日々是ネタ也
日常全てが題材(ネタ)
北海道の祖父の死
朝一、突然父から聞かされた
「爺ちゃん亡くなったって。」一瞬で目が覚めた。
脳梗塞で入院したとは聞いていたが
それほど酷い状況だとは聞いていなかった。
老体なので日頃から入退院を繰り返していたようなので
今回も似たようなものだとばかり思っていた。
葬儀に参列するために父はすぐに実家の北海道へ。
私もその日は仕事へ行ったが職場で事態を説明して休みを貰う。
祖父の死に加えて真冬の北海道へ行く、
というだけで同情率が大幅にアップ休み易かった。
仕事はチョット忙しい時期なのでこういうことでも無いと休みにくい。
早速航空券の手配、ネット予約はAIR DOで。
道民割引というのがあって、住所や本籍地が北海道ならば安くなる。
私の本籍地は父の実家の北海道に設定されていたので道民割引を使用。
それほど混雑している時期ではなく、席はすぐに取れた。
もう少し遅かったら大学生が休みに入ってスキーやスノボ、
さらに札幌雪祭りも始まるので混雑していたような気がする。
新しく出来たばかりの羽田空港第2ターミナルからAIR DO機に乗り込む。
ANAがほぼ占有している第2ターミナル。
AIR DOは新興企業なだけにカウンターも隅っこの方にポツン、
搭乗口も一番遠い所に設置されていた。
巨大勢力に必死に挑む新興勢力の図、という感じ。
飛行機に乗ってしまえば羽田から北海道新千歳空港までは1時間30分弱。
しかし千歳空港から祖父宅のある倶知安町まで行くのが長い。
札幌・小樽を経由して向かうのだが、
小樽からは1両編成の汽車(電車ではないらしい)で豪雪地帯をゆっくりゆっくり走る(スピードが出せないのだろう)。
合計3時間弱ではあるのだが、実時間以上に長く感じる時間。
当たり前だが車窓から見えるのは全て雪景色。
地上なのにDoCoMoの電波が入らないような一面雪景色を汽車は進む。
自然界に存在する真の白色というのは雪の色だな、と思った。
昨夏以来の祖父母宅、祖父は静かに眠っていた。
聞けば逝去前日までは何とも無く、
未明に気がつくと心臓が止まっていたらしく、
眠ったまま逝ったのだろうとのことで死顔も実に穏やかだった。
通夜、見知らぬ親戚が大量集合。
父でさえ判らない人も多数という。
従兄弟との会話、
「名前と故人との関係を示した名札をつけて欲しいよね。」
それこそ爺ちゃんを起こして聞かないと誰が誰やら判らない。
葬儀列席者の挨拶などで初めて知る在りし日の祖父の姿も。
天皇陛下から勲章を頂いていたり、
倶知安町で町議を3期も務めていたり、
様々な団体の役員やっていたり…。
やたら挨拶が長い人はいたものの式は基本的に滞りなく終了。
通夜後はそのまま寺の本堂に泊まるという。
そして必然的に出てくる酒・酒・酒。
久しぶりに従兄弟と会ったのでこれを機に飲む。
お互い東京近郊に居るはずなのに全然会ったことがない従兄弟…。
見知らぬ親戚多数(しかもその殆どが50代以上と思われる)の中で一緒に飲んで話せる相手といったら同年代の従兄弟くらいしかいない。
関西から飛行機で向かっていた弟は雪の影響で千歳空港に着陸できず関西に戻ってしまったという。
真冬の北海道、そんなこともある。
翌日の告別式からの一連の行事(出棺、火葬、収骨)も滞りなく終了。
慌しく、しかし終わってみればアッサリとした感もあった葬儀一連の流れ。
明治44年生まれ90歳超の穏やかな死。
いわゆる大往生と呼べるであろう死のために悲しみにくれるようなシーンは殆ど無かった。
基本的に葬儀は悲しいものではあるが、
順番通りだとある程度は諦めに似た気持ちがあることは確かだろう。
葬儀の順番が狂う、若い者から先に逝くことで葬儀の悲しさは倍増していくのだろう。
一昨年の母方の祖父に続いて、今回の父方の祖父の死。
これで祖父はどちらも逝ってしまった。
祖父母宅へ遊びに行く動機がそれぞれ半分になってしまったが、
今は残り半分を100%としてそれが少しでも長く続くことを願うばかりだ。