千葉一周ドライブ

2000年8月28,29日

千葉一周ドライブは以前に計画していた。
高校時代の友人と1泊2日で千葉県の房総半島を車で一周しよう、と。
その計画は実行されたが私は熱を出して参加することが出来なかった。
あの時に果たせなかった計画を実行に移す時が来た。
メンバーは大学の友人2人と、私を含めて3人での千葉一周ドライブとなった。

 

8月28日 月曜日

出発予定時刻はなんと朝の5時。

8月も終わりとはいえまだ夏休み、道も混むかもしれないということを想定してのことだ。

早朝4時30分に起床。

このような時間に起きたのは随分久しぶり、我ながらよく起きられたものだ。

陽はまだ昇っていなかったが空はぼんやりと明るかった。

5時5分に東京都町田市の我が家を車で出発し、目指すは友人宅のある神奈川県川崎市。

事前に友人宅までのルートは地図を見て頭に入れておいたの道は問題なし。

と思ったのだが、あろうことか地元で道を間違えた。

正確には間違えたのではなくて行こうと思っていた道が一方通行で進入禁止だった。

しかし地元だったことも幸いしてすぐに予定していたルートに戻ることが出来た。

明け方なので道はガラガラ、スイスイ走ることが出来た。

5時30分頃に太陽が昇ってきた。

5時45分に友人宅のすぐ近くのファミリーレストラン、ガ○トに到着。

電話で友人を呼び出し、ついでにそこで朝飯を食って行くことにした。

店に入ったのが5時50分、店員に

「朝のメニューは6時からとなっております。」

と言われ、それを了解して2人とも朝のセットメニューを頼んだ。

ドリンクバーのドリンクを飲みながら今後のルートなどを地図を見ながら相談。

それから他愛のない話などでチンタラ時間を潰していた。

しばらくしてからある異変に気がつく。

どうもウチのテーブルに飯が届いていない。

明かに我々よりも遅く店に入った客に料理が出されている。

「なぁ、もしかして忘れられてるかな?」

気が付くと時間は既に我々が店内に入ってから1時間が経過していた。

「どう考えても遅すぎる、忘れられてるよ」

店員を呼び、まだ料理が来ていない旨を告げる。

一旦奥に引っ込んだ店員が再び戻ってくる。

「申し訳ありません、オーダーを取った者のミスで奥に伝わっていなかったようです。すぐにお造り致しますが…」

とのことだった。そうだろうと予想はしていたが…とりあえず不機嫌度をかなり上げた声で

「何分くらいで出来る?」

と聞いてみると店員は確認の為にまた奥へ引っ込んだ。

その間に友人と作戦タイム。

選択肢は2つ、

怒って即刻店を出るか、我慢して飯を食うか。

怒って店を出てドリンクバー分の料金をタダにするというのも魅力だった。

しかしそれをするには怒るという行為がまず疲れる。

それから怒ることで店内の客の注目も集めるし、こちらには不快感が残る。

そして何よりも我々は腹が減っていた。

結局我慢して食うという選択肢を取らざるを得なかった。

店員が戻ってきて「7,8分で出来ます」と言ったので「イイから持ってきて」と返事をした。

言った通りに8分で持ってきた。

ようやくありつけた朝飯を食い、食後のコーヒーなどを飲んでようやく店を出た。

6時50分に店に入り、7時40分に店を出た。1時間50分も店内にいた。

金を払った際にレジの店員が文句を言った店員だったので安くなるかと思ったがそんなことはなかった。

料理にもお詫びの品が乗った形跡は見られなかったし…

ガス○、しばらく来てやんないぞ。

 

7時40分に川崎市多摩区を再出発して次に目指すは千葉県市川市に住む友人宅。

その友人を拾えば今回のメンバーが揃うことになる。

多摩川沿いを走り大田区へ出た。

最初は下道で行こうかとも思ったが、大田区に入った途端に混み出した。

渋滞の為に下道で行くのを諦めて9時30分、鈴ヶ森から首都高速に乗った。

首都高でも所々詰まったりもした。

しかし湾岸線に乗ると混雑はそれほどでもなく、千鳥町で降りた。

10時40分に千葉の友人宅に到着。

銀行で金を卸したりなんだして11時に千葉県市川市を出発、正式に千葉一周のスタートとなった。

 

一昨年に単車で千葉一周をした千葉在住の友人にしばらく運転を任せた。

東関東自動車道と平行して走っている357号線、そこから14号、16号線に乗る。

357号線はそこそこ混雑したがあとは大体スムーズに走ることが出来た。

工業地帯と呼ばれる所を抜けて走る。

所々にバブル期に建てられて現在借り手がいないというビル(いわゆるバブルの塔)が見られた。

13時30分、最初に辿りついたのは富津岬という所。

富津岬の先端には妙な形の展望台があり、そこから海を望める。

対岸の神奈川県三浦半島や東京湾アクアラインも見られた。

高い所にあるので風が強く、それが潮風のためにベタベタした感があった。

砂浜では海水浴をしている客も少々。

茂みに隠れて立小便をしているガキがいたが展望台から見ると丸見えなのが面白かった。

富津岬からすぐの富津公園という所まで行って昼飯を食うことにした。

いかにも「海辺の食堂」みたいな所に入って昼飯。

隣席の客が飲んでいた生ビールがとてつもなく美味そうだった…我慢我慢。

私が注文したのは磯ラーメン700円。

塩ベースのスープに海老と貝類が豊富に入ったラーメン。

貝のダシがよく効いていてなかなかの味だった。

アサリラーメン650円を食った友人も美味かったと言っていた。

しかし醤油ラーメン500円を食った友人はマズイ、と。

値段の違いが味の差か…多分ダシの違いだろうな。

およそ1時間後、14時40分に富津を出発。

 

ここからの運転は私が受け持ち。

465号線を走り、127号線に移る。

ひたすら南下、とにかく海沿いの道を走るように心掛けた。

道もガラガラだったので綺麗な景色を見つけると車を降りて眺めたりもした。

 

逆光の逆功
ドライブ中に立ち寄った「道の駅・きょなん」(菱川師宣記念館がある所)にて。
逆光になってしまったのが逆に功をそうして良い出来になったと自己満足。
逆光の逆功…。

 

良かったのは南房総館山市の海沿いにある房総フラワーライン。

道路の両側に南国風の花が並び、右手には海が広がる。

東京の隣の県とは思えないような光景が続いた。

房総最南端の野島崎を経由してそこからは海沿いに北東へ。

その途中にもまた房総フラワーラインがある。

野島崎から少し北東に行った千倉町にある潮風王国なる所で休憩。

潮風王国は物産センターだが、芝生の広場があり太平洋の眺めも良い。

既に時刻は18時前、富津を出てから3時間ほどが経っていた。

そろそろこの夜の宿舎を探すことにする。

泊まる所など何も決めずにここまで来ていたのだ。

友人の運転で車を走らせながら私が助手席で宿探し。

持ってきた唯一のガイドブック(情報雑誌)に載っている民宿や旅館に片っ端から電話。

現在地の千倉町から近い所へかけていくことにした。

いくら8月とはいえ最後の週だし月曜日だし簡単に空き部屋があるだろうと思っていた。

しかし数件かけても満室。

宿泊案内センターみたいな所に電話してみても時刻が18時を過ぎていたので既に繋がらない。

館山市や鴨川市などでも雑誌に掲載されている所は全て満室。

しかし何軒目かにようやく空室が見つかった。

場所は天津小湊町の天津。

少し現在地からは遠かったが泊まる所が見つかっただけでも良し。

素泊り4,200円という手頃な値段も良かった。

 

およそ1時間後の19時過ぎに宿舎に到着。

埼玉県浦和市の公共宿で思ったよりも大きかった。

素晴らしいことに部屋から太平洋が望める、太平洋が目の前だ。

宿舎の庭にはプールまで付いていた。

当日の予約で見つけたにしては良すぎるほどの宿舎だった。

宿舎で少しだけ休んだ後に晩飯を食いに街へ出た。

魚を食わせそうな料理屋で「定食1,000円〜」と書いてあったのでそこに入ることにした。

さしみ定食1,680円を食す、味はまぁまぁ。

海沿いの料理屋でさしみを食っているというシチュエーションで満足だ。

ところが伝票を見てビックリ。

頼んでもいない生ビールと冷酒が記載されている。

どうやら隣のテーブルと間違えたらしい。

どうもこの日は飯関係でトラブル(?)が多い日だった。

帰りにコンビニでビールとチューハイを購入して宿舎へ戻る。

ビールとコップも冷蔵庫で冷やしおく。

風呂上りに一杯やるのだ。

そして風呂へ。

風呂内には友人1人と小学校低学年くらいのが2人、その保護者っぽいお爺ちゃんが1人。

友人は私より先に入っていたので早々に上がってしまった。

一通り体を洗って湯船に入る。

結構広い風呂でなかなか気持ち良い、と思った矢先。

バッシャーン。

ガキが飛び込みやがった、それだけならまだしもクソガキめ潜って泳ぎ始めた。

思いっきりバタ足をやりやがる。

私は湯船の隅っこの方にいたがそれでもしぶきが飛んできた。

オイオイふざけんなよ…と思った矢先。

保護者のお爺ちゃんが言った

「○●(ガキの名前)…」

注意するんだろうなと思った矢先

「爺ちゃん、先に上がってるからな」

違うだろー!!

風呂場には私とガキ2人だけ。

ガキは競うようにバシャバシャ泳いでいる。

私の頭の中ではどうやって注意しようかとそればかり考えていた。

いきなり怒鳴りつけるのは違う、泣き出したら厄介だ。

かといって諭すように言うのも何だかこっちが下手に出ているようで嫌だな。

他の人が迷惑でしょ、…って風呂場には私しかいないな

俺が迷惑なんだよ、…って横柄に言うのもどうかと思う

お兄ちゃんにしぶきがかかってるでしょ…

どう言えば良いのか迷っているうちにガキが1人先に上がってしまった。

ガキが2人いればまだ注意し易かったが、1人になったら注意しにくい。

下手してガキが泣いたら私がいじめたと思われてしまう…

色々考えていたらそのガキなんと風呂場の隅っこで小便しやがった。

それで私も戦意喪失して適度に温まって上がってしまった。

風呂を上がってから少しの後悔。

やっぱ何か注意しておけば良かった…

 

部屋に戻ってお待ちかね、酒宴の開始…と思ったら既に一人寝ていた。

しかしこの日のメインイベントと言っても良い酒宴だ、寝ている彼を起こして乾杯。

友人とドライブ初日を終え、しかも目の前は海、宿舎の環境も良し、そして風呂上り。

これでビールが不味いわけがない、かなり好条件での酒宴だ。

ベランダから外へ出てみると暗い海に潮の匂いと波の音。

かなり気分が良かった。

朝のファミレスも夜の伝票違いも風呂のクソガキもどうでも良くなるほど気分が良かった。

就寝は0時前。

布団に入ると波の音が聞こえてとても心地良かった。

朝の4時半に起きて車内でも一睡もしなかったため驚くほど早く眠りに落ちた。

 

8月29日 火曜日

8時30分起床、真っ先に障子を開けて海を見る。

綺麗だ、日の出はかなり良かったのだろうな。

前日にコンビニで買っておいたおにぎりなどで朝食を済ませる。

9時45分に宿を出て目指すは最終目的地、銚子市犬吠崎。

ひたすら海沿いを北上するのみ。

朝と言うこともあり、もちろん道は空いている。

九十九里有料道路を走ったがこれがガラ空き。

対向車は数台、同じ車線にいたのも2,3台しか見かけずそのどれもが途中で出ていった。

ほとんど貸し切り状態で九十九里有料道路は走りぬけた。

右手にはずーっと九十九里浜、気持ち良かった。

せっかくなので九十九里浜で1度休憩を取ってから出発。

どこを走っても道は空いている。

しかしあまり広くない道が多く、地元通行人が結構いてそれが恐い。

おじいさん、おばあさんの自転車が1番恐い。

そんな中を走り12時45分、銚子市犬吠崎に到着。

これまで散々海を見てきたのにやはり最終目的地ということで感慨もひとしお。

それと同時に終わっちまったなという一抹の寂しさも。

 

全海! 
180度、海

 

昼飯は犬吠崎にある料理屋で。

食ったのは鰯づくし定食1,260円、これが美味かった。

料理としてはこの旅で1番の味だった。

鰯の刺身、煮、酢漬け、ツミレ入り吸い物に焼き鰯。

特に焼き鰯が良かった、美味い焼き魚食ったなー。

余談になるがもっとオイシかったのは私の友人。

鰯丼1,050円を食った。

お会計で細かいのがなくて10,000円札を出した。

そこで貰ったお釣りが何故か9,950円だった。

レジが間違えて1,000円多くお釣りを渡していたのだ。

50円で鰯丼を食ったことになる、これはオイシイ。

犬吠崎を出たのは13時40分、あとは帰路だ。

利根川沿い356号線を走り少し北西へ向かう。

下で行こうかとの意見もあったが結局高速を使うことにし、佐原香取から東関東自動車道に乗った。

高速に乗ってしまえば道はガラガラで100kを維持して走り続けることが出来た。

成田を過ぎてからは目に見えて車の両が多くなった。

やはり日本の空の玄関口、まぁ車の量は増えても混雑することは無かった。

さすがに東関東自動車道の終点だと混みそうだったので1つ前のインターで降りた。

しかしそれでも友人宅(首都高速千鳥町付近)は渋滞していた。

千葉の友人宅前に着いたのは16時30分すぎ。

これでメンバーの1人が無事生還。

私ともう1人はまだドライブが続く。

時間の余裕もあったので下道でずっと行くことにした。

お台場を下道で初めて通って下道でもレインボーブリッジを渡れることを知った。

但し、下道らしくレインボーブリッジの下を通らされたが(首都高ならば上を走ることが出来る)。

道は案の定混んでいたが夕方の時間帯だったら首都高に乗ってもそれほど変わらなかったかな。

川崎の友人宅に着いたのは19時45分、だいぶ時間かかったな。

友人宅の近くのラーメン屋でラーメンを食ってから友人とお別れ。

とうとう私1人になった。

私が無事に生還すれば今回の千葉一周は成功に終わる。

ドライブ中に冗談で

「よく夏休み中になると交通事故の新聞記事を目にするよなー、"大学生2人死亡・1人重体"とかって。それにならないようにしないとなー。」

と笑っていた。どうやらその冗談は冗談のままで済んでくれたようだ。

結局大した問題も無く、21時10分に私も無事帰宅。

これにて1泊2日の千葉一周は幕を閉じた。

 

初日のドライブで房総の半分以上を越えてしまったために2日目は少々単調だった。

見所と言ったら九十九里と犬吠崎くらいだったし。

やはり内房から房総南端あたりが1番走り甲斐があった。

様々な花や南国ヤシの木がたくさん並んでいて。

海岸沿いから内陸部へ入れば自然もいっぱいあって面白かったかもしれない。

今回の我々の旅行はあくまでも海岸沿いを走ることが目的だったけど。

でも千葉なら近いし気軽に行けて良いかもしれない。

文中にも書いたが、東京の隣県にこんな所もあるのだと再認識させられる。

 

千葉図
富津岬から海沿いを白浜経由で千倉まで走った辺りが1番良かった。

 

走行距離は500kmを優に越えた。

金額

朝食…500円
首都高速…700円(÷2)
ガソリン…2,400円(÷3)
昼飯…700円
晩飯…1,680円
酒等コンビニ…1,100円

宿泊費…4,200円
九十九里有料道路…410円(÷3)
昼飯…1,260円
東関東自動車道…1,750円(÷3)
ガソリン…3,500円(÷3)

1人当たり合計約12,500円

 

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