How to be
プロレスファン

 

中学時代 プロレスとの出会い

最初にプロレスを見始めたのは中学1年の頃。原因はテレビゲームである。友人の家でやったプロレスゲームが面白くてその頃は土曜の夕方にやっていたプロレスのテレビを見始めるようになった。そして日曜の深夜にもプロレスをやっていることを知り、ビデオに録って見始めるようになった。

中学時代、回りにも数人のプロレスファン友達がいてファンなら誰もが経験しているであろう定番のプロレスごっこを教室の片隅でよくやったものだ。体育館のマットなどは最高である。パワーボムにバックドロップ、危険な技がかけ放題だった。中学時代のプロレスごっこでよく覚えているのが教室の床にDDTという脳天から落とす技を掛けられて頭から血を流したことがあった。今では笑い話だが危険なことをよくもまぁ平気でやっていたものである。

中学の頃に印象に残っているのは現在(2000年5月現在)全日本プロレスの社長である三沢光晴。ちょうど彼が初めてスタン・ハンセンを破って最初にチャンピオンになった試合である。三沢の勝ちを報じるプロレス雑誌を初めて買ったのも覚えているし、チャンピオンになった試合を収めたビデオを初めて保存版にしようと思った(今でもそのビデオは当然持っている)。三沢がチャンピオンになった1週間程前には全日本プロレスと並ぶもう1つのメジャー大団体新日本プロレスでもグレート・ムタこと武藤敬司が長州力を破って新日本プロレスのチャンピオンになっていた。その三沢と武藤は団体こそ違えど同年代。その2人がほぼ同時期に王者になったことでプロレス界の世代交代が声高に叫ばれていた時期だったのだ。

 

高校時代 強力なプロレス仲間

高校入学時、まだ私は世間に対して声高に「趣味はプロレス観戦です」とは言えずにいた。どことなくプロレスという物に対して存在する世間の目というのが気になっていたのだ。どうしてもプロレスという物に対して後ろめたさがある「八百長、インチキ、野蛮」等々。

そして高校1年の時の自己紹介。私は地元ではない高校に行っていたので周りは知らない人たちばかりである。そんな状況で「趣味はプロレス観戦」とは言えなかった。無難に自己紹介を終わらせた。すると私の2つ後ろのヤツが自己紹介の時に平然と言ってのけたのだ、「趣味はプロレス観戦です」と。ショックだった、負けたと思った。平然としっかりと自分の趣味はプロレス観戦です、と言えてしまった彼にである。しかしそれと同時に嬉しくもなった。友人が誰もいない状況だけれどここにはプロレスファンがいるじゃないかということで。

思いきってその彼に話しかけてみた、「俺もプロレスファンなんだよ」。その一言から全てが始まる。その後も同じクラスで数人のプロレスファン仲間が出来た。どこにでもいるのである。プロレスが好きでなければできなかったかもしれない友達である。

最初に友人になった男とは高校在学中に数十回も共に会場へ足を運び観戦した仲である。高校を卒業して大学が違う現在でも回数こそ減ったものの共に観戦する仲である。

 

大学時代 趣味はプロレス観戦です

高校時代に数えてみるとなんと計51回も生観戦をしていた。その頃が1番面白かったのかもしれない。全日本プロレスでは純プロレスといった感じの四天王(三沢・川田・小橋・田上)プロレスの確立、完成。新日本プロレスはUWFインターナショナルとの全面対抗戦などの殺伐としたプロレスを展開。主要団体が東京ドームで集まって行なわれた夢の興行なども開催された。

高校生ということもあったのだろう、純粋に楽しんでいた。心からワクワクしていた時期だった。生観戦が近づくにつれて頭の中で色々とイメージする。雑誌等を読んで徐々に自分の中でのボルテージを高めて行って会場へ向かう。会場でも大きな声をあげて声援を送っていた。純粋に楽しかったなと思えた。

月並みかもしれないがやはり選手は凄い、と。あんなに凄い技を受けてもまだ立ちあがる、試合を続ける。世間的には色々言われているかもしれない。しかしそんなことお構いなしに選手達は試合を、凄い試合をやってのける。そう感じることが出来るようになった。一生懸命プロレスをやっているレスラーがいるのだ。多少の世間体を気にしてプロレスファンであることを公表できずにいた自分を恥じた。それ以降私はどのような場でも趣味を問われればプロレス観戦であると答えるようにしている。

大学時代、ゼミの自己紹介で自信を持って言った、「趣味はプロレス観戦です」と。そうしたらやはりいるのである。ゼミにもいたのである、プロレスファンが。プロレスファンになった中学時代、そして私のファン度が急激に増した高校時代、大学時代、そしてバイト先でも必ずプロレスファンがいた。私が経験した社会の中には常にプロレスファンがいた。多分隠れプロレスファンと言うのは大勢いるのではないか。どうしても世間体を気にしてそれを公表できていないでいる昔の私のような人が必ずいるだろう。

馬鹿にされても八百長と言われてもインチキだと言われても構わない(そうでないにこしたことはないが)。プロレスを見て単純に凄いと思えた、感動を味わえた自分の気持ちだけは絶対にインチキでないことはなによりも自分が1番よくわかっている。プロレスを馬鹿にする世間の一部の輩、ムキになって否定していた頃の私もいた。しかし今ではこう思う、プロレスを馬鹿にしている輩は私よりも1つは人生の楽しみを減らしているな、と。

一連の就職活動中、面接で趣味を問われることもある。私は迷わず1番にこう言う、「趣味はプロレス観戦です。」

 

 

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