黒板 五郎(田中 邦衛)
昭和9年10月5日、空知郡下富良野町麓郷で黒板兵吉、かやの5男として生まれる。23歳の時、東京に出る。27歳の時、美容師の宮前令子と知り合い、周囲の反対を押し切って結婚する。昭和47年1月、長男、純 誕生。翌48年、長女 蛍 誕生。昭和55年10月、純と蛍を連れて、富良野に帰る。

連続ドラマ
妻の不倫を知った五郎は令子と別れる決心をし、純と蛍を連れて富良野に戻ってくる。しかし彼らを待っていたのは電気もガスも水道もないボロボロの廃屋。親友の中畑の助けをかりながら、廃屋を
手直し手して行く。純はそのような暮らしについていけず、東京に戻ろうと画作する。なんとか思いとどまった純であったが、五郎に嫌われていると思い悩む。五郎はなんとか水道を開通させようと、沢から水を引くパイプ施設作業に取り組んでいた。そして大晦日の晩にやっと水が通り、父親の面目を保つ。
 風力発電の計画をねっていた五郎を喜ばそうと雪子と純は町までバッテリーを取りに行くがその帰り吹雪にあい、吹き溜まりに突っ込み、からくも杵次の馬に発見され、九死に一生を得る。五郎は杵次に御礼に行くが「人一人の値段はそんなものか」と言われひどく傷つく。そんな大切にしていた馬を売った晩、杵次は酔っ払って川に転落して死んでしまう。正吉はだまって転校していってしまう。
 五郎は空知川の筏くだりで知り合ったこごみに惚れこみ、何かと誘うようになる。純と蛍は五郎と雪子が結婚してくれたらと思っていた。丸太小屋の組み立てが始まった。そこにもこごみが現れ、純は
嫌悪感をあらわにする。そんな時、令子がなくなったと言う知らせが入る。雪子と純、蛍を先に東京に送りだし、五郎は夜行で東京に向かう。誰もいない居間で一人泣く五郎。純はそれを見つけて初めて五郎の気持ちがわかったような気がした。
 やがて五郎の丸太小屋は完成する。新しい生活に向かって心を新たにする、黒板家の面々であった。

’83 冬
正吉が家出したという知らせが入る。初詣の神社で正吉を発見した五郎は正吉を預かることになった。そんな時、借金取りが五郎を訪れる。みどりが借りた700万円の連帯保証人になっていたのである。みどりが失踪した。五郎はその怒りを正吉にぶつける。正吉は五郎のために自分で出きる事をしようと屋根の雪降ろしをするが、転落して九死に一生を得る。
 昔、豆で大もうけした松吉が富良野に戻ってくる。松吉は「自分の山を売ればいい」と言うが、山はもうとっくに人手に渡っていた。昔の栄光を夢見て呆けた事を言うばかりであった。借金の方は仲間達の奔走で事無きを得た。

’84 夏
五郎が出稼ぎ先の東京から富良野に帰ってくると五郎の丸太小屋が燃えているとの知らせが入る。
大急ぎで家に戻ると、消化作業の真っ最中であった。原因は純の濡れたセーターがストーブの火に燃え移ったためであった。純は言い逃れする事ばかり考えていた。結局は正吉が自分の不注意だったと言い張ったため、正吉の責任になってしまった。その後、正吉は母親と住むことになり、富良野を去って行った。

’87 初恋
五郎は純が大里の家に入り浸りになっているのが気に入らなかった。大里は農家仲間の嫌われ者であった。ある晩、れいが純をたずねてくるが、酔っていた五郎はれいに、ひどいことを言ってしまう。純は怒り、五郎には内緒で、中学を卒業したら、東京に出る事を考えていた。五郎の誕生日にかねてから制作していた純の風力発電が完成する。五郎を喜ばせようとしていた純であったが、五郎は純の東京行きを耳にし、自分だけがかやの外だった事に怒り、純を責める。草太のとりなしで家に戻った純であったが、父への失望感をあらわにする。
 クリスマスイブに大里の家を訪れた純達は、夜逃げ同然で引っ越して行った大里を知る。呆然とする村人達。大里は霜が例年よりもはやく来たため、豆が全滅してしまったのである。豆を助けようと作業している時、誤って、妻を車で引いてしまい、死なせていた。そんなことが重なり、大里は富良野を捨てて出ていった。
 純の進学が決まる。しかし、れいのいない東京には行きたくなかった。しかし、蛍の一言で純は東京に行く決心をする。

’89 帰郷
五郎は新しい丸太小屋を作るため、丸太の皮むきをしていた。そんな時に純が東京で傷害事件を起こして富良野に戻ってくる。傷ついた純を富良野の人達は暖かく迎えてくれた。一方、蛍は旭川の病院に向かう列車で一緒になる、和久井勇次に好意を寄せていた。それを知った五郎と純は途中の駅から列車に乗りこみ、蛍を驚かせてやろうとするが、乗っていたのは蛍だけであった。
 純は富良野で五郎と一緒に暮らしたいと言うが、五郎は拒否する。そんな純は蛍が偶然聞いたラジオのリクエスト番組でれいが札幌にいる事を知る。れいのページ

’92 巣立ち
ある日、五郎は雪子から、「富良野に行きたいので泊めてください」という手紙をもらう。喜ぶ五郎。ちょうどへそ祭りの日と重なるので、蛍に帰ってくるよう電話する。やがて雪子が息子の大介を連れて富良野にやってくる。雪子は夫の井関とうまくいっていない様子であった。へそ祭りの晩、蛍が帰ってきた。雪子を見送り、蛍を連れて家に帰ろうとすると、蛍は旭川に帰ると言って、五郎の家には来なかった。偶然、一緒になった正吉を連れて五郎は家に帰った。
 一方、純は東京で知り合った、タマコを妊娠させてしまい、その後始末で五郎は東京に出てくる。
タマコの叔父に「誠意とはなんだ」と問われ、せっかく皮をむいた丸太を手放し、100万円をタマコの叔父に送る。
 五郎は正月までに大きな風呂を作りたいと、みんなにあきれられながらも井戸を掘る。大晦日の晩、ひさしぶりに純と蛍が帰ってくる。純が蛍を迎えに行っている間に二人を驚かそうと五郎は一人で風呂を沸かしに山に行く。露天風呂の屋根の雪降ろしをしていた五郎は足を滑らせ転落、丸太の下敷きになってしまう。どうもがいても丸太はびくともしない。吹雪はひどくなってくる。もうだめだと観念した五郎の前に、令子の姿が見えてくる。令子は五郎に「巣を守って」と励ます。大工の棟梁金次の機転で五郎は九死に一生を得る。富良野に戻ると言う蛍に純はやさしく諭す、「今度はお前の番だ、俺、決めたんだ。富良野に帰る事に」「東京にはもう俺、未練ないんだ」

’95 秘密
 五郎は、一緒に住もうという純の言葉を無視して、石の家に一人で住んでいた。ある日、純がシュウを連れて五郎を訪ねてくる。シュウを気に入った五郎は娘のようにシュウに接する。そんなある日、蛍の病院の婦長、黒木が五郎を尋ねてくる。黒木の夫と蛍が駆け落ちをしたと知らされる。ショックを受けた五郎は、純と共に根室の蛍を訪れる。蛍は二人に「とってもやさしくしてもらっている」と告げる。別れ際五郎は蛍に向かって叫ぶ「蛍!いつでも富良野に帰ってくるんだぞ」こらえきれずに泣き出す蛍。家族の太い絆に感動する一瞬であった。
 一方、純の方も、シュウとの関係がギクシャクしてきた。昔、シュウがアダルトビデオに出演した事を、ひょんなことから純が知ってしまったからであった。なんとかこだわりを捨てようとしたがどうしても捨てられない純。そんな純を見ていた五郎は強引に純をシュウが待つ北時計につれて行く。
シュウのページ

’98 時代
 五郎は相変わらず一人で石の家に住んでいた。ある日、純、蛍、正吉が訪ねてくる。思わぬ正吉からの申し出。「蛍さんをください・・・」はらはらして見ている純。それを尻目に大喜びする五郎。蛍の妊娠を知ってビックリするやら、喜ぶやら・・・父親としてこれだけ喜びをストレートに表現できる五郎さんはスゴイと思った。五郎の子供達に対するこまやかな思いは随所に発揮される。純とシュウの仲を心配して上砂川のシュウの元を訪ねたり、草太の死に、落ちこんでいる純をみて、そっとシュウに電話をかけ、呼び寄せたりと。また、蛍の子供の父親は正吉ではないだろうと思いながらもそぶりも出さない。本当に暖かい五郎さんである。
 結婚式の2次会で酔いつぶれた五郎さん。娘を思う父親の姿に思わず涙が出てきた。はたから見るとだらしない父親かもしれないが、本当の家族愛を見たような気がした。
 いつまでも続いて欲しいドラマのひとつである。