新・闘わないプログラマ No.407

快適な執筆環境(「電車の中」編)


家の中での原稿はあれこれと誘惑が多くて、実はあまり効率的ではありません。ちょっと行き詰ると、インターネットであれこれ遊んでみたり、家の中をうろうろしたり、ベッドに寝転んだり(で、そのまま寝ちゃったり)、食べたり飲んだり、そんな感じで、朝からずっと「執筆中」だったはずなのに、気づいてみれば外はもう真っ暗、でも原稿はさっぱり進まず、なんてこともよくあったりするわけです。いや、まったく自慢にもなりませんが。
その点、電車の中というのは逃げ場がないせいか、案外執筆が進みます。私がいままで書いた原稿の2〜3割は電車の中で書かれたものじゃないかな、と思います。2〜3割というのは少ないように思えるかも知れませんが、そもそも電車に乗っている時間自体の割合がそれほど多くないわけで、しかも座れなければノートPCを広げることも不可能なわけで、そういう意味では結構な割合を電車の中で書いていると言えるのではないか、と思います。

さて、電車の中で原稿を書くにあたって大切なこと。まずはノートPCを持っていること。まさか今どき原稿用紙にペンで……なんてわけには行きませんし、だいたい電車の中で原稿用紙に手書きで原稿など書けるものなんでしょうか。少なくとも私には無理です。
そういえば、最近は電車の中でノートPCを広げている人もそれなりに見るようになりましたが、私が初めて持ち運び可能なノートPCを買った8年以上前には、そんな人は皆無でした。当時はかなり奇異な目で見られたこともありましたね。今はもうだれもそんなことを気にしてないので、広げやすくなりました。
私が見た範囲で、電車内でよく見かけるノートPCは、IBM、松下、Sony(一応アルファベット順)でしょうか。私は以前IBMのを使っていて、今使っているのが松下のやつです。使い始めてからちょうど3年が過ぎて、私の個人的な基準としては「ノートPCは3年で交換」ということにしていまして、そろそろ新しいやつにする予定です。
ところで、電車の中でノートPCを広げるためには、当然のことながら座らなければいけません。この点に関しては、私はそこそこ恵まれているほうかな、と思います。まったく座れないような電車ばかり乗っているわけでもなく、それなりに選べば座って1時間近く執筆に専念することも可能です。座って執筆するために、込んでいる急行を見送って、空いている各駅停車に乗る、なんてこともあります。
でもって、隣はできればきれーなおねーさんという方向で(以下略)。いやでも、少なくとも横幅がある方が隣に座られるよりは……。先日など、私の正面の左1/3は、隣に座った横幅のある方の身体が覆いかぶさっておりまして、こうなるとノートPCを使うことは非常に困難だったりするわけです。

電車内執筆環境における、家との最も大きな違いは、インターネット接続が(簡単には)できない、ということではないでしょうか。これによって「原稿書いているはずだったのに、ついついインターネットで遊んでしまう」ということを避けることができます。でもこれは、つくばエクスプレスで始まったように車内無線LAN環境が整備されて、電車内でインターネット接続が容易になってしまったりすると、違いは無くなってしまうかも知れません。
もちろん、インターネットで調べ物をしながら原稿書き、というように本来ならばインターネット接続環境があるのは便利なことのはずなのですが、現実には、書くのに行き詰るとついつい現実逃避をしてしまうわけで……いや、そんなのは私だけなのかも知れませんが。
最低限必要な辞書・事典類などは、インターネットに接続しなくてもいいようにノートPCのハードディスクに入れていて、電車内でも執筆はまあできない環境ではありません。ただ、こんなのをいろいろと入れているものですから、ハードディスクの容量が厳しい状態になっていて、それもノートPCを買い換えざるを得ない理由の一つになってしまっています。今どきのノートPCは再インストールや長期保障の面で、昔みたいにハードディスクの換装がやりづらいというのもあります(←単なる新しいPCが欲しい言い訳かも)。

話はがらっと変わりますが、鉄道車両の座席には、進行方向に平行に座席が並んでいるタイプ(ロングシート、通勤電車によくあるタイプ)と、進行方向と直角に座席が並んでいるタイプ(クロスシート、ボックスシート、長距離列車によくあるタイプ)があります。普段通勤等で乗っている車両は、圧倒的にロングシートが多いわけで、いつもはこれに座ってノートPCを広げています。
で、実はいま現在、某所に行った帰りなのですが、珍しくクロスシートに座ってノートパソコンを広げております。普通に考えたら、クロスシートの方がノートパソコン使用環境としては優れていそうなものです。目の前を人が通ることもありませんし、テーブルもありますし。
しかし、慣れとは恐ろしいものです。普段ロングシートでノートPCを使っているせいか、それではまったく何ともない私も、クロスシートでノートPCを使ったら……思い切り酔ってしまいました。
快適な電車内執筆環境の構築には、まだまだ程遠いようです。

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