日々是ネタ也
日常全てが題材(ネタ)
4年ぶり86回目
2000年10月9日以来、約4年ぶりにプロレスを観に行った。
会場は東京ドーム、開催団体はNOAH。
高校・大学の頃、定期的に日本武道館大会を観に行っていた団体が全日本プロレスだった。
2000年、その全日本プロレスの主力選手殆どが離脱して旗揚げした団体がNOAHだった。
これまで観てきた全日本プロレスの半崩壊(選手が大幅に入れ替わって全く違う団体になった)、
そして旗揚げ当初は異常な人気でチケットが取れなかったNOAH。
私自身の就職による多忙化も重なって自然とプロレス会場からもプロレス情報からも離れていた。
前職を退職して自分の時間が持てるようになってきてプロレス熱も復活してきた。
そして今回の約4年ぶりの観戦。
4年前に旗揚げしたNOAHの初めて東京ドーム興行。
しかしその話題性だけで会場に足を運んだわけではない。
ある1つの試合が4年ぶりに私を会場に向かわせた。
三沢光晴と武藤敬司、
タッグマッチではあったがこの2人が初めて対戦することが決定したのだ。
約10年前、プロレス界はアントニオ猪木の新日本プロレス、ジャイアント馬場の全日本プロレスが2大メジャー団体として君臨していた。
新日本プロレスのエース格だったのが闘魂三銃士と呼ばれた武藤敬司・蝶野正洋・橋本真也、
一方全日本プロレスでは四天王と称された三沢光晴・川田利明・小橋健太・田上明。
その中でもヘビー級ながら華麗な動きや派手な技を見せ、
三銃士・四天王でも1つ抜けていると見られた武藤敬司と三沢光晴は年齢が近いこともあり両団体のエースとして常に比較され、
2人の対戦はもっとも分かり易い形でプロレスファンの夢とされていた。
4年前、三沢を始めとした大量の選手が全日本プロレスを離脱しNOAHを旗揚げ。
プロレス界の新日本・全日本の2大メジャー団体制は崩壊。
それをきっかけに実現不可能と思われていた様々な対戦が実現した。
三沢と蝶野、三沢と橋本、武藤と川田、小橋と蝶野。
しかし誰もが望んでいた筈の三沢と武藤の遭遇はなかなか実現しなかった。
そして今回、NOAH初の東京ドーム大会においてようやく実現することになった。
これは絶対に観に行かなければならない。
三沢と蝶野ではない、武藤と川田ではない、武藤と三沢の対戦。
2人の全盛期にプロレスを観続けてきた私にとってこの試合を観に行くのは義務にすら感じた。
今更…10年前なら…様々な批判の声もあった。
確かに2人の全盛期は残念ながら過ぎている。
2人とも現在は団体を引っ張る社長としての顔も持っているし、
デビューから約20年が経過して蓄積されているダメージもある。
しかし、入場時の武藤に対する大歓声、三沢への大ミサワコールが雑音を振り払う。
そしてお互いのパートナー同士の先発で始まったタッグマッチ。
武藤が初めてタッチを受けてリングに登場すると場内は大歓声。
それに後押しされるかのように三沢のパートナーが
「行ってください!」とばかりに進んで三沢にタッチ。
その瞬間、東京ドームの底から沸き立つ地鳴りのような大歓声は凄まじかった。
同じリングに立つだけであそこまでの歓声を作ることが出来る2人は現代のプロレス界にはおろか、
昨今の格闘技ブームに乗った格闘家にすらいないだろう。
2人が積み重ねてきた歴史、ファンが望んだ、待たされてきた期間が違う。
あの大歓声とリング上を見ているだけで身震いがした。
TVでは味わえない生観戦ならではの感動と興奮。
あの瞬間にあの場所にいられただけで4年ぶりにプロレス会場に足を運んだ甲斐が充分にあった。