北海道・道南観光
ご存知の通り私には北海道に祖父母がいる。
夏休みと言うことで久々に会いに行ったついでに適当に道南を観光。
小樽、洞爺、函館の3箇所。

 

2000年9月5日火曜日

北海道へ向けて出発しようとした朝のニュース。

駒ケ岳(函館から北へ行った大沼という所に在る)が噴火したという。

それほど大きな影響は出ていないというが旅の行く末に僅かな不安を感じた。

北海道までの交通手段は飛行機を予定、スカイメイトだ。

東京の天気は生憎の雨、9時頃に家を出て羽田空港へは10時30分に到着。

すぐに空港内の掲示板を見る、10時45分発のANA札幌(千歳空港)行きがある。

即座に航空券を購入して空席待ち番号を貰う。

航空券が前回行った時('99 2月)よりも高くなっている。

前回は12,500円だったのに今回は15,000円に値上げされていた。

スカイメイトだと半額なので通常料金だと25,000円から30,000円になっているということだ。

これはチョット高すぎるのでは?

そう思う暇もあまり無く急いで出発ロビー内へ。

ロビー内に入るには荷物チェックを受けなければならない。

そこがいつも列をなして混んでいていらいらする。

しかも私の場合はほぼ必ず金属探知機ゲートで引っかかる。

ベルトが必ず反応してしまうのだ。

だったらベルトを外せよというところだが、列に並んでいる中でベルトを外すのは気が引ける。

誰一人としてベルトを外している人がいないのだ、なんだか気恥ずかしい。

だったらひっかっかってボディーチェックされた方が良いや、という判断。

ところでボディーチェックをするのは必ず女性の空港職員。

やはり男性空港職員だと女性客に対してやりにくかったり変な誤解を与えたりするからなのだろうか。

そう思う暇もあまり無く急いで搭乗口前の空席待ちカウンターへ。

私が行った時には既に空席待ち番号の呼び出しを始めていた。

しかし私の空席待ち番号のだいぶ前の番号で一旦空席待ちがしめきられた。

これから駆け込みで搭乗する客がいるかもしれないからこれ以降の番号は席の保障は出来ないという。

さすがに10時30分に空港に着いて10時45分の飛行機に乗るようなことは出来なかったか。

即座にその便を諦めて次の便を確認。

11時45分発のJAS札幌千歳空港行きがあった。

羽田空港の出発ロビー内、ANAとJASはだいぶ離れている。

急いでJASのカウンターに向かって、JASでも空席待ちの券を貰う。

搭乗口そばの空席待ちカウンター前でしばし待つ。

一般客が搭乗を終えてから空席待ちの呼び出しが始まる。

ほとんどカウンター前に人はいない、これなら乗れるのでは?

案の定乗ることが出来た。

航空券はANAで買っていたのだが、JASの航空券に替えてくれた。

航空券はANAでもJASでもJALでもどこのカウンターで買っても良かったということか。

10時30分に空港に着いて11時45分発の飛行機、まずまずの結果でしょう。

札幌・千歳空港までは約1時間30分、すぐ着いてしまう。

短時間なので機内サービスもソフトドリンクだけ、ビールくらい飲みたいなー。

機内サービスが来た時に眠っていると席の前にシールを貼られる。

「お休みのようでしたのでドリンクサービスを控えさせていただきました。ご用の際はお呼びください。」

と書かれているのだ。

ハッと起きてそれが目の前に貼られていた時の屈辱感(笑)

眠ってしまった、しかも寝ている所をスチュワーデスに見られてしまった。

ドリンクサービスが来たことにも気付かずに眠ってしまった、完全に隙を見せてしまった…。

ってそんなコトを思うのは私だけかな。

13時15分頃に千歳空港着、そこから札幌駅へ列車で1,000円強。

空港はだいたい郊外にあるからそこまでの交通費というのもばかにならない。

私の家から羽田までもやはり1,000円強かかるし。

札幌に着いたのが14時15分頃。

祖父母宅のある倶知安行きの列車を調べると15時28分札幌発のが直通で倶知安まで行く。

1時間強しかなかったので札幌でラーメン食って適当に街をぶらついただけにしておいた。

札幌を15時28分に出る列車に乗って17時30分に倶知安着。

もしかしたら読めない人がいるかもしれないので念の為、倶知安=くっちゃん。

北海道のユニークな地名の1つとして少し有名かな?

蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山の麓にあり、じゃがいもが特産物。

ニセコに近いというと分かり易いかな。

久しぶりに会う祖父母は共に元気で良かった。

20歳をすぎても父方母方の両祖父母が共に健在というのはそれなりに珍しいのではないだろうか?

いつまでも続くと良いのだが…

祖父が車を貸してくれるというので翌日は車で小樽へ行くことにした。

 

9月6日水曜日

前日の北海道は晴れていたのにこの日は雨が降りそうな空模様。

祖父の車を借りて小樽へ出発。

そういえば自宅の車と教習所の車以外の車を運転するのは初めてだ。

それも走ったことのない北海道。

しかし予想通り道はガラガラ、車の運転にも問題は無かった。

北海道がスピードの出し過ぎで死亡事故が全国ナンバーワンというのも頷ける。

スピードを出さないと後ろの車がつっかえて逆に迷惑になってしまいそう。

法定速度で走っていたら確実に後ろが詰まってすぐに追い越されてしまう。

そんな北海道の道を走る。

途中で本格的に雨が降り出してしまった、残念。

倶知安から車で1時間10分程で小樽到着。

小樽へ着くとさすがに栄えていたし車も多かった。

雨が降っているにも関わらず観光客の多さに驚いた。

小樽運河が有名で私も(雨が降っていたので)車の中からそれを見た。

観光客も圧倒的に多いのが運河。

運河は思っていたよりも小さかった。

運河沿いに並ぶ石造り倉庫などが有名だがそれほど魅力を感じなかった。

何が良いのかなー、運河。

晴れている日にもう1度来て見てみるべきかな。

その他に名建築と言われる日本銀行小樽支店なども車で通って横目で見た。

雨が降っていたのであまり外に出たくなかった。

適当にドライブしていたら天狗山なる山があったのでそれの登山道を登ることにした。

山中は霧がかかっていて視界はかなり悪かった。

どうせ山に登ってもこの天気と霧で殆ど展望は期待できない。

だからだろうが山中の道を走っていても後続車も対向車も1台もなかった。

天狗山々中を走っていて野生のキツネが道路を横切って行くのを見て慌てて止まった。

そしたらキツネも止まってこちらを見る。

しばしキツネと睨み合い、野生のキツネなんて初めて見たかもしれない。

自然に触れた一瞬だった。

登ったは良いが天狗山、予想通りの霧で展望は全く望めず。

結局野生のキツネを見ただけにとどまった。

小樽は晴れている日にもう1度来てみたいな。

次回のお楽しみにしておこう。

 

9月7日木曜日

ようやく雨の降っていない天気だった。

前夜の晩飯時に祖父母や叔父叔母と喋ってこの日の目的地は洞爺湖にした。

洞爺湖といえば思い出されるのが有珠山。

今年の3月終わりに20数年振りの噴火をして一時は避難勧告などが出された所である。

現在ではある程度噴火活動もおさまって車の通行止めも殆どないという。

洞爺湖を一周する道があるからそれを走ることにした。

倶知安から車で1時間強、当然だが道はガラガラ。

洞爺湖付近へ行くと天気も晴れて気分良くドライブが出来た。

湖越しに洞爺湖温泉街が見えてきたらその後ろの山からはハッキリと噴煙が上がっているのが見えた。

 

1人集合写真洞爺湖を見渡せるサイロ展望台にて。
団体撮影用スペースに誰もいなかったのでたった1人で集合(?)写真。
私の後方に見えるのが洞爺湖温泉街と有珠山。
洞爺湖温泉街は少々分かりづらいが、この写真でも噴煙が確認できる。
写真では向かって右側後方、1箇所だけ極端に低い所から出ている雲のような白いもの。
それが噴煙、分かるよね?

 

晴れていたので車の窓を開けたまま走っていた。

そして洞爺湖温泉街に近づくとハッキリと硫黄の匂いを感じることが出来た。

この匂いは恐らく温泉だけではない、火山活動も影響しているだろうと思わせる匂いだった。

洞爺湖温泉街から噴煙が上がっている有珠山の一部まではすぐに行けた。

噴煙の上がっている所へ通じる道は全て通行止め。

噴煙が見える最も近いと思われる所で車を止めて外に出て噴煙を眺めてみた。

もうもうと上がる煙、そして時折ドーンという重低音と共に岩などが吹き上がるのも肉眼で確認できた。

重低音が響くと地面も揺れるのが分かる。

風も吹いていた日だったのだが風に乗ってパラパラと砂みたいなのが吹いてきた、火山灰か。

噴煙は止むことを知らずに上がりつづけていた。

立ち入り禁止の向こう側には民家らしきものも見えたがどれも火山灰を被っていて汚い。

壊れた建物なども見えて火山活動の凄さを物語る。

これは大変なものだ、自然の脅威という物を見せつけられた。

通行止めの所には町の職員が立っていたし所々で火山を観測している無人カメラもあった。

洞爺湖温泉街の土産物屋でも開いていない店があった。

まだ"現在進行形"の火山活動なのだということを感じさせられた。

私のほかにも数人の観光客らしき人がいて噴煙を眺めていた。

洞爺湖温泉街を離れて向かったのは昭和新山。

噴火と共に土地の隆起で出来あがった赤茶色をした岩肌が剥き出しとなっている活火山。

こちらも所々から噴煙が上がっている。

しかしこちらは観光地用の火山、という印象。

危険な感じは一切せず、麓にも観光客相手の土産物屋や観光施設が並んでいた。

それから車で洞爺湖湖畔を一回りする道をずーっと走った。

案の定対向車や後続車も無く、殆ど道路1人占めで走り続けられた。

所々でキャンプ場などの施設もあるのだが噴火の為か殆ど人はいない。

今ならキャンプには絶好の機会だと思うのだが、人は少ないし。

 

閑散とした洞爺湖畔
全く人がいなかった湖畔のキャンプ場付近にて。

 

湖畔を眺めながら走る道は美しい。

その美しい湖も元はといえば火山の噴火でできたカルデラ湖。

この日は自然の脅威と美しさを両方体感できた。

 

9月8日金曜日

倶知安とはこの日でお別れ。

祖父母宅を出て函館へ向かい、函館からそのまま東京へ帰ることにしていた。

9時30分に倶知安を出る列車に乗って函館へ。

長万部まで行った後で特急に乗り換えて函館へ向かうのだ。

倶知安から長万部までの函館本線は1車輛のワンマン列車で当然の如く1車線、典型的なローカル線だ。

まさに北海道の自然の中を走っているという感じだ。

11時10分頃に長万部に到着。

函館へ向かう特急が来るまでに1時間弱も時間がある。

何もない長万部のホームでただ待っていた。

ようやく来た特急はさすがに1車輛ではなくちゃんとしていた。

乗りこむと自由席もそれなりに混んでいた。

でもちゃんと座れて隣に誰も来なかったくらいの混み様。

電車内で窓から駒ケ岳らしきものを見る事が出来た。

不自然な形の雲だなと思っていたがよくみると山から出ている。

確認する術はなかったがあれが恐らく駒ケ岳だったのだろう。

北海道へ来て2度も噴煙を目撃することになるとは。

13時30分頃に函館に到着、やはりそれなりに栄えている。

とりあえず昼飯として塩ラーメンを食す、味はまぁまぁ。

ところで函館ラーメンと言ったら塩ラーメンなのだろうか?

私は北海道のラーメンと言うと旭川醤油、札幌味噌、函館塩というイメージがあったのだが。

ラーメン屋の昇りに「函館塩ラーメン」と書いてあったからそうなのかな?

昼飯を食った後は路面電車に乗り五稜郭公園を目指す。

函館駅周辺からは少し離れた所にある五稜郭公園。

でも五稜郭の周りも栄えていた。

5角形の五稜郭を見渡せる五稜郭タワーは登る為に多くの観光客が列を作っていた。

ちょうどどこかの観光ツアーとバッティングしたようで公園内も人がいっぱいだった。

現在では軍事要塞の面影も無く、大きな公園といった感じだった。

次に目指すは函館山。

再び路面電車に乗って行く。

函館山ロープウェイ乗り場が既に結構高い所にある。

そこからロープウェイ往復券1,160円を購入してロープウェイに乗る。

ロープウェイ内の人はまばら、思ったよりも速いスピードで山頂を目指す。

山頂からは函館市街が一望できるあまりにも有名な風景を見渡す。

ここから見る夜景が世界3大夜景と称される(残り2つはナポリと香港)。

有名な夜景は見られなかったが海の向こうが夕焼けでオレンジ色に染まる所は見えた。

それはそれでかなり壮観だった。

函館山を降りてあと予定していた行く所は土方歳三最期の地碑。

函館駅から歩いて10分弱の小さな公園内にひっそりとあった。

観光客の姿も勿論無くあまりにも寂し気。

でもその方が土方っぽくて良いかなとも思う。

 

土方歳三最期の地碑
土方歳三の霊でも写っていれば面白かったな(不謹慎)。

 

当初の予定では函館で一泊して翌日の飛行機で帰るつもりだった。

土方最期の地碑を見て時刻が17時30分だったのでこの日の内に帰れるのではないかと思った。

そう思い、駅へ行って飛行機の時刻表を見てみる。

函館空港から羽田空港行き飛行機の最終便が19時頃。

その飛行機がJALだったのでJALに電話をしてみて空席があるかどうかを確認する。

18時過ぎ時点で30席程の空席があるという。

それを聞いてこの日のうちに東京へ帰ることにした。

函館で一泊してもあと見るものと言えば函館山から見る夜景くらいしかない。

それならばこの日のうちに帰ればホテル代も浮く。

18時25分函館駅発の空港直通バスに乗り18時45分に函館空港へ。

もちろん航空券を買うことが出来た(14,250円)。

そして19時25分発の羽田行き飛行機で帰路に。

飛び立つ飛行機から見えた函館の夜景は美しかった。

なるほど世界3大夜景の1つと称されるだけのことはあった。

飛行機は20時50分頃に羽田に到着。

結局家に着いたのは23時となっていた。

 

 

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