日々是ネタ也

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さよなら、車

仙台・1人暮らし時代の遺物、車。
実家に戻ってきてからは乗る機会がメッキリ減ってきた。
実家にも車があり、しかも最近買い替えてカーナビも付いていることもあってますます出番が無くなる自分の車。
使用するしないに関わらず自動車税・駐車場代・保険代・車検代は減って行き、使用すればするほど燃料代も減っていく。
弟が社会人になって地方へ1人暮らしするようなことになったら譲ろうと思っていたが東京勤務になったのでそれも不要。
このまま乗らずに持ち続けているよりも車検も残っている今のうちに手放した方が自分にとっても車にとっても最上の選択だと判断。
しかし年式は10年前でしかも関東近郊では走れなくなりつつあるディーゼルエンジン車。
果たして引き取り手があるのだろうか。
ネットの車売買サイトに一括登録、その日のうちに某大手中古車買取店から連絡があった。
地方ではディーゼル車の需要はそれなりにあるのでとりあえず店頭までお持ちください、ということで予約。
久々に乗ろうと思った車。
改めてみるとボンネットの塗装は剥げて錆びてボロボロ。
スモークも所々削れてるし全体的に埃っぽく猫の足跡も。
最初はいくつかの店舗で見積もりを…なんて思っていたがこんな状態の車を店にもって行って査定してもらうなんてあつかましい。
むしろこちらが金を払わずに持っていってくれるだけで満足なような気がした。
某大手中古車買取店へ持って行き、査定をしてもらっている間に担当者と話をする。
ダメ元で来てるんでダメならダメで良いですよー、みたいな軽いノリで行き、結果は予想通りのゼロ査定。
ただ廃車になるのは免れたらしく、車検も残っているので整備してオークションに出すとか。
さらに廃車になるわけではないので前回の車検時に支払ったリサイクル税が戻ってくるらしく結局1万円強のバック。
マイナスにならなかっただけで満足。
そして廃車にならないということで車に対する後ろめたさも消えた。
少なくとも自分の手で車の生涯を終わらせるようなことにはならなかったわけだ。
諸書類を用意するための執行猶予期間を頂く。
社会人一年目の仙台でイキナリ現金一括購入し、1人暮らしの行動範囲を実に大きく広げてくれた。
それまでは買い置きのカップラーメンばかりだった晩飯だが、夜遅くまでやっている定食屋まで食べに行けた。
今でも夜に1人でドライブをすると仙台時代を思い出す。
数本ずつしか購入できなかったビールもケースで買うことが出来た。
思い立って松島までドライブもした。
仕事を辞めて仙台から東京へ戻る際にも使用。
無職時代の小遣い稼ぎのお中元配達アルバイトでも使用。
京都の祖父が亡くなったときは京都まで走った。
北海道の祖父母宅へ遊びに行った際にも東北自動車道を八戸まで行き、そこからフェリーで北海道へ上陸後も札幌・小樽・旭川・富良野と走った。
深夜のヤビツ峠へ走りに行ったことも数知れず、初めて事故を起こしたのもヤビツでvsガードレールだった(今のところ最初で最後の事故)。
充分頑張ってくれただろう。
引渡し前夜、仕事後に敢えて車に乗る。
晩飯を仙台時代によく行ったチェーンのラーメン屋で食べる。
しかし仙台時代によく食べていたメニューは無くなっていた。
引渡し当日には中元配達バイト時代によく行ったファミレスで昼飯。v その頃にいつも座っていた禁煙席は喫煙席になっていて代わりに禁煙席が増えていた。v 時は確実に流れていることを実感。
引渡し現場へ向かい燃料も残り少なくなった最後、道が空いた瞬間を見計らって一気に加速、最後の無茶をして中古車買取屋へ。
事前に取得してあった住民票や印鑑証明、そして諸書類に実印を押して手続き終了。
こちらの感慨をよそにごくごく事務的にアッサリと手続き終了。
めでたく次のオーナーが見つかったら、ディーゼル特有の黒煙排気ガスとエンジン音を撒き散らして走ってくれ。
いつの日か街で地方ナンバーのプレートを付けて走っているコイツとすれちがうことがあったとして、私は気付くことができるだろうか。

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