。

ここで改めてメール送信者には感謝の意を表わしたいと思う。

 

 

参考資料

ツアー代金(往復航空券、空港ホテル間の送迎、ホテル4泊、成田空港使用税)
42,800円

 

現地両替金額
15,000円(約150,000ウォン)

 

ボッタクられ金額(日本円で別途支払い)
19,000円

 

総支出額(除・成田空港までの移動費や日本での酒代)
76,800円(ボラれなければ57,800円…)

海外旅行保険は付けなかった、実際必要なかった。
今考えると現地で使った全額よりもボッタクられた金額の方が高いのか…

 

物価

コンビニ

缶ビール500ml 現地銘柄…2,200ウォン(≒220円)

コカコーラ ペットボトル390ml…800ウォン(≒80円)

ミネラルウォーター 2リットル…1,000ウォン(≒100円)

スナック菓子 各種…±1,000ウォン(≒100円くらい)

 

食事処

一品料理 ビビンバや雑炊みないなの…5,000ウォン〜10,000ウォン(≒500円〜1,000円)

骨付きカルビや焼肉系…15,000ウォン〜(≒1,500円)

チヂミ…±10,000ウォン(≒1,000円くらい)

瓶ビール500ml…±4,000ウォン(≒400円くらい)

喫茶店などの飲み物…2,000ウォン〜(≒200円くらいから)

 

地下鉄…初乗り600ウォン〜(≒60円〜)

韓国海苔(土産用・市場価格)…5,000ウォン〜(≒500円〜)

 

 

 

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