日々是ネタ也
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大学卒業式
卒業式当日、大学へ向かう電車内には一見してそれと判るような連中がいる。
男は基本的にスーツだから少々判り辛いが、女は晴れ着なのですぐに判る。
学生として最後に来る大学はなんだかお祭り騒ぎ。
大学構内の広場でブラスバンドが演奏していたり、卒業に関連した音楽が大音量で鳴らされていたり、大学の校章などが入った大学グッズが売られていたり…。
式場となる体育館前で友人と待ち合わせしていたのだが、そこも凄い人。
成人式のように局地的に携帯電話が通じにくくなるなんてことがあるのではないかと思えた。
いざ卒業式、恐らく私はそこで初めて大学の校歌を聞いた。
入学式の時にも聞いていたかな?覚えがないな。
卒業式もどこかの成人式のようにざわざわ騒々しいのかなと思っていたが、さすがは卒業する大学生。
式の最中はおもっていたよりも静かだった。
それぞれの学科を代表するヤツが恭しく卒業証書を受け取る。
我々の学科の代表者も何時の間にか決定されている。
お前なんか知らねーよ、いつの間に我々の代表になってんだよ…。
卒業式では学部ごとに成績優秀者に対して様々な表彰なども行なわれたが、そこで一際目だったのがシドニーオリンピックで金メダルを取った柔道の某選手。
彼も我々と同年に卒業だったのだ。
彼の名が呼ばれて彼が壇上に立ったときは体育館内がどよめき、あちこちでフラッシュがたかれた。
式後もミーハーな卒業生らに記念写真をせがまれて代わる代わる写真を撮られていた。
やはり金メダリストは凄い、芸能人みたいだった。
たいして面白くもなかった式はちょうど1時間で終了。
ピッタリ1時間っていうのが凄いな、スムーズに進行していたということか。
大学の卒業式というのは泣き場がない。
中学や高校の卒業式とかだとお世話になった先生の別れの言葉なんかがあって、なんとなくこの辺りが泣くところだろうな、というのを感じることがあった(もっとも私は高校が男子校だったこともあって高校での泣き場はなかった)。
大学の卒業式にはまったくそれがなかった。
本当にただの「式」という感じがした。
式後に学科ごとに教室に集まって1人1人卒業証書ならぬ学位記を受け取る。
それを受け取るのも流れ作業で、学籍番号順に前へ行って学位記もらって成績証明書受け取って記念品受け取って…という感じでなんの感慨もなかった。
アッサリした卒業式だったなー。
最後に教授先生らが1人ずつありがたーい話しをしてくれたのだがそれも何だかアッサリしていて「卒業」という実感が湧かなかった。
もっとも大学は小中高と違って行ったり行かなかったりするからあまり大学に対する帰属意識というのがナイのかもしれない。
卒業に関連した全ての行程を終え、解散。
解散後数時間してからパーティー会場みたいな所で謝恩会を予定していたのだが、会費が5000円かかるので仲の良かった内輪の友人だけで居酒屋よりはチョット雰囲気が良さそうな店へ行って卒業お疲れ飲み会。
乾杯後の第一声は「終わったなー」。
これまでに学期が終わるごと、テストが終わるごと、ゼミ論・卒論が終わるごとに開催した飲み会でも乾杯後の第一声は「終わったなー」だった。
しかし今回の「終わったなー」はそれよりももっと深い意味のこもった言葉だ。
簡単だがとてもとても深い意味のこもった言葉だった、終わったな。