win95時代のセットアップディスクの作り方

WIN95時代のMS−DOS

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起動ディスクを作る


  1. MS−DOS起動ディスクが必要?
  2. CONFIG.SYS?
  3. AUTOEXEC.BAT?
  4. CD−ROMのドライバ?
  5. MS-DOS起動ディスクの作り方
  6. CD-ROMドライバの組込み(ATAPI編)
  7. CD-ROMドライバの組込み(SCSII編)
  8. 起動してみよう
  9. 参考:オプション設定

1:MS−DOS起動ディスクが必要か?

 Windowsの登場によってDOSのコマンドを使う人が減ってしまいました。斯く言う私も95からの人でDOSはわかりません。しかし悲しいかなどうしてもコマンドを打たなければならない事態は発生します。SCSIのCD-ROMを使ってしまった苦い経験からこのページを作成することにしました。
 ここではDOS上でCD―ROMを認識させるための起動ディスクの作成法を書きます。

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2:CONFIG.SYS?

CONFIG.SYSは一般に「コンフィグ.シス」と呼ばれます。今では飾りのようになっていますが、重要なファイルです。
CONFIG.SYSの説明の前に電源投入後のパソコンの動作手順を紹介しましょう。

1VIDEO-BIOSを起動 ビデオカードにもBIOSが搭載されており起動時には必ず最初に読み込まれます。電源投入時はモニタが完全に通電していないので見にくいですが、再起動時などはチップの番号やバージョンが表示されるのがチラッと見えるはずです。
2MAINBOARD(M/B)-BIOSを起動 普通、単にBIOSといって、マザーボードに載っているBIOSを挿す事が多い。キーボードやマウスなどの基本的なデバイスを管理している。
3BIOSによるデバイスの走査 HDディスク、CD−ROMなどの物理的認識はここで行われる。(小技)デバイスの走査がAUTOになっているよりも、決まったデバイスを割り当てておくと起動が少しだけ早い。
4起動デバイスのMBR(MasterBootRecode)の読出 MBRはディスクの構成が記録されており、もっとも重要な場所である
5MBRで指定されたドライブにあるOSを起動 MS−DOSや初期のWindowsではCOMMAND.COMが実行されます。
6COMMAND.COMは同一ディレクトリ上のCONFIG.SYSを実行
7AUTOEXEC.BATを実行
では次にCONFIG.SYSで何が実行されているかといいますと、

1メモリ管理の拡張 一般に HIMEM.SYSやEMM386などが当たります。この機能はWindows95上では不要なものですが、DOS全盛時代には必須なドライバでした。
2日本語文字を表示可能にする もともとは英語だったDOSをソフトウェアによって日本語表示可能にします。
3日本語入力を可能にする 表示と共に日本語の入力もソフトウェアによって実現しています。
4デバイスを使用可能にする ここで、CD-ROMなどのデバイスを認識させます。

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3:AUTOEXEC.BAT?

AUTOEXEC.BATは一般に「オートエクゼック・バッチ」と呼ばれます。
名前の通り自動実行コマンドの集合です。自動で実行させたいファイルを記述してあるだけのファイルです。
詳しい説明は細かいので省きます。

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4:CD-ROMのドライバ?

 PC/AT互換機は MS-DOS上でCD-ROMを認識させるにはドライバが必要です。ここでCD-ROMと言っても2種類の接続方法があります。
  1. ATAPI(EIDE) - CDROMドライブメーカーが提供するATAPI-CDROMドライバが必要
  2. SCSI - SCSIホストアダプタメーカーが提供するドライバが必要
 ドライバの提供元が異なるので注意が必要です。CONFIGの記述例を以下に表示します。

---------------------------------------------
ATAPI-CDROMの場合のCONFIG.SYS記述例
---------------------------------------------
REM [CD-ROM Drive]
DEVICE=hitachi.sys /D:MSCD001 ←これがCD-ROMドライバ

---------------------------------------------
SCSI-CDROMの場合のCONFIG.SYS記述例
---------------------------------------------
REM [ASPI Driver]
DEVICE=ASPI8DOS.SYS ←これが ASPIドライバ(AHA2940U用)
DEVICE=ASPICD.SYS /D:MSCD001 ←これがASPI-CDROMドライバ

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5:MS-DOS起動ディスクの作り方

 まず、フォーマット済みのFDを用意します。( FORMAT A: /S (Enter) またはその他の方法で作成)
C:\WINDOWS もしくは C:\WINDOWS\COMMANDの中の以下のファイルをFDにコピーします。
ここでは必要最低限のconfigを作って見ましょう。

*-*-*-*-*-* config.sys *-*-*-*-*-*-*-*
DEVICE=HIMEM.SYS
DOS=HIGH,UMB
DEVICEHIGH=BILING.SYS
DEVICEHIGH=JFONT.SYS /MSG=OFF
DEVICEHIGH=JDISP.SYS /HS=LC
DEVICEHIGH=JKEYB.SYS
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

これを CONFIG.SYS というファイル名でFDに保存します。
同じように AUTOEXEC.BAT も作成してFDに保存してください

*-*-*-*-*-* autoexec.bat *-*-*-*-*-*-*
MSCDEX /D:MSCD001
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

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6:CD-ROMドライバの組込み(ATAPI編)

さて本題のCD-ROMドライバを組込んでみましょう

 まず、ATAPIのCD-ROMのドライバの入手方法ですが、
  1. メーカーのホームページからダウンロードする
  2. パソコンメーカー付属の起動ディスクに付いている
  3. CD-ROMメーカーのドライバディスクが付いている

 お薦めはCD-ROMの型番を調べてドライバをダウンロードする事です。
 CD-ROMでのドライバ更新頻度は低いですが最新のものを使ったほうが良いでしょう。ディスクについている場合はドライバを探す必要があります。
 例にあげるMitsumiのドライバは98年11月が最新になっています(2000年1月現在)。マニュアルや不具合の解消プログラムを掲載しているサイトもありますので、一度チェックすることをお薦めします。

-----------------------------------
ATAPI-CDROMの場合のCONFIG.SYS記述例
Mitsumi CD-ROMを使用した場合
-----------------------------------
REM [CD-ROM Drive]
DEVICE=MTMCDAI.SYS /D:MSCD001

-----------------------------------
ATAPI-CDROMのAUTOEXEC.BAT 例
-----------------------------------
MSCDEX /D:MSCD001

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7:CD-ROMドライバの組込み(SCSI編)

 SCSIのCD-ROMを認識させるにはSCSIカードに付属するドライバが必要です。
 まず、SCSIのCD-ROMのドライバの入手方法ですが、
  1. メーカーのホームページからダウンロードする
  2. メーカー付属のドライバディスクに付いている

 Adapetc社のAHA-2940系ではDOSドライバが付属していない場合が多く、ホームページからダウンロードしなければなりません。
 実際につかうドライバは、DOS用のもので、普通「DOS」というフォルダに入っています。このDOSフォルダにある、APSI、ASPICDドライバを起動ディスクにコピーします。
 ASPI,ASPICDドライバはそれぞれ環境に合ったものを探しください。
次にCONFIG.SYSの実際の記述方法を紹介します。
メモ帳などを使って先ほど作成したフロッピーにあるCONFIG.SYSに追記してください。

-------------------------------------------------
Adaptec AHA-2940U/UWの場合のCONFIG.SYS記述例
-------------------------------------------------
DEVICE=ASPI8DOS.SYS
DEVICE=ASPICD.SYS /D:MSCD1

基本的に
DEVICE=ASPIドライバ
DEVICE=ASPICDドライバ
という形になります。また、
ASPIドライバ名は「ASPI***.SYS」
ASPI-CDドライバは「xxxxCD.sys」
という名づけ方が多いようです。もちろん全く違う名前の場合もあります。

adaptec社のASPIマネージャと対応アダプタを参考資料として掲載します。

ASPIドライバ名バスホストアダプタ
SCSIコントローラ
ASPI8DOS.SYS PCIバス AHA-2910A/2910B
AHA-2930A/2930B
AHA-2940/2940AU/2940W/2940U/2940UW
AHA-2944W/2944UW
AHA-3940/3940U/3940W/3940UW
AVA-2904, AVA-2902E/I
AIC-7850/7855/7860/7870/7880ベースのSCSIホストアダプタ
ASPI7DOS.SYS EISAバス AHA-1740/1742/1744 AHA-1740A/1742A AHA-2740/2742/2740T/2742T
AHA-2740A/2742A/2740AT/2742AT
AHA-2740W/2742W
AIC-7770ベースのSCSIホストアダプタ
AHA-2840VL/2842VL
AHA-2840A/2842A
VLバス AHA-2825
AHA-2840VL/2842VL
AHA-2840A/2842A
ASPI4DOS.SYS ISAバス AHA-1540B/1542B
AHA-1540C/1542C
AHA-1540CF/1542CF
AHA-1540CP/1542CP
AHA-1640
ASPI2DOS.SYS ISAバス AVA-1502P/1502AP
AVA-1505
AVA-1515
AHA-1510/1520/1522
AHA-1510A/1520A/1522A
AHA-1510B/1520B/1522B
AHA-1530P/1532P
AVA-1502AE/AI,1505AE/AI,1505AES
AIC-6260/6360/6370 BASED SCSI host adapters
MCAM18XX.SYS PCIバス AVA-2920/2920A
ASPIEDOS.SYS - AVA-1740/1742/1744(拡張モードのみ)
ASPI2930.SYS - AVA-2930

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8:起動させてみる

実際に起動させてみましょう。
FDを入れてパソコンを再起動すれば、フロッピーから起動するはずです。

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9:参考:オプション設定

 ドライバに付けるオプション(スイッチとも言う)を少し解説してみます。

EIDE(ATAPI)の場合
DEVICE=MTMCDAI.SYS /D:CDROM
SCSIの場合
DEVICE=ASPICD.SYS /D:CDROM

それぞれを解説すると、

最後のニックネーム部分は必ず記述が必要です。このニックネームに従って AUTOEXEC.BATにあるMSCDEXドライバが システム上で認識されたCD-ROMを探します。
ニックネーム部分は自由に好きなニックネームを付けられます(最大8文字)

上記例の /D:CDROMとした場合は、
MSCDEX /D:CDROM

となります。
これ以外にも好きな名前、例えば下記のように記述してもOKです。
CONFIG.SYSで
DEVICE=MTMCDAI.SYS /D:MITUMICD
AUTOEXEC.BATで
MSCDEX /D:MITUMICD


●ドライブ名を自由に割り当てる


 基本的に、CD-ROMドライブはHDやMO/ZIPドライブなどの後にドライブ名が割り当てられます。HDを増設したりMOを接続したりするとCD-ROMドライブのドライブ名がズレてしまいます。 これを回避する方法として、CD-ROMドライブに任意のドライブ名を割り当てる事が可能です。

 アプリケーションの中には、インストールしたCD-ROMドライブ名を記憶していて、ドライブ名が 変わってしまうと起動できないものがあります。こういう場合にはCD-ROMドライブ名をアルファベット後半の文字に置き換えたほうが便利です。
 実際の手順は下記のようになります。
CONFIG.SYSの最後の行に次の1行を追加します
LASTDRIVE=Z

これにはDEVICE=は付けなくてもOKです。
そして AUTOEXEC.BAT内の MSCDEXにオプションを付加します。
MSCDEX /D:CDROM /L:Z

ここではCDを Zドライブ に割り当てました。
Zは一番最後のドライブ名ですから可変しません。


●古いSCSI-CDROMをアダプテックSCSIカードで認識させる


 SCSI-CDROMの中には、DOSでは認識できない物も存在しますが、等倍速や倍速、3倍速、4倍速のSCSI-CDROMで、 アダプテックのSCSIボードを使っていれば、以下のオプションを付け加える事で 認識できるようになります。
ASPICD.SYS /D:CDROM /TYPE:(Vender名)

 Vender:{ CHINON, DENON, HITACHI, IMS, NEC, PANASONIC, SONY, TEXEL, TOSHIBA}

4倍速以上のCDROMはSCSI-2に準拠している為、このオプションを使う必要はありません。

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