日々是ネタ也
日常全てが題材(ネタ)
虚しい再会
学生時代のバイト先の同僚からメールでもたらされた訃報。
私もバイト在職中には多大なるお世話になった方が亡くなったという。
先月店に行ったときに入院していると言う話は聞いたがまさかこうも突然。
その後の電話で通夜と告別式の日取りを聞かされる。
通夜の日は幸い休みだったので参列させてもらうことに。
元バイト先の同僚らとの待ち合わせの駅へ行くとバイトを退職して以来会っていない、かなり懐かしいメンツが沢山。
開口一番「こんな形で会いたくなかったな」。
そして改めて集まったメンバーの顔を見て私が大きな過ちを犯したことに気が付いた。
彼(女)らが来ているのならば当然来ていてもおかしくないような人が来ていない。
そしてよく考えてみればその連中と最も連絡が取り易い立場にいるのは私だった。
ところが私は誰にも連絡していない…。
その瞬間まで自分が誰かに連絡をしなければ、という発想すらなかった。
何でそんな簡単なことに気が付かなかったのだろう。
現在の生活の中では殆ど繋がりが無いゆえに、お世話になった方の死に実感が全く無かったからだろうか。
滞りなく通夜を終え、お清めの食事。
続々と懐かしい顔に会う。
つくづくこんな形じゃなければなぁ、と思う。
葬儀場を出て当時の社員やバイトらと追悼(という名目で)飲みに行った。
飲み会の参加者は数年前までは皆同じ店で働いていたのだが、今はそれぞれ別の仕事をしている。
必然的に昔話に花が咲く。
学生時代と平行してアルバイト時代があった私から見ると同窓会みたいな感じだった。
地元に帰ってさらに飲み直し。
飲みながら話しながら色々と昔のことを思い出す。
お世話になった方が亡くなったのだが、あまりにも実感が無い。
現在の生活では休みの日に会いに行く(平日しか出勤していない人だったからそれもなかなか出来なかったが)くらいしか接点が無かったからだろう。
私が現役で働いていたらもっと違っただろうが…。
翌日の仕事のことも考えて最後はソフトドリンクを飲んでいたのだが店を出たのは2時。
翌朝起きると軽度の二日酔い。
しかし二日酔い以前にお世話になった方の死に対する実感の無さ、通夜、そこで会った懐かしい顔、当時の記憶、現在の生活…色々な考えが頭をよぎって心に残ったのは虚無感。
それらのことを考えていたら今は暇な時期というのもあって仕事がどうでもよくなった。
職場に体調不良のために休む旨を連絡。
二日酔いも体調不良に入るだろうし、精神的にも少し体調(?)不良、仮病ではないよな。
今の仕事に就いて初めての半分サボり休暇。
特に何するでもなくゴロゴロして過ごす、結局普段の休日と変わらない。
翌日、いつものように出勤。
地元の駅で電車を待っていると不意に声をかけられた。
振り向くと通夜でも会った当時のアルバイトの後輩だった。
これまで1度もこんな形で会ったことなど無かったのに、通夜の2日後に偶然出会うなんて…。
お互い出勤途中で違う電車待ちだったのであまり話すことは出来なかったが、アルバイトを始めた当時はまだ高校生でポーっとしていた感じのコだったのだが、今や社会人でそれなりにしっかりしているように見えた。
当たり前だけど時間は流れているんだな…。
次は何か良い機会で会いたいね、そう言って別れた。