日々是ネタ也

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仙台ノスタルジー1人旅

僅か1年強しかいなかったにも関わらず、私の中で強烈なインパクトを残している地・仙台。
30代を迎えた記念に、20代の思い出の地への一人旅を敢行した。
仙台行きの夜行バスは0時に新宿を出て翌5:30頃に仙台着。
街が目覚める前の時間、24時間営業のマックは夜通し遊んだ人なのか終電を逃した人なのか水商売の人なのかとにかく若者で満席。
この時間に開いている店は殆ど無いから必然か。
街が動き出すまですることもないので、駅から歩いてすぐの所にある仙台時代の心の遺産の1つである仙台駅前の店へ。
開店前で建物自体が施錠されていて入れないが、早朝の店の前に立つとまたココで1日の営業が始まるんだなと思った当時の記憶が蘇る。
商店街をしばらくウロウロした後に仙台駅構内で休んで時間を潰す。
朝の7時になり事前に予約をしていたレンタカー屋も開店。
私の仙台遺産巡りをするのに車は欠かせない。
この時間ではまだ開店してないがまずは何よりも元自分の店へ車を走らせる。
数年前は何度も通った道なのに最初は思い出せず、カーナビに住所を入れてルートを眺めていて次第に思い出す。
店へ向かう途中で新しい道路や建物が出来ていて驚き、それでいながら元自分の店は相変わらずそこにあった。
1台も止まっていない駐車場に車を入れ、開店前の真っ暗な店内を外から覗き見る。傍から見たら完全な不審者だ。
レジや棚の位置など変わっていなさそうでなんだか嬉しく懐かしくなる。
私の住んでいたアパートも相変わらず店から見える位置にあったが明らかに色が違う。
行ってみるとアパートの名前は変わっていないが外壁を塗りなおしたらしく綺麗になっている。
私がいた頃にはなかったカメラ付きのインターホンも付いていて時の流れを実感。
私の住んでいた部屋は現在空き部屋らしく、ドアノブに電気会社やガス会社からの入居者へのお知らせがぶら下がっていた。
不動産屋へ行って内見させてもらおうかという考えが浮かんだがさすがに自粛。
まだ朝飯を食べていなかったので、仙台時代にはかなり世話になった24時間営業の大衆食堂へ行ってみる。
途中の道では諸々の発見が。
今も使っているコタツを買った家電量販店が潰れてるなとか、ココのラーメン屋はまだ健在だったかとか、ココに元自分の会社の系列店出来てるのかとか。
見るもの全てが懐かしかったり新鮮だったり。
大衆食堂は変わらずそこにあり、天ぷらそばとおにぎりの朝食で253円、安さも味も変わらない。
夜行バスで早朝に仙台に着いてそのまま行動していたので駐車場で仮眠。
起きた頃には10時を過ぎていて私のいた店の開店時間。
私が辞めてから約7年、よもや知っている人はいまいと思いつつもどこか緊張しながら店内へ。
マニュアル通り「いらっしゃいませ」の声がかかり、店員を見てみるが知らない顔。
7年ぶりの店内は私のいた頃よりも棚が高くなり、窮屈な感じ。
それでも店全体の構成は私がいたときのまま。
棚を眺めながら聞こえてくる有線放送に当時の思いが重なり、仙台時代の大半をココで過ごしたんだなーと感慨にふける。
一通り店内をぶらつき、一通りの店員の顔は見たが知っている人はいない。
車で近郊の店舗を全部回ってみたがどこの店へ行っても知っている顔に会うことはなかった。
最も多くのスタッフがいる東北地方の拠点となる駅前店ですら状況は同じだった。
さすがに7年の歳月は大きい。
どこかホッとしている自分もいたが、それ以上になんだか寂しくもなった。
同じ系列の直営店や近くにあった競合店では閉店している所もあったので、自分がいた店が残っているだけでも上出来なのかもしれない。
7年前より周囲も変わっていて、当時はまだ珍しかった24時間営業のスーパーが増えていたり、家の近くにラーメン屋が出来ていたりと以前よりも暮らし易そうだった。
昼は元自分の店の隣にある焼肉屋でランチ。
夜は当時仕事が終わった23時過ぎくらいによく通ったラーメン屋まで車を走らせる。
夜に仙台の道を車で走っているだけで懐かしい気分になる。
どんな観光案内にも載らない、私の私による私のためだけのどんな観光地よりも心に残る仙台一人旅。
次の人生の節目にまた訪れることがあるだろうか。

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