香港一人旅

1998年9月21日〜24日

 

本当は今回の旅、相方と一緒に中国に上陸するはずだった。

しかし中国入国にはビザが必要。相方はパスポートすら持っていなかった。

パスポートを取ってビザの申請をしたのでは私の夏休みが終わってしまう。

それによって予定変更、初の海外一人旅を決行することにしたのだ。

「アジア地域でビザなしで行けるところといったら何処ですか?」

「香港かバンコクになりますね。」

というわけで香港に決定したのだ。

日本では成田-香港間の往復航空券と香港滞在のホテル3泊分を取った。

パッケージツアーとかではなく完全に「航空券」「ホテル」を別口で取ったのだ。

 

 

 

9月21日 月曜日 東京 雨

あいにくの雨の中自宅を出た。

成田空港で2万円を1,000香港ドルに両替した。

飛行機は日本航空、17時30頃に離陸、機内のお客は9分の入りくらいだった。

喫煙席だったのが痛かった。

あまり好きでない飛行機の中でタバコ吸われるのはキツイ。

しかし飛行機の中はタダでビールが飲めるのが良いね。

香港に上陸。

香港国際空港、つい最近出来たらしく広々として綺麗だった。

空港についたらもう日本語は通じません。不安がいっぱいだ。

香港入国手続きは無言のうちに行われ、初めて香港で言葉を発したのは税関。

税関のおっちゃんが「Where are you come from?」

「Japan.」その一言で素通り、やはり日本人は安全だと思われているのだろうね。

ホテルは尖沙咀(チムサチョイ)という所にある。

電車よりもバスの方が安そう、バスの案内板で「尖沙咀」の文字を探す。

そこと思われるバス乗り場にいってバス乗り場のおっチャンに尋ねる。

ガイドブックを見せ「尖沙咀(を指差して)This bus ok?」

というを「Yeah yeah」どうやらあっているらしい。

そこに止まっていた2階建てバスに乗り込んだ、料金は前払い制、30香港ドル強。

バスはガラガラ、折角だから2階席の一番前に座った。

車内放送などもなくどこへ連れて行かれるのかとても不安だった。

本当にチャンと行ってくれるのだろうな。

バスが有名なネイザンロードに入ると、街のあちこちにネオンが。

ホテルがネイザンロード沿いにあるのは知っていた。

適当なところを見計らい何人か降りたところで私も一緒に降りた。

降り口の所に10人弱程の怪しげな東南アジア系の人が待ち構えていた。

私が降りると一斉に話しかけてきた。

「トマルトコロアル、トマルトコロアル」「ホテルホテル」「ダイジョウブ、ダイジョウブ」

とにかく、無視・全て無視してホテルがあると思われる方へ歩いて行った。

ホテルはすぐにわかった。ホテル内では基本的に英語が通じるから一安心。

一応しっかりした感じのホテル。日本で言うビジネスホテルってな感じ。

ユニットバスもトイレもTVも部屋にあった。

この日は疲れた。

腹も減っていたのだが時間が時間だけに外に出るのは少々怖かった。

既に現地時間でも0時を回っていた、この日は寝ることにした。

 

 

9月22日 火曜日 香港 晴れ

現地時間の9時頃に起きて街をブラつきに出発。

パスポート、航空券や日本円はホテルのセーフティボックスに預けて出発。

天気は晴れ、蒸し暑い。

ネイザンロードをずーっと歩いて行った。

チョット出た時間が早すぎたか、開店前の店も目立った。

最初の食事は日本でもお馴染みのマクドナルドへ入った。

恥ずかしい話だがやはりファーストフードは簡単だから良い。

メニュー見てそれに書いてある番号を言えばOKなのだから。

日本で言うバリューセットが18香港ドル、日本よりも若干安いかな。

店内の雰囲気は日本と殆ど変わらない、店員にオバさんが目立ったくらいかな。

味もフツーでした。

 

一通りネイザンロードをブラついた後は香港島へ向かうことにした。

香港というのは九龍島と香港島の間に海がある。

その九龍島と香港島を指して「香港」としている。

ネイザンロードは九龍島の方にあるので海を渡って香港島へ。

向こうの香港島に渡る最も単純な方法は船。

スターフェリーというヤツが随時運行している。

その船で向こう岸の香港島まで2香港ドル20セント。

かなり安い、いかにそれが香港民の足として定着しているかが分かる。

揺れはひどかったが眺めが良く、海風が心地よい。

香港島の方が九龍に比べると整った感じがした。

九龍の方が「雑然」という感じがした。

なんの気なしに歩いていると警察官に片言の英語で呼び止められた。

「どっから来た?」「パスポートを見せろ」「カバンを開けろ」

かなり感じ悪かった。

しかし変に抵抗して署とかに連れて行かれても困るので言う通りにした。

結局ナニが言いたかったのかは判らないがとても腹が立った。

香港島の方にはそごうや三越など日本系の大きなデパートもあった。

再びスターフェリーで九龍島に戻り、ホテルへ。

だいぶ歩いたのでホテルで一睡の後に晩飯を食うために再度街へ出た。

なんとなく食堂街のような所を歩いていて大衆食堂っぽい所に入った。

そこはまさに大衆食堂、家族連れ・カップル・友達同士・独り者、なんでもいた。

メニューを見てもよくわからん。

横に英語が書いてあったのでそれを参考に注文。

「生炒牛肉飯」28香港ドル、「鶏翼公仔麺」20香港ドルを注文してみた。

英語で前者はなんとかビーフライス、後者はチキンウィングヌードル。

ビーフライスの方は量がとても多かった。ヌードルはラーメンではなく妙な麺だった。

基本的に味付けは塩辛い。しょっぱいしょっぱい。

ビーフライスには塩の塊も入っていた(笑)

ヌードルのスープはしょっぱすぎて飲めたものではなかった。

 

香港の海

海の向こうが香港島、右にわずかに見える船がスターフェリー

ヴィクトリア・ピークは右の山だと思う。

 

 9月23日 水曜日 香港 晴れ

この日はまずフェリーに乗って香港島へ。

香港島にヴィクトリア・ピークという香港全体が見渡せる山がある。

あの100万ドルの夜景で有名なところです。

セントラルという所から2階建てのオープントップ無料バスで山の麓へ。

山の麓にはピークトラムという山を登る列車の駅がある。

そのピークトラムに乗ってヴィクトリア・ピークへ行く。

しかしこのピークトラムがとても怖い。

登る山道がかなり急な山道で滑り落ちるのではないかと思った。

山頂からの景色はさすがに有名になるだけのことはあって大した物だった。

夜に来れば100万ドルの夜景を拝むことが出来たのだ。

山頂には土産物屋などの店もいくつかあって少々歩いた。

九龍島に戻って次は地下鉄に乗った。

地下鉄も結構発展していた。

地下鉄に乗ってモンコックというところの信和中心という雑居ビルへ。

ここは色々な妙なものを売っていた。

アイドルショップ、CD屋、スポーツショップ、本屋、アダルトショップ、怪しげな骨董品屋等々。

アイドルショップでは日本のアイドルの写真も多数。

CD屋では日本の有名アーティストの海賊版CDがわんさか置いてあった。

日本の海賊版CDは1枚60香港ドル。日本より安いよ、違法だけど。

広東語の日本漫画も置いてあったが日本円と値段はそんなに変わらなかった。

 

今夜の晩飯も大衆食堂のような所。昨日の大衆食堂よりも汚らしい食堂だった。

屋台とかが並んでいる所もあったのだが、言葉が判らないしなんだか不安。

夏で暑いから妙なもの食わされて当たったら困るしね、一人旅だし。

その大衆食堂では店員のおっチャンが片言の日本語で

「エビワンタン・イカダンゴ、オイシイ」

と言ってきたので「Ok please」と言ってそれを注文した。

エビワンタンはスープにえび入りのワンタンが入ったもの。

イカダンゴはイカの味のする団子が入ったあっさりしたラーメンのようなもの。

ラーメン(?)の麺はまずかった。エビワンタンとイカダンゴは美味しかったけれどね。

ちなみに料金は56香港ドル。

今回の旅は3泊4日。

もう翌日には帰らなければならない。

 

 

9月24日 木曜日 香港 晴れ

帰国の日。朝起きてちんたらと帰り支度。

ホテルのチェックアウトもごくスムーズに済んだ。

空港へ向かうルートは特急電車かバスか。

特急だと早いが料金がバスの2倍以上かかるのでバスにした。

やはり2階建てバスの一番前にすわり最後のネイザンロードの景色を楽しんだ。

空港にて搭乗手続き。

帰りは窓際の禁煙席がよかったので聞いてみた

「Window & No smoking please」と言ったら

窓際は喫煙席しか空いていないと言われたので仕方なく喫煙席の窓際にした。

空港のレストランでスープの中に春巻きが入った料理を食った。

 

帰りの飛行機内、ビールを2本飲んで良い感じ。

窓から見える雲がとても綺麗で良かった。

なにはともあれ無事に日本帰国、当然だが日本語が飛び交っている。

そのことに妙な新鮮さを覚える。

初の海外旅行は大したトラブルもなく終えることが出来ました。

 

 

 

まとめ

本文中でも書いたがまさに「雑然」という感じ。

道には2階建てのバスとタクシーがやたらと多い。

ネイザンロードなどは常に車でいっぱいだった。

人も大勢。赤信号でも無視して平気でわたってしまう、恐るべし。

街中を歩いていると時々晴れているのに水滴が垂れてくる。

なにかなとおもって見上げるとエアコンの室外機がビルの外側に取りつけてある。

そこから水が垂れてきていたのだ。

一つ道を外れるとかならず何らかの匂いがした。

生臭い匂いであったり、食べ物の匂いであったり妙な混ざった匂いだったり。

警察官もいたる所にいた。

2日目くらいに街を歩いていたら台車を押して逃げている東南アジア系の黒人がいた。

それを警察官が10人弱くらいでおいかけている構図があったがなんだか笑えた。

ガイドブックによるとすりが多いと書いてあったのでかなり警戒していった。

しかしスリどころかそれっぽいのにすら会わなかった

交通網は結構発達していたと思う。地下鉄の駅は自動改札のようなもの。

正確には自動ではなく切符を改札に入れてレバーを押して中に入る手動改札。

切符は全てカード式、カードは全て再利用できる。

定期券はセンサーにかざすだけで通れる仕組みになっていた。

その辺は日本よりもある意味発達しているかな?

物価は日本よりも少し安いくらい。ブランド物などは私にはよく判らないけれど。

香港にもHMVがあって日本人歌手コーナーがあった。

私が滞在していた23日にパフィーのライブが香港であったらしくポスターが貼られていた。

水はミネラルウォーターを飲んだ、歯磨きのときは水道水でやった。

飲料水はミネラルウォーターの方が良いと思う。

天気はずっと良かった。ただやはり暑いね。

街をブラブラして歩いているだけでも面白かったが、香港に住みたいとは思えなかった。

やはり観光で来るだけだね、観光する分には良いと思うよ。

香港のような大都市なら言葉など通じなくとも金さえあれば生きていけるなと思った。

 

 

 

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